安産祈願の初穂料の熨斗袋の書き方とマナー5選|行事に対するマナー4選

安産祈願とは

安産祈願とは、妊娠5か月目に神社やお寺で無事に赤ちゃんを出産できることを祈る儀式を意味します。安産祈願をする日は、日取りのいい戌の日を選ぶ方が多いのが特徴でしょう。


安産祈願の儀式の中には、祈祷と着帯式と呼ばれるものがあり、着帯式では腹帯と呼ばれる帯を妊婦さんのお腹に巻く儀式です。神社やお寺で用意してくれることもありますが、用意がなければ帯を持参するのが通例です。

そもそも初穂料とは

安産祈願の際に用意する「初穂料」とは、神社やお寺に渡す祈祷料のことを意味します。古くは穀物の収穫を神様に感謝する意味合いから、「初穂料」という名前が付けられたと言われています。


初穂料の金額相場は、5,000円から1万円の間となり、神社やお寺によっては金額が指定されている場合もあるため、事前にホームページなどでチェックしておくといいでしょう。

初穂料の熨斗袋の種類

初穂料を渡す際は、紅白の水引を使用した蝶結びの熨斗袋を使用するのが一般的です。水引には結び切りと蝶結びの2タイプがあり、蝶結びは「何度繰り返してもいいこと」という意味が込められています。


結び切りは、「一度だけ」という意味があり、結婚式の際に使用される水引です。熨斗の種類は数多くあり、地域によっても風習が異なる場合があるため事前に調べておくといいでしょう。

安産祈願の場所

安産祈願の場所は、実家や自宅などから近く、安産祈願を行える神社やお寺を選ぶようにしましょう。妊娠5か月目は安定期と呼ばれる時期のため、妊婦さんの体調も比較的安定している時期です。


しかし、妊婦さんの体調はその日によって異なるため、体調を考慮しながら祈祷する場所を選ぶことをおすすめします。

安産祈願のタイミング

安産祈願をするタイミングは、戌の日と大安の日が重なる日が多い傾向にあります。戌の日とは、12日ごとに設定されている日で、犬はお産が軽く、たくさん子供を産むことから縁起のいい日とされています。


戌の日と大安の日が重なる日は多くの人が安産祈願に訪れる可能性があるため、場所や妊婦さんの体調を考慮して決めるようにしましょう。

安産祈願に持参する熨斗袋の書き方5選

安産祈願に行く際は、初穂料を熨斗袋に入れて持参する方が多い傾向にあります。熨斗袋とは、冠婚葬祭などにおいて金銭を渡し債に使用する袋のことを意味します。


表書きや名前などは手書きをする方も多く、書き方にも正しいマナーがあります。また、熨斗袋にはさまざま種類があり、シーンによって表書きや水引の種類が異なります。次は、安産祈願に持参する熨斗袋の書き方についてくわしく見ていきましょう。

安産祈願に持参する熨斗袋の書き方1:表書きの書き方

安産祈願に持参する熨斗袋の表書きは、「初穂料」または「御礼」と書くのが一般的です。熨斗袋の表書きとは、熨斗袋に得かがれた水引の上部分を表します。


表書きを書く場所は、袋の上段の真ん中に書くのがマナーです。表書きを書く際は、必ず濃い墨の筆ペンなどで記載しましょう。薄墨は弔事の際に使用する筆となるため、安産祈願などの慶事では使用しません。

安産祈願に持参する熨斗袋の書き方2:中袋の書き方

熨斗袋の中に中袋がある場合は、中袋の表面に金額。裏面に住所と氏名を記載するのがマナーです。中袋に金額を記載する場合は、漢数字を使用します。


たとえば、1万円の場合は「壱萬円」と書き、数字部分に気をつけて記載しましょう。円の部分は、「円」か「圓」のいずれかを選びます。初穂料に限らず、熨斗袋の金額は漢数字を使用することをしっかり頭に入れておきましょう。

安産祈願に持参する熨斗袋の書き方3:裏書きの書き方

中袋の裏面には、ご自身の住所と氏名を記載するのがマナーです。記載する場所は熨斗袋の左下で、住所は郵便番号から丁寧に記載するといいでしょう。


郵便番号や番地などの数字を記載する場合も、縦書きとなるため漢数字を使用します。安産祈願の場合、氏名欄は夫婦の連名を記載するのが一般的で、苗字が同じ場合は、苗字を書いた後に両名の名前を書きましょう。

