新しい結婚式のスタイルとして注目されているオンライン結婚式とは、ビデオ通話システムを使った結婚式です。
ネット環境が整っていれば、式場だけではなく自宅からでも開催可能です。ゲストもどこからでも参列できます。
オンライン結婚式の所要時間は、目安として準備に2週間、当日は挙式と披露宴をあわせて2時間半から3時間程度でしょう。
準備に関しては、従来の結婚式よりも準備期間を短くできるため、仕事で忙しいなどの理由で準備に時間がとれないカップルでも気軽に開催しやすくなっています。
また、当日の所要時間は、ある程度カスタマイズすることで自由に決めることが可能です。
オンライン結婚式の大きな特徴の1つに、プログラムを自由に組むことができる点が挙げられます。一般的に、従来の結婚式の流れに沿ったプログラムが組まれますが、従来の結婚式の流れにアレンジを入れる、全く新しい流れで進行するカップルもいます。
ただし、オンライン結婚式は自由度が高い分、どのような流れやプログラムで進行すればいいのか分からないという方もいるでしょう。そのような場合は、従来の結婚式の流れを参考にしつつ、プランナーやパートナーと相談することが大切です。
オンライン結婚式にするメリットは、従来の結婚式では難しいことが手軽にできる点が挙げられます。
例えば、多くのゲストを安価で招待できる点や子供がいるゲストにも参列してもらいやすい点は、オンライン結婚式ならではのメリットと言えるでしょう。
また、アーカイブ配信ができる、お祝いコメントがリアルタイムでもらえる点などは、オンラインならではの演出として人気を集めているポイントです。
ここからは、オンライン結婚式のメリットを4つ詳しく紹介します。
オンライン結婚式は、一定期間アーカイブ配信として残せる場合があります。アーカイブ配信をしてもらうことで、結婚式当日のことを気軽に振り返りやすいのはもちろん、参加できなかったゲストが後からゆっくり見ることが可能です。
このように結婚式を終えた後も、当時の様子を余韻とともに振り返ることができる点は、オンライン結婚式だからできる魅力でしょう。
ネット環境が整っていればどこからでも参列可能という特徴から、基本的に招待できるゲストに上限がありません。このため、従来の結婚式のように、会場や予算でゲストの数を制限する必要がないところもメリットでしょう。
また。遠方にいる方でも移動や宿泊などの負担を気にせず招待できるため、ゲストの現住所や会場の立地に関係なく、多くのゲストを招待しやすくなっています。
従来の結婚式では、参列したゲスト全員からお祝いのコメントを聞くことはなかなか難しいのではないでしょうか。オンライン結婚式では、チャット機能やコメント機能が搭載されている場合もあり、そちらを利用することでリアルタイムでお祝いコメントをもらえます。
そして、感想や様々なコメントもリアルタイムで確認できるため、お色直しなどいったん席を外している時でもゲストとのやりとりを楽しむことが可能です。
子供がいるゲストを招待する時、子供の預け先や子供が参列した場合の配慮が難しいなどの問題を抱える場合があります。また、ゲスト側も、子供がいるからと参列を遠慮することもあるのではないでしょうか。
自宅からでも気軽に参加できるオンライン結婚式なら、子供が一緒でも安心して参加してもらいやすいでしょう。子供がいるゲスト以外にも、妊婦でも参列してもらいやすいことから、配慮を必要とするゲストが多い時ほど活用したい結婚式スタイルと言えます。
オンライン結婚式を検討する場合、メリットだけではなくデメリットも知っておく必要があります。従来の結婚式では当たり前のことも、オンラインではできない場合があります。ただし、デメリットに関しては解決するための対処法もあるため、そちらも把握しておきましょう。
ここからは、オンライン結婚式のデメリットとそれぞれの解決法について紹介します。
従来の結婚式なら、式場側が料理やドリンクを用意してくれます。それに対し、自宅など別の場所から参列するゲストが多くなるオンライン結婚式は、料理やドリンクを自分たちで用意する必要があります。
これに関しては、招待状などを使ってゲストに事前に連絡しておきましょう。他にも料理やドリンクの配達サービスを行っている式場を利用すれば、同じ料理やドリンクの共有が可能です。
オンラインでの配信のデメリットとして、臨場感が伝わりにくく、ゲストとの一体感に欠ける可能性があります。
このデメリットは、乾杯や拍手など同じタイミングで同じことをする演出を入れることで解決できます。ゲストが同じことをできるような演出を意識的に組み込むことで、一体感を出すことが可能です。
従来の結婚式では、新郎新婦とゲストが一緒に写真を撮って思い出に残す光景が見られます。オンライン結婚式の場合、新郎新婦とゲストが別の場所にいることから、直接一緒に写真を撮れないところがデメリットと言えるでしょう。
