【専門家監修】生理前おりものの役割や特性8つ|要注意なおりものの特徴5つ

おりものとは

おりものとは子宮内膜からおりてくる分泌物のことです。子宮頸管・膣・感染している場合はその分泌物が混ざりあった液体で、粘り気があり、体調や体の変化で臭いや質感、色が変化します。


今回はおりものの状態による体の周期や変化、おりものの役割や特性などを紹介します。女性のサイクルと上手に付き合ってくために、知っておきましょう。

生理前のおりもの

おりものの状態を把握できるようになると、女性特有の体の周期を知る目安になります。おりものの状態や量、臭いで生理前のタイミングや排卵日が近いことを知ることが可能です。


女性は周期によって心と体のバランスなどが変化します。


おりものは生理前になるとドロっとした白濁状になります。

妊娠初期のおりもの

おりものとエストロゲンは深い関係にあります。エストロゲンとは、いわゆる女性ホルモンです。そのため閉経すると、おりものの量はぐっと少なくなります。


女性の体の周期の中でおりものの量が多くなるのは生理前ですが、妊娠初期も同様に多くなります。妊娠初期におりものの量が多くなるのは、胎児を守るためのものです。


比較的サラッとしたおりもので、着床出血により血が混じっている場合があります。

おりものは女性の体からのサイン

おりものはカダラの異変に気づくための目安になります。自身の体が発しているサインなので、正しい知識を身につけて向き合っていきましょう。


ショーツの色によってはおりものの色や質感に気づきにくくなってしまうため、おりものシートを活用することがおすすめです。1日に2~3回交換して清潔感を保ちながら、日々の異変を見逃さないようにしましょう。また、化学繊維のおりものシートでかぶれる時には布ナプキンの小サイズを使うこともおすすめです。


個人差はあるので、まずは自身の正常の状態を知ることから始めます。

生理前おりものの役割4つ

生理やおりものなど、何年も付き合わなければならない女性特有の症状に億劫さを感じている人も少なくないでしょう。おりものは、とても大切な役割を担っています。


今回は生理前のおりものの役割について紹介します。役割を知ると、億劫な気分も少し和らぐかもしれません。おりものは、女性の体をあらゆる雑菌やウイルスなどから守ってくれます。

生理前おりものの役割1:膣内の自浄作用

生理前のおりものには、膣内の自浄作用があります。簡単に言うと、細菌などが膣に入るのを防ぐということです。おりものは、古い細胞などの老廃物を排出しています。


おりものの臭いが気になるからと言って、膣の内部まで丁寧に洗いすぎてしまうとこの自浄作用が薄れてしまいます。清潔に保つ必要はありますが、神経質になりすぎないように気をつけましょう。

生理前おりものの役割2:膣内へのウイルスの侵入防止

生理前のおりものには、膣内へのウイルスの侵入を防止する役割があります。先述した内容と重なりますが、おりものは細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きもあります。


細菌やウイルスの侵入防止のために大きな働きを担っているのが、善玉菌のひとつである「デーデルライン桿菌」です。この善玉菌が無くなったり少なくなったりすると、膣内の環境が悪化してしまいます。

生理前おりものの役割3:受精のサポート

生理前のおりものには、受精をサポートする役割があります。おりものは、精子が膣に到達しやすい環境づくりをしています。


排卵期になると、量は増えて粘稠性のあるおりものに変化していきます。これは老廃物の排出だけではなく、精子をスムーズに子宮へ送るための大きな手助けとなっているのです。

生理前おりものの役割4:膣内部の粘膜を守る

生理前のおりものには、膣内部の粘膜を守る役割があります。おりものによってショーツが汚れたり臭いが気になったり、女性にとって憂鬱な気分にさせるものではありますが、体を守る大切な役割を担っています。


おりものがあることで膣内部の潤いを保ち、粘膜を守り続けています。健康的な生活や出産も、おりものが正常に働いているおかげと言えるでしょう。

生理前おりものの特性4つ

生理前のおりものには臭いや質感、色などに特徴が見られます。血が混じっていたり臭いを感じたりすることが、全て体調異常とは限りません。


正常なおりものの臭いや色、量、質感について見ていきましょう。異常な状態のおりものについては、後ほど詳しく紹介します。個人差はあるので、必ずしもあてはまるということではありません。ひとつの目安として把握しておきましょう。

生理前おりものの特性1:おりものの臭い

おりものの臭いで体調の変化がわかる、ということを耳にしたことがあるでしょう。おりものがすっぱい臭いがするのは正常です。


酸っぱい臭いは、善玉菌である乳酸桿菌によるものと言われています。生理前は特に臭いがきつくなる傾向にあります。しかし、いつもより違う臭いがする時は要注意となります。個人差があるので、自分の正常の臭いを知っておきましょう。

