結婚式と言えば、結婚式場のチャペルでウェディングドレス、というスタイルをイメージする人が多いでしょう。日本では皇室の結婚式で着用されたローブ・デコルテ姿に憧れる女性が多かったことから、ウェディングドレスでの挙式が普及したと言われています。
しかし、ウェディングドレスでの結婚式が一般になっても和装には魅力があるため、和装での結婚式にこだわる新郎新婦も増えています。
ここでは和装での結婚式の3つの魅力を紹介します。
現代ではウェディングドレスが結婚式衣装として選ばれますが、年配の方には和装が好まれやすく、伝統的だと喜ばれるでしょう。年配の方の中には、結婚式と言ってもドレスはあまり馴染みがないという方もいます。
日本では古くから和装の文化であったことから、和装は日本ならではの花嫁衣装と言えるでしょう。
和装の結婚式では、日本ならではの伝統にのっとった、おめでたい吉祥文様の花嫁衣装を身に着けられます。また、過去に父や母が着用していた着物をお直しして花嫁衣装にする、といったようなことも可能です。
結婚式での和装には、マタニティでもお腹が目立ちにくいという魅力があります。ウェディングドレスは体の線がよく見えるため、どうしてもお腹部分が目立ってしまうことがあります。場合によっては、サイズを直す必要もあります。
しかし、和装でゆとりを持ったサイズを選んでいれば、多少お腹が出ていても対処しやすく、目立ちにくいでしょう。
和装ができる結婚式は3種類、「人前式」と「神前式」、そして「仏前式」です。
それぞれの結婚式がどのような式なのか、どんな違いがあるのか、それぞれの結婚式について詳しく紹介していきます。和装でどの結婚式にするのか選ぶ際に、参考にしてみてください。
「人前式」は、ゲストである列席者たちに結婚の誓いの証人になってもらうという結婚式で、教会式や神前式といった式の伝統スタイルにとらわれず、個性ある式を挙げたい人向けの結婚式となっています。
和装で人前式をすることには、どんな場所でも結婚式を挙げられることと、新郎新婦の希望に沿った結婚式にできるというメリットがあります。
しかし、人前式は年配の方には馴染みがなく、場所によっては和装が似合わない場合もあるというデメリットも存在します。
「神前式」は神社で行う結婚式で、神様に結婚を誓う日本の伝統を生かした結婚式となっています。
神前式は基本的には家族・親族がゲストとして列席し、家同士の繋がりを大切にする形の結婚式となっています。会場に余裕があれば、家族・親族以外の列席も問題ないでしょう。
和装がよく似合う結婚式で伝統的というメリットがありますが、一般の神社を貸し切る形でするとなると、会場費用が少し高めになるデメリットがあります。
日本で伝統的な結婚式の形というと、ご先祖様に2人が結婚したことを報告する「仏前式」になります。
仏前式は基本的に小さな規模で、比較的に安価で行えるというメリットがありますが、年配の方だけでなく、多くの方にとって馴染みがない場合があります。
現在では仏前式を選ぶ新郎新婦は少ない傾向にありますが、最近では有名人が何組か仏前式で結婚式を挙げています。
和装結婚式にかかる費用は、基本的にウェディングドレスの場合とあまり変わらない費用になることが多いでしょう。
和装でもウェディングドレスでも、会場や式場費用は変わらない場合があり、衣装にかかる費用も、目安として和装がおよそ40万円に対して、ウェディングドレスでおよそ50万円とあまり差がありません。
ただし、和装の場合、ヘアメイクや着つけ代がかかることから、多少費用が増すことがあるでしょう。
ここからは、和装での結婚式で気をつけること3つを紹介していきます。和装での結婚式ならではの気をつけるべきことや、和装の結婚式で選ばれやすい会場にまつわる注意点などについて解説します。
和装での結婚式では神前式が選ばれることが多く、一般の神社が会場になることもありますが、季節を考えないとゲストにとって大変な結婚式になってしまう場合があります。
一般の神社やお寺を結婚式場に選んだ場合、式場のように空調が整っていないことが多いでしょう。真夏や真冬という暑さ・寒さのきつい季節を選んでしまうと、それだけゲストには暑さ・寒さ対策をしてもらう必要があります。