ただオンラインならではの演出として、スクショタイムを設けるという解決策があります。同じ画面内に映った画像を保存することで、間接的に一緒に撮影したような写真が出来上がります。
配信中は、会場またはゲスト側のネット環境の不具合が起きる場合があります。そうすると、音声がゲストに届かない、画面が乱れてしまうなどのトラブルが起きるデメリットも想定されます。
このようなデメリットの解決策としては、会場側のネット環境の整備はもちろん、ゲスト側のネット環境も事前に確認しておくことが大切です。会場によっては、スタッフがネット環境に関するフォローや対応をしているところもあります。
オンライン結婚式に参列したゲストの中には、声掛けのタイミングやゲスト同士の交流がうまくできなかったと感じている方もいます。
この問題に関しては、ゲストも参加できるようなプログラムを組み込む、LINEのオープンチャットなどゲスト同士が交流しやすいツールを準備するなどの配慮で対応しましょう。
オンライン結婚式をする場合でも、招待状や招待するゲストの人数確認など、従来の結婚式と同じような準備をしていく必要があります。ただし、準備する内容によっては、従来のものとは対応や内容を変えても問題ないでしょう。
ここからは、オンライン結婚式で必要となる一般的な準備について解説します。
オンライン結婚式であっても、招待するゲストに対して招待状は送る必要があります。招待状に関しては、従来の結婚式と同じように紙媒体で送っても構いません。他にはLINEなどのツールを使って招待を送る、WEB招待状を作成して送るという方も多いです。
ゲストに招待状を送る前に、招待する人数を確認しておくことが必要です。人数が多い場合は会場を分ける、2部形式にするなどの工夫を取り入れる対策もあります。
ただオンライン結婚式の場合は参列できるゲストの上限はないものの、あまり人数が多すぎるとコミュニケーションが難しくなります。このため事前に招待する人数に関しては、プランナーやパートナーと相談して調整しましょう。
料理に関しては、オンライン結婚式に対応している式場や運営会社によっては料理を配達してくれるサービスがあります。提供される料理は従来の結婚式で見られるコース料理の他、お弁当やデザートなどに対応してくれるところもあります。
このような料理の配達サービスを利用しない場合は、ゲスト側のセルフサービスとなるため、料理の提供スタイルは事前にゲスト側にも伝えておきましょう。
オンライン結婚式の司会進行を新郎新婦が行う場合、進行がグダグダになってしまう可能性があります。このため司会者の手配をしておく必要がありますが、式場やサービス運営会社が手配してくれることが多いです。
自分たちで手配したい場合は、MC派遣サービスや司会代行サービスの利用も検討しましょう。
従来の結婚式では、ゲストに受付や余興を依頼するという人が多いのではないでしょうか。オンライン結婚式では新郎新婦が希望しない限り、ゲストに対して受付や余興を依頼する必要はありません。
オンライン結婚式への参列は、新郎新婦やスタッフが確認することで対応できます。余興に関しては、どうしてもお願いしたい相手がいない限り、新郎新婦またはスタッフで検討しましょう。
なお、余興に関してはオンラインで分かりやすい内容にする必要があるため、依頼する場合は注意しましょう。
オンライン結婚式では引出物の準備は必須ではないため、準備が難しい、ゲストに届ける手段がない場合は用意をしないという選択肢もあります。
ただし、ゲストに感謝の気持ちを伝えたい場合やご祝儀・会費を集める場合は、郵送や宅配で引出物を届けられるように手配しましょう。カタログギフトも電子版があるため、SNSやメールで届ける方法もあります。
オンライン結婚式を盛り上げる演出として欠かせないのが、BGMではないでしょうか。自由に選曲しやすいところがオンライン結婚式の魅力であるため、プログラムごとに選曲を楽しめます。
しかし、オンラインで流すことからライブ配信としての扱いになり、著作権などの問題が発生します。そのため、流すBGMを決めた後は、JASRAC(ジャスラック)に問い合わせ、利用許可の申請を忘れないようにしましょう。
出典:ブライダルシーンでの音楽利用|JASRAC
参照:https://www.jasrac.or.jp/info/bridal/
従来の結婚式と同じような準備を進める一方で、オンライン結婚式だからこそ準備や確認をしておかなければいけない項目もいくつかあります。特にご祝儀や服装、インターネット環境に関しては、早めに周知、または確認しておくことが大切です。
ここからは、オンライン結婚式の前日または当日に必要な事前準備について解説します。
ゲスト側が気になるポイントとして挙げられるのが、ご祝儀です。オンライン結婚式でのご祝儀は設定する必要はないとされていますが、会費などの設定がある場合は金額と支払い方法を伝えておく必要があるでしょう。
