妊娠によるホルモンバランスの変化によって、個人差はありますが、おりものが変化することがあります。
妊娠するとホルモンバランスが変化し、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増える為、おりものの量も増えていきます。妊娠していない時は増えたり減ったりしていたおりものがずっと出ているので、おりものが増えたと思う方もいるようです。
妊娠初期におりもので妊娠がわかったという人もいるので、おりものを普段から観察することは大切といわれています。
妊娠初期には、さまざまな身体の変化があります。その中のひとつとして、おりものの量や色が変化するというものがあります。
「いつから」「なぜ」「どのように」変化するのか、自分の普段のおりものがどういうものなのか知っておかなければ変化に気づくことが出来ません。
その為にも普段から匂いやネバネバする・ゼリー状・トロトロする・のびる・のびないなど、おりものを観察しておきましょう。
これから妊娠初期に起こるおりものの変化について、状態と量をピックアップしてご紹介します。
ただし、個人差がありますので、必ずしも書いてある通りでなければ異常だというわけではありません。
通常、排卵後から月経までのおりものは、水っぽい・サラサラと透明だったものが、量が減少し、白濁していきます。
妊娠している場合のおりものの色は、白いものや、乳白色のもの、濃いクリーム色のものです。状態は、とろみのある卵の白身やスライムの様なおりもので、下着について固まることもあります。
水っぽいゼリー状で酸っぱい臭いがすることもあります。
おりものシートを利用するのもよいですが、かぶれないようにこまめに交換しましょう。
妊娠しているとホルモンバランスが変化し、エストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され続ける為、おりものの量が増加します。
しかし、人によっては普段からおりものの量が多い、おりものの量がそれほど変わらないという人もいるので基礎体温と合わせて見ることや、おりものの量が増えていなくても妊娠の可能性があることを忘れないでおきましょう。
いつから増えるのか、いつまでおりものの量が多いのか知っておくことも大切です。
普段からおりものを観察していると、ちょっとした変化にもすぐに気づくことが出来ます。
変化の中には妊娠中に発症しやすい感染症などもある為、妊娠している・妊娠していないに関わらず、おりものが何色かなどの変化とともに、病気の特徴的症状(酒粕のように固まっている、生臭い、魚臭いような悪臭)があったら、すぐに産婦人科を受診し検査を受けましょう。
ピンクや茶色のおりものが出た場合、自分で着床出血かどうかを判断するのは困難です。
おりものに少量の血が混じる事や出血、おりものに異変がある場合は、薄ピンクだから・薄い血だから・うっすら茶色なだけだからと簡単に考えず、念のために産婦人科に受診が必要か確認してもよいでしょう。
正常妊娠の着床出血であれば問題はありません。
しかし出血している場合は、切迫流産の可能性もあるのでかかりつけの産婦人科に連絡をしましょう。状況によってはすぐの受診や、安静が必要になる場合があります。
不透明な白でかす状のおりものが出た際は、感染症などの病気の可能性があるので速やかに婦人科を受診しましょう。
濾したヨーグルトの様なおりものが出る場合は、カンジタ性膣炎の疑いがあります。
カンジダ菌とは、もともと常在菌として膣内に少量存在するカビの一種で、病原性が弱いため通常はなにも起こりません。
ところが、免疫力が低下しやすい妊娠中にはこのカンジダ菌が増殖し、膣や外陰に炎症を引き起こします。強いかゆみが特徴で、性交渉の経験がなくてもかかります。
濃い黄色や黄緑色の細かい泡状の強く臭うおりものが出た場合も要注意です。トリコモナス膣炎の可能性があります。
トリコモナス原虫に感染して発症します。外陰部のかゆみと、悪臭のする黄緑色のおりものが大量に増えます。これにより外陰部がただれ、症状はかゆみから痛みに移っていきます。更には、寄生した原虫が膣内にも炎症を起こします。