和装での結婚式では、椅子に座る際にも帯に気をつけて、背もたれにもたれかからないようにする必要があるでしょう。
基本的に和装では結婚式に限らず、椅子の背もたれにもたれかからない方が良いとされています。これは、背中側にある帯が背もたれにもたれることで、潰れてしまうためです。
結婚式では華やかな帯結びや変わり結びにしていることが多いため、注意しておきましょう。
和装での結婚式で一般の神社を式場として選んだ場合、その神社のバリアフリーはどうなっているのか、段差の有無を確認しておくと良いでしょう。
一般の神社は結婚式場とは違い、バリアフリーがそれほど整っていない可能性があります。階段や段差があると、年配のゲストの方に大変な思いをさせてしまうこともあるでしょう。
結婚式場候補として一般の神社やお寺などを選ぶ場合には、会場に段差があるかどうか、バリアフリーについて確認してください。
結婚式での和装というと「白無垢」が有名ですが、それ以外にも「色打掛」や「引き振袖」、「振袖」などの種類があります。結婚式の和装の選び方のポイントとしては、何を重視して選ぶのかが大切でしょう。
白無垢は格式が高いと言われているのに対して、伝統的な花嫁衣装としては引き振袖、それも黒の引き振袖(黒引き)と言われています。華やかな衣装ならば、色打掛といったように様々です。
和装の結婚式で着られる花嫁衣装には多くの種類があり、それぞれの和装には伝統や由来、特徴などがあります。結婚式でどのような和装を選んだら良いのか分からない場合は、ぜひ参考にしてみてください。
和装の結婚式の花嫁衣装と聞いて、まず思い浮かべるのが「白無垢」です。花嫁衣装の中でも、格式が高い衣装と言われています。
白無垢の衣装は、その名前にふさわしく真っ白です。何にも染まっていない無垢な白を表しています。白一色なため、一見するとどれも同じように見えてしまう場合もありますが、細かい刺繍や素材が異なります。小物で工夫すると個性が出せるでしょう。
「振袖」というと、結婚式というよりも成人式に着る印象のある人が多いのではないでしょうか。ただし、花嫁衣裳としての振袖には、主に3つの種類があります。
振袖とひと口に言っても、それぞれの振袖によって与える印象は変わります。どのような振袖が結婚式に向いているのか、見ていきましょう。
「本振袖」は大振袖とも呼ばれる、振袖の中で格式高い和装です。おはしょりを作らず、裾を長く引いたスタイルの振袖となっています。裾を引きずる形については打掛と似ています。
「黒引き振袖」とは単に黒引きとも呼ばれ、黒をベースにした大振袖を指します。歴史ドラマの中で黒い花嫁衣装が出てきたら、黒引き振袖の可能性が高いでしょう。
白無垢ほどの格式ではありませんが、振袖の中でも格式は高く、花嫁衣装としての歴史も長い衣装です。黒をベースとした引き振袖のため、落ち着いた雰囲気に見えるのが特徴です。
「中振袖」は、成人式で女性が着ている振袖のことを指します。袖丈の長さは約100cmと比較的長く、成人式だけでなく結婚式や新年でも着ることができます。
中振袖は結婚式で花嫁が着るには不向きではないかと考える方もいますが、着用する機会や着こなしに配慮すれば花嫁衣装にもなります。
正式ではないため神前式には不向きとされますが、人前式ならカジュアル感を演出できるでしょう。前撮りやお色直し、二次会などでの着用もおすすめです。
色鮮やかで刺繍も美しい「色打掛(いろうちかけ)」は、日常ではあまり見かける機会は少ないですが、江戸時代の大奥を舞台にしたドラマなどで目にすることがあるでしょう。
和装の中でも華やかさを誇り、格式も高いことから、披露宴やお色直しの衣装として多く選ばれています。会場を明るい雰囲気にしたい場合、ぜひ選びたい花嫁衣装です。華やかな色や柄のものが多いため、自分に似合う色を選びましょう。
日本古来の衣装として皇室で現在でも婚礼衣装として用いられる「十二単衣」も近年注目されています。
十二単衣と言えば、着つけが大変なことで知られています。重さも約20kgと、他の花嫁衣装をはるかにしのぐ重量感でしょう。しかしその分、結婚式という特別感を演出できます。
