妊娠25週になると妊娠中期も終わりに近づき、妊娠後期に向けてますますお腹が大きくなってくる時期です。いままで妊婦検診は1週間に1回でしたが、24週からは2週間に1回の検診になり、体の負担もさらに増えてきます。
それでは、この頃に気をつけたいことや赤ちゃんやママの体のはどのような変化があるのかをみていきたいと思います。
妊娠25週となると7か月と2週目になります。赤ちゃんの体も外の世界へ向けてあらゆる機能が整ってきました。妊婦検診で見るエコーが楽しみというママも多いと思いますが、お腹の中では一体どんな変化が起きているのでしょう。
エコーでは赤ちゃんの大きさの変化ぐらいしか分かりませんが、妊娠25週に発達する赤ちゃんの体の機能は何があるのでしょうか。
妊娠25週目の赤ちゃんは体に脂肪を蓄えてより赤ちゃんらしい姿になってきます。エコーで見ると以前よりも手足がしっかりしている様子が見られると思います。
しかし、皮膚は薄く赤っぽい色をしていてまだまだ未熟ですがこれからどんどん大きくなっていきます。
妊娠25週の赤ちゃんは聴覚が発達し完成に近づいてきます。お腹の中でまず赤ちゃんが耳にするのはママの声や血液を流れる音です。音を捉えるため脳機能も発達していき、音を記憶することができるようになっていきます。
赤ちゃんは高音のほうが聞き取りやすいのでパパが話しかける時は少し声を高めにして赤ちゃんに話しかけてみて下さい。お腹にいるうちに声をかけてあげると生まれてから聞きなれた声に赤ちゃんも安心します。
妊娠25週の赤ちゃんは眼球も発達し視覚の活動が始まります。生まれてからもすぐは色の判別はできませんが、お腹の中でまぶたを開けたり閉じたり、明るさも識別できるようになってきます。
もし不規則な生活をしているのであればお腹の中でも明暗が分かるので赤ちゃんのためにも早寝早起きをして規則正しい生活をするように心がけましょう。
妊娠25週になると安定期と呼ばれる妊娠中期も後半になり、お腹もさらに大きく成長し普段の生活も大変になってきます。赤ちゃんの見た目の変化も大きくなり、さらに体の機能も外の世界に向けて整いつつあります。
ではママの体にはどのような変化があり、気をつけていきたい症状やマイナートラブルには一体どんなものがあるのでしょうか。特に気になる体の変化5つの症状と改善策などをみていきたいと思います。
妊娠25週頃の赤ちゃんの体重は500g~900g。さらにお腹が大きくなり寝返りを打つのも一苦労することでしょう。仰向けに寝てしまうと大きくなった子宮に大きな血管が圧迫され気分不快を起こす方がいます。
そういう時には、横向きに寝るようにしましょう。大きくなったお腹を支えてくれる抱き枕を活用すると寝やすくなります。
また妊娠中に経験するマイナートラブルに「坐骨神経痛」があり、坐骨神経につながる神経を圧迫し、お尻の痛みからつま先にかけて痛みが生じます。
痛い場合に自己判断で湿布などを使用することは避け、医師に相談しましょう。病院で治療を受ける際には妊娠中であることを伝えるようにして下さい。
妊娠25週になると子宮がおへその上まで大きくなり腸などが圧迫され便秘になりやすくなります。こまめに水分を摂ったり、軽い運動などをして腸を動かして便秘を解消しましょう。
さらに便秘と併発して気をつけたい症状に痔があり、排便の際にいきんだりすると痔になりやすくなりますので気をつけましょう。また妊娠中の市販薬は赤ちゃんに影響を及ぼすものもありますので自己判断せずかかりつけ医の判断を仰ぐようにして下さい。
妊娠25週は子宮の圧迫により胃がせりあがり少量の食事で胸焼けがしやすくなります。食事の際は一度にすべて食べるのではなく、1回の食事を数回に分けて摂ると胸焼けが軽減されます。
また、食後すぐ横になると食べたものが逆流しやすくなりますので食後1~2時間は椅子に座るなど横にならないように気をつけましょう。食事の内容も消化の悪い油の多いものや甘いものは避けて胃にやさしい消化のよいものを摂るようにしましょう。
妊娠中は赤ちゃんに栄養を届けるために血液の量が増え、特に妊娠中期以降は貧血になりやすく立ちくらみや動悸といった症状がみられます。
妊娠中は妊娠前よりも2倍以上鉄分が必要になってきますので積極的に鉄分を摂取するように心がけてください。普段の生活も急な運動や重いものを持つなどは避け、体調がすぐれない時は無理をせず休むようにしましょう。
子宮が大きくなることで胃が圧迫されますので食後は胃酸が逆流しやすく、逆流性食道炎を起こしやすくなります。また普段の姿勢も胃酸が逆流しやすくなる原因となってくることが多いため、できるだけ意識して姿勢をよく保つようにしましょう。
その他にも寝る時には枕を高くする、重いものを持たない、お腹を締め付ける服などは避けるなど予防をすることで胃酸の逆流を防ぐことができます。
