妊娠初期では赤ちゃんを育てていくために母体ではいろいろな変化が起こります。また、赤ちゃんが体を形成する重要な時期となります。
そのため、妊娠初期は母体と赤ちゃんの状態を把握したり、いくつかの注意すべきことがあります。
妊娠初期とは胎盤の形成がほぼ完成する15週くらいまでの期間を指します。妊娠初期の間に、受精卵となった赤ちゃんは細胞分裂を繰り返しながら子宮へ移動して、子宮内膜に着床します。
この時点での赤ちゃんは胎児ではなく、胎芽の状態です。4週目くらいになると、妊娠が成立して、母体には赤ちゃんを育てるための変化が起こり始めます。そのため、一般的に妊娠が判明するのは4週目~5週目くらいの時期が多いです。
妊娠すると、母体は赤ちゃんを育てるためにいろいろな変化が起こるようになります。その代表的な変化として、ホルモンバランスの変化です。
ホルモンバランスの変化によって、吐き気や嘔吐、食欲不振、強い眠気などのつわりの症状も起こるようになります。
つわりの症状が出る時期や強さなどには個人差があります。そのため、早い時期に強く症状が出る人もいれば、つわりの症状があまりでないという人もいます。
妊娠初期には赤ちゃんが体を形成したり、赤ちゃんを育てるために母体に変化が起こったりします。
そのため、妊娠初期は重要な期間であり、これから母体を守りながら赤ちゃんを元気に育てていくためにも、妊娠初期ではいくつか注意すべき点があります。
妊娠中は母体の健康を保つことが望ましいですが、どれだけ注意しても風邪をひいてしまう可能性はあります。風邪をひいてしまうと、赤ちゃんの成長に影響が出るのではないかと心配してしまう人もいるでしょう。
しかし、風邪自体が赤ちゃんの成長に影響を与えてしまうことはありません。ただし、38度以上の高熱が出た場合は赤ちゃんに影響を与える可能性があるので、早めに病院へ行きましょう。
また、薬には赤ちゃんに影響を与えてしまう物もあるので、風邪の症状を抑えようとして、勝手な判断で市販薬を服用してはいけません。必ず服用前に医師に相談するようにしましょう。
妊娠すると母体にはいろいろな変化が起こります。その変化の中に、唾液の成分が変化するということがあります。唾液の成分が変化することで、妊婦は虫歯や歯周病が悪化しやすくなります。
さらに、妊娠後期を超えるとお腹も大きくなってくるので、虫歯治療を受けることが大変になってしまいます。そのため、虫歯や歯周病がある場合は、つわりの落ち着く安定期から中期の間に治療するようにしましょう。
子宮筋腫とは子宮内にコブのような物ができる病気です。子宮筋腫にはいくつか種類があり、子宮外に飛び出すようにできたり、子宮壁の中にできたり、子宮頸部にできたりする物などがあります。
子宮筋腫があると不妊や初期流産のリスクを高めてしまうことになるでしょう。また、妊娠が順調に進んでいる場合は問題にならないこともありますが、出産時に陣痛が弱くなるなどの原因となる場合もあります。
妊娠しても仕事を続けるという人もいます。しかし、妊娠による体の変化によって、妊婦は疲れやすくなっていたり、つわりの症状などが出たりするようになっています。また、仕事することで体に負担がかかったり、ストレスを感じたりすることも少なくありません。
そのため、妊娠中は疲れをためないように、しっかりと休養を取るようにし、職場に相談して職場環境も見直すと良いでしょう。
お腹が大きくなってからでは動くことが大変になってしまうので、妊娠初期のうちに旅行に行っておきたいと考える人もいるでしょう。
体調が少しでも不安な場合は避けた方が良いでしょう。また、移動で疲労をためたり、車や電車での長距離移動で無理な体勢が長時間続くようなことは避けるように注意しましょう。
妊娠期間中に旅行に行く場合は事前に、かかりつけの医師に相談してから行くようにしましょう。
妊娠しても性行為が全くできないというわけではありません。ただし、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。
もし、妊娠中に性行為をする場合には、お腹が張るとき、出血があるとき、切迫流産、性感染症になったときなどは避けるべきでしょう。また、妊娠初期の11週以前では流産のリスクもあるので、できれば避けた方が良いでしょう。
