赤ちゃんは生まれたての頃から、しばらくの間は昼夜問わず寝ていて、起きている時間が極端に少ないという生活リズムになっています。
しかし、生後6ヶ月くらいになってくると、赤ちゃんは少しずつ夜にまとめて長く寝る睡眠リズムに変化していきます。
そのため、睡眠リズムが大人に近いものに変化してくる段階が、ちょうど生後6ヶ月前後くらいになるといえるでしょう。
赤ちゃんが小さなうちは、大人のように夜の間まとまって寝るということがほぼありません。このため、赤ちゃんは朝も夜も関係ないと言われています。
しかし、月齢がたって赤ちゃんが新生児から乳児に、乳児から幼児へと成長していくにつれて平均睡眠時間が変わり、睡眠リズムも変化していきます。
ここでは赤ちゃんの月齢による平均睡眠時間についてと、その特徴について解説します。
出産後から生後1ヶ月までの赤ちゃんは「新生児」と呼ばれる時期で、1日の平均睡眠時間は16時間から18時間程度で、1日のほとんどを寝て過ごしています。
ただし、生後1ヶ月の新生児の頃は2、3時間ごとに授乳する必要があるため、赤ちゃんが起きているのはこの授乳の時間、そして沐浴の時間くらいでしょう。
夜に長く寝る傾向もなく、朝や昼と変わらず授乳の間隔で目を覚まします。
新生児ではなく生後1ヶ月から生後2ヶ月の平均睡眠時間は、14時間から15時間ほどとなっています。
新生児の頃よりも1回ごとの睡眠時間が長くなり、授乳の間隔も長めになってきます。この頃になると授乳の時間以外でも、赤ちゃんが目を覚ましていることがあるでしょう。
しかし、まだこの時期は昼夜の区別がついていません。夜中も昼間と同じような間隔でしか眠らず、授乳のタイミングでお腹がすいて目を覚まします。
生後4ヶ月の頃の平均睡眠時間は12時間から15時間程度で、生後3ヶ月までの平均睡眠時間とあまり変わりませんが、夜に長く眠る傾向がでてくるのがこの時期です。
夜の授乳の回数が減って、午前と午後にお昼寝の時間を作ると、夜にまとまって長い時間寝るようになってきます。まだ夜中に授乳する必要がある赤ちゃんもいますが、徐々にその回数は減っていくでしょう。
昼間は屋内でも電気をつけて明るく、夜は電気を消して暗くして、昼夜の区別をつけるようにしましょう。
生後5ヶ月の赤ちゃんの平均睡眠時間は、13時間から14時間ほどです。いよいよ夜に眠る時間が長くなり、昼夜の区別もついてくる時期になります。
昼の間はお昼寝以外は起きており、遊んだりお散歩したりする時間があるでしょう。赤ちゃんの成長具合やスプーンの受け入れ具合を見ながら、離乳食へのトライを始めるのもこの頃です。
ただし、夜に長く眠るといっても、生後5ヶ月頃からは夜泣きが始まる可能性があるでしょう。
生後6ヶ月になると平均睡眠時間が13時間から14時間ほどで、午前と午後にお昼寝の時間をとり、夜はたっぷり長く寝てくれるようになるでしょう。
授乳や離乳食のタイミングを毎日同じ時間帯にすることで、赤ちゃんの生活リズムを整える手助けができます。
また、赤ちゃんが寝返りできるようになる頃です。うつ伏せからあおむけに自分で体勢を変えるようになりますが、個人差があるため、まだできなくても焦る必要はないでしょう。
生後7ヶ月の赤ちゃんの平均睡眠時間は、11時間から14時間ほどとなっています。
夜に長く眠る習慣はすでについている頃ですが、昼間のお昼寝の時間帯がずれたり、長くお昼寝させたりしてしまうと、夜になかなか眠らなくなってしまうことがあります。
夜はミルクを飲ませて、夜寝る前の時間帯でお風呂に入れるとよいでしょう。長い睡眠時間前にお風呂に入れることで、体が温まって入眠しやすくなるでしょう。
生後6ヶ月の赤ちゃんの生活リズムは、だいぶ子どもに近づいて、昼間は活発に動くようになり、午前と午後にお昼寝、夜にまとまった睡眠をとるようになります。
昼間起きて夜に寝る、という生活リズムが定着してくるのが生後6ヶ月くらいだと言われています。毎日の起床時間、就寝時間を決めて守ること、離乳食やミルク、お昼寝の時間帯もできるだけ毎日決まった時間にすることで、赤ちゃんの生活リズムを保つことを意識しましょう。
