【専門家監修】妊娠中のインフルエンザ予防接種はいつから?おすすめする理由2つ

妊娠中のインフルエンザ予防接種はいつからできる?

妊娠中はいつから受けられるのか、気になる方も多いのではないのでしょうか。妊娠中にいつからインフルエンザ予防接種を受けられるのかというと、どの週数からでも受けることができます。


妊娠中はインフルエンザ予防接種を受けることが推奨されているため、体調などを考慮し判断するとよいでしょう。

気になる赤ちゃんへの影響

妊娠中にインフルエンザにかかってしまうかもと心配になる人は多いのではないでしょうか。インフルエンザにかかると、高熱が出たり体の節々が痛くなるので赤ちゃんにも何かしらの影響が出るのではないかと不安になるでしょう。


インフルエンザのワクチンは病原体を無毒化したものであるため、お腹の中の赤ちゃんには影響がないといわれています。インフルエンザの予防接種で不安がある場合はかかりつけの病院で相談するとよいでしょう。

予防接種の予約はいつから?

インフルエンザ予防接種の予約はいつからできるのかというと病院によりますが、多くの病院は9月~10月ごろから予約の受付を開始しているようです。


かかりつけの産婦人科でインフルエンザ予防接種を受けられるところもありますが、すべての産婦人科で受けられるわけではありません。


まずはかかりつけの産婦人科に確認し、そこで受けられない場合は、いつから予約を受付けているか他の病院のホームページなどで確認しておきましょう。

妊娠中のインフルエンザ予防接種をおすすめする2つの理由

ここからは妊娠中にインフルエンザの予防接種をおすすめする理由2つについて紹介していきます。妊娠中のインフルエンザ予防接種をおすすめする理由には、妊娠中は免疫力が低下していることと、生まれてくる赤ちゃんへよい影響があることがあげられます。


妊婦さんは、インフルエンザ予防接種を受けることのメリットを理解しておくとよいでしょう。

妊娠中予防接種のおすすめ理由1:免疫力が低下しているため

妊娠中の予防接種をおすすめする理由の1つ目は、妊娠中は免疫力が低下しているからです。なぜ妊娠中は免疫が低下するかというと、お腹の中の赤ちゃんは父親の遺伝子も持っているため、母体から異物と判断されるからです。


母体の免疫が赤ちゃんを攻撃しないように、妊娠中の免疫は弱くなっているといわれています。

妊娠週数によって重症化のリスクが上がることも

妊娠中のインフルエンザの感染は、妊娠数週が上がっていくにつれて重症化する可能性が上がっていくといわれています。


特に妊娠28週以降の感染が、重症化し入院してしまう可能性も高くなるといわれているため、早期にインフルエンザ予防接種を受ける必要があるでしょう。

妊娠中予防接種のおすすめ理由2:生まれてくる赤ちゃんへの良い影響

妊娠中の予防接種をおすすめする理由の2つ目は、インフルエンザの予防接種を受けると生まれてくる赤ちゃんへよい影響があるからです。


妊娠中に予防接種を受けると、母親からの免疫を受け継いだ赤ちゃんにインフルエンザの免疫がつき、生後6か月ごろまでインフルエンザにかかりにくくなるといわれています。


インフルエンザ予防接種は、妊婦さんにとっても生まれてくる赤ちゃんにとってもメリットがあるということがわかります。

赤ちゃんはいつから予防接種ができる?

赤ちゃんのインフルエンザ予防接種はいつから受けることができるのでしょうか。赤ちゃんのインフルエンザ予防接種は、生後6か月から受けられるといわれています。


しかし、1歳未満の赤ちゃんは免疫をつけることが難しいため、受けることを推奨しない小児科医もいるようです。気になる場合は、小児科などにいつから受けたらよいか相談しておくのもよいでしょう。

妊娠中にインフルエンザになった場合の2つの可能性

ここからは、妊娠中にインフルエンザになった場合の2つの可能性を紹介していきます。妊娠中にインフルエンザになった場合、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性と、妊婦さんが重症化して入院してしまう可能性があります。


