出産を控えているママは、ソフロロジー式分娩とは何かご存じでしょうか。
ソフロロジー式分娩とはお産の前にイメージトレーニングなどを行い、お産に対する不安や恐怖を減らして前向きな気持ちでお産に臨む分娩です。
ソフロロジーとは、精神の安定と調和を学ぶ学問と言われています。そのソフロロジーを取り入れた分娩では、妊娠中に行うイメージトレーニングなどの影響から、お産が楽しみになるというママもいるようです。
ソフロロジー式分娩は、イメージトレーニングや呼吸法などを活用することでリラックスした気持ちでお産ができると言われます。そのため、お産の痛みが少ないことが多いようです。
そこで、無痛分娩とは何が違うのでしょうか。無痛分娩とは、お産の痛みを軽減するために麻酔を使用します。しかし、ソフロロジー式分娩は薬の影響で痛みが軽減するのではなく、イメージトレーニングなどの影響から軽減します。
ソフロロジー式分娩をするためには、妊娠中からトレーニングをする必要があります。
ソフロロジー式分娩に必要なトレーニングとは、イメージトレーニング、呼吸法、エクササイズの3つがあります。
例えば、リラックスできる音楽を何度も聞いて、お産をイメージします。そのようなイメージトレーニングをしていると、実際のお産の時にもリラックスできるのです。また、ゆっくりと長く、そして深く吐くことを意識した呼吸法も有効的です。
イメージトレーニングなどをすることで、前向きな気持ちでお産に臨めるのがソフロロジー式分娩です。
ソフロロジー式分娩には、その他にも利点があります。ソフロロジー式分娩を検討しているママは、ぜひ以下でご紹介する6つの利点を参考にしてください。
利点の1つ目は、出産の痛みを感じにくいことです。
ソフロロジー式分娩では、妊娠中にイメージトレーニングや呼吸法を練習しておくことで、実際にお産をする時にはリラックスすることができると言われます。そのようにリラックスすることで、筋肉の緊張を緩めることができるのです。
筋肉の緊張が緩和されることで、陣痛や分娩時の痛みも緩和されると言われます。
利点の2つ目は、分娩がスムーズに進むことです。
ソフロロジー式分娩では、長くそして深く吐くような呼吸法を心がけます。そのため、前項でご紹介したように筋肉が緩むので産道も緩み、赤ちゃんがスムーズに出てきやすくなります。また、産道が緩めば赤ちゃんへの圧迫も少ないようです。
ソフロロジー式分娩のために、妊娠中から深い呼吸法を学んでおけばスムーズな分娩になる可能性があるのです。
利点の3つ目は、赤ちゃんに酸素が届くことです。
ソフロロジー式分娩では、分娩中の呼吸法に重きを置きます。そのため、ママがリラックスしてお産ができ、赤ちゃんへも十分な酸素が行き渡ると言われます。
赤ちゃんへ酸素が行き渡っていると、もちろん赤ちゃんは元気に産まれてくる可能性が高くなるでしょう。また、酸素が行き渡った赤ちゃんはピンク色で産まれてくるとも言われます。
利点の4つ目は、産後の回復が早いことです。
ソフロロジー式分娩に臨むママは、お産前からイメージトレーニングや呼吸法を練習します。そのため、実際にお産をする時にもリラックスできるため、筋肉の緊張が少ないままでお産ができます。
だからこそ、体の筋肉が緊張せずにお産ができれば、無駄に体力を消耗することがないため、産後の回復も早いと言われます。
利点の5つ目は、体力を消耗せず出産できることです。
ソフロロジー式分娩に臨むママは、妊娠中から音楽を何度も聞いてお産のイメージトレーニングをします。そのため、もし初めての陣痛が来ても、パニックせずにリラックスして陣痛やお産に臨むことができるのです。
また、そのように陣痛やお産に対してパニックしなければ、無駄な体力を消耗することもありません。前項でご紹介したよう、無駄な体力を消耗しなければ産後の回復も早くなります。
利点の6つ目は、出産に対して前向きになれることです。
ソフロロジー式分娩は、お産や陣痛への恐怖心や不安な気持ちを前向きに変えるために、妊娠中からイメージトレーニングを行います。
イメージトレーニングでは音楽を聞きながら、これまであった幸せな経験などをお産のイメージと合わせていきます。そうすることで、「陣痛は赤ちゃんに会うための時間」など前向きな気持ちに変わりやすくなるのです。
