満月の日は出産が増えるってホント?潮汐の理由やお産にまつわる言い伝えも紹介!

満月の日は出産が増えるってホント?

古くから、満月の日は出産が増えると言われ、そのような言い伝えを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。月と出産の関係は本当のことなのか、出産を控えた妊婦さんにとって気になることでしょう。


なぜ、満月の日は出産が増えると言われてきたのでしょうか。それは、月の満ち欠けと女性の体のサイクルが似ているためです。


月の満ち欠け周期はおよそ28~30日、女性の生理周期はおよそ28~38日とされています。これらの間隔の近さによって、女性の体が月の影響を受けているのではないかと主張する人もいます。


満月の日に出産が増えるという事実は、今のところ科学的で立証はされていません。しかし、このような説は、生命誕生という神秘的な出産をより謎めいた印象にしてくれます。


出典:月経の調子がおかしい①|おかだウィメンズクリニック
参照:https://okada-w.com/mense/

月の満ち欠けや潮の満ち引きが起こる理由

なぜ、月は満ち欠けを繰り返すのでしょうか。


月の満ち欠けは、月と地球・太陽の位置が変わることで起きます。月は地球の周りを回り、太陽の光を反射して光っています。地球から見たとき、月が太陽に対してどの方向にあるかによって月の形が決まり、満ち欠けとして月の形が変化して見えます。


また、潮の満ち引きが起きるのはなぜでしょうか。


潮の満ち引きは、一般的に月の引力によって起きると言われています。引力が強まると地球上の海水が持ち上がり満潮に、引力が弱まると潮が少しずつ時間をかけて引いていきます。


出典:宇宙の質問箱-月編|国立科学博物館
参照:https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/moon/moon04.html

月の満ち欠けと出産の関係性

東京大学大学院の研究グループが、満月になると出産が多くなるという言い伝えが乳牛にも当てはまるのではないかと主張しました。


この研究では、牛の出産数が満月に近づくにつれて増加することを明らかにし、また初めて出産を経験する牛よりも、出産経験が複数回ある牛で、これが顕著であるとしました。


しかしながら、月の満ち欠けと出産の関係性についてのメカニズムは解明されておらず、過去にもさまざまな研究を通して調べられてきましたが、依然として明確になっていないのが現状と言えるでしょう。


出典:月の満ち欠けがウシの出産に影響を与える ホルスタインの出産は満月に近づく頃に増える|東京大学
参照:https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00522.html

出産にまつわる5つの言い伝え

出産には月と潮の満ち引きが関係しているという説がありますが、もし月の動きが出産に影響を与えるとするならば、不思議で神秘的なことでしょう。出産にまつわる言い伝えはさまざまあり、ここでは5つをピックアップして紹介していきます。

  • 満月は安産になりやすい
  • 朝方に出産が増えやすい
  • 台風や低気圧の日は出産が増えやすい
  • 新月の日は妊娠しやすい
  • 赤道に近づくほど満月の影響を受けやすい

1:満月は安産になりやすい

満月の日には安産になりやすいという言い伝えがあります。これは、月と地球、太陽が一列になる満月では、引力の影響により陣痛が起こりやすいと言われていることに由来しています。


また、月の引力で陣痛も強くなり、スムーズな出産が期待できるともされていますが、科学的には証拠はありません。

2:朝方に出産が増えやすい

深夜から朝方にかけて出産することが多いという言い伝えもあります。朝方は副交感神経が優位に働きやすいと言われており、これが陣痛を促しているのではないかと言う人もいます。


身の回りの家族や友達の誕生時間が、深夜なのか、朝方なのかを調べてみてもおもしろいでしょう。

3:台風や低気圧の日は出産が増えやすい

台風や低気圧の日にも、出産が増えやすいと言われることがあります。


気圧が低いことで出産しやすくなるからだとされていますが、出産との関連性には根拠はありません。ただ単に、気象状況の非日常体験が記憶に残りやすいということもあり、これに関しては迷信である可能性が高いでしょう。

4:新月の日は妊娠しやすい

新月の日は妊娠しやすいという言い伝えを耳にしたことはないでしょうか。


これにも科学的根拠はなく、新月は満月に向けて必要なものを「溜める」期間と解釈できることから、「着床」をイメージさせるのではないかと言われています。

5:赤道に近づくほど満月の影響を受けやすい

月の影響を受けやすい赤道に近い国ほど、満月の日に出産が多くなると言う人もいます。地球の周りにある月の軌道が赤道に近いことで、この地域に住む女性の出産に何らかの影響を与えるのではないかという説です。


これについてはさまざまな議論があり、事実は分かりませんが、天体の位置を含めた言い伝えは、興味深く神秘的にも感じるのではないでしょうか。

月の満ち欠けの変化と体調の変化の関わりとは?

まだ立証はされていませんが、月の満ち欠けが女性の体に影響しているのではないかと考えられていることは、繰り返し言及してきました。ちなみに、新月から満月に変わるとき、反対に満月から新月に変わるとき、体調にも変化があるという言い伝えを知っているでしょうか。


ここでは、月の満ち欠けの変化と体調の変化の関わりについて紹介していきます。科学的根拠はありませんが、「このような解釈ができるんだな」と参考程度に読み進めてみてください。

新月から満月に変わるとき

まず、新月から満月に変わるとき、体調にはどのような変化があるのでしょうか。


新月から満月に変わるときは、チャージ期と解釈し、気持ちが高まりやすく、感情的になりやすい時期であると言われています。


また、このチャージ期では、知識やスキルを吸収しやすい時期ともされているため、何かにチャレンジしたくなるような積極性が強く出やすい時期とも言われています。

満月から新月に変わるとき

反対に、満月から新月に変わるとき、体調はどのように変化すると言われているのでしょうか。


満月から新月は、デトックス期と解釈され、不要なものを体外に吐き出す力が働きやすいと言われています。感情の流れも同様で、外へ出ていきやすく、気持ちの整理や冷静な心を取り戻しやすい時期とされています。

満月でも焦らずにゆっくり過ごそう

出産と満月には深い関係があると言われる中、今のところ科学的根拠は明らかにされていません。しかし、女性の体が満月や潮の満ち引きに、多少なりとも影響があるのではないかと主張する人がいたり、研究が行われていたりします。


満月が近づくにつれて、出産を控えている妊婦さんは「そろそろ生まれるかもしれない」と気をつけるに越したことはありませんが、過度にピリピリする必要はありません。ストレスをできるだけ感じないように、満月でも焦らずにゆっくり過ごしていきましょう。