造形表現には、色彩、形、量、塊、バランス、構成、空間意識などがあります。幼児造形遊びとは、幼児の豊かな感性を刺激し、創造力を養えるように、造形作品を楽しみながら作っていくものです。
造形活動を通して子どもの感性を育みながら親子で遊んでみてもよいでしょう。
育児をする過程で、造形遊びは子どもの能力を引き出すために、役に立つでしょう。造形遊びを通じて、子どもの忍耐力、思考力、記憶力、創造力など種々の能力を発達させることができるといわれています。
幼児期にこれらの能力を養うことで、読み、書き、計算などの学習の土台となる能力を作ることができるでしょう。
それでは家庭で楽しめる幼児向けの造形遊びのアイデア20選をご紹介しましょう。絵具や紙をはじめ、いろいろな材料、道具を使い、自由な発想で作品を作っていきましょう。
道具を使うことは、手を使うことであり、それによって脳を刺激することになります。親子でチャレンジして楽しみましょう。
幼児造形遊びとして、絵具遊びは色彩感覚や想像力を育てることができるといわれています。ここではフィンガーペインティングを紹介します。指を使って好きなものを描く遊びです。用意するのは、絵の具、パレットまたは紙皿、新聞、画用紙です。
紙皿に数種類の色を出し、指で混ぜながら画用紙に好きな絵を描きます。幼児が初めて絵具に触れる時には、自由に混ぜて、好きなものを表現させましょう。遊び方は自由です。自然や動物など好きなものを描きましょう。
紙マペットは紙の素材の楽しさを味わい自由に作るものです。用意するのは、はさみ、のり、水性マーカー、ラシャ紙、飾り用の紙です。
ラシャ紙をよくもんで、広げます。繰り返して紙全体にしわをつけて柔らかくします。広げたラシャ紙を封筒の形になるように折り曲げてのり付けします。
開いている片方の口を折り曲げのりをつけて留め、紙や水性マーカーで顔などの飾り付けをして完成です。お部屋に飾ったり、お人形さんごっこができます。
手形足型の花は、子どもの手や足に色を直接つけて、作品を作ります。用意するのは、水性インク(スタンプ)、絵の具、カラーペン、カッター、はさみ、画用紙、スポンジ、テープやシールです。
まず子どもの手にインク類を付けます。手を開いてペタンと手形を押します。子どもの指はしっかり開いた状態で、手形を取ります。茎や葉の部分などを水彩絵の具で描き加えて楽しめます。足でも同じように作れます。カードを作って遊んでみましょう。
紙粘土でカタツムリを作ってみましょう。用意するものは、紙粘土、絵の具、つまようじです。
紙粘土に、イメージするカタツムリの色の絵の具を少しずつ混ぜてこね、色をつけます。カタツムリの形を作り、紙粘土をつまんで細部を作ります。
別の紙粘土に好きな色の絵の具を混ぜて丸め、目と鼻を作ります。落ちてしまう時は、木工用ボンドでつけます。つまようじで口の線を描いたらできあがりです。葉っぱやカエルも作って遊びましょう。
スライムはその感触が面白いので、乳児から楽しめるでしょう。用意するものは、紙コップ、割りばし半分、ペットボトル(色水を作っておきます)、洗濯のり(薬局で入手又は液体のりで、成分がPVAのもの)ホウ砂です。
カップの1/3までのりを入れ、のりと同量かそれ以下の色水を入れて混ぜます。次にホウ砂水を初めに入れたのりの半分くらい入れて混ぜます。固まったらできあがりです。手で触っていろいろな形にしてみましょう。
牛乳パックで万華鏡を作ってみましょう。用意するものは牛乳パック、アクリル製硬質カードケースです。
カードケースをカッターで切りセロテープで留め三角柱を作り、底はフタをします。高さ1.5㎝で本体の三角柱より1㎜大きい三角柱を作り、その中にビーズを入れます。
元の三角柱の底の部分にはめ込み、全体を黒い紙で覆います。反対面に穴をあけてのぞけるようにし、牛乳パックで全体を覆います。
輪ゴムで簡単にギターを作りましょう。用意するものは、新聞紙5枚、輪ゴム、発泡スチロールのトレイです。
まず新聞紙にビニールテープを巻いて棒を作り、その棒をトレイの裏にガムテープで留めます。輪ゴムを棒の根元にかけて、トレイの上で引っ張り、棒の先に引っ掛けます。
2本目の輪ゴムをかけるために、トレイのふちに2ミリの切れ目を入れ、2本目の輪ゴムをかけたら出来上がりです。ギターを持って歌を歌ってもよいでしょう。
押し花にして、枯れない朝顔を作ってみましょう。用意するものは、切り取ったアサガオと和紙とです。
まず切り取った朝顔を和紙に挟みます。その和紙をクリアファイルに入れて、上から固いものでこすります。その時は力を入れすぎないで、トントンと上から叩くようにします。クリアファイルから出して和紙を開いたら完成です。
よく乾かしてから、栞にしたり、絵葉書にしたりすることができます。
幼児造形遊びとして、金魚すくいのポイを作って、おうちで金魚すくいを楽しみましょう。用意するものは、牛乳パック、 ネットまたは和紙、 ハサミ、 ホチキスです。
まず牛乳パックの一部分を縦に3等分します。カットしてできた3本の内2本を使って、ホチキスで2本をつなげ、ポイの輪を作ります。和紙をホチキスで輪につけます。残った1本で持ち手を作ります。残りの牛乳パックで、金魚を作り水に浮かべて、自製のポイで遊んでみましょう。
新聞紙で帽子を作りましょう。
