胸の張りの症状は多くの女性が経験しているでしょう。その症状は時にはストレスを感じる場合もありますが、いつから胸が張り出したか意識しないと思い出せないくらい、女性にとって身近な症状です。
胸の張りは妊娠初期症状としても有名です。妊娠を望んでいる方や、妊娠の可能性がある方は、「胸の張り=妊娠した」という考えが頭をよぎることもあるでしょう。しかし、胸の張りには、妊娠以外にも様々な要因があります。
胸の張りは、妊娠以外ではPMS(月経前症候群)があります。PMSは月経前の3日~10日前程から体に感じる様々な不調のことです。小さなことでイライラしたり、なんとなく頭が重く感じたり、人によって不調の出方は様々です。PMSは200種類もの症状があるとも言われています。
後ほどご紹介しますが、妊娠やPMS以外でも胸の張りを感じる場合があります。胸の張りの原因は一概にこれだという判断は難しいのです。
胸の張りの症状があると妊娠を望んでいる方は「もしや妊娠か」と疑う人も多いです。いつから胸が張っているかを必死で思い出したり、知恵袋やブログを検索する方も多いです。
しかし生理前の症状と妊娠兆候は似ていて、個人では判断しにくいです。人によってはPMS症状はあるが、妊娠時には初期症状がなかったという場合もあります。
違いを判断するならば、基礎体温を計り、高温期が2週間以上続くと妊娠の可能性があると言えます。
基礎体温は、月経周期が 28日だった場合、排卵が起きるまでの2週間は低温、排卵を期に次の2週間は高温、月経がきたらまた低温期が始まるというのが基本系です。妊娠をしていた場合は高温期が2週間をすぎても続きます。
胸の張りが続き、尚且つ基礎体温の高温期が2週間以上続いていた場合は妊娠の可能性がありますので、その際は医師に診断していただくとよいでしょう。
胸の張りは、生理の遅れ・ホルモンバランスの乱れ・乳腺や子宮の疾患・ストレスなどが原因の場合があります。
胸が張るたびに過敏になる必要はありませんが、何かの疾患だった場合は病院に行く必要がありますので、「いつもの張りと何か違いはないか」くらい意識していたほうが良いかもしれません。
胸の張りは女性の体の状態を表すシグナルの1つです。以下個別に詳しく書かせていただきますので、参考にしてください。
妊娠初期の胸の張りの原因は、妊娠初期に分泌されるエストロゲンというホルモンが大きく関わっています。エストロゲンは乳腺組織や乳管を活性化させる作用があり、妊娠前より胸が張ります。
またプロゲステロンというホルモンも増え、こちらも乳腺組織を活発化する働きがあります。
胸の張りを不快に感じる場合は、下着を刺激のないものに変えたり、胸の保湿してみるとよいでしょう。根本的な改善はできませんが、不快を軽減できます。
生理の前は、乳腺組織を活発化させるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増えます。通常生理が始まれば、これらの分泌は減り胸の張りが治まるのですが、何らかの原因で生理が遅れると、プロゲステロンの分泌が増えたままの状態なので、胸の張りが続きます。
生理が遅れる原因は様々で、妊娠であったり、生活習慣の乱れであったりと様々です。
胸の張りにはホルモンバランスが大きく関係しています。女性の体は女性特有のホルモンの影響を受け、約28日の月経周期のなかで変化しております。そのホルモンとは先に述べた、エストロゲンとプロゲステロンです。
この二つのホルモンのバランスが崩れると、様々な不調が女性の体に起きます。イライラしたり情緒不安定になったり、頭が重く感じたりなどの症状が起きます。胸の張りもその中の一つです。
胸の張りは、乳腺の病気が原因になっている場合もあります。乳腺に関わる病気で主なものは、乳腺症・乳腺炎・乳がんなどが挙げられます。
胸の張り自体は女性にはよくある症状ですので神経質になりすぎる必要はありません。しかし、痛みが伴ったり、乳房にしこりがあったり、乳首から分泌物があったりといった症状も伴うようであれば、医療機関に受診したほうがよいでしょう。
胸の張りは、子宮の病気が原因の場合があります。子宮筋腫・子宮内膜症・子宮頸がん・子宮がんなどが挙げられます。
これらの病気の時でやすい症状は、下腹部の張り・生理不順・貧血・倦怠感・腰痛などが挙げられます。胸の張り以外にこれらの症状も感じた場合は、一度医療機関にかかり医師に相談したほうがよいでしょう。
