【専門家監修】妊婦が暑いときにできる夏のおすすめ対策5つ!エアコンによる冷え対策を紹介

妊婦になると通常より暑く感じる理由5つ

妊婦は、一般的な人に比べて普通にしていても暑く感じてしまうことがあります。なぜそのような状態になってしまうのか、理由を5つご説明します。ホルモンバランスの変化など、妊娠による身体の変化が大きな原因です。


ポイントに分けて細かくご説明しますので、現在妊娠している人や身近に妊婦がいる人は参考にしてみてください。

妊婦が暑く感じる理由1:皮下脂肪の増加

妊婦が暑く感じるのは、皮下脂肪が増えたことが原因の1つです。皮下脂肪とは皮膚の下の脂肪のことで、皮下脂肪の増加は見た目でも判断できます。分かりやすく言うと、触ったときにぷにぷにしているところが皮下脂肪です。


この皮下脂肪は赤ちゃんの大きさに比例し、特に妊娠中期から後期に掛けて増加しやすくなります。脂肪は体温を保持する役割がありますので、増加すると基礎体温が高くなってしまいます。

妊婦が暑く感じる理由2:乳腺の発達

妊婦は乳腺が発達することで血流が良くなりますので、妊娠前より暑く感じることがあります。乳腺は母乳を出すために重要な部分で、分泌器官や母乳の通り道などがあります。


産後すぐに母乳が出るのは、妊娠中から母乳を出す準備をしているからです。乳腺が発達してきますと、主に乳腺周りが暑くなります。

妊婦が暑く感じる理由3:体温が上がる

女性は、排卵が起きると生理前まで高温期が続きます。妊娠するとその高温期がだいたい妊娠15週くらいまで続くと言われています。妊婦が暑いと感じる理由は、基礎体温の上昇も考えられます。

妊婦が暑く感じる理由4:ホルモンバランスが変化するため

妊娠中はホルモンバランスが崩れてしまうと言われていますが、そのせいで自律神経も乱れることがあります。


その結果、身体の中でうまく体温調節ができず身体の1部だけ火照ったような状態になったり、顔は暑いのに寒気がするなどの症状を感じる方もいます。

妊婦が暑く感じる理由5:お腹が大きくなり動きにくい

妊婦はたった数か月の間にお腹がどんどん大きくなりますので、身体が動かし辛く特に夏は暑く感じてしまいます。お腹の重さだけでも、胎児は出産前で約3kgもあり、その他にも胎盤や羊水の重さがずっしり掛かってきます。


お腹が大きくなりますと、それを支えるように歩かなくてはいけません。歩くだけで体力を使いますので、妊婦が暑く感じる原因の1つになります。

妊婦が夏の時期に気を付けること2つ

妊娠しているときは、それまでの身体とは違うことを意識しなければいけません。妊婦が夏バテや熱中症になってしまうと、お腹の赤ちゃんにも影響する可能性があるため注意が必要です。


妊婦が夏に気を付けたいことを2つご紹介します。

夏バテをしやすい

夏バテとつわりの症状は似ていますので、気付かない内に夏バテにならないよう注意が必要です。夏バテになると、食欲減退や倦怠感、ひどくなると立ちくらみがするなど危険な状態になることもあります。


食欲不振になった場合は、食事量が少な過ぎたり栄養が偏ったりすると赤ちゃんの栄養状態に影響する可能性もあります。お腹に赤ちゃんがいる分、普段よりも気を付けなければなりません。

熱中症に要注意!