安産祈願に持参する熨斗袋の書き方4:中袋がない場合

熨斗袋で中袋のないタイプは、熨斗袋の裏面に金額、住所・氏名を記載します。熨斗袋に入れる金額が高額でない場合は、中袋なしで渡しても問題ありません。


安産祈願に限らず、渡す金額が少額の場合は中袋をあえてなしで贈る方もいます。中袋なしで贈る意味は、「お返しは不要」という意味が込められているため相手に対して失礼ということはありません。

安産祈願に持参する熨斗袋の書き方5:お札の向き

熨斗袋にお金を入れる際は、必ずお札の向きをすべて揃えて入れるのがマナーです。熨斗袋に入れるお札は汚れやシワのないお札を選び、すべてのお札の向きを揃えます。


中袋に入れる際は、お札の顔が印字されている面を上に向けて入れましょう。安産祈願のように慶事の場合は、必ずお札を上向きにして入れるのが常識です。弔事の場合は、お札の表面を裏にして入れることを覚えておくといいでしょう。

安産祈願に行く際に守りたいマナー4選

安産祈願に行く際は、服装や初穂料の渡し方などの正しいマナーを理解しておく必要があります。神社やお寺などでは参拝する際、お参りする前に手を洗ったり、鳥居の前で一礼するなどのルールがあります。


安産祈願は神職に祈祷してもらうので、相手に失礼のないようにすることが大切です。では、安産祈願に行く際に守りたいマナーについてくわしくご紹介しましょう。

安産祈願に行く際に守りたいマナー1:服装

安産祈願に行く際の服装は、過度な露出のない清楚な服装で行くのがマナーです。神仏の前では肌を露出することは失礼に値すると言われており、手足が隠れる服装をするのが一般的です。


スカートであればひざ下丈のものを選び、トップスはノースリーブなどの袖のないタイプは避けることをおすすめします。また、足元もサンダルのような肌が見える靴は避け、足を覆った靴を選ぶようにしましょう。

安産祈願に行く際に守りたいマナー2:腹帯

安産祈願の際は、腹帯をお腹に巻くのが慣習の1つです。腹帯とは、さらしのような帯のことで、妊婦さんの大きなお腹をサポートするために使われる帯を意味します。


神社やお寺によっては腹帯を用意してくれるところもありますが、場所や地域によって異なります。事前に腹帯を準備する必要がある場合もあるので、あらかじめチェックしておくといいでしょう。

安産祈願に行く際に守りたいマナー3:初穂料の熨斗袋はふくさに入れる

神職に初穂料を渡す際は、熨斗袋をふくさに入れて渡すのがマナーです。ふくさとは、熨斗袋を包むための小さな風呂敷のようなもので、封筒のように熨斗袋を差し込むタイプもあります。


冠婚葬祭で熨斗袋を渡す際にも必ず使用するもので、バッグから直接熨斗袋を渡すことはマナー違反とされています。さまざまなシーンで使えるものなので、1つ用意しておくといいでしょう。

安産祈願に行く際に守りたいマナー4:帯代やお祝いのお返し

安産祈願の際にお祝いなどをもらった場合、帯祝いとして食事を振舞うのが慣習となっています。帯祝いとは、母親と子供の健康を願い、身内でお赤飯などの食事をすることを意味します。


安産祈願の後に帯祝いをする際は、予算や人数をあらかじめ決めておくといいでしょう。また、お祝いなどをいただいた場合は基本的にお返しは不要ですが、焼き菓子などをささやかなお返しを渡すのもおすすめです。

安産祈願のお参りや初穂料は事前に準備しよう

安産祈願とは、母子ともに健康であることを願い、神社やお寺などで祈祷してもらう儀式のことを意味します。神職に祈祷してもらう際は、初穂料と呼ばれるものを渡すのがマナーです。


表書きには「初穂料」か「御礼」と書き、金額の相場は5,000円から1万円となるので覚えておきましょう。安産祈願後は、母子の健康を祈るために帯祝いを行うのが慣習の1つです。妊婦さんの体調を最優先し、マナーを守って安産祈願を行いましょう。