妊娠が分かった時、喜びと一緒に様々な不安がつきものです。そのひとつに「つわり(悪阻)」を挙げられる方も少なくないでしょう。
この記事では、つわりを軽減する方法やつわりの種類などについてご紹介します。
つわりは、妊娠初期(4週頃から15週頃まで)に起こると言われ、つわりが全くない人もいれば、妊娠後期まで続く人もいます。
吐き気があったり、今まで平気だった匂いが急に気持ち悪くなったり、常に眠気があったりなど、症状は様々です。
妊娠後期にも、食欲不振や吐き気など、つわりによく似た症状が現れる人もいます。これは、赤ちゃんの成長によって大きくなった子宮が、胃を圧迫するためであると考えられています。
つわりが起こる原因として、妊娠中に多量に分泌されるホルモンが、嘔吐中枢などを刺激して起こるため、ホルモンバランスの変化で自律神経が失調するため、精子や赤ちゃんを母体が異物と判断してアレルギー反応を起こすため、など様々な説があります。
しかし、実際のところ、確かな原因は解明されていません。妊娠や出産に対する不安や家族との関係など、精神的なストレスがあることもつわりに強く影響しているとも言われ原因ははっきりしていません。
原因もわからず、人によって症状も様々なつわりですが、不調を軽減させる方法がいくつかあります。8つの方法を紹介するので、自分の体調や症状に合わせて、適宜取り入れてみてください。
1つ目は、気分転換です。つわりは精神的な要因も多いと言われています。
体調がよければ少し散歩をしてみる、友達とおしゃべりをするなど、外出や人と会うことで、気を紛らわせることができます。朝や就寝前に音楽を聞きながらストレッチをしたり、お風呂にちょっと贅沢な入浴剤やアロマオイルを使ったりすることも良いかもしれません。
2つ目は、食べ物です。つわりが始まると、好きなものが食べられなくなったり、嫌いなものが食べたくなったりと、食べ物の好みが大きく変わる方が多いようです。食べられるものを、食べられるときに食べられる分だけ、できる限り口に入れるようにしましょう。
レモン、梅干しなどの酸味があるものは、胃のむかつきを抑えたり胃腸の働きをよくしてくれるクエン酸を多く含みます。果物も水分量が多いのでおすすめです。
3つ目は、休息です。妊娠初期は、赤ちゃんをお腹の中で育み、無事出産できるようにお母さんの身体が急速に変化しているので、疲れやすくなるのは当然です。
仕事や家事が思うようにできないと、周囲への申し訳なさや自分への苛立ちが募ってしまうかもしれません。しかし、赤ちゃんを元気に産むためにはお母さんが健康であることが大切なので、周りに遠慮することなく、辛いときは十分に身体を休めてください。
4つ目は、食べる量です。吐き気がひどくて思うように食事が取れないと、赤ちゃんに悪影響が出るのでは、と不安になる方も少なくないでしょう。
しかし、妊娠初期の赤ちゃんは栄養をあまり必要としていません。赤ちゃんに必要な栄養素は、お母さんから赤ちゃんへ優先的に届くようになっているので、無理に食べなくてはと思う必要はありません。
妊娠初期に必要と言われている葉酸やビタミンBなどは、食事からではなくサプリメントで摂取することもおすすめです。
5つ目は、食事の摂り方です。空腹で血糖値が下がると、気持ち悪さを感じやすいと言われています。朝、目が覚めたとき気持ち悪さがあったら、血糖値の低下も原因のひとつかもしれません。
1日の中で血糖値を一定以上に保つために、一度に沢山のものを食べるのではなく、食事を小分けにしましょう。小さなおにぎりを作っておいたり、枕元にビスケットやクッキーを置いたり、ガムや飴を常備したりなど、すぐに口に入れられるものを身近に準備しておくと安心です。
6つ目は、水分です。吐くことが多いと、気づかないうちに水分やミネラルが失われていきます。脱水症状は吐き気や頭痛を悪化させてしまうので、意識して水分を摂るようにしましょう。
水も飲めないくらい辛い状況であるなら、氷を口に含むこともひとつの手です。ゆっくりとですが、水分を補給することができます。トマトやフルーツなどは酸味があって食べやすいと同時に、水分もしっかり含んでいるのでおすすめです。