妊娠中は、ホルモンバランスの変化や体力低下などにより、普段よりも熱中症になりやすい傾向があります。基礎体温が高い時期は、特に熱がこもりやすくなるため注意が必要です。


熱中症の症状は、主にめまいや頭痛、吐き気、体温上昇、けいれんなどです。妊娠すると、膀胱が圧迫されることにより頻尿になりやすいため、どうしても水分補給が控えめになる傾向があります。十分注意しましょう。

妊婦が暑いときにできる夏のおすすめ対策5つ

妊婦ができる暑さ対策を、全部で5つご紹介します。夏バテや熱中症を起こさないためにも、しっかり暑さ対策しておくことが大切です。ここでご紹介した方法を参考に、暑い日も快適に過ごしてください。

夏のおすすめ対策1:風通しの良い場所で過ごす

暑いときの1つ目の対策は、なるべく風通しの良い場所で過ごすことです。家の中にいる場合、もし外の気温の方が低ければ窓を開けることで涼しい風が入ってきます。


窓は風の通り道を作るために、2箇所以上開けるようにします。1つしか窓を開けていない場合、風の通り道がないため部屋の中が涼しくなりません。扇風機やサーキュレーターがあれば、それを使って空気の流れを作ると良いでしょう。

夏のおすすめ対策2:こまめな水分補給

妊娠中は汗をかきやすいため、こまめな水分補給が大切です。また汗だけでなく、妊娠中は身体に多くの水分を必要とするため、1日で2リットルが望ましいと言われています。暑い夏であれば、汗をかくことも考えてしっかり水分補給するのがおすすめです。


水分補給する際は、アルコールはもちろんNGですが、カフェインや甘いジュースの飲み過ぎに気を付けなければいけません。できれば常温の水や麦茶がおすすめです。

夏のおすすめ対策3:さっぱりしたものを食べる

3つ目の対策は、暑いときにでも食べやすいものを選ぶことです。外が暑いとアイスなどの冷たいものばかり食べたくなりますが、赤ちゃんと妊婦自身のためにも栄養バランスを考えながら摂取することが大切です。


きゅうりやトマトなどの夏野菜は、さっぱりしているだけでなく身体の熱をとる働きがあるためおすすめです。また意外かもしれませんが、鍋の材料によく使われる大根も暑い日に向いている野菜です。

夏のおすすめ対策4:エアコンの設定方法

暑い日はエアコンを使用する人も多いことでしょう。エアコンは簡単に涼しくできるため大変便利ですが、適切な設定にすることが重要です。たとえば部屋の温度を下げ過ぎた場合、身体が冷えすぎて体調不良を引き起こす可能性もあります。


涼しく過ごしたい気持ちがあっても、なるべく外の気温と、差が激しくなり過ぎないようにするのがポイントです。ここでは温度など、おすすめの設定方法をご紹介します。

設定温度は28度程度にする

エアコンの設定温度は、28度くらいがおすすめです。ただしこれは室温が28度になるように、ということで、設定を28度にするのが適切という意味ではありません。室温が上がり過ぎている場合は、設定が28度だとなかなか温度が下がらず体調を崩してしまう可能性があります。


室温を28度にすることは、下げ過ぎて体調不良にならないようにためでもあります。日当たりによっても状況が異なりますので、参考にしてください。

除湿機能を使う

部屋の中で快適に過ごすには、エアコンの設定温度だけでなく湿度も重要です。同じ温度でも湿度が高いと汗が乾きにくく、表面温度が上がって暑く感じてしまいます。逆に湿度を下げると、温度が変わっていないにもかかわらず表面温度が下がるため、暑さも感じにくくなります。


汗をかきにくい体質の場合は熱が身体にこもりやすいため、そいういったことにも注目しながらエアコンを設定してみてください。

夏のおすすめ対策5:タオルを巻いた保冷剤を使う

5つ目のおすすめ対策は、タオルを巻いた保冷剤で直接暑いと感じるところを冷やすことです。


注意点は、保冷剤が直接肌に触れないようにすることと、長時間同じ場所を冷やし続けないことです。保冷剤は手軽で使いやすいのですが、凍傷を避けるためにも使い過ぎに注意してください。


