赤ちゃんの就寝時のリスクとして挙げられるようになったのが、うつぶせ寝です。このうつぶせ寝をすることで、赤ちゃんの命に関わる事故が発生することがあります。警鐘が鳴らされているうつぶせ寝のリスクには2つあります。
そのほか、うつぶせ寝はいつからが大丈夫なのかについてや、うつぶせ寝を防ぐ方法なども紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
うつぶせ寝をすることで考えられるリスクは、窒息死と乳幼児突然死症候群(SIDS)の2つです。呼吸ができず苦しくても、自らの力で動くことができず窒息につながってしまいます。
また、はっきりとした原因はわかっていませんが、うつぶせ寝が乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症を高めるとも言われており、複数の研究で判明されているのです。そのため、うつぶせ寝のリスクが大きいことを知っておかなければなりません。
生後7ヶ月ころから、自ら寝返りができるようになる赤ちゃんが増えてきます。しかし、寝返りができるようになったのであれば、うつぶせ寝をしても安心なのかというわけではありません。
万が一のことを考えて、赤ちゃんのうつぶせ寝は1歳以降にしましょう。1歳まではうつぶせ寝はさせずに、仰向け寝をさせておいた方が安心です。
それまでは、寝具や赤ちゃんの寝るときの姿勢などに気を配る必要があります。
次に赤ちゃんのうつぶせ寝を防ぐ方法を紹介します。赤ちゃんが寝るときの姿勢だけでなく、寝かせるときの環境も整えなければなりません。赤ちゃんが使う寝具の選び方やシーツの敷き方、寝返りを防ぐための姿勢など防ぐ方法はさまざまですが、全て実践する必要があります。
そのほか、添い寝をしたときに保護者がうたた寝をしてしまい、窒息につながるケースもあるので注意が必要です。
うつぶせ寝によるリスクを防ぐために、寝具選びから気をつけなければなりません。赤ちゃんに使用する枕やマットレスは、硬めのものを使用しましょう。
柔らかいものを使用してしまうと、万が一赤ちゃんがうつ伏せ状態になったときに、顔が埋もれてしまい呼吸がしづらくなってしまいます。弾力性があるものの方が、寝心地が良く感じてしまいますが、赤ちゃんの寝具は硬めのものがベストです。
うつぶせ寝によるリスクを避けるために、シーツの敷き方にも気をつけなければなりません。シーツがたるんでいると、赤ちゃんが窒息する可能性を高めてしまいます。そのため、赤ちゃんが寝る場所はシーツにシワができないようにしっかりとまっすぐにひきましょう。
先述しているものと、重なりますが敷布団も硬めのものを使用するのは必須です。赤ちゃんが使う寝具は、体や頭を預けるものなので、硬めのものにすることでうつぶせ寝によるリスクを軽減できます。
また、掛け布団を使用するときには、赤ちゃんでも払いのけやすいくらい軽いものを使用しましょう。
赤ちゃんを寝かせるときには、サイズに合った服を着せましょう。たるんでいると動きづらくなり、呼吸が苦しいと感じても動きづらくなってしまいます。
また寝るときに厚着をさせるのもNGです。服がたるんでいるときと同じように、厚着をしていると赤ちゃんは動きづらくなってしまいます。また厚着をさせないことで、脱水症状などを防ぐことにもつながります。
赤ちゃんが気持ちよく寝ていても、うつぶせ寝をしていたら仰向けにしてあげましょう。睡眠を邪魔したくないからとそのままにしておくと、窒息や乳幼児突然死症候群につながる可能性が出てきます。
しかし、身体ごと急に仰向けにさせてしまうと、赤ちゃんが驚いて起きてしまう場合があります。寝ている赤ちゃんがうつぶせ寝になっていたら、頭を持ち上げてから優しく静かに身体を動かしてあげましょう。
