新しい命を授かり、安静に過ごすべきと考える妊婦さんも多いかもしれませんが、実は健康な状態を保つためには運動はお勧めです。
もちろん、妊婦さんはどんな種類の運動でもできるというわけではありません。そのため、この記事ではどんな運動が妊婦さんにおすすめなのかご紹介していきます。
どのような運動が安全にできるのか分からないという妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてください。
まず、妊婦さんが運動するのに適した場所とは、どんな場所でしょうか。
妊婦さんが運動をする際、妊娠状態に悪影響を及ぼさない安全な環境である必要があります。例えば、直射日光にあたる場所や、気温が高すぎるところでの運動は体温が上昇しすぎるため妊婦さんには適しません。
また、もし急な体調変化があっても、すぐに対応できるような場所であることも重要です。
妊婦さんに適した運動場所の1つは、自宅です。
自宅が適している理由は、自分で室温を調節する事ができる環境だからです。前項でご紹介したように、妊婦さんには気温が高すぎる場所での運動は適していません。そのため、直射日光に当たらず快適な気温で運動ができる自宅がおすすめです。
また、もし体調の変化があったとしても、家族などへの連絡を取りやすいというのも心強いでしょう。
もし屋外で運動をする場合は、あまり遠出をする必要がない場所を選びましょう。
遠出をする場合は、その移動中に体調の変化が起こる可能性もあるからです。例えば、車で移動する場合は渋滞に遭遇するなど長時間の運転になることもあるでしょう。
そのため、屋外で運動をする場合は、手軽にアクセスのできる近場で行うことがおすすめです。
ところで、なぜ妊婦さんに運動が必要なのかご存知でしょうか。
やはり、妊娠中も健康な状態を保つために運動が必要と言われています。しかし、とにかく運動をすれば良いというわけではありません。
以下でご紹介する運動に適した妊娠時期や、1日の運動量を参考に運動を始めてみてください。
運動していい時期は、原則として妊娠12週以降が推奨されています。運動の内容によっては妊娠15~16週以降を推奨される場合もあります。また、医師から妊娠状態が安定していると診断されていれば、出産へ向けた体力作りや運動不足の解消に運動をするのが良いとされています。
反対に妊娠12週以前の妊娠初期は、もし運動をそれまで行っていない場合は、新たに運動を始めるのは適していません。
妊娠中も健康状態を良く保つために運動が必要ですが、1日の運動量には注意をしなければいけません。目安としては、1日60分以下でできる運動が良いとされています。心拍数が140回/分程度になる激しい運動に関しては15分以内にするべきだといわれています。また、週に2〜3回を目処に行いましょう。
そして、負荷が多すぎる運動ではなく、自分が楽にできるなと感じる程度の運動が良いでしょう。
ここからは、妊婦さんが自宅で取り組むことのできる運動をご紹介します。
自宅で手軽に取り組むことのできる運動をお探しの妊婦さんは、ぜひ以下でご紹介する7つの運動を参考にしてみてください。
ただし、必ず妊娠状態を考慮して、可能な範囲で楽しめる運動をしてください。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の1つ目は、スクワットです。
筋トレでよく取り入れられるスクワットですが、妊婦さんが行う場合は負荷を少なく行うことが大切です。また、通常のスクワットでは、太ももが地面と平行になるまで下げますが、妊婦さんは転倒に気をつけなければいけないので、安全な範囲で行ってください。
スクワットをすることで、安産のために必要な骨盤底筋を鍛えることができます。そのため、運動習慣がなかった妊婦さんは、スクワットは妊娠中期から行うのがおすすめです。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の2つ目は、ストレッチです。妊婦さんがストレッチを行う際、妊娠中期くらいまでは足から軽くできるストレッチから始めましょう。そして、できる範囲でストレッチを増やしていくのがおすすめです。
しかし、妊娠が進むにつれて、仰臥位(仰向けの状態)になると仰臥位低血圧症候群となり気分不快やめまいなどが起こる可能性が高くなります。ストレッチをする時には気をつけてください。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の3つ目は、マタニティヨガです。
基本的にヨガは、呼吸に重きをおく、精神と肉体を安定させることを目標とした運動です。そのため、妊婦向けであるマタニティヨガでは妊婦さんでも無理のない動きで、さらに呼吸法はお産の時に活用することができます。
