「出産まで何ヶ月かな?」と楽しみにされている方も多いことでしょう「10月10日」(とつきとおか)といわれているように、約10ヶ月間、ママのやさしさに包まれながら、大切に育まれていきます。
妊娠週数は妊婦さんにとって、体調の変化や出産期間を知る大切な情報です。妊娠期間は初期・中期・後期の3つの期間に分けられます。妊娠1~4ヶ月(0~15週)を妊娠初期、妊娠5~7ヶ月(16~27週)を妊娠中期、妊娠8~10ヶ月(28週~40週)を妊娠後期とよびます。
その中でも、妊娠1ヶ月(0週~4週)を妊娠超初期とよぶことがあります。妊娠成立にともない、体に変化が現れることから用いられる表現です。
妊娠週数の起点は、最後の月経開始日です。この日から28日目を1ヶ月間とし、28日×10ヶ月の280日が妊娠期間となります。つまり、最後の月経開始日が妊娠0週0日で、これに280日を加えた日が出産予定日になります。
「それだと妊娠していない期間も含まれるのでは?」と疑問を持つことでしょう。確かに、約2週間の受精していない期間が含まれています。しかし管理がしやすいよう、妊娠計算の開始日(妊娠0週0日)=最終月経が始まった日とされています。
赤ちゃんが欲しい方はもちろん、そうでない方も自分の月経周期を知ることは大事なことです。見逃してしまいがちな心身の傾向や不調にいち早く気づくことができます。無料アプリやサイトを活用し、自分の体と向き合いましょう。
出典:妊娠の期間等に関する報告書|法務省
参照:https://www.moj.go.jp/content/001351932.pdf
受精卵が着床し、妊娠の反応が出るのは妊娠4週頃です。そのため市販の妊娠検査薬は、月経予定日の約1週間後の使用が推奨されています。産婦人科を受診する前に、陽性反応の有無を調べましょう。
妊娠検査薬が陽性判定の場合は、最後に月経が始まった日から5~6週を目安に産婦人科を受診します。このころになると、赤ちゃんの心拍が確認できるようになります。
また陰性判定でも妊娠している可能性があります。2ヶ月以上月経が来ない場合は、一度産婦人科に相談してください。
妊娠22週0日から妊娠36週6日までのお産が「早産」、妊娠42週0日以降のお産を「過期産」とよびます。
早く生まれた赤ちゃんは長期の治療が必要です。さらに、合併症のリスクも高くなり、生命に関わるケースもあります。早産にならないよう、日頃から無理のない生活を心がけることが大切です。
過期産が起こる割合は全妊娠の約1%に発生するといわれ、原因は解明されていません。妊娠満期に近づくと胎盤機能が低下します。そのため酸素や栄養供給が減少し、赤ちゃんの健康状態に危険が起こる可能性が高まります。
また、成長し過ぎによる難産や分娩時外傷の恐れもあるため、妊娠42週に入る前に分娩誘発を行うのが一般的です。
出典:早産・切迫早産|公益社団法人 日本産科婦人科学会
参照:https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=5
妊娠は病気ではありませんが、もう一つの命を育む大切な期間です。妊娠中の体は赤ちゃんの成長に合わせ日々変化しており、とてもデリケートな状態にあるといえます。突然のトラブルに備えるためにも、かかりつけの医師を持ち、妊婦健康検査を受けることが重要です。
ここからは、出産までの流れと用意しておきたいものについてご紹介します。体の変化は人それぞれ違いますので、参考としてご覧ください。
妊娠1ヶ月(妊娠超初期)は先述の通り、約2週間の妊娠していない期間が含まれています。妊娠2週0日が排卵の時期にあたり、卵子と精子が受精します。受精後1週間ほどで子宮内膜に着床し、妊娠成立となります。
外見上の変化はなく、ほとんどの人が自覚症状がありません。ただし、ホルモンバランスに敏感の人は、熱っぽさや胸が張るなどの体調の変化に気づくこともあります。
妊娠を希望する方は、排卵後からバランスのよい食事を心がけ、葉酸や鉄分を積極的に摂取しましょう。また、健康診断のレントゲン検査には気をつけてください。
妊娠2~4ヶ月(妊娠初期)は、出産に向けて少しずつ体が変化し始めます。妊娠を心待ちにしている方にとっては、喜びのサインではないでしょうか。妊娠の兆候を感じたら、妊娠検査薬をためしてみましょう。
このころの赤ちゃんは急激に発達し、成長していきます。無理をせず、ストレスを溜めこまないことが大切です。
妊娠2ヶ月(妊娠4~7週)は、赤ちゃんの脳や心臓などの体の重要な部分が形成され始めます。多くの方が月経の遅れを感じ、つわりの症状があらわれるため、産婦人科を受診し、正常な妊娠か確認しましょう。
