【専門家監修】妊娠超初期の腰痛を和らげる対処法とは?検査薬を使う時期も説明

「最近、眠気がひどかったり、腰痛が気になったりするな。」
このように、体調の変化を感じることはないでしょうか。妊娠すると体にさまざまな症状が表れるとされています。


この記事では、妊娠超初期の腰痛の原因や、腰痛を和らげる対処法について解説します。


この記事を読むことで妊娠超初期の腰痛がなぜ起こるのか、その原因と対処法について知ることができるでしょう。妊娠超初期の腰痛を和らげるためにも、是非実践してみてください。


また、妊娠超初期に表れる腰痛以外の症状についても解説しています。解説する症状に当てはまるものがあれば、妊娠の可能性も考えた方が良いでしょう。


妊娠している場合、妊娠初期は胎児にとって大切な時期と言われています。この記事を読んで、気を付けるべきポイントをしっかり押さえましょう。

妊娠超初期の腰痛とは?

妊娠超初期症状とは、生理予定日よりも前に感じる体調の変化のことを言います。腰痛や背中痛、腹痛、胃痛、足の付け根がチクチクと痛む、便秘や下痢になりやすいなどのさまざまな症状があります。


妊娠超初期症状は、人によって症状がさまざまで体調の変化がわからないという人もいます。そのため、後になって妊娠のサインだったと気づく人が多いようです。


今回は、妊娠超初期症状のひとつである腰痛について詳しく紹介していきます。

妊娠超初期に腰痛になる原因

妊娠するとリラキシンというホルモンが分泌されます。このホルモンが原因で妊娠超初期に腰痛になる場合があります。


リラキシンには骨盤を緩め出産に向けて母体を整える役割があり、リラキシンが骨盤を緩めることで赤ちゃんが出産時に通りやすくなるとされています。


しかし、リラキシンが骨盤を緩めると周りの筋肉や関節に負担がかかってしまい、腰が重くなって腰痛が起こると言われています。


出典:妊娠の初期症状について2|田渕レディスクリニック
参照:https://www.tabuchi-clinic.org/blog/418/

妊娠超初期の腰痛を和らげる6つの方法

妊娠超初期の腰痛がある場合、つらい症状はできるだけ和らげたいと思う人も多いでしょう。ここでは妊娠超初期の腰痛を和らげる方法について見ていきます。


比較的簡単に実践できるものばかりなので、是非試してみてください。

1:ストレッチをする

妊娠中期頃までは足から軽くできるストレッチから始めていきましょう。心身ともにリラックスしながら、少しずつ自分の体調に合わせて増やしていくのがおすすめです。


妊娠が進むにつれて、仰向けの姿勢になると低血圧症候群となり気分不快やめまいなどの症状が起こる場合があります。妊娠の時期や自分の体調に合わせてストレッチをするようにしてください。

2:休養する

妊娠中は母子ともに健康なことが重要です。腰痛がつらい場合は、無理せずに休養してください。体調をみて、休養を取りながら過ごしましょう。


お腹が大きくなると姿勢を変えづらくなり、夜間、寝苦しくなり眠れないことがあります。


左側を下にしたシムス位が妊婦の楽な寝姿勢とされています。理由は、血液の循環がよくなりリラックスできるからです。逆に右側を下にすると大静脈やリンパ管が圧迫され、寝苦しくなってしまいます。

3:重いものを持ち上げない

一般的に妊娠している時は重いものを持たない方が良いと言われています。重いものを持ち、お腹に力が入ってしまうことで、流産になる可能性が高くなってしまいます。


しかし、妊娠前に日常的に持っていたバッグなどであれば持ってもかまいません。引っ越しなどで慣れていない重さのものや持ち上げる時にお腹に力が入るような重さのものを持つのは避けましょう。

4:急に立ち上がらない

急に立ち上がったり、急に体勢を変えると腰痛が増強してしまう可能性があります。また、妊娠初期は激しい上下動を伴う動きを避けるのが望ましいとされています。


そして、妊娠超初期症状のひとつにはめまいや立ちくらみがあるので、立ち上がる際には注意が必要です。

5:正しい姿勢をキープする

腰痛は妊娠期間全般で起こる症状で、赤ちゃんの成長とともに骨盤への負担も大きくなります。骨盤を正しい位置に保ち広がった骨盤に子宮や内臓が落ち込むのを防ぐためにも、妊娠超初期から骨盤のケアが必要です。