女性の体は、プロゲステロンとエストロゲンが大きく影響していることは先に述べました。この二つのホルモンのバランスが正常に保たれている状態なら問題はないのですが、ストレスなどの影響でバランスが乱れると、様々な不調の原因となります。
生理が不順になったり、PMS(月経前症候群)が強くなったり、高プロラクチン血症などの誘引となり、ストレスは胸の張りにつながる原因となります。なるべくストレスを溜め込まないようにしましょう。
妊娠中の胸の張りはいつからいつまで続くのでしょうか。妊娠中のこの症状を不快に感じている方も多いことでしょう。妊娠初期は先に述べたホルモンの働きが原因です。
それらは一旦落ち着くのですが、妊娠中期~後期にかけて再び胸の張りを感じます。これは、授乳の準備が始まり乳腺や乳管が発達するためです。
つまり妊娠中の胸の張りは、一旦は落ち着く時期があるものの、妊娠超初期から出産まで続くことになります。
妊娠中は身体に様々な変化が起こります。初めて妊娠をされた方は、いつもとは違う身体の不調に戸惑うことでしょう。
しかし、身体のなかでは新しい命が成長していて、それは特別な健康状態なのです。妊娠中の体調の変化は、新しい命を育むため・守るために体が起こしている変化だと捉え、不調とうまく付き合う必要があります。
以下、妊娠中の主な体調変化を3つ取り上げ、それらの緩和策について述べていきます。
妊娠初期に起こりやすいのがホルモンバランスの変化による頭痛です。このような頭痛になった場合の対処法は、まずは安静にし、暗い静かな部屋で休むことです。
ストレスを感じているときは音楽などを聴いたり、美味しいものを食べたりと気分転換するとよいでしょう。マッサージやストレッチも効果的です。
上記のようことをしても改善しない場合は病院を受診することが大切です。医師に頭痛薬を処方してもらうとよいでしょう。
妊娠中のおりものの変化で多いのは、量が増えるということです。これは妊娠によりエストロゲン(卵胞ホルモン)分泌が増えておりものの量が多くなります。
妊娠初期では、子宮内に細菌を入れないようとする働きでおりものの量が多くなります。下着を湿らすほどの時は、おりものシートを使用しこまめに交換するなどして常に清潔に保つよう心がけましょう。
つわりは、胎盤ができる過程でホルモンが変化することが関係しているといわれています。対策は、胸のむかつきに効果があるビタミンB6を摂取したり、吐き気の原因となる食べ物を特定しおくとよいでしょう。
多くの方は胎盤が完成する16週頃に落ち着いてきます。しかし、妊婦さんのなかには、妊娠中期・後期まで吐き気が続く人がいます。栄養不足・脱水症状に気を付け、少しずつ何度かにわけて食べたり、飴やガムなどを食べて対策するのも良いでしょう。
生理が遅れると「もしかして妊娠じゃないか」と疑う人もいるでしょう。いつから生理がきていないか日数を数えてみたり、胸が張りなどの不調が伴うと妊娠への期待が高まる人も多いです。しかしそれらの症状だけでははっきりと妊娠と判断することはできません。
妊娠を正確に判断するのは医療機関に受診することが確実ですが、ご自身でもある程度は判断することができます。以下、それについてご説明いたします。
妊娠を自分で判断する方法として妊娠検査薬が有名です。ドラッグストアなどで売っていて、気軽に妊娠のチェックができます。検査薬に尿をかけるだけなので、使い方も簡単です。
妊娠検査薬は、尿中のhCG分泌量で妊娠を判別します。いつから妊娠検査薬を使えるかですが、生理予定日の一週間後からよいです。早すぎはhCGの分泌量が少なく、正確な判断ができない場合がありますので気をつけましょう。
自分で妊娠を確認できる方法として、基礎体温をきちんと図るという方法があります。基礎体温をきちんと測ることで、ホルモンバランスが正常に保たれているかどうか確認することができます。妊娠をするとホルモンのはたらきで、高温期が続き妊娠の可能性を確認できます。
基礎体温は活動していない時の体温、つまり起床時に起き上がる前に寝たまま測ります。枕元に体温計を置いておき、毎日基礎体温を測る習慣をつけましょう。
妊娠中は様々な身体変化があります。いつから胸が張るのか、いつから美味しくご飯が食べられるのか、いつから不調が楽になるのか…初めての妊娠の方は不安も大きいと思います。
ここでは妊娠超初期から出産まで関係がある、胸の張りにスポットを当てご説明させていただきました。妊娠中のマタニティライフに役立てていただき、妊娠中の身体の不調とうまく付き合っていただきたいです。