【専門家監修】陣痛が起こりそうな時に車の運転はOKなの?自分の運転で注意すべき6点

妊婦さんの運転自体はOKなの?

妊婦さんが自分で運転すること自体は問題ありません。実は、妊婦さんが運転してはいけない期間などは法律で決められていません。そのため、たとえ臨月で運転していたとしても、違法にはなりません。


しかし、妊娠中は、突然何が起きるのか分からないので車の運転に注意が必要です。人によって心身の状態は違いますので、どんなことに気を付ければ良いのか知っておくことが大切です。

シートベルトの着用について

シートベルトは、車に乗っているときはすべての座席で着用する義務があります。ただし絶対とは言えず、道路交通法では例外的に「病気などやむを得ない理由がある場合を除く 」とされています。


上記に当てはまる場合は仕方ありませんが、未着用の際万が一事故になった場合に大怪我をするリスクが高いため、運転中はシートベルトを締めることが基本です。

車の運転を控えるべき妊娠の時期とその理由

妊婦さんには、なるべく車の運転を控えた方が良い時期があります。妊娠中はどの期間もホルモンのアンバランス等で心身不調になりがちですが、特に気を付けたい時期があります。


もちろん個人差がありますので、必ずそうなるというものではありません。ここでは、運転を控えたい時期とその理由を説明していますので、参考程度に見てみてください。

車の運転を特に控えたい時期1:妊娠初期

妊娠初期はまだ体型に大きな変化は見られませんが、つわりがあったり寝不足だったりすることがあります。心身が不安定な傾向がありますので、自分では大丈夫と思っていても、運転中急に気分が悪くなる可能性もあります。


すぐに気が付いて休憩できれば良いのですが、気が付くのが遅いと事故に繋がる恐れがあります。また運転している場所によっては、すぐに止められないこともあります。なるべく運転は控えた方が安全です。

車の運転を特に控えたい時期2:臨月や陣痛発生に近い妊娠後期

臨月は、いつ陣痛が来てもおかしくない時期です。出産予定日より前に産まれる人も沢山いますので、予定日がまだ先だからと言って油断してはいけません。臨月や陣痛発生に近い妊娠後期は、いつ陣痛がおきて破水するか分かりませんので、運転は控えた方が無難です。


また妊娠後期はお腹が大きいため、普段通りに運転できない可能性もあります。ちょっとでもハンドル操作などがしにくいと感じたら、運転は止めておきましょう。

妊婦さんが運転中に注意すべき6点

妊娠中は自分で運転をしないことがおすすめですが、どうしても運転しなければならないこともあります。妊婦さんは毎月健診がありますが、夫が仕事だったり公共交通機関が少なかったりする場合も考えられます。


妊婦さんが自分で運転する場合、どんなことに注意すれば良いのか6つのポイントを説明します。運転する可能性のある人は、ぜひチェックしてみてください。

運転中に注意すべき点その1:陣痛や破水はいつ来るのかわからない

妊娠後期に限ったことではありませんが、陣痛や破水はいつ来るか分かりません。本陣痛に似た前駆陣痛においては、妊娠中期に起こる可能性もあるため注意が必要です。


急に陣痛や破水が来た場合、絶対に自分で運転しないようにしてください。パニックになったり、注意散漫で事故を起こしたりする可能性があります。


御家族の方に送ってもらう、陣痛タクシーを使う、近隣の親戚や友人に送って貰うなどもしものときの移動方法について、予め家族で相談しておくと慌てなくて済みます。

運転中に注意すべき点その2:陣痛の予兆?お腹が張る

妊娠中は心身ともに平常時とは違いますので、運転中にストレスが掛かってしまうことがあります。人によっては、ストレスが原因でお腹が張ることもありますので注意してください。


またストレスだけでなく、陣痛の予兆でお腹が張ってしまうこともあります。お腹の張りが長時間続くなどいつもと違うときは、運転を停止したり病院に電話相談したりするのがおすすめです。不安を抱えたまま運転を続けるのは止めましょう。

運転中に注意すべき点その3:身体が疲れやすくなる

車の運転は、ハンドルやブレーキ操作、周りの安全確認などの的確な判断が必要なため、思っている以上に気を張っています。妊娠すると心身ともにストレスが掛かりやすくなりますので、運転中は特に疲れがたまりやすいです。


妊娠前から運転が好きだった人も、妊娠中はいつもとは違うということを意識することが大切で、疲れを少しでも感じたら、休憩できる場所を探すのがおすすめです。

運転中に注意すべき点その4:休憩をしっかりとる

妊娠中はホルモンバランスの影響で注意力散漫になったり、体調を崩しやすくなっています。


運転が苦にならない、運転中の時間が気分転換になるという方もいますが、妊娠中はいつもの自分の身体と違います。


どうしても運転しないといけない時は、時間に余裕をもって予定をたて、休憩を取る時間をつくってください。

運転中に注意すべき点その5:母子手帳などを常に持つ

運転するときは、いざというとき慌てなくて済むように、母子手帳や保険証、病院の診察券は常に持っておくことがおすすめです。運転中に急に腹痛などで病院へ行く可能性もありますが、事故に遭って知らない病院へ搬送されることもあります。


