略式結納とは、結納をレストランや料亭で簡単に行うことです。
その場で結納品を納めてしまうため、短時間で終わる形式です。略式結納は昔は女性宅で行われることが多かった行事ですが、現在は料亭やホテルなどの会場を借りて執り行うことが一般的になりました。
結納などを専門に扱っている会場では、略式結納と食事がセットになった専用のプランが用意されていることもあります。仲人は立てる場合と立てない場合があります。
略式結納の他に顔合わせ食事会があります。
こちらは結納の行事自体を省いたもので、単純に結婚する家同士が顔を合わせて食事をする形式のものです。結納品などの受け渡しは一切行われません。
気軽に行うことができるので、最近は顔合わせ食事会が人気です。結納の代わりに主流になりつつある行事だといわれています。
略式結納の流れを8つに分けてわかりやすく紹介していきます。
略式結納とは結納を簡略化したものです。昔から行われてきた結納は日数がかかったり仲人を立てたりしないといけなかったため、現在ではほとんど行わなくなった行事です。
簡単に短時間で済ませることができる略式結納が、現代では一般的になっています。それでは、詳しい手順について説明していきましょう。
略式結納のステップ1として、両家で初めての挨拶をするところから、スタートします。
両家の人数は同じ数に合わせておきましょう。人数が足りない場合は友人などを呼んで数合わせをするとよいでしょう。
挨拶をする部屋には、男性側の親族が先に入室します。女性側の親族の入室が終わったら、挨拶が始まります。私語は慎み、失礼のないように礼儀をわきまえましょう。
「本日はお日柄もよく」などの挨拶を行います。
両家の挨拶が終わったら、男性側が結納の目録を先に納めます。
「結納の品でございます。幾久しく、お納めください。」などと挨拶をしながら渡します。
式が始まる前に、結納の品を床の間やその前、洋室であればテーブルの上などに飾っておきます。向かって右に男性側の品、左に女性側の品を置くという決まりがありますが、地方によって風習が違いますので気をつけてください。
男性側が差し出した結納の目録を、女性側が受け取ります。
「ありがとうございます。幾久しく、お受けいたします。」などの口上を述べます。
この流れは結婚する本人同士が主体となって行われる略式結納の形態です。両家の両親や仲人が間に立つ略式結納では、もう少し形式張ったタイプの式になります。
男性側から受け取った結納品の受取書を女性側が渡します。
両手を使って畏まった姿勢と態度で行ってください。「こちらが受書でございます。ご確認ください。」などの言葉を添えて、男性側からの贈り物に対するお礼の気持ちを込めて受取書は丁寧に納めましょう。
結納返しがある場合は、女性側から目録を渡します。
男性側からの結納の品に対するお礼として結納返しをするのが昔は一般的でしたが、現在は簡略化されることが多いです。現金と一緒に結納返しの品を贈ります。金額は結納金の3割程度が相場です。
「結納の品でございます。幾久しく、お納めください。」などの言葉を添えます。
女性側が納めた結納返しを男性側が受け取ります。これも、結納返しがあった場合です。
「ありがとうございます。幾久しく、お受けいたします。」などの言葉を添えて行われます。
最後に結納記念品をお披露目します。
一般的には婚約指輪などが結納記念品で、略式結納に参加してくれた人たちにお披露目します。最近は婚約指輪以外にも、ネックレスや時計などのアクセサリーを記念品として披露する場合があります。
「婚約記念品としていただきました。」などと述べながら参加者に見せましょう。その際は、見せびらかすような態度は決してしないでください。略式結納の厳かな雰囲気を壊さないように行いましょう。
最後に略式結納の締めの挨拶を行います。
「本日はありがとうございました。今後とも、幾久しくよろしくお願いいたします。」などと、女性側・男性側それぞれが述べて式を終えます。仲人や両親が間に立つ場合は、その方達が挨拶をします。
略式結納は大切な婚約の儀式なので、礼儀をわきまえてマナーをしっかり守りましょう。そのための注意事項を以下から詳しく紹介していきます。
略式結納そのものは15分程度で終了します。そのあとで記念撮影や両家での食事があり、親睦を深めていくことになります。そのときも相手の親族に失礼がないように、きちっとした態度で接するようにしてください。仲人がいる場合は、しっかりと指示に従いましょう。
略式結納のときには忌み言葉は決して使わないように気をつけてください。結納はおめでたい場なので、不幸を暗示するような単語は使用しません。
忌み言葉とされる「別れる(分かれる)」「切れる」「離れる」「戻る」などは、これから結婚する人に対して離婚が暗示される言葉なので不吉です。慎みましょう。
「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」などの重ね言葉も忌み言葉です。こちらはお悔みでは特に嫌われている単語です。
略式結納では余計なおしゃべりをしてはいけません。
略式結納の儀式は15分程度で終わります。その間は私語厳禁で臨んでください。一生に一度の大切な行事です。ルールはしっかりと守ってください。
略式結納は厳かに行われます。私語でその場の雰囲気を壊してしまわないように自分自身をしっかりといましめて臨みましょう。
特に相手の家が格式を重んじる場合や、旧家や古いしきたりがある土地などでは細心の注意を払ってください。
割りばしは2つにパキッと割って使うところから、縁起が悪いとされています。
正式な場所では割りばしは使用しません。慶事用の丸い塗りの箸を利用するケースが多いです。略式結納に慣れた会場で行えば、箸の問題も配慮してもらえます。
他にも、手土産は羊羹などの切って食べる習慣がある物は避け、お茶は桜湯や昆布茶などのおめでたいものにし、お菓子は紅白の干菓子にするといった細々とした決まりがあります。
略式結納の結納品は風呂敷に包んで持参しましょう。結納品は色味を抑えたきちっとした風呂敷に包み、持ち運びます。剥き出しや普通の袋で包んではいけません。
そのときに、結び目を作るのは略式結納ではタブーとされています。なぜなら結んだらほどかなくてはいけないからです。
ほどくという行為が別れを連想させる忌み言葉になってしまうため、風呂敷は結ばずに包んで使用することが慶事には重要です。気をつけましょう。
略式結納でいただいた結納品は風呂敷で包み、今度はしっかり結んで持ち帰ります。
結納品を入れた風呂敷に結び目を作るのは、結んだ縁をほどかないようにするという意味があるためです。迷信だと思わずに、しっかりと心を込めて風呂敷に結び目を作りましょう。
略式結納には様々な決まり事があり大変ですが、このようなおめでたい席が設けられたことを親族や友人に感謝しながら、未来の幸せのためにしっかりと執り行っていきましょう。
略式結納は結納を簡略したものですが、色々な決まり事があるので、流れをしっかりと理解してから臨みましょう。
略式結納では忌み言葉など、タブーとされていることがいくつもありますので気をつけてください。服装やマナーもしっかりと守り、失礼のないように振る舞いましょう。
相手側への感謝や配慮を忘れずに、素晴らしい略式結納を行ってください。