「お車代」とは、結婚式に参加してくれるゲストへ、新郎新婦から渡す交通費のことです。
遠方から親戚や友人を招いた場合の交通費のほか、結婚式をサポートしてくれた方への新郎新婦からの感謝の気持ちとして渡す場合もあります。
お車代は、全員に渡さなくてはならないものではなく、新郎新婦の判断によって渡す人と金額を選定します。
前述のとおり、お車代は交通費だけではなく、結婚式を挙げるまでのサポートをしてくれた人に渡す場合があります。
「御車代」と書かれたのし袋に「新札」を入れて手渡しする方法が一般的です。新郎新婦やその両親から参加者へ渡すこともあるほか、地域や風習によってお車代の定義が変わる場合もあります。
ここからは、一般的なお車代の渡し方やどんな人に渡すかを見ていきましょう。
結婚式の主賓の人へは、結婚式当日に直接手渡しするとよいでしょう。結婚式での主賓は披露宴にて「祝辞」をしてもらいます。式が始まる前にお礼を兼ねてお車代を渡しておくと良いでしょう。
その際、公衆の面前はなるべく避けて渡すようにすれば、相手も受け取りやすくなります。主賓は、事前にスピーチを考えたり、披露宴で乾杯のあいさつをするなど緊張する役柄ですので、新郎新婦から直接手渡しできると良いでしょう。
結婚式へ来ていただく親族以外のゲストへのお車代は、受付の担当者から手渡す方法が良いでしょう。
人数にもよりますが、新郎新婦では手が回らないというケースが考えられます。その場合は、受付を担当してくれるゲストへ伝達し、結婚式当日の受付の際に「お車代」を渡せれば、スムーズでしょう。
結婚を祝福してくれる親族へのお車代は、式が始まる前や披露宴が終わった後に渡しましょう。親族であれば、あまり肩肘を張らずに好きなタイミングでお車代を渡せる関係と考えられます。
当日にこだわらず、結婚式の前日に渡しても問題はありません。結婚式当日に公の面前を避けて直接渡したり、両親や兄弟などに代わりに渡してもらうなど、最善な方法で渡しましょう。
結婚式の司会を頼んだ人へお車代を渡す場合は、結婚式の前日もしくは結婚式直前に手渡しするのが最適です。
自分たちの結婚式を進行してくれる重要な関係の相手ですので、司会進行の段取りなど、事前に数回の打ち合わせを行うこともあるでしょう。その時にお礼を兼ねてお車代を渡すこともできます。
非常に重大な任務である結婚式の司会進行役ですので、親しい間柄とはいえ、感謝の思いを包んで手渡しましょう。
結婚式で受付をお願いした人への「お車代」は、結婚式が終了した後に渡すのが良いでしょう。
一般的には、身近な間柄の人に結婚式の受付を担当してもらうケースが多いでしょう。受付業務が終わり、披露宴までの空き時間や結婚式が終了した後に、お礼としてお車代を渡しましょう。
規模によっては、多数の来客を受け付ける非常に大変な役割でもあるため、心からの感謝を伝え、受付担当者全員に一律のお車代を渡しましょう。
結婚式の盛り上げ役として、スピーチや余興を引き受けてくれる人へは、いずれも結婚式が始まる前にお車代を渡しましょう。その際は、やはり公衆の面前ではなく、相手が遠慮しないで済むタイミングを見計らい、新郎新婦もしくは両親や兄弟などの身内が代理で渡しましょう。
結婚式を盛り立ててくれる大事な役割の方々ですので、式が始まる前にお車代を渡すことで、より一層、結婚式を盛り上げようと奮起してくれるでしょう。
続いて、結婚式でお車代を渡す際のポイントを3つ、順に見ていきましょう。ゲストの人数によっては、お車代に関する準備だけでも時間がかかります。
お車代が必要な人や金額を検討し、新札でお金を準備し、渡すタイミングや渡し方を考えて、必要があれば式場のスタッフや受付を担当するゲストに共有します。結婚式の大事な準備の1つでもあるので、お車代に関しては事前に検討し、しっかりと準備しておくことをおすすめします。
結婚式の来場者へ渡すお車代の金額は、事前に自分たちでリサーチしておきましょう。来場者の交通費は、調べればおおよその金額が分かります。それよりも少し多めの金額を、余裕を持って渡せる準備をしておきます。
ゲストがどのような手段で会場まで来るのかを把握できるとお車代の準備がスムーズになります。十分なお車代を包むことは大事ですが、出費が大きくなりますので、事前にしっかりと予算を取っておきましょう。
結婚式にて渡すお車代の総額の予算は、早めに出しておきましょう。結婚式の規模によっては、お車代だけで数十万円やそれ以上の金額になります。多額の出費となるため、結婚式の日程と来客数が定まり次第、お車代の総額をあらかじめ把握しておく必要があります。
さらに専用の袋も準備することになるため、全体的な予算を算出しておけば、結婚式に掛かる全体の費用も検討しやすくなります。
