【専門家監修】破水か尿漏れかを確認するポイント|冷静に行動しよう!

破水とは

破水とは、胎児を包んでいる膜が破れて羊水が流れ出ることです。破水のタイミングには個人差がありますが、陣痛がピークを迎える際に起こることが多いでしょう。


破水した場合には、すぐに病院へ向かう必要があります。また、他にも多くの注意点があります。元気な赤ちゃんを無事に出産するためにも、破水に関する知識を持っておきましょう。


出典:破水|e-ヘルスネット
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-040.html

陣痛よりも先に破水した場合は?

多くの場合、破水は陣痛がピークを迎えるタイミングで起こります。しかし、そのタイミングには個人差があり、場合によっては陣痛が始まる前に破水が起こる場合もあります。そのような陣痛が起こる前に破水することを「前期破水」と言います。


また、子宮口が開いていない状態で陣痛があり、その際に起こった破水は「早期破水」と言います。このように破水にもいくつかの種類があります。


もし、破水しても陣痛が始まらない場合は妊婦と胎児の感染や、へその緒が出てしまう臍帯脱出などのリスクが高まってしまうこともあるため注意が必要です。


出典:破水|e-ヘルスネット
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-040.html

破水か尿漏れかを確認する4つのポイント

破水の感覚にも個人差があり、人によっては破水の兆候を何も感じず、破水が起こっても羊水が少しずつ垂れるだけということもあります。そのため、破水と尿漏れを勘違いしてしまう人もいます。


しかし、破水を尿漏れと勘違いして対応が遅れてしまうようなことがあってはいけません。そのため、破水と尿漏れを確認するポイントを事前に押さえておき、判断できるようにしておきましょう。

1:臭いで確認する

尿漏れの場合には尿が出ているため、アンモニア臭がします。しかし、破水している場合は流れ出ているのは羊水のため、アンモニア臭がしません。


羊水のニオイには個人差がありますが、甘酸っぱいニオイや塩っぽいニオイなど、少し生臭い感じのニオイがあります。また、無臭という場合もあります。


そのため、臭いを嗅いで、アンモニア臭や尿の臭いを感じた場合には尿漏れ、それ以外の臭いがすれば破水と確認できます。

2:音で確認する

破水は赤ちゃんを包んでいる膜が破れることで起こります。人によってはその膜が破れた際に、風船が割れたような音や感覚を感じる場合があります。


それらの音や感覚を感じた直後に羊水が漏れてくれば、破水していることになります。

3:色で確認する

尿の色は体調によって変わることもありますが、基本的には黄色味がかった色をしています。これに対して、羊水は透明や白濁した色をしています。


場合によっては羊水も少し黄色味がかっていることもありますが、黄色の種類が異なるため、色の違いは判断できるでしょう。また、緑色であったりピンク色の水っぽいものが出ている場合にも破水が疑われるため病院へ相談しましょう。

4:自力で止められるかで確認する

尿は、自力で我慢することや止めることができます。しかし、破水の場合は膜が破れて羊水が漏れている状態のため、自力で止めることができません。


そのため、尿漏れと破水が判断しにくい場合には、尿を止めるように力を入れてみましょう。それでも体液が漏れ続ける場合は破水の可能性があります。


また、破水は自分の意思で止めることができないため、尿よりも量が多くなりやすいという特徴もあります。

破水したときの4つの注意点

破水したということは、すでに陣痛が始まっているか、すぐに陣痛が始まる状態です。そのため、母体や胎児を守るために注意すべき点がいくつもあります。


その中でも特に押さえておくべきポイントがあるため、しっかりと把握しておくようにしましょう。

1:お風呂などには入らない

破水すれば羊水が流れ出てくるため、体が汚れてしまいます。そのため、病院に行く前にお風呂やシャワーなどで体を綺麗にしたいと思う人もいるでしょう。


しかし、羊水が出ている状態でお風呂に入ったりシャワーを浴びたりすれば、胎児が細菌に感染してしまう可能性があります。また、ウォシュレットの使用でも同様のリスクがあるため、このような行動はやめましょう。