普段水ではなくお茶を飲んでいる方は、カフェインが含まれているお茶もあるので、摂取する量に気をつけましょう。
7つ目は、においです。妊娠して自律神経が不安定になると、においに敏感になってしまうことがあります。ごはんの炊けるにおいがダメになった、など耳にしたことがあるかもしれません。
妊娠中、どうしても外出が必要になるときもあるでしょう。外出時はこの香りが好き、リラックスできる、というにおいを持ち歩くと安心でしょう。
外出時に着用するマスクに好きなアロマを1滴垂らしたり、ハンカチに石鹸のにおいをつけておくなど、自分専用の香りグッズを準備しましょう。
8つ目は、着るものです。つわりがひどい時は、ブラジャーやパンツ、ストッキングなど普段はどうということのない締め付けを辛く感じてしまうこともあります。マタニティ用のウェアやインナーなどを取り入れてみましょう。
ブラジャーの場合は、アンダーの締め付けが楽、肌触りが良いなど、つわりの辛さを軽減できるように工夫されていたりします。いつも身につけているものだからこそ、少しでも心地の良いものに変えてみると気持ちが楽になるかもしれません。
つわり軽減の方法について、8つ紹介しました。
つわりの症状は人それぞれですので、主なつわりの種類と症状について見ていきます。自分の症状がどれに当たるのか考え、適したつわりの軽減方法を試してみましょう。
「吐きづわり」は耳にする機会が多いかもしれません。においなどに敏感に反応し、吐き気とおう吐を繰り返します。おう吐を繰り返すと、胃酸で喉が痛み、吐血につながる可能性があります。さらに、喉の不調によって吐き気が刺激され、おう吐を引き起こします。
吐きづわりで注意したいのは脱水症状です。重症化すると、病院での点滴や入院が必要になる可能性があります。おう吐してしまった後は、十分に水分を取ることが大切です。
つわり全てに関わってくるかもしれないのが、においです。特に匂いの刺激で吐き気を誘うものを「臭いづわり」と言います。
これまでなんとも思っていなかったにおいが急にダメになった、料理をしているうちに気持ち悪くなってしまったなど、嗅覚が刺激されて気持ち悪さが引き起こされます。
寒いところや冷えたものはにおいが軽減されるので、臭いづわりの方はこの性質を上手に利用しましょう。
気持ちが悪くて何も食べられなくなるのも、つわりの症状のひとつです。対処方法としては、食べたいときに食べられるものを食べられるだけ摂るということになります。
仕事中でも何かつまめるように、コンビニなどを利用して食べ物を手元に置くようにしましょう。しかし、栄養ドリンクや緑茶にはカフェインが含まれている可能性があるので注意してください。カフェインが含まれていない、ハーブティーやルイボスティーで代用できます。
つわりで仕事や家事などが思うようにできないと、ついついネガティブになってしまいます。気持ちの落差が大きくなるのもつわりの症状のひとつです。身体の不調は赤ちゃんのための変化であって、お母さんが気に病む必要は全くありません。
つわりはずっと続くものではなく、個人差はありますが妊娠後期になるとおさまることが多いです。好きな曲を聞きながらヨガをして呼吸を整えたり、ストレスを軽減する生活を心がけましょう。
「食べづわり」は空腹時に気持ち悪くなるつわりです。常に何かを食べていないと落ち着かなくなり、食べ過ぎてしまうと吐きづわりが起こって、おう吐してしまうこともあります。食べ過ぎによる体重増加が気になってしまうかもしれません。
一度にたくさん食べるのではなく、空腹を軽減するために、少量をちょこちょこ食べる対策がおすすめです。
つわりの種類や症状、軽減する方法について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
つわりは辛いものですが、その変化は赤ちゃんが生まれてくるために必要なものです。自分のつわりの種類や症状、軽減する方法を把握することで、少しでも心地良い妊娠生活を送ることができるでしょう。