もし、ご祝儀を必要としない場合もその旨を連絡する必要があるため、招待状とともにメールで連絡しておきましょう。
ゲストの服装に関しての案内も、できる限り早めに周知しておく必要があります。招待状に明記しておくと、ゲスト側も安心して準備を進めやすいでしょう。
服装はフォーマルである必要はなく、自由に決められるため、平服で問題ないでしょう。雰囲気を出したい場合、フォーマルで依頼するのも良いですが、特に指定がなければカジュアルな平服での参列を依頼します。
オンライン結婚式では、開催する側のインターネット環境や配信ツールの確認をしっかり行いましょう。それと同じように当日までに確認しておかなければいけないのが、ゲスト側のインターネット環境です。
ゲスト側のインターネット環境は整っているのか、配信ツールの相性や接続は問題ないか、音声や映像はきちんと届いているのかなど、当日までにはゲスト側に確認してもらいましょう。必要に応じて、新郎新婦やスタッフが一緒に確認するのもおすすめです。
オンライン結婚式での集合写真の撮影方法は、スクショタイムなどを設けることでスクリーンショットという形で撮影することが可能です。
他にも会場とオンラインを併用する場合、カメラマンにうまく撮影してもらうように工夫するなど、事前にどのように撮影するのか確認及び準備をしておく必要があります。ゲスト側にも、どのように集合写真を撮影するのか伝えておきましょう。
オンライン結婚式と一言で言っても、そのプランは複数あります。プランによって特徴や費用が異なってくるため、新郎新婦やゲストそれぞれの事情にあわせた内容のものを検討することが必要です。
ここからは、オンライン結婚式の主な方法とそれぞれのおおよその費用について解説します。
新郎新婦のみが結婚式場で挙式や披露宴を行い、その様子をゲストにオンラインで配信する方法です。「視聴型」とも呼ばれているこの方法は、プロのカメラマンによる中継であることが多く、プランによっては食事の宅配サービスなどもあります。
費用に関しては、挙式費用や衣装代、オンライン配信に関する費用がかかり、およそ40万円からの相場となっています。ただし、小さな式場でシンプルな挙式にしやすいため、リーズナブルな価格に抑えやすいでしょう。
できる限りお金をかけずにオンライン結婚式をしたいと考えている人には、自宅から結婚式を配信する方法がおすすめです。こちらは結婚式場からではなく、自分たちで全て企画や準備をするスタイルで、式場スタッフやサービス業者を仲介しません。
全て自分たちで準備をした場合、費用はほぼゼロになる可能性もありますが、オンライン配信の機材や衣装代などをレンタルで手配した場合は、それらの負担で終わることも少なくないでしょう。
オンライン結婚式の中には、式場に近いゲストには直接参列してもらい、遠方で式場まで行けないゲストのみオンラインで参列してもらうという方法もあります。
こちらの場合は通常の挙式にかかる費用の他にも、オンライン配信に関する費用がかかるため、規模などによって費用相場が目安として90万円から200万円と幅が大きい場合があります。
ただし、通常の挙式よりも費用が安くなる可能性もあり、遠方で呼べないゲストがいる人にとっては利用しやすい方法であるところが魅力でしょう。
遠方のゲストのみオンライン参列という方法と似ていますが、こちらは少人数のゲストとの挙式や披露宴の様子をオンライン配信するという方法です。少人数のゲストは親族または友人のみなど、色々なパターンで実施されています。
式場配信型であるこちらのスタイルでの費用相場は、規模や招待する人数によって異なるため、目安として90万円から200万円と幅が大きくなることもあるでしょう。
会場にゲストを招待したいけれども、感染対策を意識したいという場合に推奨されているのが、会場を複数設けてオンラインでつないだ方法です。
同じ結婚式場で披露宴会場を分けて用意するプランもあり、オンライン中継で会場同士がつながっているところが特徴です。このため、会場が分かれていても同じタイミングでゲストが行動できるため、一体感を維持できる点がメリットです。
費用としては、会場をどのように設けるのかによって異なります。同じ結婚式場であれば、目安として70万円前後から利用することができるプランもあるでしょう。
いかがでしたでしょうか。感染症対策を考慮して従来の結婚式ができない、キャンセルしてしまったけれども結婚式はやりたいと悩んでいる人たちから注目を集めているのが、オンライン結婚式でしょう。
オンライン結婚式は、手軽に準備ができるため開催しやすく、ゲストも参列しやすいなどのメリットがある反面、従来の結婚式とは異なる配慮や準備が必要となるデメリットがあります。新しい挙式の方法だからこその自由さ、そして分からない部分も少なくありません。
それぞれメリットやデメリット、準備に関する注意点を踏まえたうえで、結婚式を挙げる方法の1つとしてオンライン結婚式も検討してみましょう。