2:すぐに産婦人科へ連絡する

破水した場合に、対処方法が分からなくて混乱してしまう人は多いでしょう。しかし、破水した場合には、「真っ先に病院に連絡をする」ということだけは覚えておいてください。


病院に連絡をして破水したことを伝えれば、今からどうするべきかの指示をもらえます。また、病院に着けば状態の確認や必要な処置などをしてもらうことになります。

3:自分で運転をしない

当然ながら、破水が起こった状態であれば、病院まで自分で車を運転することや、遠い距離を徒歩で向かうようなことをしてはいけません。そのため、破水して病院へ向かう際は、必ず家族に車を運転してもらうようにしましょう。


しかし、車を運転できる家族が常に家にいるとは限りません。また、夜中に破水した場合など、家族が飲酒をしているため車の運転ができないなどの事態が起こる可能性もあります。


そのような状況にも対応できるように、陣痛タクシーの登録は行っておきましょう。陣痛タクシーの登録には時間がかかることもあるため、早めに登録をしておくことも大切になります。

4:なるべく動かないようにする

破水した際に、慌てて病院に連絡することや、病院に向かう準備をするためなどに動き回ってしまう人がいます。破水した状態でバタバタと動いてしまうと、羊水が出やすくなってしまいます。


そのため、家族が近くにいる場合は、身の回りのことはできるだけ任せて横になり、安静にしておきましょう。また、車に乗る際も座らずに横になるようにしましょう。

破水が起こる前に必要な5つの準備

破水した場合はバタバタと動き回るようなことは避け、すぐに病院に行く必要があります。そのため、破水が起こる前から、破水後に備えて事前にいろいろな準備を整えておくことが重要になります。


破水が起こってから慌てることのないよう、どのようなことを準備しておくべきか把握しておきましょう。

1:病院の診察券の準備をする

「破水すれば病院に行く」ということは事前に分かっていることです。場合によっては入院することもあるでしょう。また、破水が起こったらあまり動かないようにしなければいけません。


そのため、破水が起こったときに、診察券や母子手帳、入院の準備などをバタバタとしなくても良いように、あらかじめ準備してバッグなどにまとめておくようにしましょう。

2:防水シーツの準備をする

破水すれば羊水が漏れて出てきます。その羊水は尿のように自力で止めることはできません。そのため、破水した際に布団や床を汚さないように防水シーツも準備しておきましょう。

3:バスタオルの準備をする

家の中であれば防水シーツで布団や床が汚れないようにできます。しかし、移動をする際には車やタクシーなどを使うことになります。そのため、移動時にはバスタオルを使って周囲を汚すことのないようにしましょう。


また、バスタオルも破水が起こった際にすぐ使えるよう枕元に置いておき、病院に行くための荷物にも入れておくようにしましょう。

4:お産パッドの準備をする

破水すれば、流れ出る羊水を自力で止めることはできません。そのため、お産パッドを準備しておきましょう。生理用品で代用しようと考える人もいますが、羊水の量が多い人の場合は、生理用品の吸水性では追いつかないこともあります。


そのため、お産パッドを準備しておく方が安心でしょう。代用品であれば大人用の紙おむつが良いでしょう。

5:入院用バッグの準備をする

破水が起こってから、バタバタと病院へ向かう準備をすることは難しいでしょう。そのため、事前に病院の診察券やバスタオルなどをバックにまとめておきましょう。


あらかじめ病院へ向かう際に入院に必要な物をまとめておくことで、破水が起こった場合にはそのバックだけ持っていけば良い状態となるため、気持ちにもゆとりができます。

破水が起こったときのために準備をしておこう

この記事では、破水が起こったときの様々な対処法について紹介してきました。妊婦さんの中には、破水が起こった際に慌ててしまい、冷静な行動が取れなくなってしまう人もいるでしょう。


しかし、冷静な行動が取れなければ、自分だけでなくお腹の中の赤ちゃんにも悪い影響が出てしまう可能性があります。


そのようなことを防ぐためにも、破水が起こった場合に備えて、事前に必要な物を確認してまとめておくようにしましょう。