妊娠線とは皮膚が急激に伸びることで発生する、筋状の線のことを指します。妊娠線と聞くとお腹にできるイメージですが、お尻や太ももなどにもできてしまいます。
お腹が大きくなったり、体重が急激に増加したりする頃から妊娠線ができ始めます。一度できてしまうと、出産後も跡が残りやすく、悩んでいる妊婦さんも多いでしょう。
表面にある皮膚は柔らかいため、急激な体重増加にもついていけます。しかし表面皮膚の下にある真皮と皮下組織は伸びません。
真皮と皮下組織が急激な変化についていけずに、パチンとはじけるように割れてしまうことで、妊娠線が発生します。また妊娠中のホルモンバランスの変化により、コラーゲンが減少することも妊娠線の発生に繋がります。
肌の潤いや弾力が減少してしまうことで、妊娠線ができやすくなるのです。
お腹以外にもバストや太もも、ヒップは妊娠線ができやすい場所です。他にも二の腕や脇の下も妊娠線ができる場合があるので、妊娠中は全身のケアを丁寧に行うのが良いでしょう。
また秋から冬にかけての乾燥しやすいシーズンや、妊娠による体重増加がしやすい時期なども妊娠線がでやすくなります。体重増加してからでは遅いので、前もってケアをしながら注意すべき時期に備えましょう。
前もって保湿をすることで、妊娠線予防に繋がります。皮膚が固い状態でも妊娠線ができやすいので、マッサージをすることも大切です。
入浴中やお風呂上がりにたっぷり保湿して優しくマッサージすると、妊娠線対策になります。通常のボディクリームでも問題はありませんが、妊娠線ケア用のクリームもあるので、使った方がより効果を得られるでしょう。
香りやテクスチャの好みもあるので、好みの1本を見つけてください。
より効果的な妊娠線クリームの塗り方を部位別に紹介します。
お腹・お尻・腕・バスト・太ももの5つの部位に分けて紹介するので、ぜひ全身のケアの時に役立ててください。細かいケアを習慣化することで、妊娠線を防ぐことに繋がります。
まず最初に妊娠線ができやすいお腹へのクリームの塗り方を紹介します。妊娠初期はクリームをたっぷり手にとり、おへそを中心にして「の」の字を描くようにマッサージしていきます。
「の」の字を描くことで、妊娠中に起こりやすい便秘の解消に繋がります。お腹が大きくなってからは、お腹の下から胸にかけてクリームを伸ばしていきます。同じような容量で、脇腹も
下から上に向けてクリームを塗っていきます。
お尻も妊娠線ができやすい場所なので、適切な塗り方を知ってケアをしていきましょう。お尻の妊娠線クリームの塗り方は、2通りあります。
まずはたっぷりとクリームを手に取り、お尻の下から上に向けてクリームを伸ばしていきます。ヒップアップ効果を意識するように、優しく馴染ませていくのが良いでしょう。
次に意識しながらケアしておきたいのが、お尻と太ももの境目です。そこは、内側から外側に流すようにケアしていきます。
次に紹介する妊娠線クリームの塗り方の部位が腕です。腕も脂肪がつきやすい部位なので、妊娠線ができやすい場所と言えます。
腕まわりもたっぷりとクリームを手に取り、ケアをしていきましょう。手首から肩にかけて内側・外側どちらもクリームをなじませていきます。お腹やバスト、お尻に比べると細かい部位となりますが、しっかりとケアすることが大切です。
内側も外側もまんべんなく塗るように心がけましょう。
妊娠線ができやすいバストも塗り方に気をつけておきたい部位のひとつです。妊娠するとバストの大きさも変わりやすいため、初期からしっかりとケアしておきましょう。
バスト全体を回すようにクリームを馴染ませていきます。バストに強く刺激を与えてしまうと、お腹のハリに繋がってしまうので注意が必要です。優しく丁寧にクリームを塗っていきましょう。最後に脇の下からバストの中心に向けて、クリームを塗っていきます。
お尻の付け根の太もも部分は、特に妊娠線ができやすいので塗り方に注意が必要です。たっぷりとクリームを手に取ったら、太ももの外側からお尻にかけて馴染ませていきます。
次に膝からももの付け根に向けて、クリームを塗っていきましょう。下から上に向かってマッサージをすることで、妊娠期の悩みのひとつであるむくみの解消にも繋がります。