男性の尿道・膀胱と女性の膣との間でピンポン感染(パートナー間で感染させあう)をします。パートナーの治療も必要になる性感染症です。
性感染症ですが、感染力が強いため、公衆浴場の椅子・下着・タオル・便器などから感染する事があります。
おりものに大量に血が混じると驚きますが、鮮血でなければ、妊娠初期の出血は珍しい事ではないようです。
出血の原因は子宮経管ポリープや子宮筋腫などがありますが、特に気を付けたいのが子宮がんや切迫流産、切迫早産です。
産婦人科に電話した際には、「いつから出血しているか」「出血の色、量、におい」「 お腹の張りや痛みはあるか」「発熱があるか」「その他の不調(固形物が一緒に出た等)」など、伝えることを把握しておきましょう。
クラミジア感染症を起こしている場合、わずかなおりものの増加やわずかな出血がみられることがあります。クラミジア頸管炎は赤ちゃんにも感染し、新生児結膜炎や新生児肺炎の原因とされています。
多くは無症状ですが、最も多くみられる性感染症です。不妊や子宮外妊娠の原因になることもあります。
通常妊婦健診で検査を行います。感染が確認されれば、妊娠中に治療を行います。パートナーの治療も必要になります。
おりものは、白血球や細菌が多く混在している為に、色が変化することがあります。
しかし、黄色や緑色で粘り気がある粘性のおりものが増えた場合、淋菌感染症(淋病)の可能性があります。ママから赤ちゃんに感染する場合もあるので産婦人科に相談しましょう。
膿の様な黄緑色のおりものはもちろん、普段のおりものとの違いに気づいたら産婦人科に相談しましょう。
おりもの以外の妊娠初期症状は、人によって症状が少なかったり妊娠前と変化なしという場合もあります。全くないという人もいないわけではありません。
大体の人が感じている眠気・熱っぽさ・腹痛・腰痛の妊娠初期症状について、これからご紹介します。
妊娠が成立すると妊娠を維持する為にプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が活発になります。プロゲステロン自体に眠気を誘う作用がある為、眠気が止まらないということがあります。
人によっては、生理前にだるさや眠気を感じますが、生理予定日を過ぎても生理が来ないようであれば妊娠初期症状かもしれません。妊娠4~5週目頃には大体の人が妊娠に気づき、遅い人でも6週目頃には妊娠初期症状が現れるようです。
妊娠初期症状のひとつとして熱っぽいことも挙げられます。
妊娠すると妊娠を維持するために黄体ホルモンの働きが高まり、基礎体温の高温相が続き、風邪をひいた時の様に熱っぽい症状が続きます。
妊娠を希望されている場合、基礎体温をつけることをおすすめします。基礎体温のつけかたには注意点があるので、事前に確認しておきましょう。
受精卵が着床する時に、子宮内膜に潜り込んでいく時に下腹痛を感じることがあります。
その他、子宮が大きくなる過程で靭帯が引っ張られることで腹痛や違和感を感じます。妊娠20週前後に多く、一般的には自然に治まります。
腹痛の感じ方は様々ですが、生理痛やPMSだと思って安易に薬を服用する事は避けましょう。腹痛があまりにもひどい時は何か異常があるかもしれないので、すぐに婦人科に相談すると良いでしょう。
妊娠するとリラキシンというホルモンが分泌され、分娩時に赤ちゃんがスムーズに外に出てこられるようにママの骨盤周辺の靭帯や関節が緩み始めます。
このホルモンは妊娠8~9週くらいから出始めるため、おなかが大きくなる前から腰痛を感じます。そのほか、お腹が大きくなると姿勢が崩れてしまうことで腰痛を起こすこともあります。
骨盤ベルトや腹帯をすると痛みが緩和されますが、装着位置が通常のベルトよりずっと下なので、産婦人科で助産師さんに正しい装着位置を教えてもらうのが良いでしょう。
妊娠初期おりものは、透明でサラサラになり臭いが無くなる事もあります。出血混じりで、赤茶色や少し茶色くなったりします。妊娠初期のおりものには注意しましょう。
疲れているだけとか、経産婦のブログでよくある事だと言っていた、と自分で判断したりせずに何か少しでもいつもと違う事があればすぐに産婦人科に相談しましょう。