自宅では、動画を利用してマタニティヨガを行う事ができるでしょう。くれぐれも、転倒などには気をつけて行いましょう。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の4つ目は、マタニティピラティスです。
ピラティスは、インナーマッスルを鍛えることのできる運動です。マタニティピラティスでは、もちろん激しい動きは行わず、正しい姿勢になることを目標に行われます。ヨガと同様に呼吸にも集中しながら、ゆっくりと関節を動かす運動です。
自宅では動画を見ながら、もしくはオンラインレッスンなどを活用し行うことができるでしょう。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の5つ目は、家事です。
日常生活で行う家事も、自宅でできる運動のひとつです。例えば、しゃがんだ姿勢で床掃除をすることで骨盤底筋群を鍛えることができますし、買い物のために歩くこともウォーキングの効果が期待できます。体調と相談しながら、できる範囲で日頃の家事を運動としてやってみてください。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の6つ目は、ウォーキングです。
気軽に始めることのできる運動といえば、ウォーキングです。ウォーキングは有酸素運動で、さらに全身を使うことのできる運動なので、妊婦さんにもおすすめの運動です。
意点は、疲れすぎない範囲で歩くことです。また、歩く姿勢に気を付けましょう。背筋を伸ばし、顎を軽く引き、お尻の筋肉に力を入れましょう。足の親指に力を入れて踏み込み、後ろに蹴るように歩くと効果的です。
そして、20~30分休みなしで歩くようにしましょう。妊娠中は腰の負担が大きいこともあるので、痛みがある場合は控えましょう。
妊婦さんが自宅でできるおすすめの運動の7つ目は、有酸素運動です。
有酸素運動とは、筋肉の収縮に酸素を使う運動を意味します。そして、時間をかけて行う負荷が大きくない運動であることも特徴です。代表的なものにはウォーキング、水泳、エアロビクスなどがあります。
水泳、エアロビクスは比較的負荷がかかるため、妊娠16週以降の実施を推奨している場合が多いほか、医師の診断書を必要とする場合もあります。実施施設にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。どの有酸素運動を行う場合でも、疲れすぎないよう体調をみながら行うようにしましょう。
これまでご紹介したように、自宅でも妊婦さんができる運動は様々なものがあります。
しかし、妊婦さんが運動を行う場合は、注意すべきこともあります。以下で、妊婦さんだからこそ気をつけるべき注意点を4つご紹介しますので、注意点を忘れずに運動をしてください。
妊婦さんが運動するときの注意点の1つ目は、お腹を圧迫する動きは避けることです。
運動の種類によっては、お腹を圧迫する動きをすることがあるかもしれませんが、妊婦さんの場合はそのような動きは避けましょう。また、運動をしているときに、転倒にも気をつけてください。
妊婦さんが運動するときの注意点の2つ目は、張りや痛みは我慢しないことです。
妊婦さんが運動するときには、第1に自分自身の体調を見ながら行うことが重要です。そのため、もし腹部に張りや痛みを感じた場合は、すぐに運動をやめて休憩を取りましょう。
妊婦さんは無理な運動をしないよう、楽に続けられると感じる程度の運動を行うのがおすすめです。そして、常に体調の変化があるかどうか確認しましょう。
妊婦さんが運動するときの注意点の3つ目は、お医者さんの許可を得ることです。
妊婦さんが運動を始める前に、まず担当医に運動をしても良いか許可を得ましょう。なぜなら、妊娠の状態によっては運動をすることが推奨されないことがあるからです。
場合によっては妊娠状態に影響を及ぼすことがあるので、自己判断はせずに必ず妊娠の経過を診てもらってから運動を始めましょう。
妊婦さんが運動するときの注意点の4つ目は、無理して運動をしないことです。
妊婦さんも運動不足を解消するために、運動をすることが良いとご紹介しましたが、無理をして運動する必要はありません。
妊娠中は母子ともに健康であることが重要です。そのため、疲れすぎてしまう場合は、無理をしてまで運動を続けなくても良いです。体調と相談しながら、可能な範囲で行いましょう。
健康状態を保つためや運動不足を解消するために、妊婦さんも運動をすることがおすすめされています。
まず、妊婦さんが運動を始める前には、担当医に運動をしても良い状態であるか確認しましょう。そして、許可が出た場合は、激しい動きのない負荷の軽い運動を行いましょう。
また、常に体調を確認するのが大切です。無理をせず、自分のペースでできる運動を見つけてみましょう。