赤ちゃんが立つようになるのはいつごろ?練習方法や安全対策もあわせて紹介

「赤ちゃんが立つ時期はいつ頃?」
「つかまり立ちから歩くまでに、どのくらいかかる?」
あっという間に成長していく赤ちゃんですが、ハイハイからつかまり立ち、歩き始めるまでは個人差もあるので、疑問や不安もあるでしょう。


この記事では、赤ちゃんが立ち始め1人歩きするまでの成長の段階や、おおまかな時期の目安、練習方法や安全対策などをまとめました。


記事を読むことで、赤ちゃんが歩き出すまでのステップがわかり、赤ちゃんの1人歩きまでの成長の不安をいくらか解決できるでしょう。好奇心旺盛な赤ちゃんのため、家庭内でできる安全対策もわかり、安心して見守ることができます。


日々成長していく赤ちゃんがいつ立ってくれるのか、成長の瞬間を見逃したくないという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

赤ちゃんが立つようになるのはいつごろ?

厚生労働省の調査では、赤ちゃんは9~10か月未満で約90%がハイハイできるようになり、同じ時期に約80%がつかまり立ちを始めています。


いつ立ち上がるかは個人差がありますが、赤ちゃんがつかまり立ちに興味が出てきたようなら危険がないか注意し、そばで見守ってあげましょう。


出典:調査結果の概要 |厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf

赤ちゃんが立ち始める前兆は?

赤ちゃんがハイハイで積極的に動くようなってきたら、そろそろつかまり立ちの時期となるでしょう。


赤ちゃんのハイハイの仕方はさまざまで、お腹を床につけたずりばいや、お尻を床につけたまま前に進む子もいます。上半身を持ち上げ、腕を使って進むのを覚える段階です。


最初は上手く進めなかった赤ちゃんも、動き回るのに慣れてくると膝で体を支え始め、ハイハイのスピードが上がります。中には膝と肘を伸ばしたまま前進する高ばいをする子もいるでしょう。


腕と脚で体を支えることを覚えた赤ちゃんは、さらに全身のバランスを使い、つかまり立ちを始めます。

赤ちゃんが立つようになり歩き始めるまでの段階と時期の目安

赤ちゃんはつかまり立ちした後、いつ頃からつたい歩きを始めて、1人歩きができるようになるのでしょうか。赤ちゃんの成長や運動の発達には個人差がありますが、つかまり立ちから1人歩きを始めるまでにはある程度共通の段階があります。


ここからは、赤ちゃんが1人で歩けるようになるまでのステップと、おおまかな時期について解説していきましょう。

【生後9~10か月頃】つかまり立ち

生後9~10か月頃の赤ちゃんはつかまり立ちを始め、徐々に立ち上がる動作に慣れていきます。


つかまり立ちを始めたばかりの赤ちゃんは、1度立つと元のようにすわれず泣いてしまうケースも見られます。大人が膝を曲げてすわる様子を見せて、手助けしながらすわるコツを教えてあげましょう。

【1歳前後頃】つたい歩き

1歳児前後になると、本格的な歩行の前に、赤ちゃんは何かにつかまって移動するつたい歩きを始めます。


まだ慣れないうちは安定せずふらふらしていたり、尻もちをついたりしてしまうでしょう。最初は手で体を支えて、じりじりと足を滑らせながら移動する状態ですが、繰り返すうちに脚の力もつき、足を上げて動くようになっていきます。

【1歳~1歳半頃】1人歩き

1歳~1歳半頃になると、多くの赤ちゃんは何かにつかまらなくても何歩か歩けるようになっていきます。


この時期の赤ちゃんは、両足を大きく開き、両手を前に出してバランスを取りながら、歩くコツを習得していきます。歩くよりハイハイの方が好きな赤ちゃんや、すわって遊んでいる方が好きな赤ちゃんもいるため、積極的に歩かない子もいるでしょう。


早いと9か月頃に歩き出す子もいますが、赤ちゃんの成長は個人差があります。いつまでも歩かないのが気になる場合は、かかりつけの小児科などに相談してみましょう。

赤ちゃんが1人歩きを始める前兆

ハイハイやつたい歩きを繰り返しながら、赤ちゃんは徐々に1人で歩くための体の使い方を覚えていくといわれています。


歩き始める瞬間を目に焼き付けたい、記録したいという方も多いでしょう。ここからは、赤ちゃんが1人歩きを始める前兆やしぐさを解説します。いつ歩き出してもいいように、これらのサインを覚えておきましょう。

