【専門家監修】排卵検査薬の使い方ポイント11個|市販の排卵日予測検査薬も紹介

排卵検査薬とは?

「排卵検査薬」とは、女性ホルモンの一種である黄体形成ホルモン(LH)を用いて排卵予定日を予測するものです。なお、正式名称は「排卵日予測検査薬」と言います。


排卵日が近づくと、女性の体では黄体形成ホルモンの分泌量が急激に増加します。この急激な増加をLHサージといい、LHサージから約36~40時間以内に排卵されると言われています。


LHサージを調べることで排卵するタイミングを予測するのが、排卵検査薬です。

排卵検査薬が必要な人とは?

妊娠を望んでいる人にとって、排卵のタイミングを知っておくことは大切です。その理由は、卵子の生存期間の短さです。卵子は、排卵されてから、約24時間しか生存できないと言われています。


そのため、排卵のタイミングを予測できる排卵検査薬を使うことで、妊娠へと繋げることが期待できます。

排卵検査薬で排卵日を予測できる仕組み

月経を迎えた女性の体では、女性ホルモンの一種である黄体形成ホルモンの作用によって卵子が卵胞から飛び出します。この卵子が排出されることを排卵といい、月経周期が28日の場合、月経開始から約14日目に卵胞から排卵されます。


月経周期の第14日目ごろの排卵日が近づくと、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモンが急激に増えていきます。これをLHサージといい、このLHサージから約36~40時間以内に排卵が起こるとされています。


LHサージは尿中から検出することができ、月経周期の中頃に排卵検査薬を使用することで、排卵タイミングを予測することができます。

排卵検査薬の入手方法

2016年11月、厚生労働省が一般用医薬品として7品目の製造・販売を承認したことで、排卵検査薬はドラッグストアなど購入できるようになりました。


規制緩和により、医療用医薬品から一般用医薬品第一類に分類されましたが、第一類に属しているため薬剤師しか販売することができません。薬剤師が不在の時には、販売してもらうことができないので購入の際には注意が必要です。


また、一般用医薬品に分類されたことによって、通販での購入も可能になりました。店舗購入が難しい場合には、通販での購入を検討してみましょう。排卵検査薬の価格は、使用回数によって変わってきますが、3,000~4,000円程度となります。

排卵検査薬の使い方

販売されている排卵検査薬「ロート製薬ドゥーテストLH2」を例にし、具体的な排卵検査薬の使用方法を紹介していきます。


ステップ1は、検査薬本体にあるキャップを、採尿部分とは反対側にカチッと音がするまで差し込みます。ステップ2-1(採尿部に直接、尿をかける場合)は、採尿部分に尿を2秒かけます。5秒以上はかけないように注意しましょう。


ステップ2-2(紙コップで採尿する場合)は、乾いた清潔な紙コップを使用します。検査薬の採尿部全体が、尿につかるように容器に尿を取ります。尿につける時間は2秒になりますので、注意しましょう。


ステップ3は、キャップを外し採尿部にはめ直し、検査薬を平らな場所に置きます。ステップ4は、ステップ3から5分経過後に、すみやかに判定窓で結果を確認します。尿量確認窓にラインがあり、さらに判定窓に基準ラインと同等か濃いラインがでていれば、まもなく排卵が起きる予測されます。

排卵検査薬の使い方ポイント10個

排卵検査薬は、月経周期の中頃に起きるLHサージを捉え黄体形成ホルモン量を検出していきます。黄体形成ホルモンは、普段から微量に分泌されており、さらにLHサージは短期間の間に起こります。


そのため、排卵検査薬を使用する際には、押さえておきたい10個のポイントがあります。以下でご紹介していきますので参考にしてください。

排卵検査薬使い方ポイント1:基礎体温を把握する

排卵検査をより正確にするためには、排卵検査薬と併せて基礎体温を測ることが大切になります。基礎体温とは人間の生存の基礎となる体温を指し、女性の場合、黄体ホルモンと卵胞ホルモンといった女性ホルモンなどの影響を受けやすくなっているためです。


排卵が起きる場合には24時間~48時間以内に、普段より基礎体温が約0.3~0.5度ほど上昇する傾向があります。この基礎体温の上昇と排卵検査薬の結果を併せることで、より正確に排卵タイミングを予測することができます。