妊娠後期になると、腰痛が辛いと感じる妊婦は多くいます。妊娠後期の腰痛対策をするためには、妊娠初期から正しい姿勢で過ごすことが重要です。
立ち姿勢では背筋を伸ばして、胸を張り、お腹を引っ込めるようにしましょう。椅子に座る場合は深く腰掛けて背筋を伸ばします。また、寝る際には、仰向けだと大静脈を子宮が圧迫し気分不快に繋がるため、横向きに寝て足の間に枕を挟むのがおすすめです。
妊娠すると疲れやすくなったり、体調が崩れやすくなったりなどするので、運動不足になりやすいです。そのため、妊婦は適度な運動をして体力をつけたり、ストレスを発散させたりなどすることも重要です。
ただし、運動は激しいものではなく、お腹に負担がかからないウォーキングや軽い水泳やジョギングなどが良いでしょう。また、過剰な運動は疲労をためてしまうので注意しましょう。
妊娠中は赤ちゃんを育てるために、母体はいろいろな栄養を必要とします。そのため、必要となる栄養は積極的に摂取していきましょう。ただし、妊娠中に摂取を控えるべき食品もあります。
ここからは妊娠初期に注意すべき食品5つを詳しく紹介していきます。母体と赤ちゃんの健康を守るためにも、どのような食品に注意すべきか、事前に把握しておきましょう。
カフェインは血管を収縮させる効果があるので、摂取しすぎると赤ちゃんに栄養や酸素を送りにくくなってしまいます。そのため、カフェインを摂ることは避けるようにしましょう。
また、カフェインはコーヒーに多く含まれるイメージを持つ人が多いですが、緑茶や炭酸飲料などにも含まれているので、コーヒーだけを避ければ良いというわけではないので注意が必要です。
妊娠中であれば、飲み物はほうじ茶や麦茶、ノンカフェインと表記された物をできるだけ選ぶようにしましょう。
妊婦になると、母親が食べた物が赤ちゃんにとっての栄養にもなります。そのため、添加物が含まれる食品や農薬が使われた食材などを食べて、それらが赤ちゃんに送られないようにするためにも、避けるべきでしょう。
特に、インスタント食品やスナック菓子、お惣菜などは手軽に食べれるので便利ですが、添加物が多く含まれていることも多いので注意しましょう。
魚介類にはビタミンやミネラル、カルシウムなど、妊娠や出産に必要となる栄養がいろいろと含まれているので、積極的に食べておきたい食材です。しかし、メカジキやキンメダイ、クロマグロなどの一部の魚には自然界の水銀が体内に蓄積されています。
普段であれば食べても問題にならない物でも、妊娠中であれば体調が弱っていることもあるので、食中毒の原因となってしまう可能性もあります。そのため、魚介類は食べる量や種類、偏りなどに注意しましょう。
アレルゲン食材にはいろいろな種類がありますが、その代表的な食材は卵、牛乳、小麦、落花生、そばなどがあります。これらのアレルゲン食材を妊娠中に多く摂っていると、赤ちゃんがアレルギー体質となってしまう可能性があります。
アレルゲン食材を食べてはいけないということはありませんが、食べ過ぎやバランスには注意が必要です。
母親が食べたり飲んだりした物は、赤ちゃんにも栄養として送られることになります。そのため、母親がお酒を飲めば、そのアルコールは赤ちゃんにも送られてしまいます。
赤ちゃんにアルコールが送られてしまうと、胎児性アルコール症候群の原因となってしまう可能性があり、胎児性アルコール症候群になると、赤ちゃんに脳の障害や成長の遅れなどを起こす可能性があるため注意しましょう。
妊娠して、つわりの症状が表れるようになると、食事ができなくなってしまうことがあります。赤ちゃんを育てるためにも、食事はしっかりと摂った方が良いと考えてしまう人もいますが、つわりで食事ができない場合は無理に食事を摂る必要はありません。
つわりで食事ができない場合は、食べられるときに食べられる物を食べるようにしましょう。ただし、食べられるときに過剰に食べることは避け、食欲がなくても脱水を防ぐために水分補給はしっかりとするようにしましょう。
妊娠初期は母体にとっても、赤ちゃんにとっても大切な時期となります。妊娠初期の赤ちゃんやママ自身の体について把握しておくと良いでしょう。
さらに母体と赤ちゃんを守るためにも、妊娠初期の過ごし方や食品などにも注意して、楽しく健やかに過ごせるようにしましょう。