つたい歩きが上手になる

赤ちゃんのつたい歩きが上手になり、安定して移動できるようになると、1人歩きするのも近いといえるでしょう。


最初は何かにつかまって立つのがやっと、といった状態だった赤ちゃんは、つたい歩きをしながら足を鍛え、上手く動かすコツを覚えていきます。つかまっているものから手を離して立てるようになると、歩き出すのもそろそろです。

ステップを踏む

赤ちゃんが何かにつかまりながら、その場で足踏みをするようなステップをするのは、歩きたいという意欲のあらわれといわれています。


赤ちゃんにもやってみたい、やりたくないという気持ちがあるため、さかんに足を動かしているのは、自由に歩きたいという主張ともいえるでしょう。


足踏みを繰り返すことで、歩行の足運びの練習にもなります。赤ちゃんが楽しみながら歩行できるよう、楽しげに声をかけて誘ってみてください。

おしりを振る

肘と膝の関節を伸ばしてハイハイする、いわゆる高ばいの状態でおしりを振るしぐさも、そろそろ歩き出すサインといわれています。


赤ちゃんの身体能力は、頭に近い部分から徐々に発達していくため、足を複雑に動かす高ばいは足の発達をさらに高めるのに効果的といえるでしょう。


また、赤ちゃんが膝を伸ばしきっておしりを振るのは、立ち上がりたくて仕方がないという状況の可能性もあります。赤ちゃんを励ますように、笑顔で声をかけてみましょう。

赤ちゃんが立つようになったときの練習方法

赤ちゃんに立つための練習をさせた方がいいのか、と悩む方も多いのではないでしょうか。しかし、赤ちゃんは基本的には自然に立つことを学んでいくので、絶対に練習をしなければいけないということはありません。


嫌がる赤ちゃんに無理に練習を強要してしまうと、立つことが嫌いになったり、筋肉を痛めてしまったりして、逆に発達の遅れの原因にもなりかねません。赤ちゃんのやる気があるときに楽しく練習するのがおすすめです。

大人の体を使って立ち上がる練習をする

赤ちゃんが楽しめるよう、大人と一緒に遊びながら立ち上がる練習をするとよいでしょう。


簡単なのは赤ちゃんの脇の下や腰を手で支え、立たせてあげたり、支えたまま膝の上でジャンプさせたりして遊ぶ方法です。赤ちゃんの視線が変わることで、普段は見えないところに興味を持たせられます。


赤ちゃんに自分で立ち上がる意欲が出てくると、大人の体にしがみついて立とうとする場合もあるでしょう。赤ちゃんが転ばないようにサポートしてあげながら見守ってあげてください。

手押し車などのおもちゃを使って練習する

昔からの定番のおもちゃである、手押し車で遊んでもらうのもおすすめです。


上手く立ち上がれないうちは体重をかけて立とうとするため、重さのある木製タイプや、倒れにくいものがよいでしょう。赤ちゃんが自分で前に進める手押し車は、歩行の練習にもぴったりです。段差などで転ばないよう、大人の目の届く場所で遊ばせてあげましょう。


テーブルタイプのおもちゃなども、仕掛けを触りたい赤ちゃんが積極的に立ち上がって遊んでくれます。ねんね期から使えるおもちゃがぶら下がったベビージムも、しっかりしたものなら立ち上がるときの支えとして便利です。

大人と一緒にペンギン歩きをする

大人と一緒にペンギン歩きで遊べば、安全に歩く練習ができます。ペンギン歩きとは、赤ちゃんの脇を背中側から支え、両足をそれぞれ大人の足の甲にのせて一緒に歩く遊びです。


赤ちゃんが怖がらないように、最初はすり足で進み、慣れてきたら地面から足を少し浮かせて歩きます。膝を曲げると赤ちゃんの背中に当たるので、ペンギンのように体全体を傾けながら歩くのがポイントです。


実際に歩く動作を体感でき、遊びながら安全に練習できますが、慣れないと嫌がる赤ちゃんもいるでしょう。赤ちゃんの機嫌がよいときに、遊びの一環として取り入れるのがおすすめです。

