水中出産ができる3つの条件とは?水中出産の利点についても解説

そもそも水中出産って?

どのようなバースプランにしようかと考え始めたママは、水中出産とはどのような出産かご存知でしょうか。


水中出産とは、約37度の温水プールの中で出産する方法です。水中では浮力が働くので、ママは体勢を自由に変えられるのが特徴です。また、温水は心身ともに緊張をほぐす効果があるため、陣痛を和らげる効果もあると言われています。


なお産院によっては、配偶者の方も一緒にプールに入ってお産ができるところもあります。

分娩台を使用しない出産法「アクティブバース」

水中出産とは、アクティブバースに含まれる1つの出産方法です。アクティブバースは、出産を控えるママが自主的に、どこでどのようなお産をしたいのか選択する自由分娩のことを意味します。


出産する場所を分娩台と限定せずに、ママにとってリラックスできる姿勢や場所などを選んでいきます。ただし、アクティブバースを取り入れる際には、ママが自主的に体重管理などの自主管理をすることやお産について知識を持つことが大切です。

水中出産の利点5つ

アクティブバースでもある水中出産には、どのような利点があるのでしょうか。例えば、温水によってリラックスできること、浮力によって自由な体勢になれることなどが挙げられます。


さらに詳しく水中出産の利点を知っていくために、ここからは水中出産の利点を5つご紹介していきます。バースプランを検討しているママは、ぜひ水中出産の利点も参考にしてみてください。

水中出産の利点1:鎮痛効果やリラックス効果がある

利点の1つ目は、温水に浸かると鎮痛効果やリラックス効果があることです。


水中出産では、約37度の温水に浸かって出産します。そのため、水による浮力によって、全身の緊張がほぐれてリラックスすることが可能です。また、そのように緊張がほぐれることで、陣痛が緩和される効果もあります。

水中出産の利点2:自由な体勢で出産できる

利点の2つ目は、浮力によって自由な体勢で出産できることです。


水中出産では水中にある浮力を利用して、ママが出産しやすい体勢へ自由に変えることができます。ママ自身が痛みを軽減できる体勢や、いきみやすい体勢に変えられるので、動きやすい環境と言えるでしょう。

水中出産の利点3:主体的な出産ができる

利点の3つ目は、ママが主体的な出産ができることです。


ご紹介したよう、水中出産はアクティブバースの1つです。そのため、水中出産を選択した場合、医師や助産師さんにお任せの出産ではなく、ママが主体的に行う出産となります。


しかし、水中出産を始めとするアクティブバースを取り入れる場合は、ママの体調管理も病院任せにしないようにしましょう。水中出産ができる条件などがあるため、体調管理も主体的に行うことが大切です。

水中出産の利点4:出産直後に赤ちゃんを抱っこできる

利点の4つ目は、出産直後に赤ちゃんを抱っこできることです。


水中出産は、出産専用の温水プールで行われます。そのため、赤ちゃんが生まれたらママはプールの中ですぐに赤ちゃんを抱っこすることができます。生まれてすぐの赤ちゃんを抱っこしたいと希望するママは、水中出産を検討してみると良いでしょう。

水中出産の利点5:パパも一緒に入れる

利点の5つ目は、パパも一緒に出産用のプールに入れることです。


水中出産ができる産院によっては、パパも一緒に温水プールに入れるような大きめのプールを備えるところがあります。そのため、夫婦一体での出産をすることも可能です。


さらに前項でご紹介したように、生まれてすぐの赤ちゃんを抱っこすることができるため、家族の絆を形成しやすくもなるでしょう。家族と一緒に出産ができるかどうか、あらかじめ産院に確認してください。

水中出産の弱点5つ

バースプランで水中出産を検討する場合には、利点だけではなく弱点も知っておくことが大切です。例えば、弱点の中には、浮力でいきみにくいことや、緊急時の対応が遅れることなどがあります。


ここからは、水中出産の弱点5つについて詳しくご紹介していきます。水中出産の利点と弱点、どちらも検討した上で、どのようなバースプランにするか決めていきましょう。

水中出産の弱点1:力が入りにくい

弱点の1つ目は、浮力の影響で力が入りにくいことです。


水中出産の利点にて、水の浮力があるからこそママが自由な体勢になれるとご紹介しました。しかし、そのように浮力があるからこそ、逆に力が入りにくくなり、いきみにくいと感じるママもいるようです。


