周囲の方から結婚祝いをいただいたとき、内祝いのお返しはどうしたらよいでしょうか。結婚祝いに関わらず、頂き物にはお返しをするというのが社会のマナーではありますが、結婚祝い名目での内祝いならではのルールや慣習などはあるのでしょうか。
普段の生活ではあまり気にしたことのない、内祝いならではの決まりがあるのではないかと頭を悩ませる方も多いでしょう。今回は、結婚祝い名目での内祝いをお返しするときのポイントや、お返しとして贈れるおすすめのギフトなどをご紹介していきます。
内祝いとは、本来は「お世話になった親族やご近所さんなど、身内間でのお祝い」という意味です。結婚や出産などのおめでたいことが起こった側が、周りの人に対してこれまでの感謝を込めて贈るものでした。
しかし、最近では結婚や出産を行った側が自ら進んで贈るものというよりは、「周囲からお祝いを貰ったことへのお返し」として内祝いが使われることが多くなってきています。
お祝いをいただいた方への内祝いは、相手との関係性やお返しのタイミングなどのマナーが気になってしまうものです。せっかくお祝いをいただいたのだから、内祝いをお返しするときも相手に喜んでもらい、失礼のないようにしたいものです。
ここでは、内祝いをお返しする際のタイミングや渡し方など、ポイントを4つご紹介していきます。
結婚祝いをいただいたら、まずは相手に連絡をしましょう。内祝いのギフトのことは一旦置いておいて、すぐに電話かお礼状でまずは感謝の気持ちを相手に伝えることが大切です。
贈った側も「お返しが欲しいから」ではなく、「相手に喜んでほしいから」結婚祝いをしてくれています。まずは物のやりとりよりも祝福して貰えて嬉しいという気持ちを相手に伝えることがポイントです。
いただいたお祝いに対して内祝いをお返しするタイミングは、一般的には結婚式の1ヶ月以内が目安です。結婚式をしなかったり、お祝いをいただいてから結婚式がかなり先になるような場合には、いただいた日から1ヶ月以内に内祝いをお返しするようにしましょう。
現在では配送を使うことが多いですが、可能であれば直接持参するのもより感謝が伝わります。配送の場合は、手配がギリギリにならないようにあらかじめ計画をしておくことが大切です。
内祝いの渡し方について、昔からのしきたりとしては相手の方の自宅に持参するのがよいとされますが、距離や時間の問題がありますので最近では配送を使うことが多いです。
持参しないことが失礼にあたるといったことはありませんので、相手と自分の都合にあった方法を選びましょう。
配送する場合は、ギフトだけでなく感謝の気持ちを込めたお礼状を添えることが大切です。また、持参・配送どちらの場合でも内祝いには熨斗をかけるのがマナーですので注意しましょう。
内祝いをお返しするのは、一般的に結婚式の1ヶ月後が目安となりますので、贈り漏れがないようあらかじめお返しリストを作っておきましょう。リストには、誰から何をいただいて、どれくらいの金額だったかをまとめておくと、贈るギフトを選ぶ際に便利です。
また、内祝いをお返しするタイミングになってから「相手の住所や連絡先がわからない」ということがないように、事前に調べておきましょう。配送サービスによっては、手配してから発送までに期間がかかるものもあるため注意しましょう。
いただいた結婚祝いは、相手との関係性や頂き物の金額などによってお返しをどのようにすればよいか悩んでしまうパターンもあります。全員に一律のお返しでは、場合によっては失礼にあたるのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。
ここでは、結婚祝い名目で内祝いのお返しをする際に悩んでしまいがちな3パターンの対応方法をご紹介します。
お返しをする際には、昔からの慣習で「お祝い半返し」というものがあり、いただいたお祝いの半分をお返しするというのが一般的です。しかし、上司など目上の方になってくると想像以上に高額な内祝いをいただく場合もあります。
高額な内祝いをいただいたときには、半返しではなく3分の1程度でのお返しでも問題ありません。相手の方も高額なお返しが欲しいのではなく祝福の気持ちでくださっていますので、お礼状で感謝を伝えたり写真を添えたりするとよいでしょう。
結婚祝いを連名でいただいたときにも、原則としてお返しは1人ずつ半返しをするようにしましょう。特に、夫婦や家族など2〜3人程度の連名でいただいたのであれば、お返しはまとめずに1人ずつ行うのがマナーです。
しかし、会社の同僚などで「○○一同」といったように、あきらかに大人数からの連名の場合は、半返しや1人ずつにこだわらず、みんなで分けられる菓子折りなどでまとめてお返しをして問題ありません。
