親族紹介とは、結婚式当日に決められた場所に集まり、新郎新婦の家族や親せきの顔合わせとともに、1人ずつ間柄などを紹介し、挨拶を交わすことです。両家の代表者として父親または母親が取り仕切り、自分の親族紹介をします。
一般的には、結婚式当日の挙式前に、親族控室やチャペルなどで執り行われる場合が多いでしょう。所要時間は親族の人数にもよりますが、大体20分程度が目安と言われています。
上記で紹介した親族紹介ですが、新郎新婦の意思や考えにより親族紹介をしないという選択もあります。
親族紹介をしない理由で多いものは、すでに顔合わせなどの食事会で紹介が済んでいる、堅苦しい雰囲気は避けたいため敢えてしない、新郎新婦の親族の人数に差がありすぎる、などがあります。
親族紹介は可能であれば行った方が良いですが、しないということを両親が納得しているのであれば、無理に行う必要はありません。
結婚式の親族紹介の形式として、代表者形式と自己紹介形式の2つがあります。
代表者形式では、スムーズに執り行えることがメリットですが、代表者1人に負担がかかってしまいます。
自己紹介形式では、各自が自分で紹介するため、負担が分散されるでしょう。しかし、人前が苦手な人にとってはとても重荷になってしまう可能性があります。
下記では、それぞれの形式のメリットとデメリットを詳しく紹介していくので、読み進めていきましょう。
自己紹介形式とは、親族の代表者が挨拶した後、親族自身が新郎新婦との間柄を説明します。
自己紹介形式をスムーズに執り行うために、参加者全員に親族紹介が自己紹介形式であることを事前に伝える必要があります。
自己紹介形式は、相手側の親族を知ることができますが、どのような順番で何を話すのか打ち合わせが必要なことは、デメリットだと言えます。また、人前で喋ることが苦手な方は親族紹介が憂鬱になるため親族の性格も考慮する必要があるでしょう。
両家の代表者がまとめて親族を紹介するという形式もあります。一般的には、両家の父親また母親が代表者を務める場合が多いですが、適任者がいない時には、会場スタッフに頼むこともあります。
代表者1人が1人ずつ紹介するため、スムーズに執り行えることがメリットと言えます。代表者が紹介すれば、親族の緊張も少なくなるでしょう。しかし、事前に親族の間柄などを確認し、紹介する順番なども暗記する必要があるため、代表者1人に負担がかかることはデメリットだと言えます。
ここでは結婚式で親族紹介するときのポイントを7つ紹介していきます。
結婚式の親族紹介という慣れないことをする場面では、戸惑うことも多いでしょう。下記では、親族紹介時の挨拶や結びの具体的な例文や、親族紹介の順番、親族の呼び方など基本的なことを紹介していきます。
親族紹介はとても緊張する場面ですが、知識を持っていれば、不安も少なくなるでしょう。さっそく勉強していきましょう。
親族紹介は結婚式当日の挙式前に行うことが一般的ですが、新郎新婦は挙式前の準備などで多忙のため、同席できない場合があります。
それが事前に分かっている場合は、結婚式当日に親御様が戸惑われないように、一言伝えておきましょう。招待状に一言添えておくとより良いでしょう。
また、新郎新婦が同席しない場合は、代表者は準備が必要になるため、全体の流れなどの打ち合わせをするとスムーズに進められます。
基本的には両家のゲスト数は同じくらいにするのが良いと言われています。
しかし、親族の人数までは、もともとの兄弟数などにもより異なってくるため、両家で10人以上など大きな差が出てくる場合があるでしょう。その場合は、親族が多いほうが、親族紹介の際に参加する人数を調整すると良いでしょう。
また、人数が多すぎても、代表者が全て覚えるには負担がかかりすぎてしまうため、親族紹介には必ずしも親族全員が参加する必要はありません。
親族紹介は一般的には、両家の父親か、適任が不在の場合は、結婚式のスタッフが執り行う場合もあります。
まず、代表者が「これから〇〇家の親族紹介をはじめたいと思います」と進行を進めましょう。
次に、「私が新郎の父の〇〇でございます。本日はご多用の中、お集りいただきありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いします。」と簡単に挨拶をします。
そして、「では、隣におりますのが、新郎の弟の〇〇と言います。」と順番に紹介します。代表者以外は、紹介されたら一礼をするくらいに留めておきましょう。
親族紹介の順番としては、新郎新婦から見て、親等が近い順から始めましょう。
