ジューンブライドとは「6月の花嫁」または「6月の結婚式」のことです。
日本においてジューンブライドは一般的に知られており、6月に結婚式を挙げたいと考えているカップルは多いです。結婚式場では秋を除いて予約が多い時期と言われています。それはなぜなのでしょうか。
ジューンブライド(June bride)は、もともとヨーロッパを中心に古くから言われてきた「6月に結婚した花嫁は幸せになれる」という言い伝えからきています。
日本では、結婚式を挙げるならば大安が一番いい日とされています。それと同じように、結婚をするにあたってもっとも縁起がよい、とヨーロッパを中心に言われてきたのがジューンブライドなのです。
ジューンブライドの言い伝えは古いものなので諸説ありますが、これが由来ではないかと考えられているものが3つほどあります。
古いものでは、ギリシャ神話やローマ神話にさかのぼるとされている由来もあります。
ギリシャ神話で有名な主神ゼウスの妻ヘラ、そしてローマ神話の主神ユピテルの妻ユノは、女性の守護神であり結婚を司る神としての信仰を集めていました。古代ローマの暦で6月はユノが司る月となっていたことが由来とする説です。
そもそもジューンブライドの6月を表す英単語「June」自体が、女神ユノの「Juno」が由来である、とも言われています。ちなみにローマ神話は、ギリシャ神話と神々をほぼ同一視しています。
続いてジューンブライドの由来と考えられているのが、ヨーロッパの農民層の結婚解禁月が6月頃であったから、というものです。
農作業には農繁期と農閑期が存在しており、3月から5月にかけてはいわゆる農繁期にあたりますが、6月から農閑期になっていました。
忙しい農繁期には結婚を禁じていましたが、農閑期に入る6月からが結婚解禁月になるため、6月に結婚するカップルが非常に多かったことが由来しているという説です。
ジューンブライドの3つ目の由来は、6月がヨーロッパにとってもっともいい季節であると考えられていることが挙げられます。
ヨーロッパにおいて6月は日本とは異なり、天候が安定していて暑すぎるということはなく、雨もあまり降らない時期のため、結婚式を行うにはちょうどよい季節だったとされています。
当時は入浴の習慣がなく、年に一度入浴するのがこの時期だった、という説もあります。
いつの間にか日本でもジューンブライドは花嫁が幸せになれる月として、結婚式を挙げるには人気のある月になっていますが、それには日本ならではの事情があります。
もともと、ヨーロッパでジューンブライドは縁起がよいとされてきたのは事実です。しかし、日本におけるジューンブライド事情は、ヨーロッパとはまったく違った事情から普及されたものなのです。
もともと日本では6月は結婚式の人気がない月だったため、それに困った企業が企業戦略としてジューンブライドの言い伝えを知り、日本で広めたのがはじまりだと言われています。
日本で6月といえば、「梅雨」という天候についてイメージするでしょう。6月は日本ではもっとも雨がよく降る時期です。そのため、6月の結婚式は避けられていました。人気のない6月のイメージを大きく変えられるのが、ジューンブライドだったのでしょう。
素敵な言い伝えがあるとはいえ梅雨を警戒するカップルもあり、そこまで人気が高くないために、この時期の結婚式の費用はそこそこお得になりやすいです。
またジューンブライドは日本においてこそ梅雨ですが、すでに紹介したように、ヨーロッパにおいては最適な季節です。新婚旅行でヨーロッパに行くという方にとっては、ジューンブライドは魅力的な季節ともいえるでしょう。
ここからは、ジューンブライドとして6月に結婚式を挙げることのメリットとデメリットについて紹介します。
ジューンブライドの言い伝えが広まった影響もあってか、6月の結婚式は日本でもそれなりに人気があります。どんなメリットやデメリットがあるのか、見ていきましょう。
6月に結婚式を挙げるメリットとしては、やはりジューンブライドであるということで、幸せな結婚ができるという言い伝えがあり、縁起がよいことでしょう。
お祝い事など、今でも縁起を気にする人は多いです。ジューンブライドである6月の結婚式は非常におめでたく、縁起がいい日の結婚式だと受け取られるでしょう。
日本ではジューンブライドといっても6月は梅雨を嫌って結婚式を避ける人が多いので、比較的お得なプランがあり、結婚式の費用を安めに抑えることができます。
日本で一番結婚式の人気が高いのは、9月から11月頃の秋の季節となっています。ジューンブライドの言い伝えがあっても6月の人気はそこまで高くはないので、結婚するカップルの多い時期より安い費用で結婚式を挙げられるでしょう。
ジューンブライドである6月の時期は、日本では春から夏にかけての季節であり、夏のように暑すぎることもなく逆に寒すぎるということもない、ちょうどよい気候です。
梅雨の時期は雨が降ることが多くじめじめとしていますが、それでも真夏よりは暑くなく、寒すぎるといったこともないでしょう。結婚式をしてもとくに服装に困らず、すごしやすい時期だというメリットがあります。
6月といえば梅雨というほど雨のイメージが強いため、ジューンブライドですと伝えれば、相手は他の季節よりも雨に対する心構えをしてくれます。
6月に限らず結婚式に雨が降る可能性はあるのですが、他の季節ではあまり気にしていない人が多く、突然の雨に困ることがあります。ジューンブライドとして6月に結婚式を予定すると、ほとんどの人が「雨が降るかもしれない」と雨に備えていてくれるのがメリットでしょう。
すでに紹介しましたが、6月というのはヨーロッパなどではむしろ1年のうちで天候に恵まれた季節なので、新婚旅行をするにはぴったりの季節だというメリットがあるでしょう。
日本では梅雨の時期でも、ヨーロッパはむしろ旅行に最適な時期となっているのがポイントです。
せっかくジューンブライドをするなら、6月ならではの演出をとりいれたいものです。そこでここからは、ジューンブライドにおすすめの演出を3つ紹介します。
6月ならではのアイテムや行事、花を取り入れてジューンブライドを印象づけてみましょう。
雨といえば傘やてるてる坊主などがありますが、それらのアイテムを会場に飾りつけて、ジューンブライドならではの結婚式を挙げてみましょう。
雨が降る可能性が高いので、屋外でのセレモニーは最初から予定しない方が無難です。会場では梅雨の時期であるということを活かして、雨ならではのアイテムを装飾に用いるのがおすすめです。
6月といえば「父の日」や「和菓子の日」があるため、それらの要素を取り入れたセレモニーを行うのもよいでしょう。
父の日に近い日付でのジューンブライドなら、父の日ならではの感謝の言葉やプレゼントを用意しておくなどがおすすめです。
6月の花といえば紫陽花という有名な花があるので、そういった6月らしい花をテーブル装花やブーケとして使うとよいでしょう。
紫陽花の他には、結婚を司っているとされるローマ神話の女神「ユノ」の花である、ユリをブーケや髪飾りとして使うのもおすすめです。
ジューンブライドは縁起がよくて気候もよく結婚式に向いていますが、雨が降りやすいことだけがネックです。
そこでむしろ雨が降ることを見越して雨をテーマにした装飾にするなど、ジューンブライドに合わせた雨を楽しむ演出で、季節感たっぷりな結婚式を挙げましょう。