【専門家監修】赤ちゃんの歯茎から出血した原因5つ|対処法とは?

赤ちゃんでも歯茎から出血することがある

赤ちゃんの歯茎から血が出ていたら、どうしたのかと驚いてしまう方が多いでしょう。歯が生える時期に赤ちゃんの歯茎から出血することは、実はそんなに珍しいことではありません。


赤ちゃんの歯が生え始めるのは、一般的には生後6か月から9か月ころです。生後6か月あたりから、病気や怪我でなくても赤ちゃんの歯茎から出血することがあると知っておくと、落ち着いて対処できるでしょう。

赤ちゃんの歯茎からの出血に気が付いたら

赤ちゃんの歯茎からの出血に気が付いたら、まずは落ち着いて赤ちゃんの様子を観察することが大切です。


歯は歯茎を突き破って生えてくるため、歯茎にむずがゆさを感じて赤ちゃんがぐずったり、少し熱が出たりする可能性もあります。出血以外にも、歯が生えることに伴う症状があることを知り、冷静に観察することを心掛けましょう。

赤ちゃんの歯茎から出血した時の原因と対処法5つ

赤ちゃんの歯茎から出血する原因は1つではありません。大切なのは、原因に合った方法で落ち着いて適切な対処をすることです。


ここからは、赤ちゃんの歯茎から出血したときの原因とその対処法を5つご紹介します。実際に出血する場面に遭遇した時の参考にして下さい。

赤ちゃんの歯茎から出血した時の原因1:歯が生えてきた

赤ちゃんの歯茎から出血する原因として真っ先に考えられるのは、歯が生え始めたということです。歯茎を突き破って歯が生えてくる、と考えれば、これは自然な現象といえるでしょう。


歯が生えてくる刺激で赤ちゃんがいつもより不機嫌になったり、むずがゆさを押さえるためにおもちゃなどの硬いものを好んでかむことがあります。赤ちゃんの周りに、口に入れると危ない物は置かないように気をつけましょう。

対処法

歯の生え始めに伴う出血に対しては、赤ちゃんの様子を焦らずに観察することが肝心です。成長につれて歯が生えてくるのは当然のことです。歯が生えきってしまえば、出血も自然に落ち着いてきます。


出血が長引いたり、強く痛がったりしないかにも注意を払い、赤ちゃんの様子を見守っていきましょう。

赤ちゃんの歯茎から出血した時の原因2:口の中が不衛生になっている

赤ちゃんの歯茎から出血する原因として、口の中が不衛生になっていることが考えられます。口の中が不衛生だと、歯茎が炎症を起こして出血しやすい状態となるでしょう。


歯茎が赤くはれ上がったり、痛みで赤ちゃんの機嫌が悪くなることがあります。炎症を起こした歯茎が感染することで、熱が上がってくる可能性もあるでしょう。

対処法

歯茎に炎症を起こさせないため、赤ちゃんの口の中は清潔に保つことが大切です。赤ちゃんの口腔ケアは、歯が生えている部分は赤ちゃん用歯ブラシで磨き、それ以外は湿らせたガーゼでやさしくふき取るとよいでしょう。


口腔ケアは、赤ちゃんの口の中を観察するチャンスです。赤ちゃんと上手にコミュニケーションをとりつつ、ケアを通して赤ちゃんの口の中をしっかり観察しましょう。

赤ちゃんの歯茎から出血した時の原因3:病気も考えられる

赤ちゃんの歯茎からの出血は、病気が原因の時もあります。ヘルペスウイルスの感染で引き起こされる歯肉炎や、何らかの内科的な病気が原因で歯茎の出血が引き起こされる場合があります。


ヘルペス感染による歯肉炎の場合、口の周りに水泡ができたり高熱が出たりします。痛みと熱で赤ちゃんが食べたがらなくなったり、機嫌が悪くなったりします。脱水になる危険もあるため注意しましょう。

対処法

病気が原因で歯茎から出血している場合は、病院に連れて行きましょう。

高熱が出てぐったりとしていたり、口の中をひどく痛がったり、食事がまったくとれなくなった場合など、歯茎の出血以外の症状にも着目することが大切です。


病気かどうかの判断は、素人には難しいものです。心配だと思ったら、医療機関に電話で相談したり、迷わず病院へ行きましょう。

赤ちゃんの歯茎から出血した時の原因4:口の中を怪我している

口の中を怪我することでも、赤ちゃんの歯茎からの出血を引き起こします。赤ちゃんが周りの物を口の中に入れたり、顔をぶつけたりした時などに、歯茎を傷つけて出血してしまうのです。


怪我が原因で出血する場合、歯茎だけではなく唇や口の周りの肌にも傷ができていたり、鼻も一緒にぶつけていたら鼻血が出たりする場合があるので、注意が必要でしょう。

対処法

赤ちゃんが出血しているのを見つけた時、まずは落ち着いて出血している部分を観察しましょう。


出血部位を清潔なガーゼなどで圧迫止血し、血が止まったことを確かめてから付着した血の汚れをふき取るようにします。


大きな傷からの出血でなければ、大体15分も圧迫していれば止血できるでしょう。出血がなかなか止まらない時や、怪我の程度が大きい場合など、状況によっては病院へ行くことが必要になるでしょう。

