新生児の髪の毛のボリュームには、個人差があります。
産毛が少しあるだけだったり、逆にふさふさだったりと様々ですが、自分の子どもの毛量は普通なのか、何か異常があるのではないかと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、赤ちゃんの髪の毛について知っておきたいポイントや、ケアの方法などを紹介していきます。
まずは、赤ちゃんの髪の毛について知っておきたいポイントを5つピックアップして紹介します。新生児の髪の毛の量や、成長に伴う生え変わりの時期などを知って、不安を減らしましょう。
新生児の髪の毛の量は、生まれたときから個人差があります。生まれてしばらくしてもなかなか生えない子や、生まれたときからふさふさの子、髪の色も茶色く薄い子や黒々とした髪が生えている子など様々です。
中には、生まれたときから生後3ヶ月を過ぎても髪の毛の量が非常に薄く、心配になる場合もありますが、およそ1歳ごろには普通の状態になるため心配ないでしょう。
新生児の産毛は、生後6ヶ月を目安として髪の毛に生え変わっていくとされています。
ふわふわだった産毛が、成長に伴って少しずつしっかりとした髪の毛になるでしょう。赤ちゃんの髪の毛は細いため光の加減で茶色く見えることもありますが、生え変わりで髪が太くなることで、少しずつ色も濃くなっていきます。
赤ちゃんの髪の毛は、成長の過程で一時的に薄くなることがあります。
生後6ヶ月頃までの「新生児生理的脱毛」という生え変わりでは、頭の前方から頭頂部にかけて髪の毛の大部分が一斉に休止期に入り、たくさんの髪の毛が抜けて薄くなってしまうことがあります。しかしながら、また新しい髪の毛が生えてくるため心配はいりません。
また、生後2~3ヶ月から6ヶ月くらいの乳児によく見られる「乳児期後頭部脱毛」では、寝ている赤ちゃんの頭と、枕や布団の寝具が接する部分が擦れて薄くなってしまうことがあります。こちらも、しばらくすると自然に目立たなくなるため心配ないでしょう。
出典:赤ちゃんの抜け毛について|秋山こどもクリニック
参照:https://www.akcl.jp/colum/co42cat1.html
新生児の髪がふさふさで不安になっても、髪を剃るのは控えましょう。「坊主にすると良い毛が生える」といった迷信もありますが、髪の毛を切ったり剃ったりしても毛質は変わりません。
逆にバリカンやかみそりを地肌に当てることで、傷つけてしまう場合もあります。
頭皮に湿疹や赤みがある場合は、小児科や皮膚科に相談しましょう。
生後2ヶ月ごろまでは皮脂分泌が活発なため、乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)が起こることがあります。
これは、皮脂が空気に触れて酸化することで、頭皮が炎症を起こして湿疹になるものです。ニキビのような赤いブツブツが、黄色く湿っぽいかさぶたになり、やがてカサカサしたフケのようになってはがれ落ちます。
生後3ヶ月を過ぎると、逆に皮脂分泌が減って乾燥しやすくなるため、皮膚のバリア機能がダメージを受けて皮脂欠乏性湿疹が起こることもあります。
どちらの場合も、よく泡立てた低刺激のせっけんやボディソープで優しく洗い、入浴後はワセリンやベビーローションを塗って、しっかりと保湿ケアすることで改善するでしょう。
適切なケアで自然に治癒することが多いですが、かゆみがひどかったり症状が長引いたりする場合は、病院の受診も検討してください。
出典:赤ちゃんのフケ|原因や自宅でのケア方法、受診の目安|医療法人社団日暮里医院
参照:https://www.nippori-iin.jp/archives/3198
ふさふさな赤ちゃんの髪の毛は、細くて柔らかく絡みやすいため、日々のお手入れに悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、ふさふさな赤ちゃんの髪の毛のケア方法を3つ紹介します。
赤ちゃんの髪の毛は細く絡みやすいため、寝具などと擦れて毛玉のようになってしまうことがあります。お風呂あがりにガーやタオルで地肌の水分を取り除き、赤ちゃん用のくしやブラシで優しく梳かしましょう。
こまめに髪をチェックして、絡まりを見つけたらほぐしておくと毛玉の予防になります。毛玉になってしまった場合は、手やくしで毛先からそっと少しずつほぐしていきます。
赤ちゃんカットができる美容室が近くにない場合などは、自分でカットしましょう。前髪が目にかかる場合や、横の髪が耳にかかる場合をカットの目安にします。
