妊婦さんは、薬の服用に細心の注意を払わなければなりません。特に妊娠2・3・4か月は薬の影響を受けやすいとされているので十分な注意が必要です。
では、妊婦さんが酔い止めの薬を飲むのは問題ないのでしょうか。一般的に、酔い止め薬は1~2回であれば問題ないとされています。
ですが、中には問題のある成分が入っているものもありますので、病院で飲んでいいか尋ねたり、妊婦さんでも飲める酔い止め薬を処方してもらいましょう。
妊婦さんの旅行は、体調に個人差があるので人それぞれではありますが、安定期とされている妊娠5~7か月が適しているといわれています。ただし、つわりも治まって、特にトラブルもなく体調がよいことが条件です。
妊娠初期はつわりがあるのに加えて、流産の確率がまだ高い時期なので避けた方がよいでしょう。妊娠後期になってお腹が大きくなってくるとお腹が張りやすくなり、合併症のリスクも高くなるので避けましょう。
妊婦さんは、酔い止め薬以外でも薬の服用は極力避けましょう。特に、赤ちゃんの重要な器官が作られる妊娠2~4か月は薬の影響を受けやすいとされていますので、注意が必要です。
しかし、妊娠中だからといって薬を飲んではいけないわけではありません。妊婦さんでも必要であれば薬を飲むことは可能ですが、特に、持病がある場合には自己判断で薬を飲むことをやめるのは危険です。医師や薬剤師に必ず確認しましょう。
妊婦さんの薬の服用については、自己判断できませんので、医師や薬剤師に相談できない時は服用はやめましょう。
では、酔い止め薬を飲めない場合、車酔いを防ぐ方法はあるのでしょうか。ここでは、車酔い防止法を19個紹介しますので、車酔いしやすい人はぜひ参考にしてください。
睡眠不足は車酔いの原因となりますので、車に乗る場合は睡眠をしっかり取っておきましょう。睡眠不足だと血圧が下がり、自律神経が乱れやすくなるため酔いやすくなるといわれています。
妊婦さんは特に眠気が起こりやすく疲れやすいので、睡眠時間を意識して確保しておく必要があります。
また、もし可能であれば車の中で寝てしまうのも一つの車酔い防止法です。睡眠不足が解消される上に、睡眠中は酔いにくくなります。
疲労などの体調不良の場合は車酔いしやすくなりますので、車に乗る場合は体調を整えておきましょう。妊婦さんは今までと身体が全然違いますので、ちょっとしたことでも不調が起きたり疲れやすくなったりします。
規則正しい生活をし、バランスのよい食事を摂る、適度な運動をするなど、体調を整えるためにできることはあります。自分の身体が今までとは違うことを認め、身体を労わる意識を高めましょう。
身体を締め付けるような服装は車酔いしやすいので、ゆったりとした余裕のあるリラックスした服装をしましょう。
妊婦さんはお腹だけでなく足がむくんだり胸がふくらんだりと、今まで着ていた服に窮屈さを感じるようになります。マタニティウェアなどの締め付けがほとんどない服を着たり、ベルトやネクタイ、きつい下着なども可能であれば避けましょう。
空腹でも満腹でも車酔いの原因となりますので、適度な量を胃の中にいれておきましょう。
空腹の場合は、乗り物に乗る前に軽く食べるようにしましょう。ただし、柑橘類は消化が悪いので、逆に車酔いしやすくなる可能性があります。
満腹の場合は、胃が圧迫されて車酔いしやすくなるので、少し時間をおいてから車に乗るようにしましょう。
乗用車の場合、助手席か3列シートであれば2列目までだと車酔いしにくくなるといわれています。前に座ることで見通しがよくなり、カーブや停車の予測がしやすくなります。そうすることで、視覚情報と身体のズレを抑えることができ、車酔いの防止につながるでしょう。
車酔いしやすい場合は初めから前の方に座りましょう。後ろに座っていて途中で酔ってしまった場合でも、前の方に座るだけで少し改善される場合もあります。