職場の後輩など、自分より目下の人から結婚祝いをいただいたときには、頂き物の半分以上から8割程度のお返しをするのが目上の者としてのマナーとなります。
目上の人や同僚などへは、場合によって半分から3分の1でよいとされることもありますが、目下の人にはきっちり半分以上をこころがけましょう。
ただし、頂き物よりも高額になってしまうと相手が気を遣いますので、あくまでも相場の範囲内でおさめるのがよいでしょう。
結婚祝いをいただいた人には、感謝の気持ちを込めてお返しをし、今後も末永く気持ちのいい付き合いを続けていきたいものです。ここまでは、目安の金額やお返しのタイミングなどをご紹介してきましたが、具体的にはどのような品物を選ぶのが良いでしょうか。
「縁を切る」ことを連想させるような品物や、法事やお葬式で使われる品物は内祝いのギフトとしては避けたほうがよいと言われます。ここでは、お返しとして贈ることのできるおすすめのギフトを4つご紹介していきます。
お返しで贈れるギフトの1つめが、お菓子です。お菓子の場合は、贈り物用の高級ブランドから、大勢の人にまとめてお返しできるように詰め合わせになっているものなど、種類が豊富でパターンに合わせて選びやすいというメリットがあります。
まとめてお返しする場合は、個包装になっていることと、連名でいただいた人数分がちゃんと入っているかの個数に気をつけましょう。
お返しで贈れるギフトの2つめは、カタログギフトです。カタログの中から選んでもらう方式のため、相手の好みがよくわからなくても幅広い層に対応できるとして、最近では定番になっています。
お返しをする側としても、相手に合わせたギフトを個別に選ぶ必要がないため、結婚式前後で時間や手間があまりかけられないという場合に助かります。
年配の方へは老舗の百貨店のカタログ、若い方には人気のブランドを集めたものなど、ある程度贈る相手にあわせた傾向を選ぶことが出来るのもポイントです。
お返しとして贈れるギフトの3つめは、ドレッシングです。ドレッシングは、1人暮らしの方からご家庭のある方まで、ほとんどのお家でも使えるものですし、自分ではあまり高級品を買うことも少なくお返しで貰えると嬉しいものです。
ギフト用のドレッシングは、見た目にも華やかなものが多く、金額の調整も種類や本数でわけることができるため選びやすいです。
お返しで贈れるギフトの4つめは、定番でもあるタオルです。タオルがお返しの定番として人気のある理由は、どんな人でも日常で使うものであるため、贈られて困ることがないということです。
また、タオルは伝統ある高級品から若い人に人気のブランド品など、ギフトとしての取り揃えが豊富ですので、贈る相手に合わせて選ぶことができます。
内祝いのお返しをする際には、注意すべきポイントがいくつかあります。せっかくお祝いをしてくれた相手に感謝の気持ちを伝える行為ですので、マナーに気をつけてお互い気持ちよく今後も付きあっていけるようにしたいものです。
ここでは、内祝いのお返しをする際の注意点を3つご紹介します。
内祝いのお返しは、結婚式や新生活の準備で忙しい時期と重なりがちです。そのため、バタバタしていて贈り漏れてしまったという失礼がないように、誰から何をいただいたかをまとめたリストを作っておきましょう。
あらかじめ、金額別に何を贈るか商品を選んでおいて、相手の方の住所や連絡先を調べておくとスムーズです。贈った相手にチェックしていけば、整理しやすくなります。
内祝いのお返しをする際、地域によっては昔からの慣習やその地域だけのルールが存在している場合があります。そもそも、内祝い自体が元々は結婚した側が自発的に周りの人に贈るという文化だったのですから、地域差があるのも仕方ありません。
事前に自分で調べるのもよいですが、地域の慣習については特に親や親族といった地域に詳しい人に相談し、慣習を尊重して臨機応変に対応するようにしましょう。
いただいた分の半分をお返しするという「半返し」のマナーですが、現金ではなく品物でいただいた場合はおおよそでしか判断することはできません。
また、お返しとして贈ろうと思っている品物のバリエーションによっては、すべての人に対してちょうど半分にすることができないこともあります。
半返しする場合は、目上の人には「お祝いが足りなかった」と気を遣わせないよう控えめに、目下の人には少し手厚くが基本であることに注意しましょう。
現在では、結婚祝いをいただいたお返しとしての意味合いが強い内祝いですが、本来は幸せのおすそ分けとして結婚した側からお世話になった方々へ自ら進んで贈るという文化でした。
意味合いが変わってきていても、「相手に感謝を伝える」という基本の気持ちは大切にしたいものです。
内祝いは、慣習としてお返しする金額やタイミングがある程度マナーとして決まっているものではありますが、まずは心を込めてお返しするということを大切に考えましょう。