挙式と披露宴はどう違う?挙式の種類4つと結婚式の基本の流れ7ステップ

挙式と披露宴の違いとは

「結婚式」というと、何を思い浮かべるでしょうか。一般的に、多くの人が結婚式と聞いて思い浮かべるのは、教会や神前で結婚の誓いをし、その後パーティをすることでしょう。


しかし、結婚式は厳密にいえば「挙式」部分と「披露宴」部分に分かれています。この2つは同じ意味のものではありません。例えば挙式のみを挙げるという場合もあれば、披露宴だけ行うといった場合もあります。

挙式の意味

「挙式」の意味は、新郎と新婦の2人が結婚することを、神さまや人前で誓うという儀式です。


一般的には、挙式と披露宴は同日にセットで行うことがほとんどであるため、挙式と披露宴をまとめて結婚式と言っていることがほとんどです。しかし、「結婚式と披露宴をする」という場合は、結婚式とは挙式のことだけを指しています。


披露宴は披露宴と言いますが、挙式のことは結婚式と言っている場合があるので注意しましょう。

披露宴の意味

「披露宴」は、新郎と新婦が結婚したことを家族や親族、友人をはじめ親しい人たちに報告する宴、パーティのことです。


実は日本では結婚式(挙式)自体の歴史は浅く、昔は披露宴に相当する祝言のみが行われてきました。基本的にお嫁さんが新郎の家に入ることを「嫁入り」と言い、嫁入りの後に「祝言」を開いて結婚したことを披露、報告していたのです。


現在は嫁入りはとくに行われず、挙式と披露宴に変わっています。

挙式の種類4つ

現在よく行われている挙式の方式は、「キリスト教会式」「神前式」「人前式」「仏前式」の4つです。


そもそも祝言と呼ばれる披露宴に相当する場しか設けていなかった日本の結婚事情で、挙式に相当する神前式が行われるようになったのは、明治30年の皇族の方の結婚式が影響していると言われています。


皇族の方の結婚で広まった挙式はやがて、仏前式やキリスト教会式・人前式などさまざまな方式で行われるようになりました。

神前結婚式について | 神社本庁

挙式の種類1:教会式

教会式の挙式は一般的に結婚式場のチャペルで行われる、キリスト教の方式に従った挙式のことです。ウェディングドレスを着られることや、ヴァージンロードを歩けるなど独自の挙式スタイルで人気が出て、今でもよく行われています。


しかし、キリスト教徒でもない人が本当の教会で結婚式を挙げるのはハードルが高いです。そのため結婚式場に作られた、結婚式専用のチャペル(キリスト教の礼拝堂)にて挙式が行われています。

挙式の種類2:神前式

「神前式」は日本の神道にのっとったスタイルで行われる挙式であり、挙式の中では伝統ある式となっています。神前式の場合は実際に各地の神社や、結婚式場で挙式を挙げられます。


白無垢や色打掛・引き振袖など、基本的に和装での挙式です。親族の結びつきを深めるため、挙式では親族参加の儀式もあるのが特徴でしょう。ただ、実際の神社で神前式を行った場合には、披露宴は別の会場で行うことが一般的です。

挙式の種類3:人前式

「人前式」は家族や親族、親しい友人たちを招いて、その人たちの前で結婚式の誓いを立てます。キリスト教の神さまや神道の神さま、仏さまに誓うのではなく、人に対して誓うというのが他の挙式との違いでしょう。


宗教にとらわれることなく、和装でも洋装でも好きな服装で行えること、儀式の内容も自由であることなどから近年人気の挙式となっています。ただその分、自分たちで決めなければならない項目が多いでしょう。

挙式の種類4:仏前式

現在ではほとんど行われることのなくなった「仏前式」は、仏様つまりご先祖さまに新郎と新婦が結婚することを報告し、感謝するという挙式です。


仏前式を行う場所は、基本的に新郎または新婦の菩提寺(ぼだいじ)、あるいは自宅の仏壇の間です。一般的に結婚式を行う場として建てられてはいないので、多少他の挙式より不便なこともあるでしょう。ただその分、他の挙式よりも挙式費用が安価ですむという傾向があります。

挙式から披露宴までの基本的な流れ7ステップ

ここでは、挙式から披露宴までの基本的な流れについて紹介いたします。一般的に挙式と披露宴は同日に、挙式を終えた後で披露宴という順番で行われています。


ここで紹介しているのは、挙式と披露宴が同じ結婚式場のケースの流れです。もしも神前式のように挙式と披露宴の会場が違う場合は、挙式を終えてから披露宴までに移動のための時間を確保する必要がありますので、確認しておいてください。

挙式から披露宴までの基本的な流れ1:新郎新婦が会場入り

結婚式当日の流れは、新郎新婦が結婚式の会場入りをするところから始まります。


挙式と披露宴は、午前挙式の午後披露宴、午後挙式の夕方披露宴、夕方挙式の夜披露宴と主に3つの時間帯で行われており、どの時間帯にもメリット・デメリットがあります。


午前に挙式を挙げる場合は朝の早いうちに家を出る必要がある場合もありますので、前日はなるべく早く休むよう、当日忘れ物をしないようにしっかり準備を整えておきましょう。

挙式から披露宴までの基本的な流れ2:会場内で前撮り

当日結婚式場についたら担当のウェディングプランナーさんやスタッフさんに挨拶をし、着付けとヘアメイクをして、まず会場内での前撮りを行います。


着付けとヘアメイクは花嫁の方が時間がかかります。その時間を利用し、新郎の方がスタッフや親族への挨拶に周るようにするとよいでしょう。すでに結婚式の準備が整えられた会場での前撮りですが、当日の撮影を行わず、後撮りすると決めている場合は当日の流れには含まれません。

