現代で言う胎教は、決まった定義がありません。
教育という意味で使用されたり、リラックスしたマタニティライフを送るという意味や、お腹の赤ちゃんとのコミュニケーションとして使用されたりします。
色んな意味を持つ胎教ですが、実践することで親子の絆を育めることに変わりありません。妊婦さんになった方は積極的に胎教を行ってみましょう。
妊娠5ヶ月くらいになると、赤ちゃんの聴覚機能が発達し、ママの声を覚えるようになります。
胎教は赤ちゃんとのコミュニケーションですので、お腹の赤ちゃんを意識して話し掛けてあげたり、お腹に手を置いて赤ちゃんと触れ合っているイメージで取り組んでみましょう。
慣れ親しんだ声の中で成長する事は、赤ちゃんにとって安心感に繋がります。
胎教を通した赤ちゃんとのコミュニケーションは、脳の発達を促し、情緒が安定した子に育つばかりでなく、昼夜逆転の予防にもなります。
また、出産後の憂鬱感を遠ざけ、子育てを楽しいものとする心構えや母性を育む事にも繋がります。胎教はママにとってメリットであり、おすすめのコミュニケーション法と言えるでしょう。
一口に胎教といっても色んな方法があります。
ここでは胎教を始める時期・赤ちゃんに話しかける・お腹の赤ちゃんにあだ名を付ける・お腹をなでる・軽い運動をする・絵本を読み聞かせる・音楽を流すといった胎教の始め方を7つ紹介していきます。
胎教を始める時は、ママ自身がリラックスした状態であることが何より大切です。赤ちゃんと接する時は、心を穏やかにしてストレスフリーで臨みましょう。
それでは、具体的にいつから胎教を始めたらいいのでしょうか。
実は、「この期間から始めるのが良い!」という決まりはありません。
しかし、妊娠初期はつわりで、心身共に余裕がない方も多いでしょう。体調が悪い中で無理に始めるよりも、つわりが軽減されて胎動を感じ始めると言われる、18週~20週ごろが胎教にチャレンジしやすい時期と言えるでしょう。
胎教の中でも簡単に実践できるのが、赤ちゃんに話しかける事です。とは言っても、最初はどんな事を話せば良いのか分からないという方もいることでしょう。
そんな方にはまず、「おはよう」と「おやすみ」の挨拶から始めてみる事をおすすめします。
挨拶に慣れてきたら、日常の出来事やママの気持ちなどを話してみましょう。毎日の会話が、赤ちゃんと絆を深める第一歩になります。
最近では、産まれてから付ける名前とは違う、妊娠期間限定の「あだ名」を付ける人が増えてきています。
あだ名を付ける事によって、赤ちゃんとのコミュニケーションがスムーズに進んだり、夫婦間で赤ちゃんの話をする時に用いれば、色んな事を共有しやすくなったりします。
あだ名を付ける事はママやパパ、周囲の人達にも、赤ちゃんが出来た実感や愛着を与えてくれます。良い機会ですので、赤ちゃんに「あだ名」を付けてみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの五感の中でも、触覚は早い段階で発達します。
ママが優しくお腹をなでてあげる事で、手のぬくもりや温かい気持ちが伝わり、赤ちゃんにとって良い刺激となります。赤ちゃんに話しかける時には、ぜひ、お腹をなでながら話しかけてみて下さい。
また、お腹をなでるなどのスキンシップは、愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の分泌を促すと言われています。オキシトシンはストレスを緩和させたり、前向きな気持ちにさせてくれるだけでなく、心臓の機能を上げる、感染予防に繋がるなどのメリットもあるようです。
妊娠中の運動は、便秘や腰痛の改善、ストレス発散にも効果があります。
手軽に始められるのはウォーキングですが、マタニティプログラムのあるヨガ・ピラティス・スイミングなども人気があります。
また、日常生活の中に「階段上り」などの手軽な運動を組み込むだけでも、十分な運動効果を得られます。とはいえ、妊娠中の激しい運動は逆効果です。妊娠初期と臨月直前の運動は避け、お腹が張る時や体調がすぐれない時はすぐに中断しましょう。
赤ちゃんに絵本を読み聞かせる事は、聴覚を通じて脳の発達を促す事に繋がります。
さらには、出産後、妊娠中に読んでいた絵本を読み聞かせていたら機嫌が直った、大きな反応を示して聞きたがる、といった事例もあるので、絵本の読み聞かせで得られるメリットはたくさんあります。
絵本は、ママの好きな本や気分が明るくなる本を選ぶと良いでしょう。大事なのは、ママがリラックスしながら読み聞かせる事です。
胎教に良いおすすめの絵本は、ストーリー性のある絵本・擬態語や擬音語がたくさん登場する絵本・キャラクターや絵が大きく、色使いのはっきりした絵本・英語の絵本・ママの好きな絵本などです。
特におすすめの絵本が、キャラクターや絵が大きく、色使いのはっきりした絵本です。
目で追いやすい特徴のある絵本は、視力の弱い、生後間もない赤ちゃんにも早い段階で読み聞かせる事ができます。
一般的に、胎教にはクラシックが良いとされていますが、一概には言えないようです。
ママが聞いていて心地よいと思える音楽があれば、ロックやポップスなどジャンルにこだわる必要はありません。しかし赤ちゃんの聴覚は鋭いので、必要以上に音量を上げたり、激しすぎる音楽を聞くのは避けた方が良いでしょう。
音楽の聞かせ方ですが、スピーカーをお腹にあてるなどして、出来るだけ近づけて聞かせるのが良いでしょう。無理に聞かせなくても、ママ自身が音楽を聞くことでリラックスできるなら、それが良い胎教になるのです。