子どもの髪をカットするときは、刃の部分が小さく先端が丸くなっている子ども用カットはさみや、すきバサミを用意しましょう。
赤ちゃんがご機嫌のタイミングでカットするのがおすすめです。嫌がるときは無理して切り続けず休憩しながら進めたり、寝ている間に少しずつカットしたりするのも良いでしょう。
首がすわった0歳の赤ちゃんからカットしてもらえる子ども専用の美容室もあります。
新生児のときからふさふさな赤ちゃんは、初めてのカットも早いタイミングで必要になるでしょう。子ども専用の美容室なら、パパやママが抱っこしたままカットができ、寝そべってできるタイプのシャンプー台もあるため安心です。
美容院によっては、ファーストカットの際にパパやママが最初の一切りをさせてもらえたり、カット中の撮影が自由だったりと、サービスも充実しています。
生まれつき髪の毛が少ない状態にもいろいろありますが、注意が必要な赤ちゃんの薄毛や抜け毛があります。ここでは、遺伝性の病気である先天性乏毛症と、円形脱毛症について紹介します。
先天性乏毛症・縮毛症(せんてんせいぼうもうしょう・しゅくもうしょう)とは、生まれつき髪の毛が少なく縮れ毛である状態です。
遺伝性の希少疾患で、何らかの遺伝子異常が起き、乏毛症になることが多いことがわかってきています。将来的に臨床研究から有効性の高い治療薬が開発される可能性もあるでしょう。
出典:生まれつき頭の毛が少ないのですが何故でしょうか?|公益社団法人日本皮膚科学会
参照:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q13.html
コインのように円く毛が抜けてしまう症状を円形脱毛症といいます。
他の皮膚炎でかさぶたと一緒に抜けてしまった場合や、寝ていて枕や布団と擦れる部位の毛が抜けてしまっただけの場合もあるため、まずは皮膚科に相談してみましょう。
出典:円形脱毛症というのはどんな脱毛症ですか?|公益社団法人日本皮膚科学会
参照:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/q06.html
胎毛筆とは、赤ちゃんの胎毛を利用して筆に加工し、思い出や成長の記念品とするものです。
胎毛とは、ママのお腹の中で赤ちゃんを守るために生える産毛で、とても柔らかくしなやかで、毛先が自然に細くなっているのが特徴です。
一度髪の毛をカットすると生まれたままの毛先は失われてしまうため、胎毛筆を作れるのは一生に一度のチャンスです。記念として残したい方は検討してみてください。
胎毛筆に必要な毛量は、お店や商品によって様々です。
ベーシックな細筆なら、目安として8mm以上の量と長さ6cm以上、小さい紅筆ならきつく束ねた状態で6mm以上の量と長さ約3cm以上が必要になるでしょう。
商品ごとに指定されている長さと量はあくまでも目安のため、ぎりぎりではなく余裕を持った長さと量で依頼しましょう。傷んだ髪や短い髪を取り除いて作成してくれます。
髪の量や伸び方は個人差があるため、だいたい生後半年~2年ほどが胎毛筆作成のタイミングになるでしょう。
胎毛筆に必要な毛量の目安はわかりましたが、どこに作成をお願いすれば良いのでしょうか。胎毛筆は主に、美容室やその他の専門業者にお願いするのが一般的とされています。
ここでは、上記について詳しくみていきましょう。
胎毛筆の作成に対応している美容室なら、胎毛筆の種類に合わせて適切な長さをカットしてもらえるでしょう。美容室で胎毛筆の注文用紙に記入し、ファーストカットをしてもらうだけなので、切った髪を持ち帰る必要もなく手続きもスムーズです。
自宅でファーストカットをする場合や、カットしてもらう美容室が胎毛筆の作成に対応していない場合は、自分で業者に依頼することもできます。
その場合は、必要な毛量や長さなど、依頼する業者や商品の注意事項をよく調べてからカットしましょう。
胎毛筆の作成にかかる費用は、目安として小さいもので1万円前後から、額装付きで飾れるタイプは2万円前後からとなっています。
美容室にカットをお願いする場合は、別途カット費用が必要です。また、美容室を通さず業者に直接依頼する際は別途送料がかかる場合もあります。
ここまで見てきたように、生まれたときから髪の毛がふさふさの赤ちゃんもいれば、1歳を過ぎてもまだ薄い赤ちゃんもいます。また、髪の色や生え変わるタイミングも様々です。
ふさふさも薄いのもそれぞれの個性のため、心配しすぎずに今しかない赤ちゃんのふわふわ髪を楽しみましょう。