生理前おりものの特性2:おりものの色

生理前のおりものの色は、半透明~白濁が正常です。ショーツについてしまうと、少しだけ黄色っぽくなることがあります。


しかし、排卵期には少しだけ血が混じり、茶褐色~ピンク色に見えることがあります。
おりものに血が長期間混じっていたり、周期に関係無く血が混じっていたりしていたら、不正出血となりますので病院に相談するようにしましょう。

生理前おりものの特性3:おりものの量

女性の体の周期によって、おりものの量は変化します。排卵期に最も多く、その後少し減少しますが、生理前に再びおりものの量が増えるのが一般的です。


量が多くなったり、減ったり、ふたたびドロっとしたり、変化があるのが生理前のおりものの特性です。もちろん個人差はあるので、自身の生理前のおりものの特性を把握しておくと、周期と上手に付き合っていけるでしょう。

生理前おりものの特性4:おりものの質感

生理前になると、おりものは白濁しドロッとした質感に変化します。女性の体の周期によって、色や量だけではなく質感も変化するのがおりものの特徴です。


生理が終わってから排卵期にかけては、水っぽいサラッとした状態となります。排卵期に向けて粘り気がが出て粘稠性のあるおりものに変化し量も増えますが、これは受精しやすくするためのものです。再び生理前に近づいてくると、白濁したおりものへと変化します。

要注意な生理前おりものの特徴5つ

おりものの特性は、自身のリズムを知るだけではなく、体調の異変にいち早く気づく目安になります。次のような症状が見られたら、見逃さずに早めに受診することが大切です。


また病気によっては、パートナーに感染する場合もあるので一緒に受診するのが良いでしょう。日常生活を問題なく送れるからと言って、何もせずに放置しないようにしましょう。

要注意な生理前おりものの特徴1:出血が混じる

血が混じるおりものが出てきたら、要注意です。しかし生理前には多少の血が混じる場合もあるので、一概に言えません。


目安としては、血が混じったおりものが大量に出て長期間続く場合は、病気の疑いが出てきます。早めに受診した方が良いでしょう。


着床出血の場合もあるので、冷静に判断することも大切です。

要注意な生理前おりものの特徴2:量がいつもより多い

体質や年齢によって見られるのが、子宮腟部びらんです。おりものの臭いや質感などに異常が無くても、量だけが多くなります。


要注意なのが、クラミジア感染症の疑いがある場合です。これが長期化すると、流産や不妊症、肝臓周辺の炎症に繋がることがあります。また白いおりものが増えてきた時は、カンジタ膣炎の可能性が疑われるので要注意です。

要注意な生理前おりものの特徴3:臭いがきつい

おりものは酸っぱい臭いがしますが、それ以外の臭いをきつく感じてしまったら要注意です。中でも、生臭さや悪臭などをおりものから感じたら、トリコモナス膣炎や淋菌感染症の可能性があります。


淋菌感染症は初期治療がとても大切です。黄緑色のおりもので、悪臭、陰部のかゆみが出てきたらすぐに受診しましょう。おりものの臭いに生臭さを感じてしまったら、トリコモナス膣炎の可能性があります。

要注意な生理前おりものの特徴4:いつもと色が違う

おりものには透明の場合や、少し黄色っぽい場合、白濁している場合があります。おりものの色は日々の体調やリズムによって変化しますが、いつもと違う色の場合は要注意です。


黄緑や膿に近い黄色など、明らかにいつもと違う色のおりものが出た際には淋菌やクラミジアなどの感染症の疑いがあります。この場合にはすぐに受診することが大切です。パートナーがいる場合は、共に受診するのが良いでしょう。

要注意な生理前おりものの特徴5:体調不良を伴う

おりものの異変と共に体調不良を伴う場合は、すぐに受診しましょう。外陰部や膣内の激しい痛み、下腹部痛など、体調不良が伴う場合は病気の可能性が考えられます。


おりものの異常は膣の病気だけではなく、胃腸や腎臓が弱っている時やストレスを感じている時などにも現れます。おりものは微妙な変化も気づかせてくれる、とても大切なサインです。

生理前おりものの役割や特性をしっかり把握しておきましょう

おりもので自身の異常を知るには、まずは正常の状態を知ることがとても大切です。異常を感じた際は「気のせいかな?」で見過ごすことのないよう、体からのサインをしっかりと受け取りましょう。


おりものの色や臭い、質感に個人差はあるので、正しい知識を身につけて対応することが必要です。ぜひ今回のおりものの役割や特徴、要注意なポイントなどを参考にしてみてください。