「食べづわり」とは、空腹になると気持ちが悪くなる妊娠中の症状です。この症状は、妊娠初期の5週目くらいから始まり、多くの場合、12週から16週くらいに落ち着いてきます。しかし、個人差も大きく、苦しい時期がいつまでも続くこともあります。
血糖値が下がると気持ち悪くなりやすいため、朝がつらいという人が多いようです。また、食べづわりの人は、気持ち悪くなるのが嫌で、お菓子など間食をし過ぎてしまう可能性もあります。
妊娠中の食べづわりで特に気を付けることは、一気に体重を増加させないことです。体重があまりにも増加すると、母体にも赤ちゃんにも負担がかかることがあるので注意が必要です。
ここでは、食べづわりがあるときにおすすめの対策を5つご紹介します。食べづわりの症状で悩んでいる妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてください。
食べづわりに限らず、妊婦さんが気を付けたいのが「水分補給」です。
妊娠中は、1.5から2リットルの水分補給が必要だと言われています。水分不足が吐き気の原因となることもあるので、つわり中は特に注意しましょう。
ただし、カフェインや糖分を多く含む飲みものはなるべく避けた方が良いでしょう。絶対NGというわけではないので、どうしても飲みたいときは過剰摂取に気を付けましょう。
2つ目の対策は、軽く食べられるものを常にそばに置いておくことです。「食べづわり」の人は、いつ気持ち悪くなるか分からないため、深夜や寝起きでも食べられるようにしておくのがおすすめです。飴のように小分けですぐ食べられるものであれば、外出時にも便利です。
また仕事中につわりがつらい人は、医師に母性健康管理指導事項連絡カードに記入してもらいましょう。母子の健康のために、職場にもさまざまな配慮をしてもらえます。
3つ目の対策は、食事を小分けにして空腹感のある時間を作らないようにすることです。
吐き気の原因の一つに血糖値が関係していると言われています。血糖値が下がらないように、1日3回の食事を小分けにして食事の回数を増やしてあげると良いでしょう。
ただ食事の回数を増やすだけでは、食べ過ぎてしまい、急激な体重の増加につながる可能性があるので注意が必要です。
さらに、ちょこちょこ食べられる軽いものをポケットに入れておき、低血糖にならないように気を付けてみてください。
4つ目の対策は、つらいときは無理せず病院を受診することです。つわりの症状は、経産婦であっても毎回同じ症状になるとは限りません。「1人目も2人目も大丈夫だったから」「皆経験していることだから」と無理しないことが大切です。
食べづわりの症状がつらく、食べ過ぎたり吐いたりしてしまうときは、一度病院を受診するのがおすすめです。症状が重い場合は、吐き気止めや漢方薬などを処方してもらえることもあります。
5つ目の対策は、つわりのことを忘れられるような何かに集中することです。
一日中家にいると、つわりのことで頭がいっぱいになってしまうことがあるため、適度に外出するのもおすすめです。仕事をしているときの方が、つわりのことを忘れられるという人もいます。
漫画を読んだり趣味に没頭したりと、自分が集中できることを見つけてみてください。少しでも気を紛らわすことで、イライラやムカムカが減少することもあります。
ここからは、食べづわりのときにおすすめの食材を9つ厳選して紹介します。カロリーが気になる人におすすめの食べ物もあれば、ちょっとした間食に向いている食べ物もあります。
また、買って来てすぐに食べられる食べ物もありますので、自分で作るのがつらいという人も、ぜひ参考にしてみてください。
1つ目のおすすめ食材は「おむすび」です。ご飯を握るだけで簡単に食べられますので、作る時間がないときにも向いています。突然の空腹に備えて、小さなおむすびをたくさん作って冷凍しておくのもおすすめです。
なお、おむすびに塩や梅干しを使う場合は、塩分の摂りすぎにならないように注意してください。鮭おむすびなどであれば、お米以外の栄養も摂ることができるのでおすすめです。
2つ目のおすすめ食材は、生野菜です。さまざまな栄養素を摂れるだけでなく、食欲がありすぎて困っている場合もカロリーを抑えられるのがポイントです。病院から糖質制限や体重管理の指導を受けたときにもおすすめです。
