離乳食を始めた頃に、赤ちゃんの口周りが赤くかぶれ、ブツブツ状の発疹が現れ始めると食物アレルギーではないかと不安になる方も多いでしょう。
よだれによって皮膚がかぶれているだけということもありますが、離乳食によるアレルギー反応の症状という可能性もあります。
食物アレルギーの場合は正しい対処をしないと、赤ちゃんが危険な状態に陥ってしまうこともあるので、対処法を把握しておくことが必要です。
赤ちゃんが離乳食を始めるのは生後6ヶ月ほどからですが、生後6ヶ月になったからと、いきなり離乳食だけに切り替えるようなことはできません。生後6ヶ月で行うのは離乳食を食べる練習です。
そのため、赤ちゃんが嫌がるそぶりを見せたり、うまく食べられなかったりなどした際には無理をしてはいけません。
乳児期には食物アレルギーが発症することが多く、その症状が現れてしまうと、離乳食を与えることに戸惑ってしまう方もいます。
しかし、生後6ヶ月ほどの時期にいろいろな食べ物を食べておくことは、食物アレルギーの発症リスクを下げることができると考えられているので、離乳食の開始や進行を遅らせることのないようにしましょう。
また、軽い食物アレルギーであれば、成長と共に耐性が強くなることもあります。
食物アレルギーは特定の食物を食べることで、アレルギー反応が起こります。その食物アレルギーは非即時型アレルギーと非即時型アレルギーの2つに大きく分けることができます。
これらのアレルギーは、反応の症状が現れるまでの時間帯で分けられています。
非即時型アレルギーには遅発型と遅延型の2種類があります。遅発型の場合は、特定の食物を摂取してから6時間〜8時間後ほどで症状が現れます。
遅延型の場合は特定の食物を摂取してから1日〜2日後ほどで症状が現れます。アトピー性皮膚炎は、この非即時型アレルギーの遅延型の代表的な症状の1つです。
即時型アレルギーの特徴は、食物の摂取から2時間以内に症状が現れます。早ければ15分〜30分ほどで症状が現れます。
即時型アレルギーの症状は危険で、場合によってはアナフィラキシー反応を起こして、命が危険な状態に陥ってしまう可能性があります。
赤ちゃんの食物アレルギーに正しく対処するためにも、まずは食物アレルギーにはどのような症状があるのか把握しておきましょう。
また、食物アレルギーのいろいろな症状に対して判断できるようにしておく必要があります。ここからは、食物アレルギーの症状について解説します。
即時型アレルギーでは消化器の症状が起こり、腹痛の原因となることがあります。他にも血便や吐き気などの症状が現れることもあります。
食物アレルギーにはいろいろな症状がありますが、食物アレルギーの中でもこの消化器症状は10%ほどの割合で見られる症状となっています。
即時型アレルギーの消化器症状として腹痛以外の別の症状には、下痢や嘔吐などもあります。
即時型アレルギーは消化器症状以外にも、いろいろな症状があります。その症状の中には赤ちゃんの命を危険にしてしまうものもあるので、症状が見られたら早めに受診しましょう。
食物アレルギーで現れやすい症状は皮膚に関する症状です。皮膚症状は食物アレルギーを発症した人の90%ほどに現れる症状です。皮膚に症状が現れた場合には、かゆみ、じんましん、赤み、湿疹などが起こります。
また、皮膚だけでなく、粘膜にも症状が現れることがあり、目が痒くなってしまうというケースもあります。
食物アレルギーでは呼吸器に関する症状も多く、咳やぜん鳴、息苦しさなどを起こすこともあります。症状によっては呼吸困難に陥ってしまうこともあります。
また、呼吸器症状は皮膚症状の次に多い発症で、全体の発症の20%~30%を占めます。
食物アレルギーは粘膜に症状が現れることがあり、粘膜症状では先ほど紹介した、目が痒くなる以外にも、充血やまぶたの腫れなどの症状が出ることもあります。
他にも、鼻ではくしゃみ、鼻水、鼻づまり、口の周囲では喉に違和感や腫れ、かゆみを感じたり、唇が腫れたりなどすることもあります。
食物アレルギーの症状では呼吸器に関する症状も多いです。呼吸器症状の主な症状には咳やぜん鳴、息苦しさなどがあります。
しかし、状態がひどければ最悪の場合、呼吸困難に陥ってしまうリスクがあります。赤ちゃんにとって呼吸困難は非常に危険な状態になり、大事にいたってしまう可能性もあります。そのため、早急で適切な対処が必要です。