もし、いきみが弱くて出産が長引くと、分娩台にて出産しなければいけなくなることもあることを理解しておきましょう。

水中出産の弱点2:緊急時の対応が遅れる恐れがある

弱点の2つ目は、水中にいるため緊急時の対応が遅れる恐れがあることです。


例えば、水中出産をしているときに大出血した場合、水中にいることでどれほど出血量があるのか分からずに対応が遅くなる恐れがあります。


また、その他の緊急事態になった場合も、水中から分娩台へ移動して対応しなければいけないときには、移動する分だけ対応が遅れてしまうことも少なくありません。水中では緊急時に即座に対応できないと、よく理解しておきましょう。

水中出産の弱点3:感染症のリスク

弱点の3つ目は、水中で細菌に感染するリスクがあることです。


もし、水中出産するプールの水の衛生管理が徹底されていない場合、生まれてきた赤ちゃんが水中にある細菌に感染する恐れがあります。そのため、分娩台で出産するよりも、細菌に感染するリスクが高いことを理解しておくことが必要です。


水中出産する産院を選ぶ際には、設備の衛生管理にも注目することが大切でしょう。

水中出産の弱点4:対応している産院が少ない

弱点の4つ目は、水中出産に対応している産院が少ないことです。


アクティブバースやフリースタイルの出産を取り入れる産院が増えているものの、水中出産に対応している産院はまだ少ないのが現状です。


水中出産する際には設備面で注意すべきことがあるため、選択肢が少ない中でも安全に水中出産ができる産院を選ぶようにしましょう。

水中出産の弱点5:費用が高い

弱点の5つ目は、自然分娩よりも費用が高いことです。


水中出産を選択すると、多くの産院では自然分娩の費用に追加料金が請求されます。なぜなら、産院も水中出産ができるプールなどの設備を維持する費用がかかるからです。


また、出産のときに何かしら問題があり陣痛促進剤を使用したり、帝王切開をする必要があったりすると、自然分娩と同様にその分追加料金が請求されます。

水中出産の費用の目安

水中出産を選択した場合、自然分娩の料金にプラスして、数万円ほど増額する傾向にあります。産院によって水中出産にかかる追加料金は異なります。そのため、産院のホームページなどで料金をあらかじめ確認しておくことが大切です。

水中出産ができる条件3つ

水中出産の利点と弱点が分かったところで、ここからは水中出産ができる条件を3つご紹介します。


残念ながら、水中出産はママならば誰でもできる方法ではありません。そのため、水中出産を検討するママは、あらかじめどのような条件が必要となるのかを知っておきましょう。

水中出産ができる条件1:妊娠の経過が順調である

条件の1つ目は、妊娠の経過が順調であることです。


水中出産するためには妊婦検診で受ける検査結果に異常がなく、妊娠の経過が良好である必要があります。そのため、もし妊婦検診で何かしら病気が発見された場合や持病がある場合は、水中出産はできないでしょう。


水中出産を希望するママは、妊娠中から水中出産ができるような状態であるかを医師などに確認してください。

水中出産ができる条件2:胎児の心拍に異常が見られない

条件の2つ目は、胎児の心拍に異常が見られないことです。


条件の1つ目と同様に、妊娠の経過が順調であることが水中出産ができる前提となります。そのため、胎児の心拍に異常がある場合は、出産のリスクが高くなり水中出産できないでしょう。


その他、双子のような多胎児、また逆子の場合もハイリスクな出産と判断されるため、水中出産はできないことを知っておきましょう。

水中出産ができる条件3:胎児の推定体重が2,500g以上

条件の3つ目は、胎児の推定体重が2,500g以上であることです。


もし、胎児の出生体重が2,500g以下である場合は、低出生体重児と世界保健機関にて定義されています。そして低出生体重児は、体や臓器などが子宮外の生活に適応できるまで成熟していない可能性が高いため、出生後は適した施設にて治療を受けることが勧められているのです。


そのため、胎児の推定体重が2,500g以下である場合にはリスクを伴うため、水中出産はできないと言われています。

新生児に関する用語についての勧告

水中出産について理解を深めよう!

アクティブバースの1つでもある水中出産は、専用の温水プールの中で出産する方法です。水中出産では温水に浸かることでリラックスできたり、自由な体勢で出産ができたりするという利点があります。


しかし、反対に緊急時の対応が遅れることや感染症のリスクがあることも理解しておかなければいけません。水中出産を検討しているママは、水中出産について知識を深めてからバースプランを決めていきましょう。