部位ごとに塗り方は異なるので、適した方法を取り入れていきましょう。
妊娠線を予防するために必須アイテムとなる、クリームを使用する時の注意点がいくつかあります。せっかくケアをしていても、これらの注意点が守られていないと効果が減少してしまう可能性があるので注意です。
気軽に続けられる注意点ばかりなので、どなたでも取りかかれます。また妊娠線を予防するためのクリームやマッサージを取り入れる時には、自身の体調と相談することも大切なポイントです。
妊娠線を予防する時には、早めにケアするのに超したことはありません。お腹が大きなり始める5~6カ月ころには皮膚に影響を与えているので、それ以前からケアを始めましょう。
妊娠2~3カ月くらいの妊娠初期から、クリームを使いながらマッサージをしてケアをしていくことがおすすめです。毎日のケアを続けて、皮膚に潤いを与えながら柔らかく保っておきましょう。
妊娠線クリームを使用する時は、量はたっぷり使いましょう。通常のボディケアよりも少し多いくらいでも良いです。
潤いをしっかりと与えないと、ケアを続けていても無意味になってしまいます。お腹やバスト、太ももだけではなく全身にたっぷりとクリームを行き渡らせるようにマッサージするのがベストです。
妊娠線ケアをする時は、1日朝晩の2回がおすすめです。1回だけの保湿ケアでは24時間キープができません。最低限でも、朝晩のケアを毎日続けましょう。
また朝晩のケアだけではなく、乾燥が気になった時にもクリームでケアをしておくと保湿をキープできます。
最後に気をつけておきたい、妊娠線クリームを使用する時の注意点がお腹の張りが強い時は避けることです。妊娠線予防のためでも、体に負担をかけてしまうのは本末転倒になってしまいます。
お腹の張りが強いときは、さまざまなケアを中止してゆっくりと体を休めましょう。また使用するクリームの香りが、妊娠中にはきついことがあります。少しでも負担に感じる時には、クリームを変えてみるのも良いでしょう。
妊娠線ができやすい体質というのがあるようです。特に痩せている人や乾燥肌の人、出産経験がある人は妊娠線ができやすいと言われています。できやすい理由をみていきましょう。
これらの体質にあてはまる人は、早めのケアを始めたりケアする頻度を増やしたりして対策をしてみるのもおすすめです。
痩せ型の人や小柄の人は、妊娠線が妊娠線ができやすい体質です。ママの体型は人それぞれですが、生まれてくる赤ちゃんの大きさはほぼ変わりません。そのため痩せている人は、皮膚がより大きく引き伸ばされてしまうのです。
また小柄な人は骨盤が小さいため、赤ちゃんが大きくなることでお腹が前に膨らみ皮膚が伸びるスピードがより早くなります。こまめなケアはもちろんのこと、早めのケアが大切です。
乾燥肌の人も妊娠線ができやすい体質と言えるでしょう。普段から肌の乾燥が気になる人は、真皮層の水分量が少なくひび割れがしやすいため、妊娠線ができてしまう可能性が高いです。
自身では乾燥肌に気づいていなくても、家族に妊娠線ができている人がいる際には同じように気をつけたほうが良いでしょう。乾燥肌の人もこまめにケアをして、保湿を心がけましょう。
一度出産を経験したことがある人も、妊娠線がでやすい体質と言われています。少し以外に感じる人も少なくはないでしょう。
一度出産を経験すると骨盤が広がりやすくなったり、皮膚が伸びやすかったりするのでお腹が大きくなるスピードが初産の時より早いです。そのため初産の人よりもさらに、妊娠線ができやすくなります。
一度出産を経験し、妊娠線ができなくても油断をせずにクリームでのケアを怠らないようにしていきましょう。
妊娠線を予防するためには、クリームを使って正しい塗り方を知ってケアをしていくことが大切です。今回紹介した部位別の塗り方を取り入れながら、丁寧にケアをしていきましょう。
もしもケアを続けていたにも関わらず、妊娠線ができてしまっても悲観的な気持ちになる必要はありません。その妊娠線は赤ちゃんとママにとっての大切な絆のひとつです。お腹の中で大切に育てた証でもあることを忘れてはいけません。