母子手帳があれば、自分の状態や妊娠の経過が分かるため適切な処置を受けることができます。搬送先からかかりつけ医に連絡することもできますので、母子手帳は持っておくと安心です。

運転中に注意すべき点その6:シートベルトを正しく締める

シートベルトは必ず着用しなければなりませんが、お腹が大きくなると締めても大丈夫か不安になる人もいるでしょう。緊急時は着用免除がありますが、そうでない場合に未装着で運転することは大変危険な行為です。


警視庁のHPにも妊娠中のシートベルトの着用法が載っていますが、お腹が気になるときは腹部を圧迫しないように締めることがおすすめです。肩ベルトは胸の下に通し、腰ベルトは腹部の下の方に通すと締め付けが少ないです。

運転する妊婦さんを事故から守るマタニティシートベルトとは?

妊娠中は、シートベルトのお腹の圧迫が気になる人もいることでしょう。お腹への締め付けが心配な人には、マタニティシートベルトがおすすめです。マタニティシートベルトとは、お腹の圧迫を軽減させることのできるアイテムです。もしもの事故のときにも、腹部への衝撃を抑えることができます。


子供用のチャイルドシートとは違い、薄くて簡単に設置できるのがポイントです。運転席から後部座席など、座席の移動も簡単です。

マタニティシートベルト

妊婦さんが運転中にしてはいけないこと3点

妊娠中は心身への影響が大きく、運転中に急に具合が悪くなる可能性もあります。妊婦さんが運転中にしてはいけないことを3つ説明します。自分が運転することにより、自分だけでなくだけでなく赤ちゃんにも危険が及ぶことがあるため注意してください。

運転中にしてはいけないことその1:シートベルトの未装着

シートベルトは、緊急時以外は原則として着用が義務付けられています。必ずシートベルトを着用して運転しましょう。シートベルトでお腹が圧迫されるときは、シートベルトを外すのではなくマタニティシートベルトを利用してみてください。


シートベルトを着用していなかった場合、交通事故に遭うと大けがを負ってしまう危険性が高いです。自分と赤ちゃんの命を守るためにも、シートベルトはしっかりと着用しましょう。

運転中にしてはいけないことその2:長時間の運転

運転中は姿勢を変えることが難しいため、長時間運転すると足がむくんだり腰痛になったりと身体への負担が大きくなる可能性があります。長時間運転し続けることで身体の疲労が疲れがたまってしまうと、事故を起こす危険性も高くなるので注意してください。


長距離を走らなければならない場合は、途中で休憩を挟むのがおすすめです。

運転中にしてはいけないことその3:無理をしての運転

体調が悪いことが分かっていれば、その日検診があったとしても自分で運転して病院へ行ってはいけません。体調が急激に悪くなったり、陣痛や破水が起こることも十分想定できます。


体調が悪いときの運転は、自分だけではなく赤ちゃんまで危険にさらしてしまいますので、絶対に無理しないようにしましょう。

陣痛間近の妊婦さんが自分で運転しなくても良い3つの方法

陣痛間近まで運転している人もいますが、もし運転中に事故が起きてしまったら大変です。自分や赤ちゃんが危険に晒されるだけでなく、旦那さんや親戚にまで迷惑をかけてしまいます。自分で運転するのが怖いときは、他の選択肢を選ぶのがおすすめです。


陣痛間近の妊婦さんが、自分で運転しなくてもよい3つの方法をご紹介します。

運転しなくてもいい方法1:陣痛タクシーを使う

陣痛タクシーとは、妊婦さんを病院まで連れて行ってくれるタクシーサービスのことです。陣痛タクシーと言っていますが、陣痛のときだけでなく検診などにも利用することができます。


陣痛タクシーの注意点は、先に登録しておく必要があることです。登録しておくことで、優先的にタクシーを利用することができます。陣痛タクシーによっては、ドライバーが研修を受けていたり、タオルなどを準備したりしてくれているところもあります。

運転しなくても良い方法2:両親や友人などに運転をお願いする

自分の身体で別の命を育てることは容易なことではありません。大変なときは自分1人で頑張ろうとせず、両親や友人などに運転をお願いするのがおすすめです


ただし相手の都合もありますので、緊急でない場合は事前に運転のお願いをしておきましょう。健診など予め分かっている予定は、早めに伝えておくと良いです。

運転しなくても良い方法3:夫などパートナーに頼む

夫などのパートナーは、毎日そばにいるため現在の自分の状況を把握してくれています。自分で運転するのが難しいときは、可能であれば夫やパートナーに頼むのが1番です。子育ては夫婦で助け合う必要がありますので、大変なときに頼ることは悪いことではありません。

陣痛の危険がある妊娠中の運転は控えよう!

本記事では、妊娠中の運転について詳しく説明しました。陣痛が起こる危険性があるときは、くれぐれも自分で運転しないようにしてください。自分1人で頑張ろうとせず、周りの人や便利なサービスに頼りましょう。