【専門家監修】妊娠初期から後期の背中の痛みの原因とは?痛みを和らげる方法4つ

妊娠初期から後期の背中の痛みとは?

今回は妊娠中の背中の痛みの原因と和らげる方法を紹介していきます。背中の痛みに何か重大な病気があるのではないかと不安に思われる方もいるのではないでしょうか。


妊娠中の背中の痛みは妊婦さんの約80%が経験しているといわれています。


ほとんどの妊婦さんが背中の痛みを経験しているからと言って、安心するのは禁物です。この記事の後半には妊娠後期の背中の痛みの注意点も載せてありますので、ぜひ最後までお付き合いください。

妊娠中の背中の痛みの原因2つ

最初に妊娠中の背中の痛みの原因2つについて紹介していきます。妊娠中の背中の痛みの原因は・ホルモンの分泌・体重の増加などがあります。


背中の痛みは珍しいことではなく、適度な運動や眠る時の姿勢を変えることで痛みが和らぐことがあります。

妊娠中の背中の痛みの原因1:ホルモンの分泌

妊娠中の背中の痛みの原因として1つ目は、ホルモンの分泌が挙げられます。妊娠すると分泌されるリラキシンというホルモンは、出産の時に赤ちゃんが産道を通りやすくするために骨盤などの関節や靭帯を緩める役割があります。


そのリラキシンによって骨盤が緩むことで背中に負担がかかるため、痛みに繋がってしまうといわれています。

妊娠中の背中の痛みの原因2:体重の増加

妊娠中の背中の痛みの原因として2つ目は、体重の増加です。体重が増えることで背中の筋肉に負担をかけてしまうことが痛みに繋がるといわれています。


お腹が大きくなってくると、身体の重さのバランスが前に傾いてしまい、無理して背中をそらしすぎている可能性があります。その負担が痛みの原因だと考えられています。

妊娠中の背中の痛みを和らげる方法4つ

次は、妊娠中の背中の痛みを和らげる方法を4つ紹介していきます。背中の痛みを和らげる方法には、深呼吸をする・楽な姿勢をとる・ゆっくり休む・医師に相談する、などがあります。


妊娠中の背中の痛みは多くの方が経験する痛みですが、深刻な問題が隠されているかもしれないので、気になる人は医師に相談した方がよいでしょう。

背中の痛みを和らげる方法1:深呼吸をする

背中の痛みを和らげる方法の1つ目は、深呼吸をすることです。腹式呼吸など深呼吸をすることで、身体がリラックスし、痛みが和らぐといわれています。


また、深呼吸をしながらのストレッチやマッサージ、適度な運動も有効でしょう。すぐに痛みが和らがなくても、長い目で見れば、背中の筋肉などを鍛えることで、痛みが和らぐことに繋がります。

背中の痛みを和らげる方法2:楽な姿勢をとる

背中の痛みを和らげる方法として2つ目は、楽な姿勢をとることです。音楽を聞いてリラックスすることでさらに力を抜くことができます。


座る際の椅子は背もたれのあるものを選び、背中の下を支えるためのクッションも用意するとよいでしょう。

背中の痛みを和らげる方法3:ゆっくり休む

背中の痛みを和らげる方法として3つ目は、ゆっくり休むことです。妊娠後期になってくると、寝返りを打つことも難しくなり、楽な寝姿勢も限られてきます。


ゆっくり休むときのおすすめの姿勢が「シムス位」です。「シムス位」とは左半身を下にして横向きになり、右足を付け根から曲げて前にだし、他は楽な位置に置くという体位です。


左半身を下にする姿勢が一般的ですが、苦しくなければ右半身を下にして、同様の姿勢をとっても構いません。


この体位はお腹の重みも感じにくく、安心感があります。クッションや抱き枕を使うことでさらに楽な体勢に自分で調整もしやすくなるでしょう。


もちろん「シムス位」が辛いという方は無理して行う必要はありません。

背中の痛みを和らげる方法4:医師に相談する

背中の痛みを和らげる方法として4つ目は、医師に相談することです。しかし、医師に相談するほどではないと思って自己解決したい方もいるのではないでしょうか。


痛みがあるからといって、自己判断で湿布を使用することは控えましょう。皮膚から薬の成分が体内に入って、お腹の中の赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。