妊娠3ヶ月(妊娠8~11週)は羊水を飲み、胃腸で吸収するようになります。さらに出産予定日が徐々に確定してきます。赤ちゃんの成長をサポートするホルモンの分泌が活発になるため、つわりの激しい時期といわれます。症状がひどい場合、主治医に相談しましょう。
妊娠4ヶ月(妊娠12~15週)は、赤ちゃんの呼吸や食事などをサポートする胎盤が完成します。また内臓もほぼ完成し、外の音が赤ちゃんに聞こえるようになってきます。つわりが落ち着き、お腹のふくらみを感じるでしょう。
出典:「働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために」|一般財団法人 女性労働協会
参照:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/document/data/pamphlet_2019_02.pdf
妊娠初期にしておきたいことは下記の通りです。
・産婦人科で初診を受ける
・持病の薬を服用している場合、主治医に相談する
・自治体から母子手帳を交付してもらい、妊婦健康検査受診表とマタニティマークを受けとる
・定期検診のスケジュールを把握する
・出産する病院を決め、里帰り出産について家族で話し合う
・働いている方は会社に報告する
・食習慣を見直し、禁酒禁煙を心がける
母子手帳はママと赤ちゃんの健康状態を記録する大切なものです。妊娠がわかったらすぐに届け出ましょう。
また、妊娠健康検査は、ママと赤ちゃんの健康状態を定期的にチェックする重要な検査です。妊婦健康検査受診表はこの検査にかかる費用の一部を負担してくれる、いわば割引券のような役割をします。通院回数は、計14回が推奨されています。
出典:母子手帳の交付・活用の手引き|国立保健医療科学院
参照:https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/hatsuiku/index.files/koufu.pdf
揃えておきたいアイテムをご紹介します。
・母子手帳ケース
・サプリメント(健康補助食品)
・マタニティウエアと下着
・ボディケアクリーム
・ヒールの低い靴
母子手帳ケースは保険証や診察券などと一緒に収納できるケースです。赤ちゃんが生まれた後も使い続けるため、しっかりした素材のものを選びましょう。また、自治体によってサイズが異なるので、確認してから買い揃えます。
妊娠4ヶ月頃からゆったりとしたマタニティウエアや下着に変えていきましょう。転んだりしないよう、安定感のあるヒールの低い靴もあると安心でしょう。
妊娠5~7ヶ月(妊娠中期)は、安定期に入ります。
つわりも落ち着いてくるので、お出かけや旅行の計画している方も多いのではないでしょうか。お出かけの際はゆったりしたプランを立て、母子手帳や保険証を忘れずに持ち歩きましょう。
胎盤が完成し、体調が落ち着いてきます。また胎動が活発になり、赤ちゃんを近くに感じることでしょう。
妊娠5ヶ月(妊娠16~19週)は聴覚が発達し、音を聞くようになります。胎動を感じたら話しかけてあげましょう。また、早ければ性別がわかる時期でもあります。ベビーグッズの準備や赤ちゃんの名前の候補を考え始めましょう。
妊娠6ヶ月(妊娠20~23週)は呼吸器の発達が進み、肺が成熟していきます。安定期に入ったから安心とはいえません。妊娠21週までは流産ですが、22週以降は早産となります。早産や切迫早産にならないためにも、心身に負荷がかかることは避け、規則正しい生活を心がけましょう。
妊娠7ヶ月(24~27週)は赤ちゃんが光を感じたり、外の音が聞き分けられるようになります。赤ちゃんの成長とともにお腹が大きくなるため、足元が見えづらくなってきます。転倒には十分注意しましょう。
出典:「働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために」|一般財団法人 女性労働協会
参照:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/document/data/pamphlet_2019_02.pdf
安定期のうちにしておきたいことは、思っていた以上に多くあります。焦らず、体調と相談しながら進めましょう。
・戌の日に安産祈願する
・20週までに分娩予約する(里帰り出産を希望している方は産院を決め、1度受診してください。)
・歯医者さんを受診する
・体重を管理する
・両親学級に参加する
・出産に関わる「もらえるお金」を調べる
・働いている方は仕事の引継ぎ準備を始める
・ベビー用品の情報を集める
・赤ちゃんの名前を考える