少し離れた場所から声かけする

赤ちゃんの近くで一緒に遊んでやるだけでなく、少し離れた場所から声をかけるのも効果的です。


たとえば、赤ちゃんがテーブルにつかまって立てるようになったら、少し距離を取ってみます。おもちゃなどを見せながら声をかければ、赤ちゃんも興味を持ち、つたい歩きを始める可能性もあるでしょう。


離れた場所から声をかける場合、立つのが不安定なうちは手を伸ばして支えられる距離をとるか、周囲に危ないものがない状態にします。のびのびと動ける環境で刺激を与えてあげることで、赤ちゃんのやる気も引き出されるでしょう。

赤ちゃんが立つようになったときに保護者ができる安全対策

親にとって子供の成長はとてもうれしいことですが、気になるのは成長に合わせた安全面の配慮だと考える方もいるのではないでしょうか。つかまり立ちやつたい歩きを始めた赤ちゃんは、これまでより格段に行動範囲が広がりますし、さまざまなものに手が届くようになります。


どんなものでも興味を持って手を伸ばす赤ちゃんがいつでも安心して過ごせるように、事前の安全対策をしっかりすることで、心配する負担も軽減されるでしょう。

柵や扉用のストッパーを準備する

赤ちゃんが歩き回って危ない場所へ行ったり、危険なものを触ったりしないように、柵や扉用のストッパーをつけてあげましょう。


階段の上り口・下り口にベビーゲートなどの柵を設置し、転落したり、段差で転倒したりしないようにします。台所や浴室など、赤ちゃんにとって危険が多い場所にも入られないよう、扉にストッパーを取り付けましょう。

靴下を履かせない

寒い季節は赤ちゃんの足が冷たいと、ついつい靴下を履かせたくなってしまいますよね。しかし、立つ練習を始めた赤ちゃんには、なるべく靴下を履かせないようにしてあげましょう。


靴下を履くと、まだまだ足元が不安定な赤ちゃんは滑って転んでしまう危険があります。そのため、寒い季節でも空調や暖房器具で室温を調節し、はだしで練習させてあげるのがおすすめです。

危険な家具を片付ける

赤ちゃんは常に好奇心旺盛、ほんの少し目を離したすきに思ってもいなかったところでけがをしてしまう可能性があります。とがった部分のある家具や、引っ張ると倒れるような家具は赤ちゃんの行動範囲におかないようにしましょう。


大人では考えられないような家具も、赤ちゃんにとっては危険がいっぱいです。赤ちゃんが安心して歩きだせる空間に、お部屋自体を変えてしまうのが安心です。

家具にコーナークッションをつける

家の中には角のある家具がたくさんあり、歩行が不安定で転びやすい赤ちゃんには多くの危険があります。赤ちゃんがつかまりやすい、転んでぶつかりそうな高さにある家具には、コーナークッションをつけてあげるのもおすすめです。


赤ちゃんは扉や窓の開閉部分をつかんで歩き回ることもあるため、手や指を挟む危険もあります。ちょうつがいの付いた側面を覆うカバーをつけ、扉が急に閉まらないようストッパーをつけるのもよいでしょう。

赤ちゃんから目を離さない

赤ちゃんは目に入るいろんなものに興味を持つため、危険な行動を取ったり、危ないものを口に入れたりします。安全対策をしっかり取っていたとしても、基本的には大人から見える位置で過ごしてもらいましょう。


家事の合間は、赤ちゃんからひとときも目を離さないのは難しいため、ベビーサークルやゲートを利用し、大人から見える安全な場所で遊ばせてあげるのがおすすめです。

赤ちゃんが立つようになる時期が目安と違うときはどうすればいい?

赤ちゃんの成長はとても早く、生後間もなくは寝返りさえできない状態から、たった1年程で歩けるようになります。定期健診などもあるため、赤ちゃんの成長段階が平均とずれると、今後の成長に影響が出ないか心配になる方も多いでしょう。


ここからは、赤ちゃんの立つようになる時期が目安と違うとき、何か対策を取るべきなのかを解説していきます。

つかまり立ちを始める時期が遅い場合

厚生労働省の調査では、生後11~12か月未満の赤ちゃんの約90%は、つかまり立ちができるようになるとされています。しかし、つかまり立ちが遅くても、その後の発達には問題がないケースがほとんどのため、ほかに気になる点がなければ、しばらく様子を見てみてください。