赤ちゃんの歯茎から出血した時の原因5:歯を損傷している

赤ちゃんがハイハイしていて何かに衝突したり、伝い歩きをしていて転んでしまった場合など、顔に強い衝撃を受けるケースがあります。外部からの衝撃によって歯が損傷した場合、そこから出血する可能性があるのです。


歯の損傷までいかなくても、ぶつけた衝撃で歯がぐらついて周りの歯茎から出血する場合もあるので、赤ちゃんの行動には十分に注意しましょう。

対処法

転んだ時など歯に強い衝撃を受けたと考えられる状況では、出血の程度と合わせて歯を損傷していないかも観察する必要があります。


歯が欠けたり抜けてしまった時は、病院で治療を受ける必要があるでしょう。歯の損傷の程度によって治療方法が異なるので、担当医とよく相談して下さい。治療に使える場合もあるので、受診時は欠けた歯の持参をお勧めします。

赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐコツ3つ

赤ちゃんの歯茎から出血を引き起こす原因は複数あり、すべてを事前に防ぐことは難しいことです。しかしなるべく出血させないように、しっかり予防することは必要です。


赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐには、「口腔ケアをする」・「甘いものを与えすぎない」・「メンテナンスをする」の3つのコツがあります。


ここからは、赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐ3つのコツについて詳しくご紹介しますので、参考にして下さい。

赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐコツ1:口腔内のケアを徹底する

赤ちゃんの歯茎からの出血を防ぐため、赤ちゃんの口腔内のケアを徹底して、口腔内を清潔に保つことを意識しましょう。


口腔ケアを始めるタイミングは、一般的に赤ちゃんの最初の歯が生え始める、生後6か月頃からです。口腔ケアの際は、湿らせたガーゼを指に巻いて使い、汚れをやさしくふき取ってあげましょう。


赤ちゃんが嫌がらないよう、赤ちゃんの機嫌がよいタイミングを見計らって行うことも大切です。

赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐコツ2:甘いものに気を付ける

赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐためには、甘いものを与えすぎないよう気を付けましょう。なぜなら、甘いものは虫歯の原因であるのと同時に、歯茎の炎症を引き起こす原因といわれているからです。


欲しがるままに甘いものを与えてすぎてしまうと、赤ちゃんの糖分に対する要求がエスカレートし、成長してからも過剰に甘いものを欲しがるようになる可能性もあるでしょう。甘いものは、適度な量を心掛ける必要があります。

赤ちゃんの歯茎の出血を防ぐコツ3:メンテナンスに行く

初めての赤ちゃんの場合、普段の口腔ケアが正しく出来ているか心配になることもあるでしょう。そんな時は歯医者さんで、赤ちゃんのお口の状態やケアの方法についてチェックしてもらうと安心です。


専門家のもとでメンテナンスを受けることによって、異常を早期発見できる確率が高まります。実際に問題が起きたときの対処法に加えて、予防の概念もしっかりと持ちましょう。

赤ちゃんの歯を磨くときの注意点

赤ちゃんに最初の歯が生えてきた時点で、ガーゼによる口腔ケアだけではなく、歯ブラシを使って磨く必要が出てきます。初めての赤ちゃんだと、方法が分からず戸惑うこともあるかもしれません。


赤ちゃんの歯磨きには専用のアイテムを使い、注意して磨く必要があります。ここからは、赤ちゃんの歯を磨く際の注意点についてご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

赤ちゃん専用の歯磨きアイテムを使う

赤ちゃんの歯は大人の歯よりも柔らかく、傷つきやすい状態だといわれています。赤ちゃんの歯を磨くためには、赤ちゃん専用のアイテムを使うとよいでしょう。


赤ちゃん専用歯ブラシは、ヘッドが小さく毛先が柔らかい素材でできているので、赤ちゃんにピッタリです。


歯磨き粉は、うがいができるようになってから使いましょう。その際、研磨剤の刺激で歯を傷つけてしまうため、研磨剤の入っていないものをお勧めします。

ごしごし磨かない

赤ちゃんの歯は柔らかく傷つきやすいため、歯磨きの際は細心の注意を払う必要があります。ごしごしと強い力で磨くと、きれいにするつもりが、逆に歯を傷つけてしまうこともあるでしょう。


歯磨き時は、赤ちゃんを膝にのせて頭が動かないようにしっかり支えます。赤ちゃんの口をやさしく開けて歯ブラシを歯に当て、ブラシを細かく動かして磨いていきましょう。歯茎や唇を傷つけないように磨くことも大切です。

赤ちゃんの歯茎から出血した時は適切な処置をしてあげよう

赤ちゃんの歯茎から出血した時、慌てずに落ち着いて対処することが求められます。出血の原因が、歯が生えてきたことによるものなのか、病気や怪我によるものなのかを見極めて、適切な処置をとることが肝心です。


出血への対処と合わせて、出血をさせないための予防を講じることで、赤ちゃんの歯茎の健康を守っていきましょう。