「おすべらかし」という伝統的なヘアスタイルがありますが、洋髪で十二単衣という現代的なスタイルとの相性も良いでしょう。
「新和装」とは、和装と洋装を組み合わせた、おしゃれな花嫁衣装のことです。新和装と言えば、「オーガンジー打掛」がよく知られており、洋装で使われるオーガンジーで打掛を作ります。
当時、明治の開国により和洋折衷が人気を博しましたが、新和装は現代の新たな和洋折衷の形と言えるでしょう。
吉祥(きっしょう)とは、仏語で幸福や繁栄、おめでたいことを意味する言葉です。結婚式はおめでたい式であるため、和装の花嫁衣装には幸運や繁栄を表す吉祥文様がよく用いられています。
ここでは、和装の花嫁衣装に用いられる代表的な吉祥文様を紹介します。
「松竹梅(しょうちくばい)」は日本では古くから、おめでたい瑞祥植物として認識されてきました。
しかし元々、松竹梅は古代中国の「歳寒三友」に由来しているとされています。古代中国においてはおめでたいという意味ではなく、寒い最中でも青々としている、花を咲かせることから歳寒三友と呼ばれたようです。
松竹梅は日本に伝わった後に瑞祥植物と認識されるようになったとも言われており、現在でも一般的に縁起が良いイメージがあります。
「鶴(つる)」は亀と並んで、古くからおめでたいとされてきた吉祥文様の1つです。
鶴はその姿の美しさから、古代中国においておめでたい鳥、瑞鳥(ずいちょう)と呼ばれていたことが由来だと言われています。花嫁衣裳として一般的に使われる文様で、色打掛のような華やかな和装だけでなく、白無垢に鶴、といった文様の使われ方もします。
「鳳凰(ほうおう)」は古代中国において、名君が現れたときに現れる瑞鳥として伝えられてきた、伝説上の生き物です。
古代中国においては皇帝の象徴は龍、そして皇后の象徴は鳳凰であり、皇后の衣装には鳳凰がよく用いられてきました。日本でも鳳凰は古くから縁起が良いイメージが定着し、色打掛や振袖の文様として使われています。
「檜扇(ひおうぎ)」は平安時代に、宮中に出仕する女性たちが使っていた装身具が由来で、通年で着用できる吉祥文様の1つとなっています。平安時代の巻物で、十二単衣をまとった女性たちが手に持っている扇が、檜扇です。
花嫁衣装の吉祥文様として檜扇が描かれる際には、檜扇の中に花を描くといったように、華やかな印象を得られるよう工夫されています。
「貝桶(かいおけ)」とは、貝合わせと呼ばれる遊びに使われる、装飾された蛤を入れた器のことで、かつては大事な嫁入り道具の1つとなっていました。ひな人形のお道具の中にも、貝桶を見つけることができるでしょう。
貝合わせは、平安時代から行われていた女性たちの遊びの1つです。1つの蛤をそれぞれ別にして絵や句を描いてバラバラにし、一対になる貝を見つけ出すという遊び方をしていました。
他の貝では一対にならないということで夫婦の象徴とされ、貝桶そのものがおめでたい着物の柄とされるようになりました。
「熨斗(のし)」と言うと、現在ではお祝いごとの際につけるものという印象がありますが、吉祥文様としての熨斗は、簡略化されていない本来の姿に近いものになっています。
元々、熨斗は干したあわびを薄く引き伸ばしたものを紙に挟んで、添えていたものです。吉祥文様では、熨斗は華やかな帯をいくつも束ねた「束ね熨斗」の形で描かれています。長寿を表すおめでたい文様の1つです。
ここでは、和装の花嫁衣装によく似合う髪型を6つほど紹介します。
和装の花嫁の髪型は、基本的に地毛で結う場合、かつらを使う場合に分けられます。昔は和装の花嫁と言うと伝統的な髪型がほとんどでしたが、近年では和装に洋髪を合わせるスタイルも一般的になりつつあります。
一世一代の結婚式、髪型も地毛で結いたいならば、選択できる和風の髪型は日本髪になります。花嫁の日本髪結いと言えば「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」が有名ですが、現代風の結い方になった「新日本髪」も良いでしょう。
いずれの結い方をするにしても、地毛結いするための髪の長さが必要です。髪が短い方は、結婚式に備えて髪を伸ばす必要があります。