生後6ヶ月の赤ちゃんの平均睡眠時間は、11時間から14時間ほどです。個人差はありますが、おおよそ1日の半分程度は寝ていると考えてよいでしょう。
夜に8、9時間のまとまった長い睡眠をとる傾向ができてきて、昼間には3時間から5時間程度、お昼寝として寝る時間が増えるでしょう。
赤ちゃんが上半身を起こせるようになったり、ずりばいしたり、寝返りをうったりし始め、ネントレを始めるのに向いた時期でもあります。
赤ちゃんが生後6ヶ月になると、夜は大人と同じかそれ以上に寝るようになりますが、なかなか寝てくれないということもあります。
赤ちゃんには赤ちゃんの睡眠リズム、生活リズムがあるため、大人の都合のいいようには寝てくれないものです。
ここでは、赤ちゃんを夜に長く寝かせるにはどうしたらよいのか、快適な入眠方法について6つほど紹介します。
生後6ヶ月になると赤ちゃんに生活リズムができてくるため、この時期に早寝早起きの習慣をつけることが大切です。
毎日寝る時間、起きる時間を決めて、できるだけその時間をずらさないようにしましょう。早起きした後はしっかりと朝の光を浴びることで、赤ちゃんの体内時計を整えます。逆に、夜はしっかり暗くして、もう寝る時間だよと教えるようにするとよいでしょう。
お昼寝をさせることも、夜に寝かせるための方法の1つです。
お昼寝の時間は、午前に30分~1時間、昼から夕方にかけて2時間程度がよいでしょう。また午後のお昼寝で長く寝てしまうと、夜の就寝時間が遅くなる可能性があります。
お昼寝させることは大切ですが、長くさせすぎると、逆に夜なかなか寝付けない赤ちゃんになってしまうことがあるため、注意しましょう。
生活リズムは赤ちゃんの頃に覚えると言われているため、夜に長く寝てくれるようになる生後6ヶ月頃から、しっかり生活リズムを整えることが大切です。
赤ちゃんの生活リズムを整えるためには、早起きして朝の光を浴びさせること、授乳や離乳食の時間帯、お昼寝の長さや時間帯、お風呂の時間を毎日できるだけ決まった時間帯にするとよいでしょう。
ほこりが苦手な赤ちゃんのためにも、寝具や部屋を清潔にしておくことが大切です。
できるだけ掃除しやすい場所を赤ちゃんの睡眠スペースにしておき、こまめに掃除してあげましょう。清潔で保護者の目が届きやすく、直射日光が当たらず風通しのよい場所がおすすめです。
赤ちゃんを寝かせる部屋には、ベビー布団やベッド用マットレスを用いて、安眠しやすいスペースを作ります。
温度計や湿度計で、赤ちゃんにとって快適なスペースになっているか確認しましょう。夜に大人がいる部屋の明かりが届かない、テレビなどの音が届かないようなスペースが理想的です。
ホワイトノイズを使う、赤ちゃんのお気に入りアイテムを置くなどして、安眠しやすいスペース作りを心掛けましょう。
快適でないとなかなか眠りにつけないのは、大人だけでなく赤ちゃんも同じです。いつでも寝具を快適に保てるよう、ベビーベッドまたはベビー布団を用意しましょう。
その他に用意した方がよいものとして、キルトパッドや防水シーツ(おねしょシーツ)があります。赤ちゃんは寝具を汚すこともあるため、シーツの予備も用意しておくとよいでしょう。
赤ちゃんを寝かしつけようとしてもなかなか寝てくれない、寝かせようとすると泣いてしまうといったようなことはないでしょうか。
ここでは、赤ちゃんが夜に寝てくれないのにはどういった原因があるのかについて、解説していきます。
夜中に授乳する習慣が生後6ヶ月になっても続いている場合、授乳のたびに赤ちゃんが目を覚ましてしまう、夜中に眠ってくれない原因になってしまうことがあります。
生後6ヶ月になると、基本的に授乳しなくても夜は長めに寝る傾向がありますが、夜中に授乳する習慣ができていると、お腹がすいて泣いて目を覚ましてしまいます。
