妊娠中は体の変化に伴う、さまざまな不快がつきものです。その中でも妊娠中期のひどい頭痛に悩まされている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
妊娠中期段階で頭痛が起こるのはなぜでしょうか。いくつかの原因をご説明します。
妊娠中期に起こる頭痛の原因の1つとして挙げられるのは、女性ホルモン分泌量増加による脳の血管拡張です。
プロゲステロンは胎内で赤ちゃんを育んでいくために欠かせない黄体ホルモンの一種で、妊娠初期から出産にかけて分泌量が増加します。
しかしながら、このプロゲステロンは自律神経に作用し、脳の血管を拡張させます。脳の血管拡張により他の神経が刺激され、その刺激により発生する炎症物質がより血管を拡大させる、というメカニズムによって頭痛が引き起こされることがあります。
妊娠中期の頭痛やめまいの別の原因として考えられるのは、鉄欠乏性貧血です。妊娠中は、普通よりも多くの血液量と鉄分が必要です。特に、赤ちゃんが大きくなってくる妊娠中期から後期にかけては、鉄分がより多く必要となります。
この時期に鉄分が不足して貧血を起こす状態を、鉄欠乏性貧血と言い、症状としては頭痛やめまい、食欲の低下や吐き気などがあらわれることがあります。
妊娠中のママのストレスは、お腹の赤ちゃんにも大きく影響すると言われています。正しい頭痛対策をして、ママも赤ちゃんもハッピーに妊娠中期を過ごすためにはどうしたらよいでしょうか。
続く内容では、妊娠中期の頭痛対策としてできる事を6つご紹介します。
妊娠中期の頭痛対策1つ目は、適度な運動をすることです。妊娠中の運動は、ストレスを軽減するだけでなく、体重増加の予防になり、腰痛予防にも効果があるとされています。
体に負担がかからないような、マタニティストレッチやウォーキング、水泳、ゆったりとしたエアロビクスやピラティスなどが妊婦さんにおすすめとされています。こうした運動は血行を良くしたり、基礎代謝の向上を見込むことができます。
妊娠中の頭痛対策2つ目は、ストレスをためずにリラックスすることです。妊娠中は通常よりもデリケートになっていて、ストレスを感じやすい状況にあります。頭痛はストレスが原因になることもあるので、毎日意識的にリラックスできる時間をとることは大切です。
妊婦さんたちは、好きな音楽を聴くこと、歌うこと、好きなテレビ番組をみるなど、とにかく好きなことをしてリラックスしましょう。
妊娠中は赤ちゃんへの影響を考えて、食べ物や飲み物を制限している妊婦さんも多いと思います。好きな物を食べたり飲んだりできないことからフラストレーションを感じる妊婦さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
ハーブティーの中にはストレス鎮静効果があると言われているものや、カフェインレスで妊娠中に良いとされているものもあります。自分に合ったハーブティーを毎日の生活に取り入れてみるのもリラックス効果に繋がるかもしれません。
ただし、妊娠中に控えたほうがよいとされるハーブもあります。ハーブの専門店など、信頼できるお店で相談しながら購入するようにしましょう。
妊娠中の頭痛対策3つ目は、睡眠をとりすぎないことです。妊娠中期に入っても、眠気やだるさなどの倦怠感が続く妊婦さんもいらっしゃいますが、眠気を感じるからといって寝すぎてまうと、かえって頭痛を引き起こしてしまうことがあります。
個人差はありますが、1日平均7~8時間の睡眠時間を目安に、睡眠をとり過ぎないようにしましょう。
妊娠中期の頭痛対策4つ目は、こまめに水分補給をすることです。妊娠中は通常よりも多くの水分量を必要とし、1日の水分補給量の目安は2リットルとも言われています。
水分が不足してしまうと、脱水症状で頭痛が起きることもあります。他にも水分が不足すると、便秘や血液の流れが悪くなることがあるので、こまめに水分を補給しましょう。
妊娠中期の頭痛対策5つ目は、ホットアイマスクです。ストレスを感じて筋肉が緊張したり、力が入り過ぎる状態が続いて頭痛になることもあります。
ホットアイマスクで目を温めることによって、首から頭にかけての血流を良くし、筋肉の緊張を緩和させる効果を期待できます。
妊娠中期の頭痛対策6つ目はツボ押しです。体にはいくつものツボがあり、頭痛の軽減効果を期待できるツボがあることをご存知でしょうか。頭痛に効果的なツボをいくつかご紹介します。
百会(ひゃくえ)は、頭頂部にあるツボで、両耳と鼻の延長線が交わる位置に少しくぼんだ部分があります。その周辺を指の腹で下に向かって垂直に押してみてください。