地毛結いができなくても、和装花嫁の髪型の定番とされる文金高島田ならば、簡単にかつらを探せるでしょう。髪の長さは足りないけれど日本髪にしたいという方は、特にかつらの着用がおすすめです。
文金高島田の歴史は江戸時代までさかのぼると言われており、江戸時代全期を通じて人気だった髪型が、明治時代以降に花嫁の髪型として定着したと言われています。
「綿帽子(わたぼうし)」は、結い上げた髪の上から頭にかぶせる形の髪型になります。すっぽりと頭を覆ってしまうため、その下の髪型はあまり見えないのが特徴でしょう。
綿帽子は、基本的に白無垢衣装専用の髪型となっているため、白無垢とセットとなっていることがほとんどでしょう。そのため、色打掛や振袖といった他の花嫁衣装とは合わせられない特別感がある髪型になります。
かつらや日本髪に慣れていない、おしゃれな髪型を選びたい花嫁に人気なのが洋髪スタイルです。
花や髪飾りによっては、ふんわりとしたイメージ、可愛らしいイメージ、花によっては清楚なイメージを出すなど、様々なイメージを選択できるのが魅力です。色打掛や引き振袖だけでなく、白無垢に洋髪スタイルという組み合わせも良いでしょう。
華やかな結婚式で和装の花嫁に欠かせないのが、「簪(かんざし)」や「笄(こうがい)」といった伝統的な装身具でしょう。
簪は元々、頭を飾るためのものでしたが、笄は髪を結い上げたときにまとめるために使われていたものでした。それがいつの間にか笄も飾りとして使われるようになり、現在に至っています。
「角隠し(つのかくし)」は結い上げた髪の上に1枚の布を巻いて作る髪型で、白無垢や色打掛、引き振袖などに合わせられる髪型となっています。綿帽子のように、白無垢専用の髪型ということはありません。色打掛や引き振袖でも選べます。
また、綿帽子と違って頭の上部や下部は見えるため、結い上げた髪の美しさや挿した簪がよく見えるでしょう。
角隠しの由来は、角を隠してお婿さんの家に嫁入りするという意味から来ていると言われています。
ウェディングドレスにはヴェールやアクセサリーといった装身具を用意するように、和装での結婚式の場合も花嫁衣装に合う小物を用意する必要があります。
ここでは、代表的な和装花嫁衣装の小物を6つほど紹介します。花嫁衣装をおしゃれに着こなすためにも、小物にも凝ってみましょう。
「帯締め(おびじめ)」は、帯の上から締める紐のことを言います。
帯締めには冠組や高麗組などの種類がありますが、結婚式の花嫁がよく用いる場合は「丸ぐけ」という、中に綿の入った紐が一般的です。この帯締めは子どもの七五三の着物でも、使われることがあります。
帯締めを選ぶ際は、和装の色や柄、帯との兼ね合いを考えて選びましょう。
「懐剣(かいけん)」は護り刀(まもりがたな)とも呼ばれ、明治以降に花嫁衣装の小物として定着したと言われています。
懐剣は、元々は武家の女性が嫁ぐときに所持していたものです。そのため当時は女性の護身用、または自害用としての意味がありました。
現代での懐剣は袋に包まれ、華やかな組み紐で飾られたものが小物となっています。組み紐や袋に色や飾りがついているため、少し目立つ色を選ぶことが多いでしょう。
「筥迫(はこせこ)」は胸元に差し込む小物で、かつては武家の女性がお守りやお金、白粉や紅筆といった細々とした物をしまっていました。
武家から一般に広まるうちに筥迫は小さくなりました。現代では飾り紐がついた小さな筥迫を花嫁衣装の胸元に入れています。花嫁衣装の筥迫には、鏡が入っていたり、紙が入れられるようになっていたりします。
筥迫もまた、少し目立つ色合いのものを選ぶことが多いでしょう。
「末広(すえひろ)」は「祝儀扇(しゅうぎせん)」とも呼ばれる、扇子のことです。扇子にはいくつか種類がありますが、花嫁の持つ末広は、儀式用の扇子の1つです。幸せが末広がりになりますように、という意味で、末広と呼ばれるようになったと言われています。
豪華な飾り紐がついたものが主流になっていますが、花嫁が末広を開いてはいけません。常に閉じた状態で右手に柄を持ち、左手を下に添えるのがマナーとされています。
