適度に運動をすることは、妊娠初期に良い影響を与えます。しかし誰でも運動をして良いわけではなく、妊娠12週を経過し体に異常が見られないことなどが条件です。
個人差があるため、運動ができる基準を満たしていても不調を感じる場合もあります。必ずかかりつけの医師に相談をして、許可を得てから運動をするようにしましょう。
妊娠初期で運動して良い条件はこの後詳しく紹介します。
運動をすることが安産に繋がるとは必ずしも言い切れません。しかし運動をすることによってさまざまな効果がもたらされるのは確かです。
妊娠初期に感じやすい肩こりや腰痛、むくみなどの予防にも繋がります。また、生活が制限されたり、将来の不安を感じたりする中でのリフレッシュ効果もあるのが妊娠初期に運動をするメリットです。
妊娠初期特有のトラブルに悩んでいる時は、日々の生活に軽い運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ホルモンバランスの変化や子宮が大きくなり腸が圧迫されることによって、便秘などのトラブルが発生します。運動をすることで、血流促進や筋肉量の増加に繋がり、便秘の改善が期待できます。
食生活や生活習慣に気をつけるだけではなく、適度な運動を取り入れることで快適な生活を送ることができます。
妊娠初期から出産に向けて、体は出産に向けて準備を始めます。筋肉や関節が緩んでくるため、骨盤のバランスが崩れ腰痛を引き起こすことも少なくありません。
またお腹が大きくなるほど背中が反った状態で歩くことも増えるため、腰への負担も増えてきます。骨盤ベルトで支えて腰痛を軽減させる方法もありますが、やはり筋肉をつけて対処するのがおすすめです。
運動をして体の基礎をつくり、腰痛を軽減していきましょう。
腰痛だけではなく、肩こりに悩む妊婦も少なくありません。妊娠初期の運動は血行促進にも繋がるため、肩こりの改善にも効果が期待できます。
肩こりを放置しておくと、吐き気や頭痛などといった他の体調不良を引き起こすこともあります。ストレスが原因で肩こりを発症することもあるので、リフレッシュ目的の運動でも十分効果的です。
妊娠中、むくみに悩む妊婦も多いのではないでしょうか。これは妊娠した時に増える黄体ホルモンが、水分を体内に溜める性質があることにより起きるのが原因です。
しかしむくみは日々の生活により改善できます。毎日のウォーキングや、軽いストレッチ、マッサージなどでも血流が促進されるため、むくみ改善に繋がりやすいです。
しっかりと水分を取り、運動することがより効果をアップさせます。
今までのように趣味や仕事などに打ち込めなくなる妊娠期は、ストレスが溜まってしまう人も少なくありません。軽い運動をすることは、リフレッシュにもなるためストレス解消にも繋がります。
日中の時間帯に外に出て、散歩をするだけでも構いません。太陽の光にあたることで幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され、心に安定をもたらします。
また運動に集中することで、日々の悩みや不安を解消できるのもメリットのひとつです。
妊娠中にする運動が体に良い効果をもたらすと言っても、無理をして体調を崩してしまっては意味がありません。妊娠初期でも運動ができる最低限の条件が4つあります。
これらは自己判断ではなく、かかりつけの医師に相談することが大切です。ここでは、妊娠初期に運動が認められる条件について説明します。
妊娠12週を経過した後も、胎児の成長に異常がないことが運動可能条件の1つめです。またお腹にいる赤ちゃんが1人であること、いわゆる単胎妊娠であることも条件となります。
これらは自身で判断ができないので、運動をしたいと考えていることや何の運動を始めようとしているかを医師に相談する必要があります。万が一のことを防ぐためにも、きちんと医師の承諾を得た状態で運動をしましょう。
妊娠初期に運動を始める時は、安定期に入っていることはかかせない条件です。先述したように運動を始めて良いとされているタイミングは、妊娠12週です。
妊娠12週以前は流産などのリスクが高くなるため、運動はおすすめできません。安定期に入るまでは日常生活に加えて、軽いストレッチなどで気分転換をしましょう。
