沐浴とは、新生児期の赤ちゃんをベビーバスなどにお湯を入れて身体を洗うことをいいます。生まれたばかりの赤ちゃんは抵抗力が弱いため、細菌などに感染しやすいです。細菌への感染を防ぐために、新生児期は大人と一緒に入浴せず、赤ちゃんだけ別で入浴させるのが一般的です。
新生児は寝てばかりなので毎日沐浴する必要がないように感じられますが、赤ちゃんは非常に新陳代謝がよく汗をたくさんかきますので、必ず毎日沐浴しましょう。
新生児の沐浴後は、スキンケアや着替えを終えて落ち着いたら授乳をしても問題ありません。
ただし、沐浴後は身体が温まり、消化機能が低下している場合があります。赤ちゃんによっては吐き戻してしまうこともあるので、できれば沐浴直後ではなく30分ほど経ってからがいいでしょう。
新生児の沐浴後に授乳をする場合、赤ちゃんの様子をよく観察しながら行いましょう。お風呂あがりは大人でも身体が火照ったり、長く入りすぎてのぼせたりします。新生児は身体が小さいので、短時間でも身体が温まりすぎてしまうことがあります。
沐浴後の授乳は、赤ちゃんの様子を観察しながら、これから説明するポイントにも注意して行ってください。
昔は、お風呂あがりには白湯や麦茶を飲ませるように言われていましたが、現代では必要ないとされています。白湯や麦茶でお腹が膨れてしまうと、必要な栄養素を含む母乳やミルクの摂取量が減ってしまう恐れがあるためです。
基本的に生後6か月くらいまでは母乳かミルク以外は必要ありません。お風呂あがりだけでなく夏の脱水・熱中症対策にも、母乳やミルクで問題ありません。
沐浴後は水分補給の意味でも授乳は必要ですが、母乳の場合は普段通り、赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませて問題ありません。赤ちゃんが満足して眠ってくれたら、ママも少し休憩することができます。
ただし、いくら赤ちゃんが欲しているからといって自分の着替えをおろそかにして授乳をするのはやめましょう。この時期にママが風邪をひくのは避けたいので、自身も暖かい恰好をしてから授乳しましょう。
沐浴後の水分補給にミルクを与える場合は、前のミルクから時間が空いていれば規定量を与えて問題ありませんが、もし時間が空いていない場合は、20ml前後のミルクを飲ませてあげるといいでしょう。
ただし、20ml程度のミルクを飲むともっと飲みたいと言って泣いてしまう可能性が高いので、ミルクのタイミングに合うように、沐浴の時間をコントロールするとよいでしょう。
沐浴後は身体が温まって消化機能が低下している場合があり、赤ちゃんによっては吐き戻しをしてしまうことがありますので、授乳後はしばらく縦に抱っこしておいた方がよいでしょう。
寝かせる場合でも、頭を横向きにしたりバウンサーなどで少し角度をつけて寝せるようにすると、吐き戻しによる窒息を防ぐことができます。
沐浴後の授乳はできるだけ沐浴直後は避け、沐浴後30分程度時間を置くのが理想ですが、赤ちゃんが泣いて落ち着かないこともあるでしょう。
沐浴直後に赤ちゃんの機嫌が悪く、空腹のようであれば、それに合わせて授乳しても問題ありません。赤ちゃんの様子を観察しながら、吐き戻しなどがないように注意しましょう。
新生児の沐浴後は、授乳だけではなく様々なケアが必要なので、バタバタしがちです。赤ちゃんの身体はデリケートなので、日々のこまめなケアが重要です。しっかりとケアすることは、肌を強くすることにもつながります。
ここでは、赤ちゃんの沐浴後のケアを3つ紹介しますので、参考にしてみてください。
赤ちゃんの耳と鼻の穴は小さくて狭く、汚れが溜まりやすいので、沐浴後にさっと綿棒でふき取ってあげるといいでしょう。
耳は奥まで掃除したくなりますが、逆に綿棒の綿が詰まったり傷つける危険があるので、入り口付近をさっと拭くだけで十分です。鼻も同様で、綿棒を奥まで入れずにさっと汚れを取りましょう。いずれも、固い綿棒は皮膚に傷が付きやすいので柔らかい綿棒を使いましょう。
赤ちゃんのお尻は、1日に何度もうんちで汚れ、おしりふきで刺激を与えられるので、念入りなスキンケアが必要です。低刺激のオイルなどをつけておしりを守るベールを作っておくと、うんちがとれやすくなるので何度もふき取る必要がなくなり、オムツかぶれの予防にもなります。
うんちの回数があまりにも多くてお尻が赤くなる場合は、汚れるたびにお湯でお尻を流したり、病院から処方された薬を塗る必要も出てきます。
