排卵についてご存知でしょうか。排卵や排卵日について知っておくと、妊活も始めやすいでしょう。
排卵とは、卵巣の中で育った卵胞が黄体化ホルモンの影響を受け、卵子が卵管采内に飛び出すことを意味します。
以下では、排卵の詳しい仕組みや排卵がどのように月経と関係しているのかをご紹介していきます。
まず、卵巣の中で成熟した卵胞は、LHサージと呼ばれる黄体化ホルモンが集中的に放出される現象によってさらに成長をします。
そして、大きくなった卵胞は卵巣の壁を突き破って、卵胞内にある卵子を腹腔内にある手のように広がった卵管采へ放出するのです。その後、放出された卵子は、卵管膨大部に移動して受精をする精子を待ちます。
また、卵子を放出し終えた卵胞は黄体へと変化して、受精卵が着床する子宮内膜を厚くする働きをします。
妊活をする女性は、排卵と月経の関係を理解することも大切です。
通常、排卵は2回の月経の間に起こります。そのため、一般的な生理周期である25〜38日の中間ほどで排卵があると考えられます。
前項でご紹介したように、排卵を終えた卵胞は黄体へと変化します。その後、もし卵子が受精せず着床しなければ、黄体は子宮内膜を維持していたホルモンを減少させ、排卵の約2週間後に子宮内膜が剥がれて月経が開始されます。
妊活をする時には、排卵をする排卵日がいつか知ることが重要です。なぜなら、排卵日を知ることで、妊娠の可能性が高くなる時期を予測できるからです。
排卵日とは、一般的な生理周期である25〜38日の中間あたりで起こると言われます。その排卵日を予測するためには、基礎体温を活用することが多いです。
ここからは排卵日を知ることで、なぜ妊娠の可能性の高い時期を予測できるのかをご紹介していきます。
妊娠をするためには、卵管膨大部へ排卵された卵子が精子と受精、そしてその受精卵が着床をしなければいけません。
ここで重要なことは、卵子と精子には寿命があることです。そのため、卵子と精子が生きている状態の時に受精をしなければ、妊娠することができません。いつでも妊娠ができるわけではないため、排卵日を予測することは重要なのです。
以下では、詳しく妊娠可能な時期についてご紹介します。
それでは、妊娠可能な期間とはいつなのでしょうか。
排卵された卵子の寿命は、通常12〜24時間と言われます。そして、精子の寿命は、通常2〜3日と言われるため、妊娠するためにはどちらも生きている間に卵管内で出会わなければいけません。
そのため、妊娠可能な期間は排卵日の数日前から24時間後くらいと言われます。特に、排卵日の2日ごろ前から卵管に精子が待機している状態は、妊娠の可能性が高いようです。
これまでで、排卵日を予測することが妊活では重要であることをお分かり頂けたでしょうか。
それでは、排卵日をどのように予測できるのかをご紹介してまいります。排卵日を予測するのは基礎体温だけではなく、検査薬を使用することや産婦人科で検査を受ける方法もあります。
妊活を始める方は、ぜひ以下の方法で排卵日をチェックしてみてください。
チェックの仕方の1つ目は、毎日基礎体温を測ることです。
基礎体温とは、起床後起き上がる前に測る体温を意味します。女性は、ホルモン分泌によって基礎体温が変化します。そのため、基礎体温を測り体温の変化を見ることで、月経周期や排卵日の予測などができるのです。
基礎体温は、通常低温期と高温期の2相になります。そして、排卵をすると、低温期から高温期へと移行すると言われます。
女性の基礎体温は、通常低温期と高温期の2相に分かれます。
一般的に低温期は、月経期から排卵までの約2週間です。その後、高温期へと移行したら、すでに排卵が終わったと予測することができます。
しかし、体温が高温期に移行した日にはすでに排卵が終わっているということなので、基礎体温だけで確実な排卵日を予測するのは難しいと言えます。基礎体温を記録し続けることで、翌月の排卵日を予測しやすくなるでしょう。
排卵が終わると、基礎体温は高温期へと移行します。体温が上昇する理由は、黄体ホルモン分泌の影響と言われています。
通常、高温期も約2週間続きます。そして、受精卵が着床すれば、2週間後も体温が下がらずに高温期が継続します。反対に受精卵が着床しなければ、その後体温が下がり月経が始まるのです。
もし、高温期が10日以下である場合は、黄体機能不全の恐れがあるので、妊娠を希望する方は医療機関を受診してみましょう。
チェックの仕方の2つ目は、排卵検査薬を利用することです。
排卵検査薬とは検査薬に尿をかけて陽性が出れば、排卵日の約1日前であることを予測できるものです。
排卵日の約1日前には、LHサージと呼ばれる黄体化ホルモンが急激に分泌される現象が起こります。排卵検査薬は、尿からLHレベルの変化を捉えて、排卵日が近いかを予測するのです。排卵検査薬は、薬剤師が在中する薬局やドラッグストアで購入できます。