音楽を流す方法で身近に実践できるやり方と言えば、CDを利用した方法でしょう。
購入が難しい場合は、レンタルショップなどを利用するのも手です。購入するよりも安価で、色んなジャンルの音楽に触れ合えるだけでなく、レンタルショップで試聴できる場合もあるので、ぜひ活用してみましょう。
最近では無料のアプリで、胎教用の音楽を聞くことも出来るようになりました。
クラシックはもちろん、ママ自身がリラックスできる音楽もありますので、手軽に始めたい方はぜひ、探してみて下さい。
ここからは、胎教に良い音楽の選び方6つを紹介します。
胎教に良い音楽として、ママが好きな曲・子守歌や童謡・クラシックの曲・ディズニーの曲・ジブリの曲・オルゴール演奏の曲が挙げられます。
1つずつ紹介してきますので、ご自分に合った音楽を選んでみて下さい。
ママ自身が聞きたいと思った音楽を聞くだけでも、それは立派な胎教になります。
ママがリラックスできる音楽を聞く事が、赤ちゃんにとってもリラックスできる良い状態になるのです。無理をしてクラシックや興味のない音楽を聞く必要はないでしょう。
好きな音楽が思い付かない場合は、「マタニティ」というジャンルの音楽を聞いてみるのもオススメです。赤ちゃんと一緒に安心できる音楽が収録されています。
高めの音域で作られた子守歌は、赤ちゃんにとって聞き取りやすく、リズムやテンポが一定で落ち着きやすいので、胎教にピッタリの音楽です。
子守歌は、ねんねころりよ・ゆりかごのうた・きらきら星・シューベルト作曲の子守歌などがおすすめです。
リズムやテンポが一定といえば、童謡もあります。ママが知っている童謡を赤ちゃんに歌ってみるのも良いでしょう。童謡はぞうさん・チューリップ・大きな古時計などがおすすめです。
ママが無理なくクラシックを心地よく感じられるなら、ぜひ取り入れてみましょう。
クラシック音楽は右脳を活性化させ、記憶力や集中力、ひらめき、理解力などが引き出されると言われています。
おすすめはパッハヘルベルの「カノン」・ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」・ショパンの「24の前奏曲」などですが、クラシックにはどの曲にも、よい周波数・よいゆらぎと言われるものが含まれているそうなので、どの曲を選んでも赤ちゃんが心地よく感じる事でしょう。
胎教に良いクラシックと言えば、モーツァルトが有名です。モーツァルトの楽曲には「ゆらぎ」を持つものが多く、メンタルを安定させたり、自律神経を整えたりする効果的があります。
モーツァルトの中でも「2台ピアノのためのソナタ」、「アイネクライネナハトムジーク」という曲が特におすすめです。
ディズニー作品が好きな方には、「ディズニーマタニティー・ミュージック」というCDがおすすめです。
ディズニー好きにはたまらない名曲の数々がオルゴールで聞ける他、森の葉擦れ音や小川のせせらぎなども収録されているので、リラックスして楽しむ事ができます。
ジブリ作品が好きな方には、胎教用にアレンジされた「スタジオジブリの歌オルゴール増補盤」というCDがおすすめです。
その他にも、オーケストラアレンジされたCDや、ピアノで演奏されたアルバムも販売されているので、お好きなものを選ぶと良いでしょう。
ジブリの曲は豊かな自然や、のどかな町を連想させるメロディの曲が多いので、赤ちゃんと一緒にリラックスできます。
妊娠中、不安に思う事があったり、イライラを感じてしまう事があったら、ぜひオルゴールを聞いてみて下さい。
ママがゆったりした気持ちになれるだけでなく、オルゴールには高周波と低周波が含まれているので、全身の血流に良い影響を与えてくれるそうです。
オルゴールのおすすめは「マタニティ・オルゴール」です。胎教にはピッタリのCDですので、音楽選びに迷ったら聞いてみて下さい。
色んな胎教の種類を紹介してきましたが、ここからは、胎教をする時の注意点2つを紹介します。
胎教を行う際は、ママが神経質にならない事・ストレスを感じる胎教はやめる、という事が大切です。
メリットだらけの胎教ですので、ママ自身がおおらかな気持ちで行えるように心掛けましょう。
頑張って胎教に取り組んでみても、赤ちゃんからの反応がないと「胎教の意味がないのではないか」と思う方もいる事でしょう。しかし、焦って頑張りすぎるのは良くありません。
胎教は赤ちゃんとママの絆を深める事、そしてママ自身がリラックス出来るように、といった目的があります。
すぐに赤ちゃんからの反応がなくても焦らないで、胎教に対して神経質にならないように、ゆったりとした気持ちで取り組むようにしましょう。
ストレスを感じているのに、赤ちゃんの為だからといって無理に胎教を続けるのは良くありません。
ママがリラックスして落ち着いている状態こそが、赤ちゃんにとって心地よい状態ですので、ストレスを感じたらすぐに中断しましょう。
重ねてお伝えしますが、胎教をする上で欠かせない条件は、ママがリラックスした状態であることです。
妊婦さんの中には、仕事を続けている方、忙しくて胎教が出来ない方もいらっしゃる事でしょう。積極的に胎教が出来ない方でも、負い目を感じたり、焦る必要はありません。
ママがリラックスした状態で過ごそうという心掛けを持つだけでも、赤ちゃんにとっては充分な胎教になります。胎教を通して、ぜひ楽しいマタニティライフを送ってみて下さい。