痛気持ちいいと感じる場所を、心地よいと感じる程度の力で押してみましょう。
天柱(てんちゅう)は後頭部、首の骨の両側にある太い筋肉の外側にあるくぼみです。首と頭のつなぎ目のような場所にくぼみがあるので、両手の平で頭全体を覆うようにしながら親指でツボを押してみましょう。
風池は、天柱から指一本分外側で、耳の後ろの骨の少し下のくぼみです。ここのツボをマッサージすることで、首筋から肩にかけての血流が改善され、頭痛の緩和や眼精疲労の改善にも効果があると言われています。
合谷(ごうこく)は手にあるツボです。親指と人差し指の骨が交差する部分の付近で、人差し指寄りに合谷と呼ばれるツボがあります。
もう片方の手の人差し指と親指で挟み込むようにしてマッサージしてみましょう。頭痛や肩こり、眼精疲労に効果的、と言われています。
顔にも、頭痛の緩和に効果があるとされているツボがいくつかあります。例えば、目尻と眉尻の中間点から指2本分外側にあるくぼみ太陽(たいよう)、鼻の付け根、眉間にある印堂(いんどう)などです。
これらのツボを中指で押してマッサージしてみてください。頭痛の緩和やストレス改善などの効果を見込めます。
コーヒーには頭痛を軽減する効果があると言いますが、これはコーヒーに含まれるカフェインの血管収縮作用によるものです。また、コーヒーを飲むことでリラックスして、ストレスに起因した頭痛が軽減されることもあります。
とはいえ、摂取したカフェインは胎盤を通過します。赤ちゃんはカフェインの代謝に時間がかかるため、体内に蓄積されてしまいます。摂取量が多くなると流産や発育遅延への影響も考えられるため、妊娠中のカフェインを含む飲み物の摂取は1日1~2杯程度にしましょう。
頭痛が起こると市販の解熱鎮痛剤を服用したくなるかもしれませんが、市販薬の中には赤ちゃんに影響を与える成分が含まれていることがあるので、安易な服用はおすすめできません。また、類似の名称でも病院で処方される場合と市販薬では成分や成分量が異なることがあります。
頭痛がひどくてつらい場合にはかかりつけの産婦人科で、きちんと処方してもらいましょう。
カロナール(アセトアミノフェン)は妊娠中も安全に使用できるとされているお薬です。しかし、長期にわたって服用を続けると、赤ちゃんに悪影響を与えてしまう可能性がある、という研究報告も出ています。
また、カロナールで効果が得られない場合も、自己判断で違う薬に変えるのはやめましょう。必ず、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。
妊娠中期には、プロゲステロンの増加や、お腹の赤ちゃんがどんどん大きくなることから、頭痛と一緒に起こりやすい別の症状もあります。どのような症状が出やすいのかを続けてご紹介します。
妊娠中期に頭痛と一緒に起こりやすい症状の1つ目は、吐き気やめまいです。
妊娠中期は赤ちゃんも子宮も大きくなるので、胃が圧迫され吐き気が強くなることがあります。食べ方を調節して吐き気が起こるのを防ぐ工夫をしましょう。
ホルモンバランスの変化によって、自律神経のバランスが乱れ、それがめまいの原因となることがあります。めまいや立ちくらみが生じた場合は、安静にして体を休めましょう。
妊娠中期でどんどんお腹が大きくなってくると、つい姿勢が悪くなってしまうことがあります。不自然な姿勢をとることで首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなり、肩こりや頭痛が生じることもあります。
姿勢が悪くなっていることに気が付いたら、肩の上げ下げをしたり、回したり、正しい姿勢を意識してみましょう。ストレッチをすることも血流の改善に繋がるので、無理のない範囲で試してみてください。
頭痛の原因には妊娠以外にも、風邪や、他の大きな病気が影に隠れている場合もあります。頭が割れるように痛い、痛みがいつまでも続く、手足のしびれがある、ろれつが回らない、手足が動かしにくい、歩けない、などの症状が出た場合にはできるだけ早く医療機関を受診しましょう。
妊娠中期の頭痛の原因や対策6つについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れや、赤ちゃんの成長に伴う体の変化、ストレスなど、色々な要素が頭痛と関連しています。
適度な運動と休息を心がけ、リラックスする時間をしっかり取って、ハッピーな気持ちで、お腹の赤ちゃんと健康な毎日を過ごしていきましょう。また、体調の異変を感じた時には無理をせずに診察を受けてください。