妊娠中は特に免疫力が低下しているため、予防対策をしっかり行い注意する必要があるでしょう。

妊娠中にインフルエンザになった場合1:赤ちゃんへの影響がある可能性

妊婦さんがもしインフルエンザにかかってしまっても、ウイルスが胎盤を通ってお腹の中の赤ちゃんに直接影響を及ぼすということは考えられていないようですが、ごくまれにウイルスが胎盤を通って赤ちゃんに影響を及ぼしたという報告もされています。


さらに、インフルエンザにかかり母体の体調が悪化することにより早産の原因となってしまう可能性もあります。

妊娠中にインフルエンザになった場合2:重症化して入院する可能性

インフルエンザにかかってしまうと、38度以上の発熱、悪寒、頭痛、関節痛、せき、鼻水、のどの痛みといった症状があります。


妊婦中は免疫力が低下しているため、特に合併症を引き起こす可能性があります。子宮が大きくなり肺を圧迫していることもあり、呼吸がしにくい、肺炎になりやすいというリスクもあります。よって、症状が重症化して入院するリスクも高くなるでしょう。

妊娠中にインフルエンザ予防接種を受けるときの3つのポイント

ここからは、妊娠中にインフルエンザ予防接種を受けるときの3つのポイントについて紹介していきます。予防接種を受けるときのポイントには、妊娠中であることをしっかりと伝えること、体調が悪いときは避けること、パートナーや家族も受けることです。


妊婦さんはインフルエンザ予防接種を受ける際には、体力を低下させないよう日頃の体調管理をしっかり行うようにしましょう。

予防接種を受けるときのポイント1:妊娠中であることをしっかり伝える

妊婦さんがインフルエンザ予防接種を受ける際には、妊娠中であることをしっかり伝えたうえで受けるようにしましょう。


なぜなら、施設によって妊娠中の方へは防腐剤(チメロサール)フリーのワクチンを優先的に使用している場合があるからです。防腐剤が添付されていたとしても、インフルエンザワクチンは赤ちゃんへの影響はないといわれていますが、心配な場合は医師に相談しましょう。


また、接種したインフルエンザワクチンのロット番号シールを貼る場合があるため、母子手帳は必ず持参しましょう。

予防接種を受けるときのポイント2:体調が悪いときは避ける

インフルエンザ予防接種を受けると、副反応を起こす人もいます。接種部分のはれや痛み、発熱や体のだるさなどです。


妊娠中はつわりなどで体調がすぐれないときもあります。その状態で副反応を起こしてしまうとより体調が悪化してしまうかもしれません。


妊娠中は免疫も低下している状態なので、体調が悪いときは避けるようにしましょう。

予防接種を受けるときのポイント3:夫婦や家族も受ける

妊婦さんがいる家庭では、パートナーや家族も受けるようにしましょう。


パートナーや家族がかかってしまうと、家庭内で隔離するのは難しいものです。どうしても感染してしまう可能性が高くなります。(妊婦さんの免疫低下のことを今までの段落で何度も繰り返しているため、上記文章に差し替えてください)


妊婦さんはもちろん、パートナーや家族にも協力してもらい、少しでもインフルエンザにかかるリスクを減らしましょう。

インフルエンザの予防接種はいつまでにしておくのが良い?

ここからは、インフルエンザの予防接種はいつまでにしておくのがよいかについて紹介していきます。いつからインフルエンザが日本で流行するかというと、1月~2月がピークとされ、4~5月ごろまで続くこともあります。


インフルエンザワクチンは受けてから約2週間後から抗体がつくられ、その後約5か月効果があるとされています。遅くてもインフルエンザがピークになる前の12月初旬には予防接種を受けるのがよいでしょう。

回数は1度でOK

妊娠中のインフルエンザ予防接種の回数は1度でよいとされています。厚生労働省は、13歳以上の接種は1回を原則としていますが、基礎疾患がある方などは2回接種を勧められる場合もあります。


妊娠中であることをしっかり伝えるとともに、合併症がある場合にも伝えるようにしましょう。接種回数に関しては、医師の判断を仰ぎましょう。

赤ちゃんのためにも妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けよう

妊娠中のインフルエンザ予防接種はいつから受けたらいいのか、おすすめする理由2つについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。


妊婦さんがインフルエンザにかかってしまうと、重症化しやすく母体にもお腹の中の赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。


元気な赤ちゃんが生まれてくるために、家族にも協力してもらい、インフルエンザにかからないようにしっかりと予防しましょう。