うつ伏せを嫌がり、お尻を床について移動する赤ちゃんの場合、つかまり立ちや1人歩きが平均より遅くなる傾向があります。赤ちゃんの成長には個人差があり、興味の対象もそれぞれ異なるため、つかまり立ちへの興味が薄い場合もあるでしょう。


1歳半を過ぎてもつかまり立ちをしないほか、全体的な発達が遅れていたり、気になる点があったりする場合は、小児科や自治体の子育て相談を受けてみましょう。


出典:調査結果の概要|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf

つかまり立ちを始める時期が早い場合

赤ちゃんのつかまり立ちや1人歩きが平均より早いと、逆に不安になったり、周囲から心配されてしまったりするケースもあります。


赤ちゃんのチャレンジ精神が旺盛な場合、まだ不安定でも積極的に立ち上がろうとする子もいるでしょう。自分1人でつかまり立ちができるのなら発達に問題はなく、骨などの成長に異常が出るという、科学的な根拠もないとされています。


運動の発達には赤ちゃんの性格も関係するといわれています。行動的な赤ちゃんの場合は、のびのびと動けるように、危険なものを取り除き、安心できるスペースで遊ばせてあげてください。

おすわりができないのにつかまり立ちを始めても大丈夫?

赤ちゃんの発達段階において、おすわりはつかまり立ちより先にできるようになるといわれています。


つかまり立ちができているのなら、きちんと成長しているといえるため、心配する必要はないでしょう。この場合、おすわりができないのではなく、苦手なのでやりたくないという可能性もあります。


じっとすわっているのが嫌で、常に立ち上がったり、ハイハイで動き回ったりというタイプの赤ちゃんも少なくありません。ベビーチェアで過ごすことが多く、体重を後ろに預けてしまう癖がつき、1人ですわるのが苦手になってしまったケースもあります。


コツをつかめば短期間でおすわりが上達する子もいますが、全体的な発達が遅れているなど気になる点がある場合は、小児科や保健センターなどで相談してみましょう。

赤ちゃんが立つようになったときの留意点

立つようになると視点も変わるため、赤ちゃんの世界は大きく広がります。何にでも興味を持ち、積極的に動き回る子もいれば、新しいものに恐怖心を抱いて、慎重に行動する子もいるでしょう。


さまざまな個性を持つ赤ちゃんですが、立ち始めたときには基本的にどのような点に注意して見守るべきか、詳しく解説していきます。

行動範囲が広がることに起因する事故に注意する

赤ちゃんは立つことによって行動範囲が広がるため、転倒の危険や誤飲、家の中での事故の可能性も上がります。


赤ちゃんは頭が重く歩行も不安定なため、転んだだけで頭を強くぶつけてしまう可能性もあるでしょう。また、浴槽をのぞき込んで中に落ちたり、階段から転倒したりと、家の中には赤ちゃんにとって多くの危険が潜んでいます。


赤ちゃんの手が届く棚や引き出しにも注意が必要です。誤飲しそうなものや刃物などの危険物を入れないようするか、ストッパーで開かないように工夫する必要があります。赤ちゃんの目線になって家の中を見回し、事前に柵の設置などの安全対策を取っておきましょう。

焦らず見守りながら練習させる

赤ちゃんのペースに合わせて成長を見守り、のびのび練習させましょう。


赤ちゃんの成長には個人差があるため、寝ていることが多い、ハイハイしない、おすわりが苦手といったさまざまな個性も出てきます。また、性格によっても積極的に動く子や、怖がって歩きたがらない子もいるでしょう。


いつまでも1人歩きしないからといって無理に歩かせるのは、怖がっている赤ちゃんには逆効果です。赤ちゃんに声をかけてあげたり、外に連れ出してあげたりして、興味が広がるようサポートしてあげましょう。

赤ちゃんが立つようになるのはいつごろか把握しておこう

赤ちゃんの成長は楽しみが多い反面、ほかの子と成長を比べてしまい不安になることも多いでしょう。


赤ちゃんが立つのは9~11か月の頃が多いといわれますが、成長には個人差があるため、平均値と比べて焦る必要はありません。


ぜひこの記事を参考に、赤ちゃんのつかまり立ちや1人歩きなど、できることが増えていくのを温かく見守っていきましょう。