うつぶせ寝にならないようにする方法も紹介します。硬い寝具を使用して、赤ちゃんが寝る場所の環境を整えてから、赤ちゃんの寝る姿勢に工夫をしましょう。
仰向けに寝かせたら、軽く膝を浮かせるようにするとうつぶせ寝を防ぐことができます。膝の下に固く丸めたタオルを敷いておくと、寝る姿勢をキープしやすくなるのでおすすめです。とは言っても確実ではないので、赤ちゃんの様子は合間に見てあげましょう。
赤ちゃんの枕元には何も置いてはいけません。クッションやぬいぐるみなども、窒息のリスクを高めてしまうので気をつけましょう。赤ちゃんが寝る場所の周りは、必要最低限の寝具だけで十分です。
日中、赤ちゃんが活動するリビングなどにあるクッションやぬいぐるみなども、思わぬ事故の原因となってしまいます。ふと目を離したときに、万が一のことが発生してしまわないよう環境を整えておくことが大切です。
赤ちゃんのうつぶせ寝は、窒息などのリスクだけではなく身体に影響を及ぼすことがあります。うつぶせ寝をすることで、赤ちゃんの身体に起きることを紹介していきます。
うつぶせ寝をすることで起きるリスクは、窒息死や乳幼児突然死症候群(SIDS)だけではありません。赤ちゃんの歯並びやゆがみなどにも影響を与えることがあるでしょう。
うつぶせ寝をする赤ちゃんは、起きたときに顔がむくんでいることがあります。時間がたてばむくみもとれてくるので、そこまで気にする必要はないでしょう。
しかし、1日経過しても赤ちゃんの顔のむくみがとれないときには、病気の症状のひとつの可能性もあるので受診した方が良いでしょう。
赤ちゃんのうつぶせ寝により起こることの2つ目が、嘔吐です。うつぶせ寝をすることで、お腹が圧迫されてしまい嘔吐につながってしまいます。
また、嘔吐をしなくても吐き気の原因にもなってしまうので、赤ちゃんのことを考えてもやはり避けた方が良いでしょう。ほかにも、食後すぐにうつぶせ寝をさせてしまうと、余計にこの症状は起きやすくなってしまうので、注意が必要です。
うつぶせ寝をするときに影響を及ぼすのが、赤ちゃんの歯並びです。体の中で一番重い部位である頭が、歯にそのまま力を与えてしまうので歯並びに悪影響を与えてしまいます。
その頭の重さからかかる負荷は、矯正よりも大きな力がかかっています。特に骨が柔らかい赤ちゃんは、かみ合わせや下顎がずれてしまう原因となってしまうので、将来のことを考えても気をつけなければなりません。
命にも関わる身体に起こることが、うつぶせ寝になることで起きる無呼吸です。寝返りをうてない赤ちゃんは、呼吸ができずに苦しいと感じても仰向けになることができません。
そして、寝具などが原因で呼吸ができなくなり、窒息につながってしまうリスクが高まります。乳幼児突然死症候群(SIDS)もうつぶせ寝をしているときに発生率が高くなっているというデータも残されているので、注意が必要です。
体のゆがみも、うつぶせ寝をすることで起きる場合があります。頭の重さは歯だけではなく、顎にも大きな負荷をかけてしまいます。そして、負荷をかけ続けることで顎のゆがみにつながります。
この歪みが顎関節症の原因にもなってしまうので気をつけましょう。口を開けたときに顎がカクカク鳴ったり、口を開けづらかったりするときには顎関節症の可能性があります。赤ちゃんの口の開きに違和感があるときは、受診しておくことがおすすめです。
うつぶせ寝をすることで、赤ちゃんにさまざまなリスクをもたらします。窒息死や乳幼児突然死症候群(SIDS)が発生してしまうことは、避けなければなりません。
またほかにも歯並びに悪影響を与えたり、顎関節症の原因になってしまったりすることがあります。それらのリスクを避けるために、赤ちゃんの寝る環境を整えることがとても大切です。
赤ちゃんと保護者が安心して幸せな生活を送るためにも、リスクは知っておきましょう。