車酔いを和らげるために、ツボを押すという方法もあります。車酔いに効くツボはいくつかあり、内耳や自律神経に関連するツボが効果的といわれています。
具体的には、「内関(ないかん)」「外関(がいかん)」「築賓(ちくひん)」「侠谿(きょうけい)」「翳風(えいふう)」などが挙げられ、場所は腕、足、頭なので自分で押すことができます。
自分に一番効果的なツボを見つけておくと、酔い始めたときなどに気軽に対処できるでしょう。
平衡感覚を正常にする働きを持つツボ「内関(ないかん)」を刺激することで車酔いを防ぐことができるリストバンド(酔い止めバンド)の着用も効果的だといわれています。
着用の際は、必ず「内関(ないかん)」を刺激できるような場所に合わせてつけましょう。ただ手首に巻くのでは効果はありません。ベルトの種類もいくつかあり、付けいていても違和感のないものを選ぶとよいでしょう。
サングラスは、目から入ってくる情報を和らげることで、車の中から見える目まぐるしい景色の変化を抑えてくれるので、車酔いの防止に効果的だといわれています。運転中はかけられませんが、運転していない場合はサングラスをかけるだけで少し楽になるでしょう。
また、太陽光の強い刺激が車酔いの原因となっている場合にもサングラスは効果的です。車に1つ載せておくと便利でしょう。
車酔いの大きな原因は、身体の揺れです。特に頭には平衡感覚をつかさどる耳があるので、頭の揺れは車酔いに影響を与えます。
あごを引いて頭を揺らさないようにすることで、内耳に入っているリンパ液の動きを最小限に抑えることができ、車酔いを防ぐことができるといわれています。車に乗っていて身体が揺れないようにするのは難しいですが、揺れにくい座席を選ぶなどして工夫しましょう。
車中からの景色が目まぐるしく変化していると車酔いしやすいので、遠くを見ることを意識して自律神経を整えましょう。
助手席に座って前方の遠くの方を見つめたり、空だけを見たりするなど、「遠くを見る」のは意識しなければ難しいことです。意識せずに座っていれば自然と多くの情報量の風景が目に飛び込んできてしまうので、車酔いしそうになったら目線を変えましょう。
梅干しは、車酔いに効果的な食べ物だといわれています。唾液が分泌されると三半規管の調子が整うといわれているため、梅干しなどの酸っぱい食べ物で唾液の分泌を促進させるのも車酔い防止法の一つです。
梅干しといっても、家から持ち歩く必要はなく、コンビニなどで売っている干し梅などで問題ありません。梅干し以外でも、飴やするめなど唾液の分泌を促す食べ物はいくつかありますので、自分に合ったものを探してみましょう。
ガムは、咀嚼により脳が刺激されリラックスでき、車酔いを防ぐことができるといわれています。また、梅干し同様、唾液の分泌が促進されるのも効果的です。
また、ミント味などのさっぱりした味を選ぶと、気分転換にもなり車酔いを和らげることができる場合があります。車酔いをすることが多いのであれば、お気に入りのガムを車内に置いておくのもよいでしょう。
炭酸は、自律神経を整えて胃腸の不快感を軽減する働きがあるといわれているので、車酔いに効果的な飲み物です。
また、カフェインには感覚の乱れを抑制する作用があるので、カフェインが入っている炭酸は一般的には車酔いにはおすすめです。ただ、妊娠中はカフェイン摂取は控えたほうがよいので摂取量に気を付けましょう。
柑橘類は車酔いとの相性が非常に悪いので、炭酸飲料であっても避けましょう。
生姜は、ショウガオールやジンゲロールなど、吐き気の抑制や消化を促進する成分が入っています。生姜をそのまま食べるのは難しいので、ショウガ湯やシロップ、ハチミツ漬けなどで摂取しましょう。
ただし、生姜のにおいで逆に気持ち悪くなる人もいます。その場合は逆効果ですので、無理に摂取するのはやめましょう。
レモングラスティーやペパーミントティーなどのハーブティーは、心身をリフレッシュさせる効果があるといわれているので、車酔いにも効果的です。
