【専門家監修】妊娠がわかるときに見られる特徴は?妊娠初期に気を付ける点も紹介

妊娠初期症状がわかるのはいつ?

妊娠すると妊娠初期症状と呼ばれるさまざまな症状が出現します。このような妊娠初期症状がきっかけで、妊娠していることに気付く方も多いでしょう。基本的には最短だと妊娠3週目、つまり前回の生理開始日から3週間経った頃から妊娠初期症状が出るといわれています。


妊娠3週目の時期はちょうど生理一週間前の時期にあたるため、生理が定期的にきている方はこの時期に妊娠の兆候があった場合、妊娠の可能性を期待してもよいでしょう。

妊娠初期症状に関わる3つのホルモン

妊娠初期症状は以下の3つのホルモンの分泌量が変化することで起こるといわれています。ここからは妊娠初期症状に関わるホルモンの性質や働きについて、それぞれ紹介していきます。妊娠初期症状の原因を知りたい方は、以下の内容を参考にしてみてください。

  • 卵胞ホルモン(エストロゲン)
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)
  • ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)

1:卵胞ホルモン(エストロゲン)

卵胞ホルモン(エストロゲン)は、妊娠の準備をするために子宮内膜を厚くする働きがあります。このホルモンは卵巣で作られ、妊娠すると母乳を作るために乳腺の発達を促します。


出典:妊娠・出産による変化 その2 ~ホルモンバランス~|東京北医療センター産婦人科
参照:https://www.tokyokita-jadecom.jp/gynecology/column/364/

2:黄体ホルモン(プロゲステロン)

妊娠すると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加します。


黄体ホルモンは妊娠していない場合でも排卵日の直前に分泌量が急増し、排卵検査薬の判断材料としても使われています。子宮内膜を厚く保ち、妊娠が継続できるよう働きかけたり、乳腺を発達させたりする働きがあります。


また、このホルモンの分泌量が増加することで、基礎体温の上昇や食欲の増加といった妊娠初期症状を引き起こします。


出典:妊娠について|セキールレディースクリニック
参照:http://sekiel.com/first_about

3:ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)とは、受精卵が着床した後に分泌されるホルモンです。このホルモンは赤ちゃんを育てやすいように体を変化させる働きがあり、妊娠8週~12週目の時期に分泌量が増えます。


ヒト絨毛性ゴナドトロピンは妊婦さんだけに分泌されるホルモンであるため、尿検査などで分泌が確認されて妊娠が判明するパターンもあります。


出典:産婦人科の病気:正常妊娠 | 病気の治療 | 徳洲会グループ
参照:https://www.tokushukai.or.jp/treatment/gynecology/seijo-ninshin.php

妊娠がわかるときに見られる16の特徴

妊娠すると身体にさまざまな変化が起こるとされていますが、具体的に妊娠初期症状にはどのようなものがあるのでしょうか。


ここからは妊娠がわかるときに見られる16の特徴をお伝えしていきます。「なんとなく体調が悪くて生理も遅いけど、妊娠の兆候かな?」「検査薬以外で妊娠がわかる方法って?」と気になっている方は、以下の内容を参考にしてみてください。

  • 着床出血が起こる
  • 下腹部が痛む
  • 胸の張りや痛みが起こる
  • 頭痛が起こる
  • 腰痛が起こる
  • 基礎体温が上昇する
  • 眠気や体のだるさがある
  • 情緒や感情が不安定になる
  • 生理が遅れる
  • おりものの色やにおいが変化
  • 肌トラブルが起こる
  • 嗅覚の変化が起こる
  • 食欲の変化が起こる
  • 消化器系のトラブルが起こる
  • 味覚が変わる
  • 便秘になる

1:着床出血が起こる

妊娠の兆候には、着床出血というものがあります。 着床出血とは受精卵が子宮内膜に着床した際に、子宮壁が傷つくことで起こるものです。出血量や血の色には個人差があり、いつもの生理と同じ量の出血や、同じ色の出血が起こる場合もあります。


また、着床出血は誰にでも必ず起こる現象ではありません。そのため、着床出血がなくても「ちゃんと妊娠できていないのかも…」などと心配する必要はないでしょう。


参照:妊娠の初期症状と産婦人科を受診するタイミング|エナレディースクリニック
出典:https://www.ena-clinic.com/column/528/

2:下腹部が痛む

妊娠した場合に下腹部が痛むことがあります。これは妊娠したことにより腸の動きが鈍くなることが原因で、お腹に引っ張られるような痛みやシクシクとした痛みを感じることがあるのです。