妊娠25週は赤ちゃんの体の変化も大きいこの時期ですが、ママの体の変化も大きい時期です。検診のたびにエコーで赤ちゃんの成長を見るのが楽しみですが、その成長を担うママも注意しなければならないことがたくさんあります。
自身の体の変化や検診の結果に気をつけながら妊娠後期に向けてこれから特に注意したい3つをみていきたいと思います。
まず、妊娠中に注意したいのが妊娠糖尿病です。これは妊娠後の妊婦検診での血液検査で発覚する糖尿病です。妊娠糖尿病になるとお腹の赤ちゃんだけでなくママの体にも様々な合併症を引き起こす可能性があり、羊水の異常や巨大児等のリスクがあり避けたい疾患です。
そしてもうひとつ気をつけたい症状が「妊娠高血圧症候群」です。これは妊娠後血圧が上昇することで様々な臓器に障害を起こす恐れがある危険な疾患です。赤ちゃんに酸素が届かなくなる、発育が悪くなる等様々な悪影響を及ぼします。
子宮内の胎盤が正常よりも低い位置にできてしまうのを前置胎盤と言います。前置胎盤の原因はよく分かっていませんが、妊娠初期の場合は子宮が大きくなるにつれて胎盤の位置が上がってくるので心配する必要はありません。
しかし、中期以降に前置胎盤と診断された場合は分娩の方法を主治医と相談しましょう。
妊娠中は体の抵抗力が弱くなり、感染症にかかりやすくなります。ママが感染症になると赤ちゃんにまで影響を及ぼす可能性があり、妊婦検診では母子を守るために可能性がある感染症を検査します。
感染症の種類にはトキソプラズマ症、サイトメガロウイルス、性器ヘルペス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒、クラミジア、ヒトT細胞白血病ウイルス1型、風疹ウイルス抗体価、B群溶血性レンサ球菌があり、それらを妊婦検診で検査します。
旦那さんや上の子がいる場合は保育園や幼稚園から感染症をもらってくる可能性があるので注意が必要です。
妊娠生活も残り約3ヶ月となりましたが、まだまだママの体と赤ちゃんの体の変化は止まりません。これからどんどん赤ちゃんの成長スピードは一気に加速していきます。
今はまだ仕事をしているママも産休に入ると生活が変わりますので食生活や運動不足に注意が必要です。ではどんなことに気をつけて過ごせばよいのでしょうか。
妊娠中は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症などの危険性が高まるため塩分や糖分は控えるように日々の食事を気をつけましょう。
体調の変化もありバランスのよい食事が難しいところですが塩分の多い外食や即席麺などはなるべく避け、ご飯を中心に和食等を食べるようにしましょう。また、おやつなどもジャンクフードばかりでなくフルーツや手作りのお菓子に挑戦してみるのもよいでしょう。
妊娠中は腸内環境を整えるのが大切です。水をこまめに飲む、食物繊維の多い食事をする、ヨーグルトなどの発酵食品を食べるなど腸内環境を整えることで妊娠中にみられるむくみの改善などにも役立ちます。
便秘になると排便の際にいきんだりすることでお腹に圧力がかかったり痔になることもありますので腸内環境を整えて毎日快適に過ごせるようにしましょう。
お腹が大きくなったりホルモンバランスの影響で夜眠れないママも少なくありません。無理に寝ようとしなくても大丈夫ですが、日中軽い運動をしたり、規則正しい生活を心掛けて睡眠の質を上げるようにしましょう。
寝る時も抱き枕を活用するなどして楽な姿勢で寝るようにしましょう。夜眠れないからとお昼寝をしすぎてしまうと悪循環になってしまいますのでお昼寝は15時以降は避け、夜の睡眠の邪魔にならないことが大切です。
また、睡眠中に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」になる人もいます。ママの体だけでなく赤ちゃんの発育にも影響があるとされていますので主治医に相談してみましょう。
体が重くなってくるとどうしても動くのが億劫になってきます。妊娠中の運動不足は体重増加やむくみの原因になりますので軽いウォーキングなどを無理のない範囲で取り入れましょう。
足に負担がかかるのが心配な方は水泳でウォーキングするのもおすすめです。また同じ妊娠中のママとの交流もでき、運動を楽しめるマタニティヨガもありますので日頃から運動不足にならないように積極的に体を動かす習慣を身につけることを心がけて下さい。
妊娠25週は睡眠不足、便秘、動機や息切れ、胸焼けなど様々なトラブルによって体への負担が増える時期です。これから妊娠後期に向けてそれらの症状の他に体への負担がさらに増してくるでしょう。
しかし妊娠中期は安定期と呼ばれる時期なのでなるべく今のうちにベビースペースを確保したりベビーグッズを揃えたり出産に向けて準備をしていってはいかがでしょうか。