急いで身体を冷やしたいときは、太い血管の通っている首の後ろや脇を冷やすのがおすすめです。

夏のエアコンによる冷え対策3つ

夏の暑い日はエアコンをつけて薄着で過ごしてしまいがちですが、妊娠中は冷え対策をしておくことが重要です。


身体が冷えてしまうと、血液の循環がわるくなり、むくみの原因になることがあります。また頭痛や腹痛などを引き起こすこともありますので、妊娠中は特に気を付けて過ごしましょう。


ここでは、夏のエアコンによる冷え対策を3つご紹介します。何か身に着けるだけで、直接風が当たることを防げます。

夏のエアコンによる冷え対策1:腹巻きをする

お腹に赤ちゃんがいると、お腹が冷えることは気になってしまいますが、お腹の冷えが赤ちゃんに影響するかは、分かっていません。ただし妊婦自身には便秘などの影響が出る可能性がありますので、なるべく冷やさない方がいいでしょう。


腹巻きは、大きなお腹をすっぽりと覆えるのがポイントです。お腹が小さい間は普通サイズの腹巻きでも大丈夫ですが、窮屈になったら妊婦用の腹巻きを購入すると良いでしょう。

夏のエアコンによる冷え対策2:カーディガンを羽織る

冷え対策2つ目は、カーディガンを羽織ることです。カーディガンの良い点は、下着などと違って外でも簡単に脱ぎ着ができるところです。家にいるときは自分の好きな温度に設定できますが、職場やお出掛け中はエアコンの温度が合わず冷えてしまうことがあります。


薄めのカーディガンであれば、バッグにも入れやすく持ち運びにも便利です。ボタンを開けると着られるので、わざわざ妊婦用に買い足さなくていいところもポイントです。

夏のエアコンによる冷え対策3:レッグウォーマーを履く

冷え対策3つ目は、レッグウォーマーを履くことです。レッグウォーマーは、冷え性の人にもおすすめです。レッグウォーマーというと冬の印象が強いですが、夏用のレッグウォーマーも販売されています。


日中だけでなく就寝時の冷え対策にも使えます。またレッグウォーマーは、スカートやショートパンツなどにも合わせやすいため、冷え対策としてだけでなくおしゃれとしても身に着けられるのがポイントです。

妊婦さんが暑いときの対策で注意すること2つ

暑いときは自分でさまざまな対策をすることがありますが、妊娠中は避けた方が良いことを2つご説明します。ついやってしまいそうですが、妊娠中は以前の身体とは体質が異なることを意識することが大切です。


どんなリスクがあるのかも説明していますので、妊婦さんは注意してみてください。

冷たすぎる飲み物は避ける

妊娠中はただでさえ暑く感じてしまうことが多いため、暑い日には冷たい飲み物を飲みたくなるでしょう。しかし冷蔵庫から出したての飲み物や、氷を入れてキンキンに冷やした飲み物は避けた方が無難です。


妊婦が冷たい飲み物を摂取すると、身体が冷えて血流が悪くなる可能性があります。


冷たさに身体が驚いて胃に血液が集中してしまうと、倦怠感などの原因になることもあります。できれば常温の飲み物を飲むのがおすすめです。

水風呂を避ける

温泉が好きな人は、熱いお湯やサウナに入ってから水風呂に入ることを楽しみにしている人もいます。しかし妊娠中は、水風呂や冷たいシャワーを浴びるのを避けた方が良いです。水風呂に入ると、身体全体が冷たくなり血流が悪くなってしまいます。


急な温度差に身体が驚いて、血圧が急変してしまう可能性もあります。妊娠中は、体調不良にならないためにも、水風呂は避けた方が良いでしょう。

妊婦の暑い夏を乗り切ろう!

夏は妊婦にとって辛いものがありますが、毎年くる夏を避けて通ることはできません。


先に対策方法や注意点を知っておくことで、暑い夏も快適に過ごせます。また現在は昔に比べて猛暑日が増えてきています。熱中症や夏バテに気を付けながら、妊娠生活を楽しく過ごしましょう。