赤ちゃんに湿疹ができてしまって不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。赤ちゃんは生後2ヶ月頃を過ぎると母親からの性ホルモンを使い切ってしまい、皮膚の産生が減少するといわれています。また、皮脂膜の形成も十分ではありません。
こうした皮膚のバリア機能の低下により、生後2~3ヶ月頃から頭や顔の湿疹が始まり、4ヶ月ごろの赤ちゃんに湿疹が目立つようになります。
4ヶ月ごろの赤ちゃんに多い湿疹のタイプは主に4タイプあります。乳児湿疹、突発性発疹、アトピー性皮膚炎、あせもです。
それぞれの特徴を一緒に見ていきましょう。
4ヶ月ごろに多い湿疹の1つ目は乳児湿疹です。乳児湿疹は一般的に赤ちゃんにできる湿疹全体をさし、単一の病気ではありません。代表的なものは乳児脂漏性皮膚炎です。
乳児脂漏性皮膚炎は生後3~4週間ごろに発症し、特徴は黄白色の油脂性のかさぶたで、頭・眉・頬にできやすいです。
母親のホルモンによる皮脂過多の影響によるものとされています。落とすケアが大切で石鹸やシャンプーで清潔に保つこと事で軽減することもあります。
4ヶ月ごろに多い湿疹の2つ目は突発性発疹です。突発性発疹は感染症法に基づく4類感染症で、乳児期に発症するのを特徴とする熱性発疹性疾患です。
38度以上の発熱が3日ほど続いた後、解熱とともに鮮紅色の小さなできものがお腹や背中を中心に顔や手足に数日間出現します。痒みはありません。
突発性発疹は予後もよく、3~4日で治り跡も残らないといわれています。ちなみに大人は抗体を持っているので、赤ちゃんから感染する可能性は低いでしょう。
4ヶ月ごろに多い湿疹の3つ目はアトピー性皮膚炎です。アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下することにより生じる発疹が慢性的に続くといわれています。
アトピー性皮膚炎は乳児湿疹に比べかゆみが強く、肘の内側・足の付け根・膝の裏側など全身に発症するのが特徴です。
アトピー性皮膚炎は気管支喘息等のアレルギーを合併することがあるので、経過は慎重にみていきましょう。
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は症状がよく似ているため、判断が難しい病気です。
アトピー性皮膚炎の診断基準は、乳児が2ヶ月以上発疹が続く場合のためすぐに診断ができません。症状の軽重ではなく、期間で判断されます。
4ヶ月ごろに多い湿疹の4つ目はあせもです。まだ体が小さい赤ちゃんは汗腺の分布密度が高く、基礎代謝が活発なため汗をかきやすくなっています。多量の汗が蒸散できずに周辺組織に漏れ出るのが原因であせもができるといわれています。
首・肘・足の裏・衣類に覆われた胸や背中も汗を多くかき、あせも(汗疹)ができやすいです。痒みによりかき壊して化膿してしこりになることもあります。
4ヶ月ごろの赤ちゃんは様々な皮膚トラブルに悩まされますが、適切なケアを行うことにより緩和できるといわれています。また再度発症するのを予防することも可能です。
4ヶ月ごろの赤ちゃんに効果的な湿疹ケア方法を4つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんの湿疹ケアの方法1つ目はしっかり保湿することです。生後2か月を過ぎると赤ちゃんの肌は乾燥しやすくなります。乾燥が湿疹の原因になることも少なくありません。
保湿のタイミングは朝起きて顔を拭いた後、汗・よだれを拭いた後、お風呂の後、おむつ替えや着替えの後、お出かけ前とそれぞれの場面でこまめに保湿することが大切です。
特に入浴後の角質がやわらかくなっている間に保湿ローションやクリームなど赤ちゃんでも使用できる保湿ケア用品を使用して、赤ちゃんを乾燥から守ってあげてください。
保湿剤には皮膚の水分が逃げないようにふたをしたり、皮膚に水分を与えたりする役割があります。
たっぷりのせるように塗ると、でこぼこしている湿疹部分にもしっかりついて治りがよくなるでしょう。すりこんだり、薄く塗ると湿疹部分にまで届きません。保湿剤はたっぷりと使ってしっかりケアしていきましょう。
赤ちゃんの湿疹ケアの方法2つ目は肌を清潔に保つことです。赤ちゃんの湿疹は皮脂の分泌が盛んな場所にできやすいため、お風呂で余分な皮脂や汚れを洗い流すことが大切です。
お風呂での洗い方は優しく手で洗うのがポイントです。38~39度のぬるめのお湯で泡タイプの洗浄剤でこするのではなく、泡で包み込むようにして洗うとよいでしょう。
顔は耳の後ろ・Tゾーン・小鼻も忘れずに洗いましょう。頭皮からも皮脂が多いため頭もしっかりと洗うようにしましょう。
体は首や股の間、手首のくびれなど、皮膚が接触しているところも、皮膚を伸展させてしっかりと洗いましょう。
赤ちゃんの湿疹ケアの方法2つ目は肌を清潔に保つことです。
赤ちゃんは汗をかきやすく、あせもなどの湿疹を引き起こしやすいといわれています。エアコンなどの空調を整える製品や通気性のよい洋服を用いて、汗の過剰分泌を防ぐようにしましょう。
赤ちゃんの湿疹ケアの方法4つ目はアトピー性皮膚炎の場合はハウスダスト対策もすることです。
アトピー性皮膚炎の悪化原因として、ダニ、ハウスダストなどの環境アレルゲンが関係していることがあります。乾燥肌にアレルゲン物質が刺激物として入り、かゆみが強くなるといわれています。
ダニ対策としては、布団に掃除機をかける、抗ダニシーツをしようする、ベッドにぬいぐるみを置かない等が挙げられます。ペットの毛の対策としては、ペットを洗う、寝室にペットをいれない等があげられます。
赤ちゃんの湿疹がひどく病院を受診したいと思った時、どこの科に受診すればよいかわからないこともあるでしょう。
赤ちゃんだから小児科を受診すればいいのか、皮膚の病気だから皮膚科を受診すればよいのか、どう判断すればよいのでしょうか。
どちらに行くか迷ったときの比較ポイントをご紹介します。
赤ちゃんから5歳までの時期は小児科に行きましょう。皮膚のトラブルもまず小児科に相談するようにしましょう。
皮膚科等の専門的な治療が必要な場合は紹介をしてくれるでしょう。紹介を受けた場合、また小児科を訪れた時に紹介された病院で処方された薬などを伝えるようにしましょう。それによって小児科のかかりつけ医も赤ちゃんの異常の有無や体質に合わせた治療ができます。
ただし、集団の定期健診で何らかの異常が指摘されて専門医の受診を勧められた場合はその指示に従ってください。
アトピーの治療法は大きく3つあります。保湿剤等によるスキンケア、抗原除去療法、薬物療法です。
1つ目は自分に合った保湿剤を使用することです。
2つ目は原因となりえる食物やハウスダストなどを除去することです。4ヶ月ではまだ離乳食は始まっていませんので、母乳栄養の場合は母親が原因となる食物を控えることが重要です。
3つ目はステロイド外用薬を使用することです。ここでの注意ポイントは改善してもすぐに中止せず、時間をかけて弱い効力のステロイド剤そして非ステロイド系消炎剤へシフトするようにしてください。医師の指示に従いましょう。
4ヶ月ごろの赤ちゃんの湿疹の種類やケア方法について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
湿疹を見分けて、適切なケアをすれば症状も軽快するでしょう。今回の記事を参考に4ヶ月頃の湿疹を理解して対策をしてあげてください。