日本では、妊娠5ヶ月の戌の日に腹帯を巻く「帯祝い」をする風習があります。「戌の日カレンダー」で日付をチェックし、お寺や神社で安産祈願しましょう。
妊娠中期は、準備しきれなかったアイテムを充実させましょう。
・腹帯
・マタニティウエアやパジャマ
・マタニティのストッキングや靴下、レギンス
戌の日のお祝いのためにも、腹帯を準備しておきましょう。お腹が大きくなるにつれ、腰痛を感じるようになります。腹帯は大きいお腹をしっかり支えてくれるため、腰がラクになります。
マタニティパジャマやルームウエアは、妊娠中だけでなく、出産の入院時や退院後にも大活躍します。授乳機能つきや前開きのものを選ぶのがおすすめです。また、冷えやむくみ予防として、ストッキングや靴下、レギンスがあると重宝します。履き心地のよいものを選びましょう。
妊娠8ヶ月~出産(妊娠後期)は、赤ちゃんが生まれてくる準備を始めます。ママはお腹もますます大きくなり、出産を意識し始めることでしょう。
夢にまでみた赤ちゃんとの対面まであと少しです。
妊娠8ヶ月(28~31週)は赤ちゃんの肺や内臓機能が整います。まばたきをしたり、口を動かしたりと表情豊かになってきます。一方で、ママはむくみやお腹の張りを感じやすくなります。早産や妊娠高血圧症候群の予防のためにも、十分な休息が必要です。
妊娠9ヶ月(32週~35週)は脂肪がつき、丸みを帯びた体型になります。胃が圧迫され気持ち悪いと感じたら、食べる量や回数を工夫してみましょう。
妊娠10ヶ月(36週~)赤ちゃんの頭が骨盤の中に下がり、外の世界に出る準備を始めます。恥骨痛や足のつけ根に痛みを感じたら横になって休むようにしましょう。これまでと比べてお腹の張りが頻繁におこります。出産の前兆があらわれたら、すぐに産院へ連絡しましょう。
出典:へその緒通信|済生会新潟第二病院 産婦人科
参照:http://ngt.saiseikai.or.jp/data/pr/hesonoo/pdf/hesonoo113.pdf
出産に備えて、入院準備や赤ちゃんを迎える用意をスタートさせましょう。
・入院グッズをそろえ、バッグに入れておく
・ベビー用品をすぐに使えるように準備する
・赤ちゃんの過ごす場所を決める
・産後に行う手続きを確認する
・働いている方は産休や育休の手続きをし、引継ぎをする
・産院までの交通手段や連絡先を調べる
・里帰り出産を希望している方は、主治医と相談し、36週までには帰省する
・手のネイルを落としておく
出産は思いがけず早まることもあります。入院に必要なものをバッグに入れておくと安心です。里帰り出産の方は、紹介状と検査結果のコピーを忘れずに持参しましょう。
退院後すぐに使えるように、赤ちゃんの肌着や服を下洗いしておきましょう。ベビーベットの組み立てやチャイルドシートの取りつけも済ませておくと安心です。
産後に必要な手続きは、パパや家族にお願いすることがあります。慌てることがないよう、夫婦で確認しましょう。
産院から指定される「持参するものリスト」にそって、準備しましょう。以下はその例です。
・マタニティ肌着やキャミソール
・母乳パッド
・産褥ショーツとパッド
・産後リフォーム
授乳ができるマタニティ肌着やキャミソールがあると、授乳中に汚れたり、汗をかいた時に交換できます。また、母乳パットは母乳漏れによる下着や服が汚れるのを防ぎます。
また、赤ちゃん用の準備リストとして以下のものが挙げられます。
・ベビー服(肌着)
・ベビーベットや布団
・オムツとおしりふき
・沐浴とお風呂グッズ
・授乳クッションやケープ
・哺乳瓶や搾乳機
マタニティ用品やベビー用品はレンタル対応品もあります。気になる方はチェックしてみましょう。
安定期に入り体調が落ち着く、妊娠6~8ヶ月頃に出産準備をするママが多いとされています。
妊娠・出産は、それまで必要としなかったものをそろえる必要があります。購入するものによって変動はありますが、マタニティ・ベビー用品の購入費用は10万~15万円程度です。
まずは、どのような商品がどれくらい必要なのか、先輩ママの意見を参考にプランを立てるといいでしょう。その後、必要なものを絞り、チェックリストを作って買い足していくと効率よく揃えることができます。
それと同時に、産後の生活準備についても事前にリサーチしておきましょう。行政の子育て支援は無料で受けられることもあるため、自治体のHPを確認しましょう。
出産の流れについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。初めての妊娠や出産に不安を持つママは多いでしょう。予め妊娠や出産に関する知識があれば、戸惑いにくくなります。
この記事を参考に正しい知識を持ち、自分らしい出産プランを計画していきましょう。