また、正しい基礎体温を測るためには、目覚めたタイミングで体を動かさずに測ることが大切になりますので、検温の際には注意しましょう。

排卵検査薬使い方ポイント2: 基礎体温計は毎回同じ時間に使う

基礎体温とは、起床直後などの安静時の体温になります。また、この基礎体温は継続して計測していくと、1回の月経周期で低温期と高温期の二相性のグラフになります。


低温期と高温期を正確に把握するためには、毎日決められた時間に測る必要があります。


起床直後に測れるよう、枕元に婦人体温計やメモなどを用意しておきましょう。

排卵検査薬使い方ポイント3:水分をたくさん摂った後は使用しない

排卵検査薬は、黄体形成ホルモンの量で判定しています。測定前に多量の水分を摂取してしまうと、尿中に含まれるホルモン量が低くなってしまう恐れがあります。


排卵検査薬を使う直前の水分の取り方にも注意しましょう。

排卵検査薬使い方ポイント4:1日1回または2回連日使用する

排卵検査薬の判定に用いられる黄体形成ホルモンの量は、月経周期の中頃に起きるLHサージ時に測定する必要があります。


けれども、このLHサージは、排卵前の短期間に急激に起こります。排卵検査薬を使用する場合には、1日1回あるいは2回、そして連日使用することでLHサージを捉えやすくなります。


また、排卵検査薬を1日2回使用する際には、10~12時間の間隔で行なうようにしましょう。たとえば、1回目を朝9時に使用したら、2回目を夜9時に使用することになります。

排卵検査薬使い方ポイント5:結果の判定が難しい場合

排卵を促す黄体形成ホルモンは普段から微量に分泌され、さらにその分泌量は、月経周期や個人によっても異なります。


そのため、月経周期から計算したLHサージのタイミング時でも薄い陽性反応になってしまうことがあります。ただし、排卵検査薬の種類によっては、判定窓に薄い陽性反応が出れば陽性とみるものもあります。


排卵検査薬を使用する際には、付属の取り扱い説明書を確認するようにしましょう。

排卵検査薬使い方ポイント6:無排卵でも陽性になる場合とは?

排卵検査薬は、黄体形成ホルモンの量で判定するため、実際に排卵が起きていない場合でも陽性反応を示してしまう場合があります。


無排卵にもかかわらず、陽性反応が認められる具体例としては、生理不順やホルモンバランスの極端な乱れ、ホルモン剤を使用した不妊治療、または絨毛性疾患や子宮がんなどを発症しているの他、すでに妊娠している場合が挙げられます。


陽性反応が長く続く場合には、早めに受診するようにしましょう。

排卵検査薬使い方ポイント7:正確な判断ができないこともある

排卵検査薬を使用する際、基礎体温が明確な二相性でない場合には、正確な判断ができないことがあります。


たとえば、低温期が長く高温期が短い場合、卵子の成熟が悪く黄体形成ホルモンの分泌量が少なくなります。そのため、LHサージのピーク時でも弱陽性反応を示す可能性があります。


また、基礎体温の変動が低温期と高温期それぞれで激しい場合、常に弱陽性反応あるいは強陰性反応が続き、正確な判断ができない怖れがあります。

排卵検査薬使い方ポイント8:いつまでも陽性にならない場合

排卵検査薬での判定結果で陰性が継続される場合には、いくつかの原因が考えられます。


まず第一に考えられるのは、検査薬を不適切な方法で使用している場合です。たとえば、検査前の過剰な水分摂取などが挙げられます。


次に、病気が原因になっている場合です。月経周期の乱れや無排卵周期症、卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣などの病状がある時、尿中のホルモン量が上がらず陰性結果が続きます。

排卵検査薬使い方ポイント9:避妊には使えない

排卵検査薬は、排卵日の予測を補助するために作られているため、避妊目的に使用することはできません。


その理由は、排卵自体がLHサージ期間を超えても起きる可能性や、卵子・精子には体内での生存期間があることです。


特に、精子は体内で3日以上生存する可能性があるため、検査薬が陰性であっても妊娠するおそれがあります。

排卵検査薬使い方ポイント10:婦人科を受診するべき目安は?

排卵検査薬を6か月以上使用していても、妊娠に繋がらないケースもあります。その場合、排卵のタイミングだけが原因ではない可能性が考えられます。


妊娠が成功しない原因として卵管の通りが悪い、子宮内膜症や子宮筋腫などの病態があるといった女性側の問題だけではなく、精子の数や状態といった男性側にも原因がある場合も少なくありません。


