昔から、妊娠期間は十月十日(とつきとおか)と言われていますが、実際にはどのようにして妊娠期間や妊娠週数を計算するのか、分からない人もいるでしょう。計算には、最終月経や排卵も大きく関係してきます。
この記事では、妊娠週数の計算方法と計算に必要な情報について詳しく説明していきます。
妊娠週数は、最終月経開始日を妊娠0週0日とし、出産まで満日数で数えていくものです。例えば、最終月経開始日から38日目の妊娠週数は、妊娠5週3日となります。
赤ちゃんが順調に育っているのか、妊婦さんの体重は増えすぎたり、反対に減りすぎたりしていないかなどを判断する際に、この妊娠週数を基準とします。
また帝王切開、誘発分娩や無痛分娩などを予定する場合は、特に妊娠週数を知っておくことが重要です。
先程も述べたように、最終月経開始日が妊娠週数0週0日となります。0週0日から、1週を7日間として数えるので、0週目は0日〜6日、その次は1週0日〜6日、2週0日〜6日と数えていきます。
ただし、これは月経周期が28日周期で、最終月経開始日から14日目に排卵して妊娠した場合を前提としています。そのため、月経周期や排卵日によっては妊娠週数と母体の状況にズレが生じる場合があります。
妊娠週数と妊娠日数の違いは、妊娠期間を「週」で表すのか「日」で表すのかということです。妊娠週数は、0週から始まり40週目が出産予定日となります。
一方で、妊娠日数は0日から始まり280日目が出産予定日となります。満で数えるのはどちらも同じなので、例えば、妊娠0週は妊娠日数0〜6日となります。
妊娠週数は、最終月経開始日を0週0日として、これを基準に計算していきます。しかし、最終月経開始日が分からない場合もあるでしょう。そんなときは、月経周期や排卵日を利用して計算する方法や、赤ちゃんの頭殿長から計算する方法もあります。
ここから、これらの計算方法について詳しく説明していきます。
基本的には、最終月経開始日から妊娠週数を計算しますが、月経周期が28日である場合を想定した計算方法です。そのため、自分の月経周期を把握することが必要となります。
また、最終月経開始日だけでなく、排卵日の情報も妊娠週数の計算に役立ちます。ほかにも、産院で行う腹部超音波検査で測定する赤ちゃんの頭殿長も、重要な情報の1つです。
これらを使ってどのように計算するのかを説明していきます。
出産予定日の計算に月経開始日を使用するのは、月経が妊娠を判断するために1番確かな情報となるからです。
実際には、受精卵が着床してから出産までの間が妊娠ですが、臨床的には最終月経開始日から出産までの間を妊娠期間としています。これは、実際に受精した日時が特定できないからです。
そして、最終月経開始日を0週0日と考えて、0週1日、2日、3日、1週0日、1日、2日、3日と数えていきます。
正しい妊娠週数を知るためには、月経周期も把握している必要があります。
先ほど説明した最終月経開始日から妊娠週数を計算する方法は、月経周期が28日であることを前提としているため、月経周期が28日以外の人はズレが生じてきます。
例えば月経周期が35日の人の場合、28日の人と比べて排卵日が7日間ズレてくるので、妊娠週数は1週間マイナスして計算しなければなりません。
基礎体温を記録していたり、排卵検査薬を使用していたりする場合、おおよその排卵日を推測することができます。
排卵日を妊娠2週0日と考える方法があります。最終月経開始日からの計算は月経周期が28日として計算しますが、排卵日から計算する方法は月経周期に関係なく排卵日を妊娠2週0日とするので、より正確な妊娠週数を知ることができるでしょう。
超音波検査で、赤ちゃんの頭からおしりまでの頭殿長を測って、妊娠週数を計算できます。