「抱帯(かかえおび)」は帯の下部に蝶々結びで締めておく、装飾用の帯です。しごき帯、または単にしごきとも呼ばれることがあります。
抱帯はかつて着物の裾を長く引きずっていた時代に、裾をたくしあげるために使われていたものです。しかし、やがて腰紐でたくしあげるようになったため、抱帯は使われなくなりました。現代では花嫁衣装や七五三衣装にのみ、装飾品として形を残しています。
「帯揚げ(おびあげ)」は帯の上部に巻く布のことです。帯の上部にあることからかなり目立つため、帯や帯締めの色と合わせて選ぶのが基本でしょう。
花嫁衣装での帯揚げは、「鹿の子絞り」の帯揚げがおすすめと言われています。これは、鹿の子絞りの帯揚げには子宝に恵まれるという願いが込められている、とされているためです。
和装の場合のブライダルネイルは、花嫁衣装に合わせて場違いにならないものを選ぶのがポイントです。
白無垢衣装を選ぶならば、基本的にブライダルネイルも控えめにし、清楚な印象を受けるピンクや白にとどめておくと良いでしょう。しかし、派手な色打掛や引き振袖の花嫁衣装なら、ブライダルネイルを目立たせても問題ないでしょう。
和装の色に合わせるか、紅白を意識したブライダルネイルにするのがおすすめです。
現代では和装で過ごす機会が少なくなりました。その結果、結婚式に和装を着てもついつい洋装のように動いてしまう、ということがあるでしょう。和装を美しく見せるために気をつけたいことはあるのでしょうか。
ここでは、和装をしたときに美しく見せるポイントについて紹介します。
花嫁衣装の和装では、格式のために着物の裾や袖がかなり長くなっています。上半身を動かすときには常に袖を意識してたもとをおさえたり、無理して動かないようにしたりして、歩くときや立ち姿のときは裾の位置に気をつけましょう。
裾の長い和装の場合、裾を持って歩く必要があるでしょう。この動作は、「褄(つま)をとる」と言います。花嫁衣装を選ぶ際には、お試しで褄をとってみて、綺麗に歩けるか確認してみましょう。
和装での振る舞いを慎ましく美しく見せるため、また着崩れを防ぐためにも、お辞儀するときは腰から曲げるようにしましょう。
上半身だけ曲げるようなお辞儀では、その振る舞いから和装の美しさを損なう可能性があります。また、前かがみになるような姿勢では腰紐がずれて着崩れしやすくなるため、お辞儀をするときは腰の部分から曲げるよう意識することが大切です。
和装を美しく見せるには、えり足のムダ毛を綺麗に処理して首元を美しく見せることも忘れてはいけないでしょう。
特に和装で髪を上げる場合には、えり足が丸見えになってしまいます。えり足を綺麗に見せるために、結婚式前にケアしておくと良いでしょう。
和装では大股で歩くことは、見た目にも、着崩れ防止のためにも控えましょう。できるだけ小さな歩幅で歩くように、しっかり褄をとるように注意してください。
また、和装では足音は立てないようにするのがマナーとされています。鼻緒を足の指でしっかり挟むと足音が立ちにくくなるので、試してみてください。
袖の長い和装で手を高く上げてしまうと袖がずり落ちてしまうため、手はあまり高く上げないようにしましょう。袖がずれて肘や腕が見えてしまう場合があります。
電話に出るといった、どうしても手を上げる仕草になるときは、袖口をもう片方の手で押さえて肘や腕が見えないようにすると良いでしょう。
立っているときはもちろん、座っているときも背筋を伸ばして、姿勢よく見せるよう意識しましょう。
椅子に座るときなどは特に、和装で背もたれにもたれかかると帯を潰してしまう可能性があります。椅子には深く腰掛けず、背筋を伸ばして座るようにしましょう。
足元が見えない状態であっても、なるべく足元まで姿勢をキープするのが大切です。うっかり足を開いてしまうと、着崩れの原因になりかねません。
和装での結婚式には、ウェディングドレスでの結婚式とはまた違った凛とした独特の美しさを演出できるでしょう。現代では和装を着る機会が減少傾向にあり、花嫁衣装くらいでしか和装をしたことがないという方もいます。
日本の伝統的な衣装を着られること、年配の方からの受けが良いことなどのメリットもあるため、ぜひ検討してみましょう。