この下腹部痛は人によって継続する期間がさまざまです。生理痛に似ているため、いつも通り鎮痛剤を飲んでしまうことがないよう妊娠の心当たりがある場合は注意が必要です。

3:胸の張りや痛みが起こる

生理前にホルモンの動きの関係で胸の張りや痛みを感じる方も多いのではないでしょうか。このような生理にまつわる胸の張りや痛みは、生理が始まった後次第に減少していきます。


しかし、生理予定日を過ぎても胸の張りや痛みがおさまらない場合は妊娠の兆候である可能性があるでしょう。


妊娠すると授乳に備えるために卵胞ホルモンと黄体ホルモンが増加して、乳腺や乳管が目まぐるしい勢いで発達するため、胸の張りや痛みが生じるとされています。

4:頭痛が起こる

妊娠したことがきっかけで、頭痛が起こる場合もあります。これは黄体ホルモンが活発になることで血管の拡張作用が働くことや、ホルモンバランスが乱れることが原因です。


いつも飲んでいる頭痛薬を飲まず、ゆったりとした気持ちで休みましょう。痛みが強い場合は産婦人科を受診すれば、妊娠中でも飲める頭痛薬を出してもらえます。

5:腰痛が起こる

妊娠すると出産の際にスムーズに赤ちゃんが出てこられるよう、骨盤周りの関節や靭帯が緩くなります。この変化は出産まで何ヶ月もある妊娠初期から始まり、腰痛の原因となることもあります。


そのため、腰痛が起こるという症状も妊娠がわかる時期に見られる特徴といえるでしょう。

6:基礎体温が上昇する

妊活のために基礎体温を付けている方は、基礎体温の上昇で妊娠に気付くこともあります。


本来、生理が始まってからの半月は基礎体温が低く、そして排卵日から半月は体温が高いとされています。しかし、妊娠すると黄体ホルモンの働きで体温が下がりらないため、体温が高い期間が半月以上続いた場合は妊娠を期待してもよいでしょう。

7:眠気や体のだるさがある

異様な眠気や体のだるさから、妊娠がわかる場合もあります。これは、先にお伝えしたヒト絨毛性ゴナドトロピンの影響といわれています。できるだけ体を休め、無理のない範囲で動くようにしましょう。

8:情緒や感情が不安定になる

情緒や感情が不安定になることも妊娠がわかるときに起こる変化です。これは妊娠したことによりホルモンバランスが乱れることが原因とされています。


ささいなことで涙が出たり、2人目の妊娠の場合、上の子供にイライラしてしまったりすることもあるでしょう。上手に気分転換をしながら、繊細になっている気持ちに上手に向き合いましょう。

9:生理が遅れる

生理が規則的に来ていてアプリなどに記録している方にとっては、生理が遅れることも分かりやすい特徴ではないでしょうか。


生理とは受精卵が着床しなかったことで、不要になった子宮内膜が剥がれ落ちる現象です。しかし妊娠すると子宮内膜を排出する必要がないため、生理が止まります。

10:おりものの色やにおいが変化する

妊娠がわかるときに見られる特徴として、おりものの色やにおいの変化もあります。おりものの量が増えたり水っぽくなったり、さらに色が乳白色や薄い茶色に変化したりすることもあります。


おりものの量が多い場合は、こまめに下着を変えることやおりものシートを使うことで、清潔に保つようにしましょう。

11:肌トラブルが起こる

妊娠したことによりホルモンバランスが乱れ、肌トラブルが起こる方も多いといわれています。


ニキビや皮膚のかさつきなどが現れるケースが多く、これまで使っていた化粧品が突然合わなくなることもあります。場合によっては敏感肌用の化粧品に変えることで対策をしていきましょう。

12:嗅覚の変化が起こる

嗅覚の変化に変化が起こることで、妊娠がわかることもあります。電車で他人のにおいが辛くなったり、遠くで吸っているタバコのにおいが気になったりすることなどがあるでしょう。


嗅覚の変化が原因で気分が悪くなってしまうこともあるため、人混みに行く際はマスクをつけたり、アロマオイルを垂らしたハンカチを持ったりして対策をしてみるとよいでしょう。