骨盤ベルトは、仙骨・恥骨結合・大転子の3点を結んだラインで巻くことで骨盤を安定させ、恥骨痛に対する予防も行うことができます。妊娠初期~産後2ヶ月程度まで骨盤ベルトをつける対策が効果的と言われています。

6:仰向けで寝る

妊娠超初期には仰向けで寝るのもおすすめです。仰向けで寝ることで体重が全体に分散され、腰にかかる負担を抑えることができます。


丸めたタオルや枕などを腰の下に入れたり、ひざ下に腰の下と同様にタオルや枕を入れたりして腰が楽な体制で寝るのも良いでしょう。

妊娠超初期の腰痛以外の症状

妊娠超初期には腰痛以外にもさまざまな症状が見られるようになります。ここでは、妊娠超初期の腰痛以外の症状について見ていきましょう。


これらの症状が見られる場合には妊娠している可能性も考えられます。

おりものが変化する

妊娠超初期にはおりものの量が増えるという変化が見られます。人によって変化は異なりますが、今までと比べておりものが水っぽくなり量が増える人や、おりものの色が黄色っぽくなって量が増えたという人も多いとされています。


おりものの量が増えると、下着やおりものシートの汚れが増えたと感じる人も多いでしょう。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

着床出血が起きる

人によっては着床出血による少量の出血が起きる場合があります。着床出血は妊娠4週目に子宮内膜に受精卵が着床した時に起きますが、妊娠4週目は生理予定日と近いため、出血が妊娠によるものか生理によるものか判別しにくいです。


生理との違いとして、出血の期間が1日から2日程と短く、生理より量が少ないことが挙げられます。


着床出血は妊娠した人すべてに起こるものではなく、約4人に1人の確率で起きると言われています。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

眠気がひどくなった

妊娠することで女性ホルモンが分泌され、ホルモンバランスの変化が起こります。ホルモンバランスが変化することで、眠気がひどくなることがあります。


そのため妊娠すると、どれだけ寝ても眠かったり、起き上がるのもつらかったりして、ひどい眠気に悩まされる人もいるでしょう。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

基礎体温が下がらない

妊娠をすると普段より高温期が長く、基礎体温が下がらなくなります。高温期の微熱が続くため、ほてりを感じたり、熱っぽさを感じることもあるでしょう。


そのため、37度台の微熱が続くようであれば、妊娠している可能性があると考えられます。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

生理がこない

妊娠をすると生理がこなくなります。そのため、生理予定日を1週間過ぎても生理がこなければ妊娠している可能性があります。


普段から基礎体温を測っている場合には、高温期がどれくらい続いているか確認しましょう。生理がこず、高温期が16日以上続いている場合には妊娠の可能性が高いです。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

精神的に不安定になる

妊娠をするとプロゲステロンという女性ホルモンが多く分泌されるようになります。このプロゲステロンが精神面に影響を及ぼすと言われているため、妊娠すると精神的に不安定になることがあると言われています。


プロゲステロンの影響で不安な気持ちになりやすく、普段なら気にならないようなことが気に障ってイライラしてしまったり、何となく不安になってしまったりすることがあるでしょう。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

吐き気がする

妊娠することで胃腸の活動が低下するため、胃がもたれやすくなったり、むかつきやすくなったり、吐き気がしたりするようになります。


また、妊娠初期は妊娠によって味覚や嗅覚が大きく変化する時期でもあり、今まで何ともなかった臭いに敏感に反応し、吐き気を感じるようになる人もいると言われています。


出典:生理前と妊娠初期の症状の違い|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/pregnant/

妊娠超初期に押さえたいポイント

妊娠超初期から初期にかけては、ママにとっても赤ちゃんにとっても大切な時期です。妊娠しているとはっきりわかっていなくても、妊娠の兆候があれば、さまざまなことに気を付けた方が良いでしょう。


ここでは、妊娠超初期に押さえたいポイントについて見ていきます。

妊娠検査薬の使用時期に注意する

妊娠の兆候がある場合には、妊娠検査薬を使って検査する人も多いでしょう。しかし、一般的に妊娠検査薬の使用時期は生理予定日の1週間後からとなっており、検査する時期に注意が必要です。


妊娠検査薬が反応する濃度の妊娠ホルモンが分泌されるのが妊娠4週目からのため、使用時期より早く妊娠検査薬を使用すると正しい検査結果を得られない可能性があります。


生理予定日から使用できる早期妊娠検査薬と呼ばれるものもあるため、早く検査したいという場合には使ってみても良いでしょう。


出典:最短でいつから?妊娠検査薬|大宮駅前婦人科クリニック
参照:https://omiya-fujinka.jp/abortion/pregnancytest/