生後6ヶ月頃までは夜も昼も関係なく授乳する必要があるため、いきなり夜中授乳なし、という状態になかなか赤ちゃんが慣れていないため寝られないのでしょう。
午前、午後にとるお昼寝の時間が長かった場合、昼寝でしっかり睡眠をとってしまい、夜になかなか眠ってくれないことがあります。
また、遅めの時間に昼寝させることも、夜の睡眠に影響を与える場合があるため、お昼寝の時間帯には注意が必要です。
いつもの生活と変えてしまったり、睡眠時間の直前に赤ちゃんを興奮させたりするようなことがあると、生活リズムが乱れてしまい、いつもは寝る時間でも寝てくれなくなることがあります。
休日にお出かけしてお昼寝の時間がずれた、休日だからと朝遅くまで寝ていた、寝る直前でも明るい部屋にしていた、夜にテレビなどを見せていたというような理由で、赤ちゃんの生活リズムが崩れる可能性があるでしょう。
赤ちゃんが夜に泣いたりぐずったりしてなかなか眠ってくれない時は、赤ちゃんの体調が悪くて眠れなくなっている場合があります。
例えば、赤ちゃんが発熱していたり、腹痛を起こしたりして、眠たくても眠れないという状態です。そこまでいかなくても、げっぷが出ていないのに寝かせようとしている、便が出ない日が続いているといったことも原因にあげられるでしょう。
赤ちゃんが夜に寝てくれないと、保護者も眠れず、大変な思いをすることがあります。
しかし、赤ちゃんは大人のように夜寝る習慣ができている訳ではありません。とくに、生後6ヶ月ではまだまだ生活リズムが定着していない赤ちゃんも多いでしょう。
ここでは、赤ちゃんが寝てくれない時にはどうすればよいのか、対処法を紹介します。赤ちゃんが寝てくれれば保護者も楽になるため、これらの対処法を試してみましょう。
赤ちゃんが寝てくれなくてイライラした時は、まず赤ちゃんから少しだけ離れて、気持ちを落ち着かせるようにしましょう。
眠い時に赤ちゃんが寝てくれないと、保護者であってもイライラしてしまうことは仕方ありません。しかし、保護者のイライラした気持ちが赤ちゃんに伝わってしまい、ますます泣いたりぐずったりしてしまう可能性があります。
まずは気持ちを落ち着かせてから、赤ちゃんに接してみましょう。
眠らない赤ちゃんにスキンシップしたり、声をかけたりして赤ちゃんを安心させてあげましょう。
抱っこして話しかけてあげたり、赤ちゃんを横にして隣で絵本を読んであげたりといった対処法があります。ほかにも赤ちゃんの体を撫でてあげる、背中を優しく叩きながら子守歌を歌ってあげる、などをしてあげると良いでしょう。
赤ちゃんが夜になっても寝てくれないという場合は、入眠儀式を試してみるのもよいでしょう。
入眠儀式には、赤ちゃんの睡眠時間の直前に授乳したり、お風呂に入れたり、絵本の読み聞かせをするなどがあります。
入眠儀式は毎日することがおすすめです。毎日同じように入眠儀式をしてから赤ちゃんを寝かしつけていると、赤ちゃんはそのうち入眠儀式で睡眠時間が来たことがわかり、寝てくれるようになるでしょう。
赤ちゃんのお腹がすいていないか、オムツが濡れていないかといった、不快感の原因になるものがないか確認してみましょう。
もし授乳してから時間があいていたり、オムツを汚していたりすると、赤ちゃんはその不快感からなかなか寝付けなくなっている可能性があります。
赤ちゃんが夜寝ない理由が、昼間の過ごし方が原因の場合もあるため、昼間は明るく夜は暗くする、お昼寝の時間やお昼寝させる時間帯を見直して、夜眠りやすくするなど工夫してあげましょう。
夜だけでなく昼間の過ごし方にも気をつけて赤ちゃんの生活リズムを整えることで、夜に眠ってくれやすくなるでしょう。
生後6ヶ月の赤ちゃんは昼夜の区別がついてくる頃で、生活リズムができてくる頃でもあります。昼は起きて夜は寝る、という生活リズムを上手く作れれば、赤ちゃんは夜に長く寝てくれるようになるでしょう。
生後6ヶ月の赤ちゃんが必要としている睡眠時間を知り、お昼寝の時間と合わせて夜の睡眠時間をしっかり確保してあげるようにしましょう。