「妊娠超初期」とは、正式な医学用語ではありませんが医学用語の「妊娠初期」は妊娠4週からなので、それ以前を「妊娠超初期」と考えられるでしょう。
妊娠超初期には、妊娠の自覚症状がないことが多く、妊娠しているかの検査も難しい時期です。敏感な人は、いつもの生理前より胸が張ったり、体がだるくなったり、イライラしたり、眠くなるなど、違和感を覚える場合があるでしょう。
妊娠超初期の期間はどのようにカウントすればいいのでしょうか。
まず、妊娠0週というのは、月経期間の1週間のことをいいます。そして、妊娠1週目は、排卵に備えて卵胞が発育し、卵子へと成長して行く時期です。
次の妊娠2週目は、排卵の時期にあたります。最後に、妊娠3週目は、受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立する時期です。
つまり、妊娠0週から3週目までを妊娠超初期と呼びます。
妊娠経験者によると、妊娠超初期に頭痛に悩まされることが多いようです。頭痛のタイプは、片頭痛のようなズキズキと痛みを感じるもの、緊張型頭痛のような鈍いどんよりとした痛みを感じるものなどがあります。
頭痛が起きる原因は、妊娠により母体は出産に備えるために、ホルモンを含めた体内の変化が起き、バランスが崩れるためと考えられます。
妊娠超初期に起きやすい頭痛ですが、まずは妊娠が関係する頭痛か、風邪なのか見極めることをおすすめします。例えば、頭痛以外に、鼻水、咳、熱、倦怠感、寒気などがあれば、風邪の可能性も考えられます。
妊娠超初期の頭痛の対処方法には、いくつかのポイントがあります。ここでは、妊娠超初期の頭痛で知っておきたいこと8つ取り上げます。
辛い頭痛は薬を服用して痛みを和らげたいと思いがちですが、市販の頭痛薬は、妊娠中は控えるように注意書きがされているものがほとんどです。妊娠の可能性がある場合は、市販薬の服用は避けましょう。
妊娠しているかの確認も含め、妊娠中でも飲める頭痛薬を処方してもらうことができるので、体調不良を感じたらまずは医療機関に相談することをおすすめします。
妊娠前に使用していた頭痛薬をそのまま使ってもいいかなど、気になることや不安なことは相談してストレスを減らし、なるべく気持ちよく過ごせるように心がけましょう。
こめかみあたりが痛んだり、体を動かして血行がよくなったときに痛みが強くなったりする場合は、片頭痛と考えられます。この頭痛はひどい場合は、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
この頭痛は、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が増え、脳の血管が広がり血流量が増えることで起きます。対処方法として、痛む箇所を冷やして安静にし、睡眠を充分に取ることをおすすめします。
頭痛に伴って腰痛が起こる理由は、妊娠によるホルモンバランスの急激な変化が起きて、関節が緩くなるためです。筋肉やじん帯に負担がかかり、腰痛を引き起こしやすいとされています。
この場合は、体に負担がかかるので、無理に動かす必要はありません。長時間同じ姿勢を続けないように気をつけることが大事です。なるべく正しい姿勢をキープしましょう。
肩こりを伴う頭痛の場合は、緊張型頭痛の可能性があります。首、肩、腰など筋肉が緊張し、血行不良などが原因で起こります。
自宅でできる対処法としては、温めて血行を良くすることです。ゆっくり入浴したり、痛む箇所を蒸しタオルなどで温めるなどしてみましょう。また、ウォーキングなどの軽い運動で、血流をよくすることもおすすめです。
妊娠超初期のめまいの原因は、頭痛が悪化したことによるもの、自律神経の乱れによるもの、貧血症状によるものなどが考えられます。
自宅でできる対処法は、できるだけ安静にすること、水分不足を補うことなどです。スポーツドリンクを薄めたものや、ミネラル分の多い麦茶などを少しずつでも摂るようにしましょう。
妊娠超初期には、頭痛に伴って、寒気がひどくなることがあります。妊娠の成立や継続に必要な女性ホルモンのプロゲステロンは、体温を上げる働きもあります。
また、プロゲステロンの分泌量が大きく変化することにより、自律神経のバランスが乱れやすくなると考えられ、ほてりを感じたり、寒気を感じる場合もあります。