薬は飲んでも大丈夫か確認する

妊娠超初期は胎児の器官が形成される大切な時期です。妊娠超初期に飲んだ薬が胎児に何らかの影響を及ぼす可能性もあるため、薬を服用する際には十分な注意が必要です。


妊娠している可能性がある場合には、本当にその薬を飲む必要があるのかどうかを確認し、飲む必要がある場合には飲んでも大丈夫か主治医に確認するようにしましょう。


出典:妊婦の薬物服用|日本産婦人科医会先天異常委員会委員 神奈川県立こども医療センター周産期医療部産婦人科部長 山中 美智子
参照:https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/kusuri.htm

タバコとお酒を控える

タバコやお酒は胎児に悪影響を及ぼすため、妊娠の可能性がある場合には控えるようにしましょう。


妊娠中に大量のお酒を飲んでいると流産や死産、先天性異常が生じる可能性があります。また、タバコについても1日の喫煙本数が多ければ多いほど早産の可能性が高くなると言われているため注意が必要です。


どちらも早い段階で禁煙、禁酒すればそれなりの効果が期待できるとされているため、妊娠の兆候に気づいたら禁煙、禁酒するようにしましょう。


出典:飲酒、喫煙と先天異常|日本産婦人科医会・先天異常委員会委員 国立成育医療センター 周産期診療部 胎児診療科 左合 治彦
参照:https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm

風疹の抗体検査をしておく

妊娠中に風疹に罹るとウイルスが胎児にも感染し、白内障や緑内障、先天性心疾患、難聴などが引き起こされる可能性があります。


そのため、妊娠中に風疹にならないよう予防することが大切です。風疹の抗体検査を受け、風疹抗体価が低い場合には、風疹に罹らないよう注意しましょう。


出典:風疹抗体の検査について|公立学校共済組合 関東中央病院
参照:https://www.kanto-ctr-hsp.com/info/rubella.htm

カフェインに注意する

妊娠中はカフェインの摂取量にも注意が必要です。妊娠中にカフェインを大量に摂取した人は、あまりカフェインを摂取しなかった人より流産リスクや死産リスクが高くなるという報告があります。


しかし、これはあくまで大量にカフェインを大量に摂取した場合に言えることであり、1日1杯程度のコーヒーなら問題はないと言われています。


我慢し過ぎてストレスを溜めないよう、カフェインの摂取量に注意しながら、コーヒーを楽しみましょう。


出典:妊娠中のカフェイン摂取|掘産婦人科
参照:https://www.hori3541.or.jp/column/caffeine

レントゲン撮影時は妊娠している可能性を伝える

レントゲンの放射線が一番影響を及ぼしやすい時期は妊娠6週から12週頃と言われているため、妊娠超初期にはその影響をあまり心配する必要はありませんが、レントゲン撮影を行う際には妊娠の可能性を必ず伝えるようにしましょう。


妊娠している可能性を伝えることで、腹部以外のレントゲンを撮影する時にはお腹をカバーしてくれる場合があります。


出典:よくある質問|蕙愛レディースクリニック
参照:https://www.keiai-hp.com/hiyoko/faqs/?page=faq01


出典:妊娠中のレントゲンについて | 母子日赤だより | 東京かつしか赤十字母子医療センター
参照:https://katsushika.jrc.or.jp/info/10_5cd14cb60e295/

食生活に注意する

妊娠すると食生活に気を付けることも重要なポイントです。たとえば葉酸は胎児の先天性異常を予防するために摂取することが大切と言われています。また、妊娠中は胎児の成長などのために鉄分の需要が増加します。


野菜は葉酸や鉄を含んでいるため、たくさん摂取することが望ましいです。妊娠中は食生活に注意し、葉酸や鉄を多く含む食品を摂取したり、野菜をたくさん摂取したりしてビタミンやミネラルをバランスよく摂る習慣を身に付けましょう。


出典:妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000776926.pdf

妊娠超初期の腰痛の対処法やその他の症状を把握しよう

妊娠超初期には腰痛のほかにさまざまな症状が表れます。紹介した内容を参考に、妊娠超初期の腰痛の対処法を知り、つらい腰痛を和らげるのに役立ててください。


また、妊娠超初期の腰痛以外の症状を把握し、妊娠の兆候が見られる場合には妊娠検査薬を使う時期に気を付けて検査をしてみましょう。