頭殿長は、妊娠8~11週くらいではほぼ個人差がありません。これを利用して、この時期の超音波検査で測定した頭殿長から妊娠週数を算出しますが、この方法がもっとも誤差がないとも言われています。
また、最終月経開始日などから計算した妊娠週数と大きなズレがある場合は、頭殿長から算出した日に修正することもあります。
生理不順の人の場合は、頭殿長から妊娠週数を計算します。
生理周期が一定の人でも排卵日が1〜2日ほどズレることはよくありますが、生理不順の人の場合はそのズレがさらに多いと考えられ、そうすると実際の着床日ともズレてしまいます。
それに比べて、超音波検査で測定した赤ちゃんの頭殿長は最終月経開始日や月経周期に関係なく算出されるものなので、生理不順の人もほぼ確実な妊娠週数を知ることができるでしょう。
前途したように、最終月経開始日を0週0日と考えるため、月経の日程が必要になります。しかし、最終月経の日程が分からない場合は、排卵日または赤ちゃんの頭殿長から妊娠週数を計算できます。
もし排卵日を把握できている場合は、排卵日を2週0日として妊娠週数を計算することができますが、そのほかに産婦人科で赤ちゃんの頭殿長を測定してもらうことでも、妊娠週数の計算が可能です。
最終月経開始日も排卵日も分からない場合は、産婦人科で確認して妊娠週数を算出してもらいましょう。
産婦人科では最終月経の日程や排卵日が分からないことを正直に伝えて、超音波検査などで妊娠週数を確認してもらうことをおすすめします。産婦人科での適切な検査や医師による診断を受けることで、正しい妊娠週数が確認できることは最大のメリットと言えるでしょう。
妊娠週数を計算するときは、文字の書き込めるカレンダーを用意すると良いでしょう。
最終月経開始日が分かっている場合は、その日に0週0日と書き込みます。そこから1週間後が1週0日、さらに1週間後が2週0日となります。
また、出産予定日が分かっている場合は、出産予定日に40週0日と書き込みます。そこから遡って、1週前が39週0日、さらに1週前が38週0日というように書いていくこともできて便利です。
妊娠0週0日から、妊娠3週6日までの4週間を妊娠1ヶ月と表します。
妊娠週数は「満」で数えるので妊娠0週から始まりますが、妊娠の月数は「数え」で数えるので妊娠1ヶ月から始まります。
妊娠週数を月数で表すと次のようになります。
妊娠0週〜3週→妊娠1ヶ月
妊娠4週~7週→妊娠2ヶ月
妊娠8週~11週→妊娠3ヶ月
妊娠12週~15週→妊娠4ヶ月
妊娠16週~19週→妊娠5ヶ月
妊娠20週~23週→妊娠6ヶ月
妊娠24週~27週→妊娠7ヶ月
妊娠28週~31週→妊娠8ヶ月
妊娠32週~35週→妊娠9ヶ月
妊娠36週~39週→妊娠10ヶ月(臨月)
妊娠週数ごとにママの身体も赤ちゃんの発育状況も変化していきます。
妊娠12週はつわりが治まってくる頃ですが、次に腰痛が起こりやすくなるでしょう。赤ちゃんの手には指ができあがり、外性器もできてきます。
妊娠13週は、乳腺が発達して乳房のサイズが大きくなり、赤ちゃんは指を舐めたり握りこぶしを作ったりするようになります。
妊娠14週は、胎盤がほぼ完成して流産の危険が低くなるでしょう。赤ちゃんは皮膚の厚みが増し、手足には筋肉がつき始める頃です。
妊娠週数を知るためには、最終月経開始日や月経周期、排卵日を把握しておくことが必要です。妊娠を望む段階の人なら、今からでも月経があった日を記録したり、毎日基礎体温を測って記録したりしておくと今後、妊娠したときに役立つでしょう。
また、すでに妊娠している、もしくは可能性のある方で妊娠週数が分からない人は早めに産婦人科へ行き検査してもらいましょう。
自分の妊娠週数を知って、素敵なマタニティライフを送ってください。