チェックの仕方の3つ目は、産婦人科での超音波検査を受けることです。
産婦人科を受診すれば、超音波検査で卵胞の大きさや子宮内膜の厚さを検査することができます。卵胞の大きさなどを見ることで、医師は排卵が近いかどうかを判断します。
基礎体温や排卵検査薬では、自分で排卵日を予測することしかできません。しかし、産婦人科で超音波検査を受ければ、より正確な予測ができるでしょう。
チェックの仕方の4つ目は、おりものの変化を確認することです。
排卵日が近づくと、エストロゲンというホルモンの影響でおりものが増えるようになります。また、排卵日が近いときのおりものは、卵白のようで伸びが良い状態であることが多いようです。
そのようなおりものは、精子が子宮頸管を通りやすくする働きがあるのです。基礎体温と合わせて、おりものの変化を見ながら排卵日を予測してみましょう。
チェックの仕方の5つ目は、下腹部の痛みがあるか確認することです。
女性の中には、月経期ではない時にも月経痛のような下腹部の痛みを感じる方がいます。もし、月経周期が28日で、その下腹部の痛みが月経開始日から約14日後であれば、それは排卵痛の可能性があります。
排卵痛は排卵の際に破れた卵巣から卵胞液と血液が流出して、それが腹膜を刺激することで起こると言われます。中には、排卵痛を感じない女性もいることを知っておきましょう。
ここからは、不妊を疑うポイントをご紹介していきます。
妊活を続けていてもなかなか赤ちゃんを授かれないカップルは、不妊かもしれないと悩む方もいるでしょう。もし、不妊かもしれないとお悩みの方は、ぜひ以下のポイントに当てはまるか確認してみてください。
ポイントの1つ目は、1年間避妊していないにも関わらず妊娠をしないことです。
日本産婦人科学会では、健康な男女のカップルが「1年間」という一定期間、避妊をせずに性交渉を持つにも関わらず妊娠しないことを不妊と定めています。
そのため、1年間妊活をしても妊娠しなかった場合は、産婦人科など専門機関で検査を受けるのが望ましいでしょう。産婦人科で検査を受けることで、不妊の原因を突き止め治療をすることも可能です。
ポイントの2つ目は、女性の年齢が35歳以上であることです。
一般的に、女性は30歳を過ぎると妊娠する力が低下してくると言われます。それが、35歳以上になると急激に低下をします。その理由には、加齢により卵子の質が下がること、また合併症が発症しやすくなることが挙げられます。
また、35歳以上の初産は高齢出産と言われます。高齢出産の場合、流産などのトラブルのリスクが高くなることを理解しておきましょう。
ポイントの3つ目は、男性で子どものころ高熱が出た経験があるかどうかです。
精巣は熱に弱いため、感染症などで高熱が出ると精子を作る能力に悪影響を及ぼす場合があります。例えば、子供の頃におたふく風邪などにかかり高熱が出た経験があると、男性不妊になる恐れもあると言われます。
男性不妊についても医療機関で検査ができるため、不妊を疑う場合は検査をしてみましょう。
ポイントの4つ目は、男女ともに痩せ型や肥満傾向にあることです。
男女ともに、痩せすぎや太り過ぎは不妊に繋がる可能性があります。痩せ過ぎの場合は、妊娠以前に日常生活へのエネルギー不足となり、卵巣機能がうまく働かなくなる恐れがあるのです。
また、太り過ぎの場合は、無排卵になることや妊娠しても流産をするリスクなどが高くなると言われます。健康的な適正体重を保つように、食生活や運動に気を配るようにしましょう。
ポイントの5つ目は、ストレスが多いことです。
男女ともにストレスが多くあると、不妊に繋がりやすくなります。女性の場合、ストレスが多いと女性ホルモンに悪影響を及ぼし、排卵へ障害をもたらす恐れがあると言われます。
また、男性の場合もストレスが多いと、精子を作る力などに悪影響を及ぼすことがあります。不妊を疑う場合は、ストレスを溜めずにリラックスすることを心がけましょう。
ポイントの6つ目は、月経痛が重いことです。
女性の中には、月経痛が重いことで悩まれる方もいるでしょう。もし、妊活をしている女性で月経痛が重い場合は、婦人科系の病気を発症していないか検査をするのが望ましいです。
月経痛が重いということは、婦人科系の病気の症状であることが多いのです。そして、病気の症状によっては、それが不妊の原因となることもあります。
妊活をしている女性で月経痛が重い方は、早めに産婦人科を受診しましょう。
妊活を始めたいカップルは、まず女性の排卵日がいつ頃なのか予測するのが大切です。なぜなら、排卵された卵子と精子のどちらも寿命があるからです。
排卵日を予測するためには、基礎体温を測ることや産婦人科で超音波検査を受けることなど様々な方法があります。より妊娠の可能性が高くなる時期を知るためにも、ぜひ排卵日を予測して妊活を始めてみましょう。