これまでで、ソフロロジー式分娩にはどのような利点があるかおわかり頂けたでしょうか。
ご紹介したように、多くの利点があるソフロロジー式分娩です。しかし、利点だけではなく、欠点もあります。ソフロロジー式分娩をすると決断をする前に、ぜひどのような欠点があるのかご覧ください。
欠点の1つ目は、全員に効果があるわけではないことです。
これまでご紹介したように、ソフロロジー式分娩は出産中にイメージトレーニングなどを行うことでリラックスしてできる分娩です。しかし、イメージトレーニングという気持ちに頼る部分があるため、ママによっては効果がないことがあります。
また、イメージトレーニング自体をすることが難しいというママには、あまり適していないと言えるでしょう。
欠点の2つ目は、練習の効果がでない可能性もあることです。
ソフロロジー式分娩をすると決めたママは、妊娠中からイメージトレーニングや呼吸法を練習して準備をします。しかし、実際に陣痛やお産の時になると、痛みが強くて練習したことが実践できない場合もあるようです。
また、分娩が正常に進行しない場合は練習と違う場面になることもあります。
ソフロロジー法は基本怒責はかけませんが、緊急時は怒責をかけたり、必要であれば吸引分娩になったりなど急いでお産にすることもあります。
練習をしていても、絶対に練習したような呼吸法や前向きな気持ちを持ち続けられるわけではないことを理解しておきましょう。
欠点の3つ目は、向いていない人もいることです。
ソフロロジー式分娩をするためには、妊娠中から何度もイメージトレーニング、呼吸法やエクササイズをする必要があります。そのため、そのようなトレーニングや練習をすることが苦手な人には向いていません。
中には、イメージトレーニングをするのが難しいというママもいるでしょう。自分がソフロロジー式分娩に向けたトレーニングなどが、苦なくできるかどうか検討してください。
ソフロロジー式分娩の利点と欠点のどちらも理解できたところで、ここからはソフロロジー式分娩の呼吸法をご紹介していきます。
実際に、出産が始まった時に行う呼吸法の3つをご紹介します。ソフロロジー式分娩では痛みを緩和するために、お産の進み具合で呼吸法を変えていくのです。
ソフロロジー式分娩を検討しているママは、ぜひ以下の呼吸法を練習してみましょう。
呼吸法の1つ目は、陣痛初期に行う息を吹きかける呼吸法です。
陣痛初期には自分の指をろうそくに見立てて、ゆっくりと息を吹きかけます。まず、起立した状態か椅子に座った状態で、楽な姿勢をとりましょう。そして、顔の約30cm前に片手の人差し指を持ち上げてください。
その後、鼻から息を吸い、指先に向かって口から細く長く息を吹きかけましょう。そして、陣痛がおさまったら、自然な呼吸に戻してください。
呼吸法の2つ目は、陣痛の痛みを感じる場所が下がってきた時に行うソフロロジー式呼吸法です。
ソフロロジー式呼吸法をする際、まずあぐらをかいておへその下に両手を置きましょう。そして、口からゆっくりと強く息を吐きます。
息を吐き切った後には素早く息を吸って、少しの間息を止めてください。その後、また最初のようにゆっくりと強く息を吐きましょう。また、息を吸う際には、自然と吸ってください。
呼吸法の3つ目は、分娩の最終段階で行う娩出時の呼吸法です。
娩出時の呼吸法は、赤ちゃんの頭が出てくる頃から全身が出てくるまで行います。まず、仰向けになり、背中にクッションなどを置いて、上半身が少し持ち上がった状態になります。その際、両足は肩幅よりも少し広めに置きましょう。
そして、口からゆっくりと、深く強く息を吐きます。息を吐き切ったら、自然に息を吸いましょう。
ソフロロジー式分娩とは、妊娠中からイメージトレーニングや呼吸法を練習して、前向きな気持ちでリラックスしてお産をする分娩方法です。
妊娠中からイメージトレーニングをすることで、実際に陣痛が来た時にはパニックにならずリラックスして過ごすことができます。また、呼吸法を練習することで、体がリラックスして痛みが軽減することもあると言われます。
そのため、ソフロロジー式分娩をするママは妊娠中から練習をしておきましょう。