結婚式では、スクリーン等を使用して新郎新婦に関するムービーを流すのが一般的です。感動を誘うメッセージ・アルバム映像だけでなく、式を盛り上げるネタ系の映像が上映されることもあり、ウエディングムービーは結婚式の数だけ存在します。
ケーキ入刀やキャンドルサービス等のメインプログラムの間に挟まれるのがムービーですが、だからといってサブプログラムというわけではありません。ムービーは、結婚式のムードを作り上げる大切な役割を持っています。
オープニングムービーとは、結婚式の最初に流される短めの映像作品のことです。新郎新婦に宛てたメッセージ映像や、新郎新婦の思い出をまとめた映像のほか、中にはドラマや映画やアニメのオープニングのような、本格的なムービーもあります。
結婚式の第一印象を決めるのがオープニングムービーです。制作方法にもよりますが、新郎新婦が持つ雰囲気をそのまま落とし込んだようなムービーにすれば、映像を通して、出席者に新郎新婦の人となりを紹介することも可能です。
プロフィールムービーとは、新郎新婦の生い立ちや出会いをまとめたものです。幼少期から現在に至るまでをたどったり、交際中の思い出を振り返ったりなど、結婚式の雰囲気を作り上げる重要なムービーだと言えるでしょう。
ムービーを流しながら新郎新婦が感謝の手紙を読み上げる、といった演出も人気です。しかし上映時間を要するため、単調になりがちなのがプロフィールムービーです。中だるみさせないようなムービーを用意しましょう。
エンディングムービーとは、結婚式の終盤に流される映像作品のことです。式をまとめるようなムードのある作品が多く用いられます。
このとき、新郎新婦から最後のあいさつが述べられることも多く、エンディングムービーは、感慨深いワンシーンを彩る役割を担っています。
また、結婚式を締めくくる効果のあるエンドロールが使用されることも多くあります。自然と出席者の拍手を誘うようなムービーを流すのが好ましいでしょう。
結婚式のムービーを作るために必要な知識について紹介していきます。制作ソフト・アプリには、料金の有無、編集機能の差、商業利用の可不可など、種類によってさまざまな特徴があります。
未経験者用のシンプルな仕様のものもあれば、プロが使用する多機能なものも存在します。
結婚式のムービーを自作する際には、制作ソフト・アプリ、画像や映像等の素材、使用音源・音楽を用意しましょう。
ムービーを自作するメリットとしては、プロに依頼する料金が不要になる、自身の思い通りの作品を制作できる、自ら手掛ける分ムービーに対する思い入れが深くなる、といった点があげられます。
細部までこだわった個性的な結婚式を望む場合は、自らムービーを手がけてみましょう。
本格的なムービーを制作する際には、PCソフトを使用しましょう。PCソフトは完全無料のものから、一部および完全有料のものまで幅広くあります。
インストールする場合は、利用規約をきちんと読んでおき、しっかり確認する必要があります。
シンプルなムービーを作るのであれば、スマホアプリがおすすめです。スマホアプリには無料のものが多く、また、未経験者でも制作しやすい仕様となっていることが比較的多いです。
スマホ内のデータをそのまま利用することもできるためお手軽なスマホアプリですが、複雑な編集にはあまり向いていません。簡単なスライドムービー等を作る際に利用しましょう。
ムービー制作に自信がない、制作にあてる時間がない、といった場合には、映像制作会社や結婚式場など、専門のプロに依頼しましょう。
多かれ少なかれ依頼費用は掛かりますが、一定のクオリティを有したムービーが納品されます。ムービーに関するリクエストがある際には、なるべく早めに詳しく伝えておくことを心がけましょう。
完成度の高いムービーを求めるのであれば、映像制作会社に依頼しましょう。映像制作を専門に請け負う会社は、編集技術に優れたプロが在籍しており、ムービーの素材さえ渡せば、クオリティの高い映像作品を納品してもらうことが可能です。
依頼する際には、式までのスケジュール管理やムービーについてのリクエスト等、綿密な話し合いを重ねましょう。遅くても式の2ヵ月前までには依頼する必要があります。
結婚式場によっては、挙式プランの中にムービー制作および上映を組み込んでいるところもあります。挙式プランとムービーについて、ふたつの話し合いを同時進行できるため、スムーズかつお手軽です。
ただ、ムービー制作によって追加料金が発生する場合があるため注意しましょう。また、必ずしも結婚式場スタッフが映像作品を制作できるとは限りませんので、まず式場側に確認をとりましょう。
プロフィールムービーにおすすめのBGMを紹介していきます。新郎新婦の人生をたどるプロフィールムービーには、同じく、人生に寄り添うような曲を選びましょう。