また、これらのハーブをアロマオイルとして香りを嗅ぐだけでも多少の効果がありますし、予防という観点から、出発前にアロマを香っておくのもよいでしょう。
ただし、ペパーミントは妊娠中に控えたほうがいいといわれる精油です。マッサージでの使用は控え、芳香浴のみにしておきましょう。
車内は密室ですので、空気が悪くなりがちです。窓を開けて新鮮な外の空気を取り込みましょう。換気することによって空気がきれいになるだけでなく、外からの風などでリフレッシュ効果があります。
ただし、交通量が多く排気ガスが多い場所では、新鮮な空気を入れることができないので逆効果です。新鮮な空気は車酔いの予防には大変効果的ですが、悪い空気は車酔いを悪化させてしまうでしょう。
車に乗っている時間が長時間になればなるほど、車酔いのリスクは高くなります。適度に休憩をはさむことでリフレッシュすることができ、車酔いを防ぐことができるでしょう。
ただし、休憩のときは必ず車から一度降りて、外の空気を吸ったりストレッチをしたりして、リラックスしましょう。また、排気ガス量の多い場所での休憩は逆効果になるので注意しましょう。
荒い運転は、車が揺れて車酔いの原因となりますので、運転者には丁寧な運転を心がけてもらいましょう。車酔い以前に妊娠中なので、赤ちゃんのためにも車が揺れるような荒い運転は避けてもらいたいものです。
ペダルやハンドルをゆっくりと操作するようにし、スムーズな運転を心がけてもらいましょう。急カーブなどで減速しなかったり、ブレーキを頻繁に踏んだり、車が揺れるようなことはやめてもらいましょう。
自分で運転するときは酔わない、という人は多いでしょう。運転者は自分のタイミングで曲がったり停車したりできるため、揺れの予測をしやすいからです。
ただし、妊婦さんの運転は注意が必要です。運転中に急に気分が悪くなったり、お腹が大きくて運転の姿勢に無理が生じたり、注意すべき点がいくつかあります。妊娠中の運転には十分に注意しましょう。
ここまで紹介してきた車酔いの予防法を参考にしてもなお、酔い止め薬が必要な場合もあるでしょう。酔い止め薬は成分に注意すれば飲めるので、決して自分で判断せず、必ず医師や薬剤師の指示を仰ぎましょう。
ここでは、妊婦さんが酔い止め薬を服用する場合の注意点を3つ紹介します。
市販薬を服用する場合は、医師や薬剤師に飲んでも大丈夫な製品かどうかを必ず確認しましょう。市販薬には、成分表示があるのでそれを見せると医師も薬剤師も判断することができます。
市販薬は手軽に手に入る反面、何が入っているのか素人には分からないという不安があります。飲んでしまってからでは遅いので、病院に電話するなどして必ず相談しましょう。
赤ちゃんにほとんど影響がないとはいえ、酔い止め薬を何度も飲むのはおすすめできません。数回の服用では問題がなくても、長期連用で問題になる成分もあるといわれています。
連用が必要になる場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。ですが、酔い止めは車に乗らなければ必要ありませんので、もし乗らなくてもいい方法があれば、薬の連用の前にそちらを検討してみましょう。
妊婦さんに必要な薬は、酔い止め薬に限らず、市販薬を使うのではなくできるだけ病院で処方してもらいましょう。
その際、産院以外で受診する場合は、必ず妊娠中であることを伝えましょう。妊婦さんでも飲める薬を処方してもらうことができるでしょう。
妊娠中は薬の服用に制限があるので、酔い止め薬でも怖くて飲めなくなってしまうことがあります。しかし、妊娠中でも飲める酔い止め薬を処方してもらうことは可能ですので、酔い止め薬の服用以外の予防法を試しても効果がなかった場合は、一度医師に相談してみましょう。
できることを試し、薬とうまく付き合いながら、車に乗ることを躊躇しない幸せなマタニティーライフを送りましょう。