挙式から披露宴までの基本的な流れ3:挙式リハーサル

当日、会場内で挙式リハーサルや披露宴のリハーサルを行います。


挙式が朝のような場合は、時間がないことや忙しいことなどを理由に挙式リハーサルを行わない場合があります。しかし、結婚式用に飾りつけられた実際の会場でリハーサルができるのは、後にも先にもこの時だけです。


挙式の流れや披露宴の流れをおおまかにでも把握するために、なるべく挙式リハーサル・披露宴リハーサルは行っておくのがおすすめです。

挙式から披露宴までの基本的な流れ4:親族紹介

新郎・新婦の親族が控え室に集まったタイミングでお互いの親族を紹介します。


このときは新郎・新婦が紹介するのではなく、新郎・新婦の両親や親族の中でも社会的地位の高い人などが率先して紹介します。


新郎・新婦の両親はすでに両家の顔合わせで対面しているでしょうが、他の親族にとっては初の顔合わせなので、スムーズにいくよう段取りをしておきましょう。


新郎新婦はスタッフ・司会者と最終打ち合わせをする場合があります。

挙式から披露宴までの基本的な流れ5:挙式

新郎・新婦の準備が調い、親族をはじめとしたゲストが到着したらいよいよ挙式がスタートします。挙式はキリスト教会式・神前式・人前式・仏前式のいずれかで行われますが、どの方式でもおよそ30分程度の短い時間で終わることがほとんどです。


結婚の誓いを立て、指輪の交換などをして挙式を終えると、みなで披露宴会場に移動しましょう。挙式が終わった段階で集合写真を撮る、というケースもあります。

挙式から披露宴までの基本的な流れ6:披露宴

披露宴会場に移動して、新郎新婦の入場から披露宴がスタートします。披露宴にかかる時間は、平均して2時間半前後です。


ゲスト入場後に新郎・新婦の入場、主賓の挨拶、乾杯を経てウェディングケーキの入刀が行われ、歓談が始まります。新郎・新婦がお色直しをする場合はここでいったん中座し、新郎・新婦の再入場からが後半です。


テーブルラウンドや余興・友人のスピーチ、新婦の手紙、新郎の謝辞と挨拶を経て終了します。

挙式から披露宴までの基本的な流れ7:二次会

披露宴が終わってから、約2時間後に結婚式の二次会が始まります。


披露宴が終わった後は、新郎・新婦でゲストの見送りをしたり、余興やスピーチをしてくれた人にお礼を渡す必要があります。さらに衣装を着替えたりする必要もあるため、二次会開始まではある程度余裕をもったスケジュールにしておくことをおすすめします。


挙式が午前で披露宴が午後だった場合、二次会までにかなり時間が空く場合があります。

挙式や披露宴の新しいスタイル4選

伝統的な結婚式ではなく、新しい形の挙式や披露宴も人気がありますので、紹介します。


挙式や披露宴の形は、時代と共に変化していくものです。すでにご紹介したように、昔の日本には挙式はなく、披露宴にあたる祝言のみが行われていました。やがて明治に入って挙式が行われるようになり、神前式が一般的だったものが教会式や神前式なども行われるようになりました。


現在もまた、新しい形の挙式や披露宴が生まれています。

新しいスタイル1:1.5次会ウエディング

「1.5次会ウエディング」は挙式や披露宴のような堅苦しい、格式ばったものが苦手だけど二次会のように砕けすぎたものもちょっと、という方たちに人気のウエディングです。


ご祝儀ではなく会費制を採用していることが多いのが特徴で、どんな食事を出すのか柔軟に決めることができます。挙式と披露宴を一緒に行えたり、費用が安かったり、自由に内容を決められるなどのメリットがあり人気があります。

新しいスタイル2:二部制ウエディング

「二部制ウエディング」とは、披露宴を2回に分けて行う結婚式のことです。


なぜ披露宴を2回に分けるのかというと、行いたい披露宴が2種類あるからです。友人たちとはカジュアルにやりたい、でも上司や親族・家族との披露宴ではきちんとした披露宴をやりたい、そういう場合に二部制ウエディングで披露宴を分けます。


二部制ウエディングは好きな披露宴を行うことができますが、2回披露宴をするのでそれだけ費用はかかります。

新しいスタイル3:フォトウェディング

「フォトウェディング(フォト婚)」は挙式や披露宴を行わず、結婚式の衣装を着て写真を撮って残します。


実際に挙式や披露宴を行わないので、資金が厳しいカップルでもフォトウェディングなら気軽に写真を撮れること、好きな場所で写真が撮れるなどのメリットがあります。授かり婚で挙式や披露宴の時期を逃してしまったカップルにも人気があります。

新しいスタイル4:会食

挙式や披露宴はわざわざ行わないけれど、親族を招いたお披露目は行いたいカップルに人気があるのが会食、「食事会」を開くことです。


挙式や披露宴を行わないため結婚式の費用を節約することができますし、親族同士の紹介や結婚のお披露目はできます。とくに余興や演出を用意する必要もありませんが、やりたい場合はきちんと招待状を用意したり演出を用意してもよいでしょう。

挙式と披露宴の違いや基本的な流れを把握しておこう

今回の記事では挙式と披露宴の違いや、結婚式当日の挙式から披露宴、二次会までの流れについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。必ずしも挙式・披露宴をする必要がある訳ではありません。


挙式と披露宴にはそれぞれどんな意味があるのか、当日の流れはどうなっているのか、新しい結婚式のスタイルについて知っておきましょう。