過去に早産の経験をしていないかどうかも、妊娠初期の運動可能条件となります。安定期に入ったと言っても、通常の状態に比べて体に気をつけなければならないことには変わりありません。
また早産経験者は、次回の妊娠時も早産になる確率があがると言われています。少しでもリスクを軽減するために、体に負担をかける行動は控えなければなりません。医師と相談しながら、できる運動などを把握していく必要があります。
過去に流産を経験している場合、運動を控えなければならないこともあります。早産と同じように、一度流産を経験すると、次回の妊娠時も流産のリスクが高くなるという結果が出ています。
流産の回数が増えるほど、リスクが高くなってくるため安静度も高くなるのは頭に置いておきましょう。安定期に入っていても、医師と相談しながら運動可能な時期やできる運動を相談していく必要があります。
妊娠初期の運動は何をしても良いというわけではなく、軽めの有酸素運動が良いとされています。息切れや汗をかくような運動ではなく、あくまでも軽く体を動かすことを目的に取り入れていきましょう。
もちろんお腹に負担がかかるような運動はNGです。母体と胎児の健康を維持するためにも、体に良いとされる運動を、推奨されている範囲で取り入れてリフレッシュや体調改善を行っていくことが大切となります。
軽めの有酸素運動を気軽に続けるのに最適なのが、ウォーキングです。1時間以内のウォーキングを継続するだけでも、リフレッシュにつながり妊娠初期におこりがちな体調不良の改善に繋がります。
ウォーキングをする際には、なるべく平坦な道を選び交通量が少ない場所を選びましょう。また熱中症などを防ぐためにも、水分補給も欠かせません。
歩きやすい靴を履く、締め付けが少ない洋服を着ることも大切なポイントです。
妊娠初期の運動におすすめなのが、水泳や水中ウォーキングです。水泳では体への負担が大きくなる場合もあるため、ゆっくりと水中を歩くのが良いでしょう。
息切れがしない程度に、ゆっくりと歩くことがポイントです。妊娠初期に適している運動ではありますが、体を冷やさないように気をつけてください。適度に休憩を取りながら行うことも、体に負担をかけないコツです。
ヨガを行うことで、妊娠初期~後期に訪れる不快感や体調不良の改善に繋がることがあります。またヨガの呼吸法が出産時の痛みを和らげることに効果があると、積極的に取り入れている産院も増えてきています。
しかしヨガのポーズはお腹に負担をかけるものもあるため、マタニティヨガとされているものを取り入れることが大前提です。マタニティヨガなら体に負担をかけることなく、ゆったりと行うことができます。
激しい運動のイメージがあるエアロビクスも、妊娠中に最適なプログラムが組まれているものがあります。音楽に合わせながら、軽いストレッチや運動を取り入れた妊婦向けのメニューがマタニティビクスです。
妊娠前から体を動かすことが好きな人は、特にリフレッシュになる運動のひとつとなります。通常のエアロビクスでは体への負担が大きいため、マタニティビクスを選び取り入れていきましょう。
マタニティビクスの水中バージョンが、マタニティアクアビクスです。水中では重たいお腹を感じることなく動けるため、開放感の中で運動することができます。
まずはゆっくりと水中でウォーキングをしながら、体をほぐしていきます。十分体がほぐれたら、音楽に合わせて水中で体を動かしていきましょう。陸上に比べると、疲れやすいので無理をせずに楽しむことが大切です。
妊娠初期におすすめの運動もあれば、避けておきたい運動もあります。体に負担がかかりやすいものや、危険度が高いものなどはやはり避けた方が賢明です。
健康のために始めた運動が、結局母体と胎児に良くない影響を与えることがないように注意しましょう。次に挙げられるものに該当するものは、避けることがおすすめです。
安定期に入ったとはいえ、安静にしなければならないことには変わりありません。妊娠初期の運動は、激しく動くものは避けましょう。
また妊娠してから初めて取り組むような慣れない運動も、注意が必要です。体に負担をかけてしまうだけではなく、激しい運動や慣れない動きで転倒する可能性も出てきます。
今までとは同じような動きができないことも意識しながら、体を動かすことが大切です。
スクワットや腹筋など、負荷がかかる筋トレなどは妊娠初期の運動に適していません。腹部に負荷がかかることで、子宮の収縮に繋がるため注意が必要です。