上がめくれるようにして新聞紙を置きます。新聞紙は真ん中の折り目に合わせ、下の両端をななめに折ります。次に逆三角形に折ったら全体を180度反転させ、新聞紙の下を2回折ります。2回折ったら新聞紙全体を裏返しにして、両端を真ん中に谷折りします。
ここまで折ったら、同じように新聞紙の下を2回ほど折り曲げます。折り上げたら中の隙間に入れ、上の三角部分も中に折り込みます。みんなでかぶって遊びましょう。
幼児造形遊びで、紙の道で遊びましょう。用意するものは、はさみ、のり、水性マーカー、ラシャ紙帯×2本(3.5センチ×27センチ)、飾り用の紙です。
まずラシャ紙帯をそれぞれ好きなところで2~3ヶ所切ります。さまざまな形につなげて、のりで接着します。ジグザグにしたり、好きな方向に曲げて 自由につなげてみましょう。紙やペンで家や車など道の飾りを作って完成です。道を広げて、自分の街を作ってみましょう。
幼児造形遊びの中でも、折紙の動物を作って遊んでみましょう。用意するものは折り紙、マーカー、色鉛筆です。
折り紙で自分の好きな動物を作りましょう。マーカーや色鉛筆で、細部を描くこともできます。たくさん作って、部屋の中を動物園にするとよいでしょう。
折り紙だけでなく、段ボールや空き缶に紙を貼るなど、自分の好きな材料でいろいろな大きさの動物を作ってみましょう。
飛び出す蝶のカードを作りましょう。用意するのは、色画用紙、はさみです。
自分の好きな形の蝶をはさみで切ります。蝶と台紙とカバーの色を選んで、色の組み合わせを考えましょう。
鉛筆で蝶、台紙、カバーの型をとって切り取ります。カバーは2つ切り取ります。台紙に蝶を取り付けるための専用パーツを貼ります。蝶を挟み込み台紙を折り畳みながら貼ります。バースデイカードやクリスマスカードなどに利用できます。
太鼓とばちを作りましょう。用意するものは、空き容器又はミルク缶、ゴム風船、ビニールテープ、アルミホイルの芯です。
まず空き容器にゴム風船を半分に切ったものを張り、ビニールテープでくっ付けます。ばちの部分は、アルミホイルの芯にテープを巻きつけて作ります。飾りつけをしたい場合は色紙などで、容器の周りやばちの周りをデコレーションします。
幼児造形遊びの中に、モールサンダル作りがあります。用意するのは、段ボール、モールです。
足の形に合わせて段ボールを切り、サンダルをつくります。足を置いて親指と人さし指の付け根の位置に、千枚通しで穴を開けます。モールを中心で折り、穴にモールの折った先を3センチほど通します。
サンダルの裏で、モールの両端と穴に通したモールの中心をねじって留めて、サンダルにカラーペンなどで好きな絵を描いて遊びます。
幼児造形遊びとして、外装フィルムで遊びましょう。用意するものは、ラップ、ティッシュペーパー、はさみです。
ラップを好きな大きさに切り、中央にティッシュを丸めて根元をクルクルとねじり、ティッシュの玉を持って、ラップを広げ後ろに折り返して密着させます。
ハサミで切込みをいれた後、花びらになるようにさらに折り畳んで下さい。ラップを使って、ウサギなどの小動物も作って遊びましょう。
幼児造形遊びの一つの、塩の氷釣りに挑戦してみましょう。用意するものは、塩、氷、糸、衣装ケースなどの容器です。
容器に氷を入れます。糸を氷の上に置き、上から塩をパラパラパラとまきます。しばらくすると糸が氷にくっつきます。氷に色を混ぜて作っても楽しめます。家族で氷釣りにトライしてみましょう。
幼児造形遊びとして、ティッシュ箱を利用して、いろいろな工作ができます。簡単な小物入れから、動物、バッグ、ギター、車など子どもの興味に合わせて、好きにデコレーションしましょう。用意するものは、ティッシュ箱、はさみ、色紙、テープなどです。
小物入れなどは、ティッシュのビニールの部分をとって、紙で飾り付ければ簡単にできます。簡単なものから作り始め、だんだん難易度を上げていきましょう。
幼児造形遊びとして、段ボールでもいろいろなおもちゃが作れます。簡単なおもちゃ箱から、台所、かわいい家まで創造力を発揮して、オリジナルな作品を作りましょう。
用意するものは、段ボール、カッター、色紙、マジック、ガムテープなどです。特に段ボールの家を作ると、実際に子どもたちが中に入って遊ぶことができます。段ボールに絵を書いて自由に楽しみましょう。
化粧道具を作って遊びましょう。用意するものは厚紙、ひも、画用紙、チーズの丸い箱、リボン、テープなどです。
口紅は厚紙で本体を作りテープを巻きます。中に丸めて片端を斜めに切った赤い画用紙を入れます。コンパクトはチーズの箱のフタに少し切り込みを入れ受け皿と繋げてホチキスで留めます。
ブラシはビニールひもを束ねて根元を結び先端をはさみで切り揃え、根元に紙を巻きつけテープで固定します。バッグに入れて遊びましょう。
幼児造形遊び以外にも、家で遊べるものは、いろいろあります。テレビゲームに子どもが魅了されないように、家族で楽しめる遊びを取り入れましょう。
子どもの発達を促す知育ゲームやジェスチャーゲームなど、家族や友達と一緒に遊べるもので、みんなで過ごす時間を楽しむとよいでしょう。
幼児造形遊びは自由に発想して、イメージを表現できる遊びです。作品を仕上げたときに成功も失敗もありません。子どもが独自の発想で作ることも、親子で協力して一緒に作っても楽しめます。
課題を達成するのではなく、子どもの自由な創造力を発揮させ、物を生み出す喜びを発見することができるでしょう。オリジナルの作品を親子でたくさん作ってみてください。