常に食べるものを探してしまう人は、きゅうりやにんじんなど、好きな野菜をスティック状に切って食べやすくしておくと良いでしょう。
ただし、生野菜は体を冷やしてしまうこともあるので、量には注意しましょう。
3つ目のおすすめの食材は、ゆでたまごです。ゆでたまごは、たんぱく質を摂れるだけでなく、満腹感が長続きしやすいのがポイントです。数ある卵料理の中で、ゆでたまごがおすすめなのは、茹でておけばすぐに食べられるからです。
また、ラップに包んでおけば、ベッドにも置いておくこともできます。時間のあるときに、ゆで卵をたくさん作っておくと便利です。
4つ目のおすすめ食材は、ヨーグルトです。
たくさん食べる場合は、加糖ヨーグルトよりもプレーンタイプの方が低カロリーでヘルシーです。また、ヨーグルトの中にみかんやりんごなどのフルーツを入れたり、ハチミツレモン、クラッカーなどと一緒に食べるなどアレンジしやすいのもポイントです。
いつも同じものばかりでは飽きてしまいますが、アレンジができれば目先も変わります。胸焼けしにくく、さっぱりしているのでおすすめです。
5つ目のおすすめの食材は、ゼリーやプリンです。大きいサイズのものは糖分を摂り過ぎる恐れがあるため、小さめの物を冷蔵庫に常備しておくのがおすすめです。市販の物は美味しいですが、糖分が気になる人は、自分で作る方が良いでしょう。
特にフルーツを100%使って作るゼリーは、手軽に作れておやつにも向いています。
6つ目のおすすめ食材は、アイスクリームです。アイスクリームは、冷凍庫に入れておけば食べたいときにそのまま食べられるのがメリットです。
ただし、食べすぎれば糖分の摂りすぎになったり、お腹が冷えたりするので注意が必要です。
7つ目のおすすめ食材は、スープです。作る手間は掛かりますが、スープはさまざまな栄養素を一度に摂れることがポイントです。
水分が多いため、満腹感が得やすいのもメリットです。さらに、作りすぎた分は冷凍しておくこともできます。
8つ目のおすすめの食材は、ショウガを使ったものです。
ショウガは、吐き気を軽減することができると言われています。持ち歩きには向きませんが、朝や夕方など気持ち悪くなりやすい時間帯に、しぼり汁などを利用した飲み物や食事などを摂るのがおすすめです。
9つ目のおすすめ食材は、豆腐です。豆腐には、つわりの症状を和らげると言われているビタミンB6が含まれています。のど越しが良くさっぱりしているため、気分が優れないときにも向いています。
そのまま食べるだけでなく、雑炊に混ぜたり豆腐ハンバーグにしたりとさまざまなアレンジレシピがありますので、手軽な物をピックアップしておくと良いでしょう。
ここからは食べづわりがある場合に、どのようなことに注意すれば良いのかを詳しく説明します。
つわりになる理由や仕組みはまだはっきりと解明されていないため、これをすれば絶対良くなるという完璧な治療法はありません。また、個人差も大きいため、他の人に理解されないこともあるでしょう。
心身ともに大切なことですので、ぜひ参考にしてみてください。
空腹を怖れて、毎食お腹いっぱい食べていると、太るだけでなく胃もたれや病気のリスクが高くなります。
また、過食やお菓子など糖分の高いものをたくさん摂れば、妊娠糖尿病にや妊娠高血圧症候群になる可能性が高まります。
妊娠糖尿病になると、赤ちゃんの体重が増え過ぎたり、治療が必要になったりすることがあります。
また妊娠高血圧症候群は、重症化すると母体だけでなく赤ちゃんにも影響が出る可能性があるので注意が必要です。
食べづわりの間は、毎日の食生活が乱れたり体重を気にしすぎたりして、ストレスが溜まりやすくなります。
「いつかは終わる」と分かっていても、なかなか終わらないつわりにイライラするのは当然です。妊娠前に体型維持に努めていた人であれば、食べなければ気持ち悪くなるのは相当なストレスになることでしょう。
ストレスによってつわりの症状が悪化することも考えられます。自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。
本記事では、食べづわりの症状からおすすめの食べ物、楽になる方法などを紹介しました。
人によって症状や重さが違うため、試行錯誤しながらストレスの溜まらない方法を探すことが大切です。趣味を楽しんだり外出したりと、上手に食べづわりと付き合って行きましょう。