お腹に負担がかかる筋トレだけではなく、圧迫しやすいストレッチなども避けましょう。体を動かすことは大切ですが、お腹への刺激は控えるべきです。ストレッチやヨガは妊娠初期におすすめの運動ではありますが、体勢には気をつけなければなりません。
ストレッチやダンスを行う際に特に気をつけたいのが、身体をひねるような運動も避けなければいけないということです。もちろんストレッチ全般がNGというわけではなく、腹部に圧迫感を与えないものや身体をひねらないものであれば問題ありません。
身体をひねることは、必然的にお腹に圧迫感や刺激を与えることに繋がります。飛んだりはねたりする動きも、お腹に負担をかけるだけではなく怪我の原因になるため避けた方が良いです。
瞬発性の高いものや、相手と接触する可能性が高いものなどは妊娠初期の運動には向いていません。あくまでも妊娠時に推奨されているのは、軽めの有酸素運動です。
競技性の高いものは無酸素運動になる可能性もあるため、そもそも妊娠初期の運動に適していません。勝敗があるものよりは、自身のペースでゆったりと続けられる運動を心がけていきましょう。
競技性の高いものに近い特徴ですが、妊娠中はボール競技などお腹に強い衝撃を受ける可能性がある運動は避けてください。どんなに気をつけていても、ボールがお腹にあたってしまう可能性を免れないからです。
ボールの大きさなどは関係がありません。テニスやサッカー、バスケットボールなどは避けた方が良いでしょう。
妊娠初期の運動は健康のためにも推奨されていますが、気をつけなければならないポイントはあります。まずは過度な運動は、健康面でリスクを伴いやすいので無理をしない範囲で続けることが大切です。
またどんなにメニューが決まっていても、体調の異変が見られた場合には必ず運動を中止してください。自分自身の体調の変化にいち早く気付けるのは自分だけです。次の症状が現れた際には運動をやめて、安静にしましょう。
お腹に衝撃を与えていなくても、痛みを感じた場合には速やかに運動を中止してください。決して気のせいだと思って、無理をしてはいけません。
お腹の痛みの他に重苦しい感じがする際も、注意深く見守る必要があります。具体的な症状を記録し、医師に相談するようにしましょう。
お腹の痛みや重苦しさを感じるなどと同じように、お腹の張りを感じた時にも運動をする際に注意が必要です。お腹の張りは子宮の収縮によって引き起こされます。
安静にして収まれば良いですが、特に気をつけたいのがお腹の張りが収まらない場合や、お腹の張りを感じるタイミングが増えてきた場合です。これらの症状を感じた場合には、なるべく早く医師に相談をしましょう。
過度な運動や疲れによって、めまいが引き起こされる場合があります。運動が原因で引き起こされるなら、速やかに安静して体調が元通りになるまで待つ必要があります。
ここで無理してしまうと、転倒の原因になってしまうので注意が必要です。立ちくらみなどの症状が現れた場合には、医師に相談して指示を仰ぎましょう。
出血が見られた時は、すぐに運動を止めて医師に相談する必要があります。他に症状が見られなくても、流産や早産などのリスクを減らすためにも速やかな判断が必要です。
運動をするのはあくまでも、健康な状態を維持した場合です。少しでも体調に異変が見られた場合には、様子をみて今後の運動についても相談していかなくてはなりません。
自己判断で運動を続けていくのは、リスクが高いのでおすすめできません。
動悸や息切れがある際も、運動を止める症状のひとつです。妊娠初期で行う運動は、軽い有酸素運動なので、動悸や息切れが発生してしまうのは過度な運動にあたります。
また身体に対しても負担をかけている可能性が高いので、すぐに休息をする必要があります。また運動をした後は、急にやめてしまうと心拍数の増加などの原因になってしまうのでクールダウンの時間も取り入れましょう。
妊娠初期の運動は体調不良や、妊娠中の悩みの解消に繋がるメリットがあります。運動可能な条件を満たしているか確認をしたうえで、必ず医師と相談してから適した運動を日々の生活に取り入れていきましょう。
また家から出て運動をする際には、万が一のために保険証や財布、スマートフォンを持ち歩くのもおすすめです。水分補給なども忘れないようにしましょう。
母子共に健康を保つためにも正しい方法を取り入れて、運動を楽しんでください。