好きな曲、お気に入りの曲を使うことも可能ですが、あまりにムービーの内容とちぐはぐだと、出席者が集中できなくなることもあります。
BGMひとつでウエディングムービーの印象はとても変わります。曲調や歌詞をよく検討して、ぴったりのBGMを選んでいくことが大切です。
福山雅治の「家族になろうよ」は、「わたし」から愛する「あなた」へ向けた、温かいラブソングです。
父母や祖父母、そしてまだ見ぬ子どもについて触れながら「家族になろうよ」「幸せになろうよ」と語りかけるこの曲は、まさに結婚式のムービーにうってつけだと言えるでしょう。両家の家族も登場するプロフィールムービーであれば、感動もひとしおです。
Mr.Childrenの「365日」は、「君」へ向けた深い恋心を歌った曲です。
純文学のようなロマンチックな言葉たちにはストレートな歌詞が混在しており、ムービーで使用すれば、そのギャップに思わず心を掴まれることでしょう。新郎新婦のなれそめ等の映像に使用するのがおすすめです。
西野カナの「Always」は、愛する人に向けて心からの感謝を伝える曲です。歌詞は、家族、恋人、友人すべての人に向けたものと解釈することも可能で、これまでの人生を振り返るプロフィールムービーにぴったりの曲です。
将来の幸せを約束しあうような、かわいらしさと愛しさの詰まった楽曲です。世代を問わず好感を呼ぶ一曲だと言えます。
aikoの「瞳」は、大切な人の幸せを静かに祈るバラードです。曲中に「“Happy Birthday to You”」という歌詞が存在するため、バースデーウエディングにおすすめです。
新郎新婦や近親者はもちろん、友人や目上の人も共感できるような歌詞で構成された楽曲です。メッセージ性の強い楽曲なので、ムービーを流しながらカラオケや弾き語り等をするのもおすすめです。
レミオロメンの「3月9日」は、「私」と「あなた」の人生についてを、3月の情景と絡めながらていねいに紡いだ曲です。春の結婚式において使用すれば、楽曲の世界に浸りながらムービーを観ることができるでしょう。
落ち着いた曲調から一気に盛り上がるサビも、感情を揺さぶるには効果的です。
WANIMAの「夏のどこかへ」は、誰もが一度は体験したことのある情景や感情を歌った爽やかなサマーソングです。
この曲の爽やかで誠実な歌詞は、お互いに一生の誓いを立てる結婚式によく似合います。
また、ムービー内に歌詞を表示して、ムービーの内容と照らし合わせるような演出をほどこすのも良案です。6月から8月ごろの夏の結婚式で使えば、出席者の印象に残ることでしょう。
「love & tears -あの頃の恋のうた-」は、懐かしのメロディーから最近の流行ソングまでが詰まったオムニバスアルバムです。曲の傾向はタイトル通り、ラブソングが多めです。
プロフィールムービーにおける新郎新婦のなれそめや交際期間中のエピソードなどを紹介する場面で、BGMとして使用することをおすすめします。一曲一曲がショートバージョンなので、編集して自然なつなぎにする必要があります。
プロフィールムービーを制作するにあたって、どのような構成にすれば良いかを悩む人も多いでしょう。自由に作っても問題はありませんが、可能であれば、出席者が楽しめるような、メリハリのある作りにしましょう。
まずは自身やパートナーの希望を出していき、大まかなプロットを作るのがおすすめです。大体の流れを把握できれば、そこから演出を付け足したり引いたり等といった作業がしやすくなります。
まず、新郎新婦の生まれて間もない頃の写真や映像を上映します。幼かった子どもたちが今は結婚式を行うまでに成長した、ということを、関係の深い出席者に感謝をこめてアピールしましょう。
そしてそのまま順番に人生をなぞっていき、2人の出会いから結婚に至るまでを紹介します。交際中に何も問題は起こらなかったとするよりも、ケンカのリアルなエピソード等を交えた方が、構成が単調にならずに済みます。
構成例②は、新郎新婦の生い立ちやなれそめを紹介した後に、BGMやスライドムービーを流しながら、新郎新婦が近親者に向けて手紙を読む、といった流れです。
結婚式における手紙朗読は定番ですが、これをプロフィールムービーと組み合わせることで、より感動的な式を演出することが可能になります。
手紙を読む時間とムービーの時間が噛み合わない場合は、ムービーをループさせたり、フェードアウトさせたりするのもひとつの案です。
結婚式は多くの人にとって、人生における幸福な瞬間です。大切な相手と将来を誓いあい、祝福を受け、あらためて共に歩んでいくことを実感する、そんな瞬間です。
ウエディングムービーとは、そんな結婚式において、新郎新婦や出席者がこれまでの思い出を振り返り、そして、これからの思い出を作っていくために上映される、特別な作品です。