背中の痛みがどんどん悪化したり、辛いと感じたら、我慢せずにお医者さんに相談することをおすすめします。

妊娠後期の背中の痛みの注意点3つ

次は、妊娠後期の背中の痛みの注意点3つを紹介していきます。妊娠後期の背中の痛みには、坐骨神経痛・早期陣痛・前駆陣痛、などの可能性があり注意が必要です。


背中の痛みは陣痛がはじまる兆候の可能性があります。赤ちゃんを抱っこする日に向けて、自分の身体の変化を注視していきましょう。

妊娠後期の背中の痛みの注意点1:坐骨神経痛

妊娠後期の背中の痛みの注意点として1つ目は、坐骨神経痛です。坐骨神経とは、腰から太ももの後ろを通り足先まで繋がっている、身体の中で一番太い神経です。


坐骨神経痛の症状としては、お尻の両側か片側に痛みを感じ、進行して行くとつま先に向かって痛みが広がり、深刻化するとしびれを感じるようになります。


下半身に違和感がある場合は妊婦健診で医師に相談してみましょう。

妊娠後期の背中の痛みの注意点2:切迫早産

妊娠後期の背中の痛みの注意点として2つ目は、切迫早産です。切迫早産とは早産になりかかっている状態のことです。


万が一早産になってしまうと、赤ちゃんに後遺症が残る可能性が高くなるので注意が必要です。


背中の痛みのみが切迫早産の兆候であることはまず考えられないですが、下腹部の痛みが伴う場合は注意が必要です。安静にしていても痛みが治らなかったり、周期的に痛む場合は、速やかにかかりつけの病院に連絡しましょう。

妊娠後期の背中の痛みの注意点3:前駆陣痛

妊娠後期の背中の痛みの注意点として3つ目は、前駆陣痛です。前駆陣痛とは、赤ちゃんが生まれる陣痛ではなく、練習の陣痛とも呼ばれるものです。生理痛のような痛みが特徴ですが、痛みの間隔が不規則で、痛みの程度も強弱があります。


しかし、様子をみていても痛みが治らない場合、痛みが規則的にきてどんどん痛みが増しているときは本陣痛の可能性もあるので、かかりつけの産婦人科に連絡してください。

妊娠後期の背中以外の痛みの対処法3つ

最後に、妊娠後期の背中以外の痛みの対処法として、腹痛・頭痛・腰痛、の3つ場合を紹介します。背中の痛みと同じくらい他の場所の痛みに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。


予防することは難しいですが、痛みを軽減したり、悪化を防ぐことはできるといわれているので、上手に痛みを乗り切りましょう。

背中以外の痛みの対処法1:腹痛の場合

妊娠後期には子宮が急激に大きくなるため、そのことが腹痛の原因になることがあります。足の付け根付近に軽い痛みや違和感を伴うことが特徴です。


腹痛の場合の対処法は痛みが収まるまで安静にすることです。しかし、急激に我慢できない程度の下腹部痛が起こる場合や、大量に出血している場合は常位胎盤早期剥離の可能性があります。緊急性が高いので、すぐにかかりつけの病院に連絡してください。

背中以外の痛みの対処法2:頭痛の場合

妊娠後期でよくある頭痛の原因はあまり動けないストレスや眼精疲労、血流が悪くなることで起こる筋緊張性の頭痛です。身体のだるさも伴うことが特徴です。


筋緊張性の頭痛の対処法は、首や肩回りを動かし、直接マッサージするのが有効です。他にもホットタオルなどで温めるとリラックスもできてよいでしょう。


また頭痛とともに血圧が上がっている場合は妊娠高血圧症候群の可能性があります。しばらく安静にした後測りなおしても、収縮期血圧が140mmHg以上もしくは拡張期血圧が110mmHg以上の場合には、すぐに病院に連絡しましょう。

背中以外の痛みの対処法3:腰痛の場合

妊娠後期の腰痛の原因はとりわけお腹が大きくなり、前に傾いた重心のバランスを保とうと上体をそらし過ぎてしまうことだといわれていますます。


妊娠後期の腰痛の対処法は、出来るだけ正しい姿勢を保つことです。妊婦用の骨盤ベルトを利用して腰を安定させてもよいでしょう。しかし、市販の湿布の使用は避け、医師に相談するようにしましょう。

妊娠初期から後期の背中の痛みの原因を知ろう

妊娠初期から後期の背中の痛みの原因と和らげる方法や注意点、妊娠後期の背中以外の痛みと対処法について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。


背中の痛みは体重増加やホルモンの分泌などによるものですが、特に妊娠後期になると背中以外の痛みにも注意が必要になっていきます。


元気な赤ちゃんに会うためにも、元気に赤ちゃんを迎えるためにも、気になる痛みは積極的に医師や助産師に相談しましょう。