順番としては、父親・母親・兄弟、次に、父方の親族紹介、次に母方の親族紹介、最後にいとこがいる場合は、いとこの次にはとこの親族紹介という順番になります。
ただ、親族の人数が多い場合は、座る順番をあらかじめ親等が近い順になるように決めておくと、代表者がスムーズに紹介できます。
詳しい親等については下記表を参考にしましょう。
親等 | 自分から見た関係 |
---|---|
1親等 | 父親、母親、子供 |
2親等 | 叔父、祖母、兄弟、兄弟の配偶者 |
3親等 | 姪、甥、曽叔父、曽叔母、伯父、伯母、叔父、叔母 |
4親等 | いとこ、大叔父、大叔母 |
5親等 | いとこの子供、大おじおばの子供 |
6親等 | はとこ(大おじおばの孫) |
結婚式の親族紹介では、親族の呼び方に気を付けましょう。
代表者の方が紹介する際は、新郎新婦側から見た間柄で紹介します。シンプルに「新郎の母の〇〇でございます」という風になります。
また、基本的には相手側に身内を紹介しているため、「新郎の妹の〇〇さんでございます」と敬称を付けるのは間違っているため気を付けましょう。
さらに、例え年上の親族であっても敬称は必要ありません。正しくは、「新郎の大叔父にあたります、〇〇でございます」となります。
もし、時間に余裕がある場合は、代表者以外でも名前の後に、新郎や新婦との具体的なエピソードを交えても良いでしょう。
例えば、「新郎の妹の〇〇でございます。新婦の〇〇さんを初めて紹介してもらった時に、とても素敵な女性で、こんな良い人に巡り合えて良かったなと思いました。兄のことをどうぞよろしくお願いします。」などと具体的なエピソードがあると、場の雰囲気が和むでしょう。
基本的には相手側を持ち上げるようなエピソードであれば良いでしょう。
親族紹介が終わったら、代表者の方が、「以上を持ちまして、〇〇家の親族紹介とさせていただきます。これからもどうぞ末永くよろしくお願いいたします。」と結びの挨拶をしましょう。
結びの挨拶の時は、結婚式のため別れを連想させるような「終わります」や「流れる」、「切れる」といった忌み言葉はタブーのため、使用しないよう気を付けましょう。
親族がご健在であったり、両親が離婚をしていないなどであれば、特に悩むことはないですが、いろいろな理由により複雑な家庭も現代では多いことでしょう。
下記では、故人がいる場合、不参加の親族がいる場合、再婚した義理の親がいる場合の3つの親族紹介する際の注意点を紹介します。
結婚式では、こういう場合はどうすれば良いのだろうか、と悩む方も多いため、さっそく知識をつけておきましょう。
結婚式というお祝いの場では、親族紹介の際、無理に故人の紹介をする必要はありません。
ただ、両親が結婚式間近に亡くなってしまったり、相手側に知らせておくべきだと思うことは、事前に相手側と相談し、紹介するかしないかを決めておきましょう。
紹介する場合は、「新郎の母は数年前に他界しております。」とさらりと紹介し、テーブルに母との写真を飾ったり、グラスを用意してあげるなどとするのも良いでしょう。
結婚式に不参加の親族がいる場合は、両親や兄弟、祖父母までの親等であれば、不参加であっても紹介しておいた方が良いでしょう。
紹介するタイミングとしては、出席者を紹介し終わった一番最後に「本日は海外出張のため不参加となってしまいましたが、弟の〇〇がおります」と軽く欠席理由と名前の紹介をしておくと良いでしょう。
欠席の人を紹介するのは言いだしづらいという方も多いですが、事前に内容を決めておけば、スムーズに話すことができるためオススメです。
親が再婚し、実親ではなく義理の親がいる場合の親族紹介の注意点を紹介します。
義理の親が結婚式に出席し、親族紹介をする場合は、間柄はオブラートに包んでも大丈夫です。もし、詳しく触れてほしくないという気持ちがあるのなら、事前に会場スタッフとどう伝えるか相談しましょう。
また、招待する場合の肩書きは正しくは「新郎義父・義母」とはなりますが、正直に公表する必要もないため、「新郎の父、母」と記載するのも良いでしょう。
結婚式の親族紹介について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
結婚式というお祝いの場で揉めたり悪い悩みを抱えないように、事前に伝えておくべきことは、言えるような関係でいましょう。
悪いところも良いところも受け入れた上で結婚という選択肢を取れば、末永くより良い関係でいられることでしょう。