【専門家監修】妊娠13週の赤ちゃんの様子とは?気をつけること5つ

妊娠13週とは?

妊娠13週ごろには、辛かったつわりのピークを超え、流産の頻度も減っていく時期です。いわゆる安定期の入口とも呼ばれるこの時期、妊娠13週の赤ちゃんはお腹の中でどんな風に過ごし、大きく育つのでしょうか。妊娠13週の赤ちゃんの様子を3つに分けてわかりやすく紹介します。

妊娠13週の赤ちゃんの様子3つ

妊娠13週の赤ちゃんはとても小さく、ママはまだ胎動を感じることはできません。しかし、早期流産の危機を乗り越えてスクスクと育ち、安定期に入ろうと頑張っています。妊娠13週の赤ちゃんの様子について大きさやできること、発達など3つに分けて解説します。

妊娠13週の赤ちゃんの様子1:赤ちゃんの大きさ

妊娠13週の赤ちゃんは、大きいプラムくらいのサイズに成長しています。頭からお尻までの大きさ(頭殿長)は約8cm、まっすぐに立ったと想定すると約14~15cmの大きさです。


体重は約35g程度ですが恥骨の中に隠れている状態なので、ママのお腹の大きさは妊娠前とほとんど変わらないように見えます。

妊娠13週の赤ちゃんの様子2:排尿することができる

妊娠13週の赤ちゃんは、体内の臓器(胃・腎臓・肝臓など)ができあがり、活動し始めます。ママのお腹の中の羊水を飲んで腎臓でろ過し、排尿することができるようになるのです。


腎臓がだんだん大きくなるとともに排尿量も増えるため、妊娠15週を迎えるころには、羊水のほとんどが赤ちゃんの尿になります。

赤ちゃんの胎便

妊娠13週で羊水を飲んで排尿できるようになる赤ちゃんには、まだ排便ができません。赤ちゃんの便は胎便(たいべん)と呼ばれ、通常赤ちゃんの体内に溜めておくものです。しかし、なんらかの影響で赤ちゃんが苦しくなるとウンチをします。


胎便が出ると羊水の中に溶け込み、胎便で羊水が濁ってしまいます。羊水の状態はエコーではわからず破水して初めて分かることです。

妊娠13週の赤ちゃんの様子3:指しゃぶりが見られる

妊娠13週の赤ちゃんの様子の3つめは指しゃぶりが見られるようになることです。手や指が完成し、お腹の中で良く動けるようになった赤ちゃんは、口も開閉できるようになります。手で口を触れるようになるので、指しゃぶりへと移行するのです。


定期健診などのエコー画像で、赤ちゃんの可愛い指しゃぶりの様子が見られることがあるでしょう。

妊娠13週のママの体の変化3つ

妊娠13週のママの体も、赤ちゃんの成長とともにめざましく変化していきます。妊娠中は通常の体調とは違うものですが、どのような変化が起こるかを知っておけばいざというとき慌てずに済むので安心です。


妊娠13週のママの体の変化3つを見て行きましょう。

妊娠13週のママの体の変化1:低温期

妊娠13週のママの体の変化の1つめは、妊娠初期から続いていた高温期が低温期へと移行することです。体温が低下するため、辛いほてりやのぼせがおさまって少し楽になります。


妊娠初期に体温が高温になるのは、プロゲステロンという黄体ホルモンが卵巣から分泌されているためです。妊娠13週に入って、胎盤からプロゲステロンが分泌されるように変わると、体温が上昇しなくなり低温期に入ります。

妊娠13週のママの体の変化2:胃が圧迫される

妊娠13週のママの体の変化の2つめは、赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなることで赤ちゃんの居る位置が変わり、胃が下から押されるようになり圧迫されます。


子宮の大きさは小さめのメロンくらいの大きさになり、胃が圧迫させるため胸焼けや消化不良が起こる場合があります。

妊娠13週のママの体の変化3:胸やけが起こる

妊娠13週のママの体の変化3つめは、胸やけが起こることです。妊娠ホルモンが胃の上の筋肉を収縮させてゆるむことで上がり、胃酸が食道を上がるため胸焼けが起こります。


さらに子宮も大きくなるため、胃が圧迫された状態になることも原因です。その状態ですぐ横になった場合も胸焼けが起こります。これは妊娠13週に限らず、いずれの時期にも表れやすい変化です。

初乳

妊娠13週では初乳や母乳が出ることはありませんが、乳頭をつまむと透明や黄色っぽいとろみのある分泌液が出る場合があります。これは分娩数日後に分泌される初乳や母乳とは違います。


妊娠13週に乳頭から分泌液が出るのは、母乳を出すために乳管開通の準備が始まっている証拠です。分泌液は脱脂綿などで優しくふき取り、乳頭を清潔にしておきましょう。多く出る場合はパッドなどをあててください。

妊娠13週のときに気をつけること5つ

妊娠13週のときに気をつけること1:おりものが増える

妊娠13週のときに気をつけることの1つめは、おりものが増えることです。これは妊娠性帯下とも呼ばれ、透明または黄色っぽいおりものです。ばい菌の侵入を防いで炎症を起こさせない働きをします。


妊娠中は女性ホルモンの量が増えるため、おりものの量も週数が進むとさらに増えます。通気性のよい下着を着用し、清潔にして過ごしましょう。バランスの良い食事と規則正しい生活でストレスを溜めないようにすることも大切です。