そのため、排卵検査薬を6か月以上使用しても妊娠できない場合には、出来る限りパートナーと一緒に婦人科を受診するようにしましょう。

市販されているおすすめの排卵検査薬5選

規制緩和以降、排卵検査薬は比較的ドラッグストアや通販で手に入れやすくなっています。


しかしながら、国内外のメーカーから販売されているため、購入の際にはどれが良いのか悩んでしまうという方も少なくありません。


ここでは、市販されているおすすめの排卵検査薬を5つご紹介して行きます。購入の際には、参考にしてみてください。

市販の排卵検査薬1:排卵日予測検査薬ハイテスターH

ハイテスターHの最大の特徴は、排卵日の予測(黄体形成ホルモンの検出)を色の濃淡ではなくラインの本数で判定する点です。


武田コンシューマーヘルスケアの独自技術「トリプルライン検出法」によって、黄体形成ホルモン検出量の低域から高域まで幅広く測定できます。尿に含まれる黄体形成ホルモン濃度が10mIU/mLの時はライン1本、30mIU/mLの時はライン2本、100mIU/mLの時はライン3本となり、判定の仕方が分かりやすくなっています。


また、黄体形成ホルモン検出量を幅広く測ることができるため、急激に起こるLHサージの周期パターンを捉えやすいメリットがあります。そのため、妊活中の方はもちろん、初めて排卵検査薬を使用する方にも使いやすくなっています。

市販の排卵検査薬2:ドゥーテストLHII排卵日予測検査薬

ドゥーテストLHⅡ排卵日予測検査薬の特徴は、採尿のしやすさと判定のスピーディーさです。


採尿部は、初めて排卵検査薬を使用する方でも失敗しにくいワイド設計なので、1度でしっかり尿をキャッチしてくれます。


さらに、採尿にかかる時間はわずか2秒、判定時間も5分なので忙しい時にもおすすめです。

市販の排卵検査薬3:ウー・マンチェックLH排卵日予測検査薬

ウー・マンチェックLH排卵日予測検査薬は、尿中に含まれるLHサージを捉え排卵日の予測補助を行ないます。


検査の流れはまず、スティック本体前面の採尿部全体に5~10秒程度尿をかけます。この時、判定窓部分に尿がかからないように注意しましょう。そして、採尿部にキャップをし、水平に置き5~10分ほど待ちます。コントロールライン部に赤いラインが出ていることを確認後、判定していきます。


判定方法としては、判定ラインが基準ラインよりも濃い、あるいは同等の濃さの場合に陽性となり、逆に基準ラインよりも薄い、ラインが出ない場合には陰性となります。


また、スティックに検査した日時を書くことができるため、1日2回検査したい時におすすめです。

市販の排卵検査薬4:クリアブルー排卵日予測検査薬

こちらは、ヘルスケア機器メーカーとして有名なオムロンが手掛けた排卵日予測検査薬です。検査手順は、わずか3ステップになりますので初心者の方でも簡単に検査可能です。


ステップ1は、検査薬をアルミ袋から取り出しキャップを外します。ステップ2は、検査薬の採尿部(サンプラー)に直接、尿を5秒間かけるか、乾いた清潔な容器に尿を取り採尿部を20秒間浸します。ステップ3ではまず、採尿部を下に向けたままキャップを付けます。判定窓を上に向け、水平に置きます。


検査開始から3分後に、判定窓を確認しましょう。判定ライン(判定窓の矢印側)が、基準ラインよりも濃いか、あるいは同等の場合に陽性となります。その逆に、判定ラインが基準ラインよりも薄いか、あるいはラインが認められない場合には陰性となります。

市販の排卵検査薬5:チェックワンLH・Ⅱ排卵日予測検査薬

チェックワンLH・Ⅱ排卵日予測検査薬の特長は、採尿のしやすさ・判定時間の短さ・分かりやすい判定の3つです。妊活中の方はもちろん、初めて排卵検査薬を使う方にもおすすめです。


採尿方法は2種類あり、採尿部に尿をかけるか、あるいは尿に浸すかになります。採尿部に直接、尿をかける場合には採尿部が下に向くように持つようにしましょう。採尿時間は、5秒間です。一方で、採尿部を尿に浸す場合は、紙コップなどの乾いた清潔な容器に尿を取り、採尿部全体が尿に浸るようにします。採尿時間は、20秒間です。


採尿後、下向きのまま採尿部にキャップをつけ、水平に置き3分間静置しましょう。判定方法は、判定(テスト)ラインの有無と濃さになります。たとえば、判定ラインが出現し、コントロールラインよりも濃い、あるいは同等の場合には陽性となります。

排卵検査薬について知ろう

排卵のタイミングは、女性ホルモンの作用によって起きるため、正確に測ることは難しいと言われています。そんなタイミングを測るための指標の1つが、排卵検査薬になります。


今回、排卵検査薬とはどのようなものなのか、使用方法や使い方のコツなどを詳しくご紹介してきました。


妊娠を考えている方や排卵検査薬の購入を検討している方は、参考にしてみてください。