結婚式で、お車代を渡す人の名簿を事前にリストアップしておきましょう。お車代を渡す人のリストを作り、金額も記載して総額の予算を想定しておきます。
さらに専用の袋にお金を入れて、結婚式の数日前にはすべてのお車代を準備しておけば安心して結婚式当日を迎えられます。重複や不足を出さないためにも、来場者リストと同時にお車代リストも用意しておけば、作業負担も軽減されてミスも減るでしょう。
結婚式で渡すお車代は、入れる金額によって袋を変える必要があります。一般的に、金額に相応しい祝儀袋を用いることが望ましいとされ、相手への配慮にもつながります。
結婚式を滞りなく進行して完結させるためにも必須のマナーです。以下に、金額別に使うべき袋をご紹介しますので、これから結婚式用のお車代を準備する方は参考にしてください。
相手へ渡すお車代が数千円の場合は、ポチ袋に入れて渡します。
3千円や5千円を入れて渡すケースが多く、特に結婚式では「2で割り切れない金額を包む」というマナーがあります。お車代の場合にはそこまで厳密にしなくても構いませんが、感謝の気持ちを持って用意しましょう。
この金額は比較的近距離で、車や電車で来てくれた来場者へ渡すことが多く、「御車代」というハンコを押す、もしくは印字されているポチ袋で相手へ渡すようにしましょう。
お車代が1万円や1万円以上の場合、紅白の水引が描かれたのし袋、もしくは水引とのしが付いたご祝儀袋を用いると良いでしょう。
1万円であれば、封筒の表に水引やのしが印刷されたもので構いません。その際は、中袋のないタイプのご祝儀袋に、新札を入れて渡しましょう。
また、金額が3万円を超える場合は、その金額に見合うように、きちんとした水引とのしが付いたご祝儀袋にお金を入れましょう。
結婚式で渡すお車代の金額を決める際には、注意する点が5つあります。
結婚式のお車代は、往復の交通費程度という相場があります。相場に対して大幅に金額が多かったり少なかったりするとゲストは困惑してしまうかもしれません。これからご紹介する注意点5つを参考にし、お車代を包んで結婚式の前日までに準備しておきましょう。
結婚式で渡すお車代の金額は、相場から大幅な違いがないように準備しましょう。
事前にゲストに渡すお車代を算出し、さらに相場との比較をして大きな相違がないようにしておきます。往復の交通費でもあり、わざわざ式場まで来てくれる事に対する感謝の気持ちでもあるのが「お車代」ですので、すこし余裕をもった金額を包むことで相手からも喜ばれます。
結婚式で渡すお車代は、キリのよい枚数の新札を入れて相手へ渡しましょう。
たとえば、事前に算出した交通費が4,500円、9,800円だったとしても、その金額を袋に入れて相手へ渡すことは避けて下さい。
この場合はそれぞれ新札で5千円札を1枚、1万円札を1枚入れましょう。小銭や千円札を包むことはせず、5千円札と1万円札を入れて、相手に渡すことがマナーとされています。
結婚式でお車代を渡す相手が複数いる場合、移動手段などの状況が似ているゲストには、包む金額を統一しましょう。
利用した交通機関など、ゲストそれぞれにかかった費用は違ったとしても、式場までの距離にさほど差異がない場合などは、それぞれのゲストへ同一の金額を渡したほうが良いです。もしもゲスト同士でお車代の比較されてしまった場合、気まずい状況にならないようにしましょう。
お車代とは、あくまでも結婚式場までの往復の交通費や感謝、宿泊費などとして渡すお金です。
気を遣って交通費や宿泊費以外の費用も渡したいと考えることもあるでしょうが、来場者数によってはお車代だけでも膨大な金額となります。交通手段や宿泊の有無以外は尋ねず、あくまでも感謝の気持ちとしてお車代を渡します。
結婚式に参列するためにかかった費用に感謝の気持ちを加えた分を、「お車代」として相手へ渡しましょう。
結婚式会場までの移動距離が短く、交通費が発生しないゲストには基本的にお車代を渡す必要はありません。
また、結婚式に出席するのは、昔ながらの友人や親族が多く、「祝福することが目的なので、お車代はいらない」と言われる場合があります。特に親しい関係では、お車代を受け取ることを遠慮するケースも多いでしょう。
その際は、しつこく「お車代」を渡すのではなく、結婚式が終わってから感謝を込めて贈り物をしてみるのもよい方法の1つです。
この記事では、結婚式を挙げるカップルにとって重要な「お車代」について見てきました。お車代の渡し方には、厳密な決まりがあるわけではありません。
2人の結婚を祝福して、式に参加してくれるゲストがあってこそ、素晴らしい門出となります。最低限のマナーさえ守っていれば、お車代については気持ちの問題です。結婚式をサポートしてくれたゲストへのお礼を込めて、心のこもった方法でお車代を渡しましょう。