13:食欲の変化が起こる

食欲の変化も、妊娠がわかるときに見られる特徴の1つです。食欲がこれまでに比べて一気に増したり、反対に食欲が著しく減少したりすることもあります。


特に暴飲暴食は妊娠に関わらず体に負担をかけるものです。会社の健康診断などで体重などを指摘されたことがある方は、食べ過ぎに気を付けるようにしましょう。

14:消化器系のトラブルが起こる

妊娠がわかるときに見られる症状として、消化器系のトラブルが起こる場合もあり、食後に胃がムカついたりキリキリ痛んだりすることがあります。


食事をとれないほどムカつきや痛みがひどいときは無理をせず、食べられるときに食べられる量を食べるようにしましょう。

15:味覚が変わる

味覚が変わることで、直感的に妊娠がわかる方も多いのではないでしょうか。これは妊娠による自律神経の乱れが原因で、好きだったものが食べられなくなったり、特定のものばかり食べたくなったりします。


味覚の変化が特に激しい妊娠初期は、無理してこれまでと同じものを食べる必要ありません。食べられるものを食べて乗り切り、症状が落ち着いたら栄養バランスに気を付けた食生活に戻すようにしましょう。

16:便秘になる

妊娠がわかるときに見られる特徴の1つとして、便秘になることがあります。


便秘の症状は、hCGホルモンの働きやホルモンバランスの変化から自律神経が乱れることで引き起こされます。


便秘は妊娠中に多くの妊婦さんを苦しめる症状で、何日も便が出ず苦しい場合は無理をせずに、かかりつけの産婦人科で相談することをおすすめします。

妊娠初期症状が出た際に気を付ける点

ここまで妊娠がわかるときに見られる特徴についてお伝えしてきましたが、上記のような症状があって妊娠の可能性がある場合、産婦人科を受診するまでの過ごし方でいくつか気を付ける点があります。


まず生活習慣として、タバコやお酒を嗜む方は控えるようにしましょう。副流煙も赤ちゃんの成長に影響を及ぼす可能性があるため、周囲の方がタバコを吸っている場合も配慮してもらうのが理想的です。


また、安易な薬の服用やレントゲンは避ける必要があります。体調不良があって病院に行く際には、妊娠の可能性を伝えた上で受診するよう心がけましょう。


出典:妊婦と喫煙(副流煙)|三浦メディカルクリニック
参照:https://miura-medical.clinic/blog/archives/124/

妊娠検査薬の特徴

ここまでお伝えしてきたような妊娠の兆候を感じた場合、市販の妊娠検査薬を試す方も多いのではないでしょうか。ここからは妊娠検査薬の特徴についてお伝えしていきます。これから妊娠検査薬を試そうと思っている方は以下の内容を参考にしてください。

陰性でも妊娠している場合はあるのか

妊娠検査薬が陰性でも、妊娠している可能性はあります。妊娠検査薬はhCGホルモンの分泌量で妊娠しているかどうかを判断するため、時期が早すぎてホルモンの分泌量が十分でない場合、陰性が出てしまうことがあります。


また、生理不順である場合は最終生理日や排卵日を勘違いしているケースも多く、生理予定日を間違えて早く検査をしてしまうことで陰性になる場合もあります。


参照:いつから使える?妊娠検査薬|天神駅前産婦人科クリニック
出典:https://tenjin-fujinka.jp/abortion/pregnancytest/

妊娠の兆候があれば病院へ

前述でお伝えしたように、妊娠検査薬の結果は正確とは言い切れません。しかし、妊娠していた場合、生活習慣や行動に気を付ける必要があります。


妊娠検査薬の結果が陰性であっても、妊娠の兆候があれば産婦人科を受診するようにしましょう。産婦人科では尿検査や超音波検査を行って、妊娠の有無を調べることができます。

妊娠がわかるときの特徴について知っておこう

ここまで、妊娠初期症状がわかるのはいつ頃なのか、妊娠がわかるときに見られる特徴や妊娠初期の注意点などについてお伝えしてきました。


妊娠初期症状を自覚する時期は、最短だと妊娠3週目ごろにあたる生理予定日の一週間前の時期であることや、妊娠がわかるときに見られる特徴には、消化器官の不調や頭痛、腰痛、頻尿や便秘といったものがあるということがわかりました。


また、妊娠の兆候を感じる場合には産婦人科を受診して調べることをおすすめします。


本記事の内容を参考にして、妊娠がわかるときの特徴についておさえ、妊娠初期症状の自覚がある場合は生活習慣に気を付けるよう心がけましょう。