赤ちゃんはアレルギー反応が現れても、自分で体の不調を訴えることはできません。そのため、赤ちゃんの様子におかしなことはないか、注意を払ってあげる必要があります。
食物アレルギーでは皮膚症状がよく現れるので、皮膚の赤みや湿疹、じんましんが出ていないか確認しましょう。また、粘膜症状によって目の腫れや充血、唇の腫れなどからも食物アレルギーの症状を疑うことができます。
食物アレルギーは、即時型のアレルギーがほとんどなので、早く気づいてあげられるようにしておきましょう。
食物アレルギーの症状が悪化してしまうと、アナフィラキシーショックを起こす原因となってしまうことがあります。
呼吸困難や血圧低下、意識障害などを起こして、ぐったりしている状況の場合、赤ちゃんはすぐに治療が必要な状態でもあり、非常に危険な状態となってしまっています。
赤ちゃんはまだ体の機能が整っておらず、免疫力が弱いです。そのため、食べた物をしっかりと消化できなかったり、食べ物に敏感に反応したりして食物アレルギーとなってしまうことがあります。
もし、食物アレルギーの症状が現れた場合、状態がひどくなると赤ちゃんの命が危険な目に遭ってしまう可能性もあります。
そのため、もし赤ちゃんに食物アレルギーの症状の疑いがある場合は、正しく対処するためにも、食物アレルギー検査を受けておくようにしましょう。
食物アレルギーの検査を行う際には、まず問診から行います。問診によって、赤ちゃんがどのような物を食べたときに、食後からどのくらいの時間が経ってから、どのような症状が現れたのかなど、まずは食べた物や症状などをしっかり把握する必要があります。
専門医がこれらの情報を得れば、どの食品が、どのくらいの強さでアレルギー反応を起こしているのか、おおよその見当をつけることができます。
そのため、赤ちゃんに食物アレルギーの症状の疑いがある場合には、病院で状況を正確に伝えられるように、これらの情報を確認しておくようにしましょう。
専門医が問診すれば、赤ちゃんの持つ食物アレルギーの症状について、おおよその見当をつけることができます。その見当から、次はより具体的な情報を得るために、いろいろな検査を行います。その検査の1つが皮膚試験です。
皮膚試験ではアレルゲンの試薬を皮膚に垂らし、その皮膚の部分を専用の針で小さく傷をつけます。その後、15分ほど時間をおいて、傷と試薬の反応からアレルギー反応を確認します。皮膚に傷をつけることから、この皮膚試験はスクラッチテストと呼ばれています。
皮膚試験には、採血の必要がなく、方法も値段も手軽で結果も早くわかるというメリットがあります。ただし、アレルギー反応が強く、全身に反応が起ってしまうという危険性がある赤ちゃんには、この皮膚試験を行うことはできません。
血液検査では主に2種の方法があります。その方法の1つはIgE抗体を調べるという方法で、血液にIgE抗体がどれだけたくさん含んでいるのかを調べます。
抗体がたくさんあれば、症状への耐性が強いというわけではありません。そのため、IgE抗体を調べるだけでなく、別の検査の結果と合わせた判断が必要です。
もう1つの方法はヒスタミン遊離試験という方法で、血液とアレルゲンを混ぜて反応させ、その反応によってヒスタミンが作られているかどうかを調べます。ヒスタミン遊離試験では確認できる食品に限りがありますが、IgE抗体の検査と合わせて行うことで効果を高めることができます。
食物経口負荷試験は実際に食べ物を食べてみて、その反応を確認するという方法です。実際に食べ物を食べることから、正確な判断を行うことができます。
ただし、食物経口負荷試験は慎重に進められはしますが、強い症状が現れたという万が一の場合に備えて、緊急処置ができる設備や準備が整っていないと行うことはできません。
離乳食によるアレルギーについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。食物アレルギーの疑いがある場合は、離乳食の始めるタイミングや進め方を遅らせるべきか悩んでしまう方も多いでしょう。
しかし、離乳食を遅らせることは食物アレルギーの発症リスクを逆に高めてしまう可能性があります。そのため、食物アレルギーの理解を深め、必要に応じて病院に相談し、検査を受けましょう。