妊娠超初期には、頭痛に伴って、微熱、倦怠感、吐き気などが起きることがあり、ふつうの風邪との見分けが難しいことがあります。
見分けるポイントは、鼻水や鼻づまり、喉の痛みや咳があるかどうかという点です。これらがある場合は、鼻炎やウィルス性の風邪である可能性が高いと考えられます。
妊娠超初期の頭痛について、自宅でできるセルフケアを知っておくといいでしょう。
先に取り上げたように、頭痛のタイプによって、冷やすか温めるかの方法が分かれますので、自分の状態を正確に見極めることが大切です。また、頭痛以外の痛みがある場合も、体の動かし方や、姿勢などで緩和させることができるでしょう。
そして、セルフケアに限界を感じたら、医療機関に相談することをおすすめします。
妊娠成立に伴い、体内が妊娠を維持するために大きく変化します。そして、急激にホルモン分泌に変化が起きるため、自律神経のバランスが崩れやすく、全体的に不調と感じる症状があらわれます。
ここでは、頭痛以外の妊娠超初期に現れやすい症状7つをとり上げます。
妊娠超初期には、ちゃんと寝たのに、まだ眠いというような眠気が起きやすいでしょう。また、すぐに横になりたい、体がだるいという感覚も現れやすいとされています。
このような場合は、日常生活の中で無理をしないことを心がけましょう。無理に動いたりせず、安静に過ごすことをおすすめします。
人によってそれぞれですが、妊娠超初期には食欲に変化が現れやすいとされています。
食欲が増す人、逆に苦手な食材が増えて、食べられなくなる人がいるでしょう。また、妊娠前と比べて、味覚や嗅覚に変化が起きることもあります。そういう場合は、無理をせず、食べられるものを食べて、食事がストレスにならないようにすることをおすすめします。
妊娠超初期には、お腹の張りを感じたり、便秘になりやすい傾向があるようです。また、下腹部に違和感があったり、生理痛のような痛みを感じる場合もあります。
お腹が張っていると感じる理由は、子宮の筋肉が大きくなったり、伸びたり、子宮への血流が増えることが考えられます。また、プロゲステロンは、腸の筋肉の動きを抑制する働きがあるので、便秘が起こりやすくなります。
妊娠の過程で起きる正常なもので、着床出血がありますが、これは生理予定日から3日後まで出血が続くために、生理と勘違いするケースもあるようです。
それ以外でも、妊娠中は子宮内膜が充血しやすいために、出血が起こりやすくなっていると考えられます。ただし、少量の出血であれば、心配がいらないとされています。
もしも、激しい痛みを伴ったり、他に気になることがあれば、医療機関に相談することをおすすめします。
妊娠超初期は、イライラしたり、不安になる傾向があるようです。これらの原因は、女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンの分泌のバランスが、妊娠により大きく変わるからだと考えられています。
また、妊娠をしているかどうか判断するのが難しい時期のため、より一層ストレスを感じやすくなるでしょう。適度に気分転換をして、なるべくゆっくり過ごすことを、おすすめします。
妊娠超初期の吐き気は、かなり個人差があり、吐き気を感じるタイミングにも個人差があるようです。吐き気の原因は、つわり、飲酒、ストレス、食べ過ぎなどが考えられます。
妊娠を希望している場合、または妊娠の可能性がある場合は、この時期は飲酒を控えましょう。また、吐き気を感じたら、無理をせずに、安静に過ごすことをおすすめします。
妊娠超初期には、ホルモンバランスの影響で、腰痛が起きることがあります。骨盤のつなぎ目の関節などがゆるむことから、周辺の筋肉に負担がかかり、腰痛が起きやすくなると考えられます。
この場合は、体を冷やさず温めることと、仰向け寝を心がけましょう。タオルなどを丸めたものを膝の下に入れて、腰への負担を軽減させると、仰向けの姿勢がとりやすいでしょう。
ここまで、妊娠超初期の頭痛について詳しくご紹介しました。
妊娠しているか知りたいけれど、検査で明確な結果が出る時期ではないために、不安やストレスが起きやすいのが、妊娠超初期ともいえるでしょう。そんな中で、体調不良を感じることは、一層不安が増す原因になります。
不安にならないために、頭痛のタイプ、原因や対処方法などを知っておくことをおすすめします。少しでもストレス要因を減らし、健やかに過ごしましょう。