妊娠13週のときに気をつけること2:食欲の増進

妊娠13週のときに気を付けることの2つめは食欲の増進です。妊娠初期の辛かったつわりが楽になってくる人も多く、その反動で食べ過ぎてしまう人が多くなります。食欲と体重のバランスが崩れやすい時期でもあるので、食事の量だけでなく質も大切にしましょう。


健診のときの医師や栄養士のアドバイスに従って、体重が増えすぎないように注意しながら食欲をコントロールすることが大切です。

妊娠13週のときに気をつけること3:便秘になりやすくなる

妊娠13週のとき気を付けることの3つめは、便秘になりやすくなることです。妊娠中は腸のぜん動運動が弱くなり消化物がゆっくり通過します。そのため腸に吸収される時間が長くなるので便が固くなって出づらくなるのです。


つわりから解放される人も多い妊娠13週は食欲増加で腸内にも滞りがちになり、悪化しやすくなります。水分をたっぷり摂り、散歩など軽い運動で身体を動かし、便意を我慢しないように注意しましょう。

妊娠13週のときに気をつけること4:骨盤が痛む

妊娠13週のときに気をつけることの4つめは、骨盤が痛むことです。妊娠中は、腰回りの関節や筋肉、じん帯などをゆるめるリラキシンというホルモンが分泌されます。


リラキシンには、骨盤内に血液を貯める働きもあるためうっ血しやすく、腰が重く感じられて骨盤の痛みにつながるのです。立ちっぱなしや無理な姿勢を避けて負担を減らしましょう。


骨盤ベルトや抱き枕を使う、軽い運動をして血行をよくするなどの対策がおすすめです。

妊娠13週のときに気をつけること5:服装に気をつける

妊娠13週のときに気をつけることの5つめは、服装に気をつけることです。検診などに出かけることもあるため、脱ぎ着しにくいタイトなものではなく、着替えやすい普段着にしましょう。


お尻回りまで丈が長めでお腹を出しやすいトップスは、ボトムを脱いだときにも恥ずかしくないのでおすすめです。ワンピースの時は下にレギンスを穿いておくとよいでしょう。スカートはタイトではなくフレアタイプが便利です。

妊娠13週のときの過ごし方4つ

妊娠13週になると、初期流産のリスクも軽減されつわりも軽くなる人が多いため、そろそろ妊娠を報告しなければならないと考える人いるようです。仕事をしている人なら産休や育休の制度についても知っておかなければなりません。


さらに生活習慣について見直しが必要になってくるのもこの時期です。妊娠13週のときの過ごし方のポイント4つを解説します。

妊娠13週の過ごし方1:妊娠の報告をする

妊娠13週の過ごし方の1つめは妊娠の報告をすることです。初期流産の心配があったり、あまり周りにすぐに妊娠を知らせたくない人でも、13週ごろには報告について考えておきましょう。


パートナーへの報告は真っ先に済ませたても、会社や両親、義実家などには躊躇してしまうかでしょう。会社で伝えにくい場合は上司にだけでもOKです。妊娠してすぐにではなく13週目ごろは比較的よいタイミングと言えます。

妊娠13週の過ごし方2:産休・育休制度の確認をする

妊娠13週の過ごし方の2つめは、産休・育休制度の確認をすることです。仕事をしている人なら産休・育休制度を上手に利用して安心して出産に向けた準備を始めましょう。ママ自身はもちろん、パートナーも育休を取れる場合があり、子育てのための制度を賢く利用する人が増えています。


通常産休は出産予定日の6週間前から、双子の場合は14週間前から出産日の翌日から8週間後までとなっています。育児休暇は1歳未満までです。

妊娠13週の過ごし方3:栄養バランスに気をつける

妊娠13週の過ごし方の3つめは栄養バランスに気をつけることです。胎盤が完成に近づくので、赤ちゃんはママが摂取した栄養を胎盤を通じて少しずつ吸収できるようになります。


5代栄養素の中でもタンパク質と脂質は特に大切です。赤身肉やアサリ、マグロ赤身などから摂りましょう。脂質は赤ちゃんの脳を作るのに欠かせません。油の乗った魚はDHAが豊富でおすすめです。加工品やインスタント品を避け、バランスよく食べましょう。

妊娠13週の過ごし方4:適度に運動をする

妊娠13週ごろの過ごし方の4つめは適度に運動をすることです。日本産科婦人科学会の診療ガイドラインによれば、週2~3回の有酸素運動をした妊婦は早産率を上げず身体機能を増進・維持できるとしています。


また低出生時体重児のリスクを増加させることなく、巨大児出生リスクも低減すると言われているのです。


マタニティスポーツ教室なども妊娠13週ごろから入会できますが医師に確認し、運動しすぎないように注意が必要です。

妊娠13週の過ごし方を知ろう!

妊娠13週は個人差はあるものの、つわりが落ち着いたり初期流産リスクも減ったりして少し過ごしやすくなる妊婦さんも多くなる時期です。しかし食欲復活とともに胃もたれや体重増加など新たな悩みも発生してきます。


いずれにせよ赤ちゃんをスクスク元気に育てる大切な時期であることに違いはありません。ママの健康は赤ちゃんの健康。必要な栄養素をバランスよく摂り、適度に運動して赤ちゃんに会える日を楽しみに過ごしましょう。