赤ちゃんの肌は水分量が少なく乾燥しやすいので、身体全体をしっかりと保湿する必要があります。保湿クリームやローション、オイルなどをたっぷりと塗ってあげましょう。
特に顔は衣服に覆われていないので非常に乾燥しやすいです。また、吐き戻しやよだれなどで口の周りが荒れてしまうことも多いです。スキンケアを通して赤ちゃんの肌を毎日観察することで、小さな変化にも気づくことができるようになります。
新生児の赤ちゃんは沐浴後に吐き戻しをしやすいと言われています。そのために、沐浴と授乳のタイミングを見計らうのはママにとって大変なことです。赤ちゃん中心で生活が回っている中で、赤ちゃんの沐浴の時間と授乳の時間が上手く合う時間帯を探さなければなりません。
では、そもそもなぜ赤ちゃんは沐浴後に吐き戻しをしやすいのでしょうか。理由が分かれば、対策を打つことができるでしょう。
沐浴の直前や直後は飲ませるタイミングとしては非常によくありません。
基本的に食後は胃に入ったものを消化するために胃に血液を集める必要があります。しかし、そのタイミングで沐浴してしまうと、全身に血液が流れてしまい、胃に血液を集めることができず、消化がうまくいかなくなってしまいます。
授乳は沐浴の直前・直後は避けるようにタイミングを合わせましょう。
ミルクを吐く理由には、単純に飲みすぎの場合もあります。赤ちゃんが満足するまで飲ませるのは問題ありませんが、親が「水分補給のためにもこれくらいは飲んで欲しい」という思いで赤ちゃんに無理に飲ませてしまうと、吐く原因となってしまいます。
赤ちゃんは自分の限界がまだ分からずに与えられた分だけ飲んでしまう場合があります。吐き戻しが続くようであれば、1回の量を減らしてみてもいいでしょう。
ミルクを飲んだ後すぐに横に寝かせていると、吐き戻ししやすくなることがあります。一般的にミルクを飲んだ後はげっぷをさせてから寝かせますが、げっぷをすれば時間をあけずに横に寝かせても問題ありません。
しかし、吐き戻しが多い赤ちゃんについては、しばらく縦抱っこをしてから寝かせるのがいいでしょう。寝かせるのも、頭を横にして吐き戻しによる窒息が防げるよう工夫してください。
赤ちゃんの吐き戻しは健康上特に問題ないとされていますが、嘔吐の量や赤ちゃんの様子によっては病気の可能性もあるので注意が必要です。
少量の吐き戻しは赤ちゃんにとってよくあることなので、特に気にする必要はありません。噴水のように吐く、大量に吐く、顔色が悪い、下痢も併発している、などの症状がある場合は、一度医師に相談してみましょう。
新生児の沐浴は、第一子の場合は特に首の座らない赤ちゃんを支えながら洗うのに苦戦するため、計画通りにいかずバタバタしてしまうことがあるので、事前準備をしっかりとしておくことが大切です。
ここでは、新生児の沐浴の際の注意点をまとめていますので、沐浴に苦戦している、時間がかかる、もう少し要領よく進めたい、という人はぜひ参考にしてください。
沐浴の前には、衣服やおむつは広げた状態でスタンバイしておくと、すぐに着替えさせることができ、湯冷めするのを防ぐことができます。冬は特に、身体の小さな赤ちゃんはすぐに身体が冷えてしまいます。
また、衣服と一緒にスキンケアグッズも準備しておくと、一か所ですべて終えることができるので、余計な手間がかからずスムーズに着替えを終えることができます。
赤ちゃんは数分の沐浴でも体力を使ってしまうので、沐浴後または沐浴中にミルクを欲しがることがあります。基本的に沐浴後しばらく時間をおいてからの授乳が理想的ですが、赤ちゃんの機嫌が悪く、ミルクを欲しがっている場合は我慢させずに飲ませてあげましょう。
ミルクの場合は、沐浴前に準備をしておくと、ミルクを作る時間を短縮することができ、すぐに飲ませてあげることができます。
赤ちゃんの裸を隅々まで見ることができるのは沐浴のときだけなので、皮膚の様子などをしっかりと観察し、何か変わったことがないか確認しておきましょう。
赤ちゃんの皮膚は非常にデリケートなので、湿疹ができたりおむつかぶれをしやすいです。また、新生児はまだへその緒がとれていないので、へその緒の様子も観察しましょう。
新生児の沐浴は、親もまだ慣れていないこともあり、注意すべきことがたくさんあります。初めは小さな赤ちゃんをお湯につけることさえ怖くて力が入りがちですが、毎日やっているとすぐにコツをつかむことができます。
沐浴は赤ちゃんのエネルギーもたくさん使いますので、赤ちゃんの様子にも注意しながら、ぜひ沐浴を楽しんでください。