新生児は、口呼吸より鼻呼吸の方がしやすい特徴もあるので、鼻にほこりなどの異物が入りやすくなっています。また、新生児は鼻毛がなく、鼻の粘膜も薄いことから少しの刺激でも敏感に反応し、くしゃみを頻繁にすることがあります。
つまり、新生児は比較的くしゃみをする回数が多いけれど、必ずしも深刻に考える必要のないことが多いでしょう。なお、くしゃみの回数などは個々の違いがあり観察して特徴を知っておくことをおすすめします。
一般的に新生児はくしゃみが出やすいと知っても、我が子が何度もくしゃみを繰り返すと心配になることもあるでしょう。
日常生活の中で、新生児のくしゃみの原因になることは何でしょうか。原因を知ることで、それを遠ざけられたら、少し安心できるでしょう。ここでは、新生児がくしゃみをする原因5つをとり上げます。
新生児がくしゃみをする原因に、太陽の光や空気の湿度、温度の変化などがあります。例えば、屋内から屋外に出たときに太陽の光を強く受け、気温や湿度の変化を感じることがあるでしょう。
大人には、ほとんど感じない変化も新生児には強い刺激になり、くしゃみが出やすい状態になることもあります。そのため、直射日光を避け、室温や湿度の急な変化が起きないよう、環境に気を配るといいでしょう。
新生児がくしゃみをする原因に、単純に生理現象であることが考えられます。大人にもあることですが、空気中のほこりなどの異物が、鼻の中に入って鼻の粘膜を刺激すると反射的にくしゃみが出ることがあるでしょう。新生児の場合も、大人と同じような反応をします。
新生児がくしゃみをする原因に、風邪などによる感染症が考えられます。くしゃみ以外に、鼻水や咳、発熱の症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
一般的に新生児は平熱が高めですが、日ごろから体温を測定し平熱を把握しておけば、変化に気づきやすく早めの対処ができるでしょう。
新生児がくしゃみをする原因に、ほこりやハウスダストなどの環境アレルギーが考えられます。咳や発熱がないのに、鼻水とくしゃみが続く場合は、アレルギーを起こしている可能性もあるでしょう。
この場合は、医療機関を受診することをおすすめします。アレルギーの原因を特定し、なるべく原因になるものを排除する環境作りをしましょう。
新生児がくしゃみをする原因に、動物アレルギーが考えられます。動物アレルギーとは、動物の毛、排泄物、唾液などが原因で目や鼻、皮膚などにアレルギー症状が出ることです。
室内でペットを飼育している場合や、羽毛布団などがアレルギーの原因になることが多くあります。血液検査でアレルギーの要因を特定するなど、医療機関を受診して相談することをおすすめします。
新生児のくしゃみの原因が風邪である場合、症状によって対処法が異なります。我が子が心配になるところですが、慌てずしっかり観察して症状にあった対処をしましょう。ここでは、くしゃみをともなう風邪の対処法を4つとり上げます。
新生児は平熱が高めですが、38℃がひとつの基準になります。熱が38℃以下で食欲があり、元気で機嫌がいいという場合は自宅で経過観察しましょう。このとき、体はウイルスと戦っています。そのため汗をかいたらこまめに着替えさせましょう。
しかし、38℃以下でも食欲がまったくなく、ぐったりとしている、高めの熱が数日間にわたって続いている場合などは、医療機関の受診をおすすめします。
新生児がくしゃみに加えて咳もしていたら、元気があっても医療機関を受診することをおすすめします。また、新生児の気道は狭く、呼吸困難になりやすいので注意が必要です。
自宅では、新生児がどんなタイプの咳をしているか観察することが重要です。咳の仕方はいろいろあるため、咳の音や呼吸の様子などを把握しておくことで、医療機関を受診した際に対処がスムーズになります。
新生児がくしゃみに加えて鼻づまりの症状も出ている場合、状況を観察しながら、必要に応じて医療機関を受診することをおすすめします。
鼻づまりを放置しておくと、中耳炎などを引き起こす可能性もありますので、綿棒、ティッシュ、鼻水吸引器などで鼻水を吸いとってあげましょう。それでも、くしゃみや鼻づまりが続き食欲がない、あまり寝ないなどの場合は医療機関を受診する方が安心でしょう。
新生児がくしゃみに加えて授乳量が少ないと感じたら、医療機関を受診することをおすすめします。授乳から水分補給しているため、授乳量が少ないということは、脱水症状をおこす可能性があるでしょう。
新生児の体内の水分量は約80%と、水分の割合が高いため、脱水症状を引き起こしやすいです。重度の脱水症状は、深刻な状態になりかねませんので早い対処が必要です。
新生児も大人と同じでハウスダスト、ほこりなどにアレルギーの反応を起こすことが多く、これには自宅で対処できることがあります。そしてもうひとつは、医療機関を受診して相談することで、専門家のアドバイスに従うこともおすすめします。
アレルギーが原因と考えられる、新生児のくしゃみの対処法についてとり上げます。
毎日どんなにきれいに掃除しても、ほこりはどこからか出てきて溜まってしまいます。新生児をフローリングの床にそのまま寝かせている場合は、ベビーベッドに寝かせてみましょう。
フローリングの床は、じゅうたんより清潔に保ちやすいメリットがありますが、デメリットとしてほこりが舞い上がりやすいことです。高い位置にあるベビーベッドなら、舞い上がったほこりが届きにくいでしょう。
アレルギーが原因と思われるくしゃみが出ている場合には、寝かせている部屋を変えてみましょう。新生児は寝ている時間が長いので、寝室の環境は大切です。
窓があり、こまめに部屋の換気をしやすい環境がいいでしょう。窓がなければ空気清浄機などの電化製品を使って、快適な環境を保つこともできます。また、寝具はほこりや雑菌がつきやすいので、いつも清潔にしておきましょう。
寝室の環境を変えるなど自宅でできることを試しても、くしゃみが続くのであれば、病院などの医療機関を受診しましょう。
医療機関への受診までに、検温の記録や観察して気づいたことを書き留めておくことをおすすめします。受診の際に役立つ情報となり、スムーズな対応ができるでしょう。
新生児が、くしゃみをして泣いてしまうところを見たことがあるでしょうか。我が子が泣いているとかわいそうに思うでしょうが、この場合、複雑な理由ではなく単に、予想できないことが起きたことに反応しているだけと考えられています。
つまり、どこか痛くて泣いている可能性は低いということです。また、大人があくびをしたら涙が出る生理現象と同じで、新生児もくしゃみで涙が出ることもあるようです。
新生児の鼻の粘膜が繊細で、鼻毛もあまり生えていないため、大人に比べるとくしゃみが多いと言えます。すぐ深刻に考える必要はありませんが、発熱、咳、授乳量の減少など、くしゃみ以外に気になる症状がある場合には注意が必要です。
しっかりと観察した上で、医療機関を受診することも検討しましょう。