赤ちゃんが歯磨きを嫌がることはよくあるのですが、それは歯磨き自体が嫌というよりも、歯磨きを嫌なこととしてとらえているために起こることです。
歯磨きしようとしても、赤ちゃんが嫌がってまったく口を開けてくれない、そんな経験はないでしょうか。実は、そんな歯磨きを嫌がる赤ちゃんは意外に多いのです。そこで、今回は赤ちゃんの歯磨きをどうすればよいのか、なぜ嫌がるのか、歯磨き嫌いを治すポイントを紹介します。
赤ちゃんの歯磨きを始めるのは、一般的に前歯が生えそろう生後8ヶ月から1年くらいが目安となっています。しかし歯の生え方には赤ちゃんそれぞれに違うため、前歯が生えそろってきたなと感じた頃に始めるとよいでしょう。
ただ、いきなり口を触るようになっては赤ちゃんが嫌がってしまいます。実際に歯磨きをする前から、赤ちゃんが歯磨きを嫌がることのないよう準備をしておく必要があります。
生後8ヶ月から1年になっていきなり歯磨きを始めると嫌がる可能性が高いので、歯が生え始めた頃から授乳後や離乳食後に湯冷ましを飲ませたり、ガーゼで軽く歯を拭くようにして慣らしていきましょう。
まずは、赤ちゃんが口の中を触られることに慣れさせていく必要があります。赤ちゃんの機嫌がよいタイミングで、1日1回、ガーゼで生え始めた歯や歯茎を拭うことから始めてみましょう。
歯磨きを嫌がる赤ちゃんは珍しくないのですが、歯が生えていない頃から口を触るようにしていれば、最初から歯磨きを嫌がる可能性は低くなります。
それでも赤ちゃんが歯磨きを嫌がるとしたら、そこには明確な理由があるのでしょう。ここでは、赤ちゃんが歯磨きを嫌がる代表的な理由、3つについて紹介します。赤ちゃんが歯磨きを嫌がって困っている方は、これらに心当たりはないか思い出してみてください。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がる理由として、食べ物でない歯ブラシが口の中に入ってそこかしこに当たるのが嫌、というケースがあります。
しっかり磨こうと大きな歯ブラシを買ってしまったような時は、通常よりも歯ブラシが口の中に当たりやすくなってそれが嫌だ、となってしまう場合があります。歯磨きに慣れていないうちは歯ブラシを異物と認識しやすく、嫌がる原因になってしまいます。
2つ目の理由は、しっかり歯を磨こうとする親の姿勢が仇となってしまい、力を入れ過ぎて赤ちゃんに痛い思いをさせているというケースです。
誰だって痛いのは嫌ですし、それは赤ちゃんも変わりません。歯を綺麗に磨かなくては、という意思のもと、親がついつい自覚せずに力を入れ過ぎてしまい、赤ちゃんに痛い思いをさせている可能性はないでしょうか。歯磨きに力を入れる必要はありません。
歯磨きをする時は口を開けないといけませんが、赤ちゃんは長い間口を開けることに慣れていないので、口を開けていることが嫌で歯磨きを嫌がるケースもあります。
大人と同じように、赤ちゃんの歯も一度に磨いてしまおうとしてはいないでしょうか。赤ちゃんはまだ、歯磨きに慣れてはいません。口を開けていると疲れてしまうので、少しずつ磨いて慣れさせていく必要があるでしょう。
一度歯磨きを嫌がるようになった赤ちゃんでも、歯磨きを好きになるポイントをしっかり押さえて磨けば、好きになってもらうことも不可能ではありません。
歯磨きを嫌がる赤ちゃんに歯磨きを好きになってもらうにはどうしたらよいのか、5つのポイントを紹介しますので見ていきましょう。
赤ちゃんの歯磨き嫌いを治すために、歯磨きをするのは赤ちゃんがリラックスして機嫌がよい時を見計らいましょう。
よく寝る前に歯磨きをしますが、寝る前だと赤ちゃんが眠くてぐずってしまい、泣いてしまうことがあります。赤ちゃんが歯磨きされることを嫌がる可能性が高いため、寝る前にこだわらず、赤ちゃんがリラックスしたタイミングで1日1回しっかり磨くようにしましょう。
赤ちゃんが歯磨きの時間を嫌にならないように、歯磨きをしている最中や終わった後にしっかり褒めるようにしましょう。
赤ちゃんだって、褒められたら喜びます。声や顔だけでも、親が怒っているか笑っているかは分かるものなのです。赤ちゃんが歯磨きしたら褒めてもらえる、と思ってくれれば嫌がることは少なくなるはずなので、歯磨き中と終わった後にしっかり褒めましょう。
もしも歯磨きしようとして赤ちゃんが嫌がったり、歯磨き中に嫌がるようなそぶりを見せたりした場合は、すぐにやめるようにしましょう。
それではしっかり磨けないのでは、と思うかもしれませんが、赤ちゃんに歯磨きを楽しいものだと覚えてもらうことが最優先です。まったく磨けていないようなら、時間を置いて赤ちゃんの機嫌が良い時に再チャレンジしてみましょう。
赤ちゃんは歯磨きという行為に慣れていないので、一度にしっかり磨くのではなく、短時間でささっと笑顔で磨いて終わらせることをおすすめします。
歯が増えてくると歯磨きの時間も増えてきてしまいますが、一度に磨こうとすると口を開けている時間が長くなり、赤ちゃんが嫌がる可能性があります。笑顔で1本の歯を数回磨いたら休み、褒めてあげたり遊ばせたりしてまた磨く、と磨く時間は短時間を心掛けましょう。
赤ちゃんの歯磨き回数は朝・昼・晩の1日3回ですが、きちんと磨くのは1日1回で構いません。
朝・昼・晩のうちもっとも赤ちゃんの機嫌が良い時間帯にしっかり磨くようにして、残りの回数は歯磨きの習慣をつけるため、歯磨きに慣れてもらうためのトレーニングと位置づけましょう。歯磨きの時間をなるべく毎日同じ時間帯にすることも、歯磨きの習慣を作ることに役立ちます。
赤ちゃんが歯磨きの時間を嫌がるようにならないよう、歯磨きの時専用のおもちゃや歯ブラシのおもちゃで遊んだり、歯磨きをしたらシールを貼ったりする楽しみ要素を付け加えるとよいでしょう。
赤ちゃん用の歯ブラシをおもちゃとして渡せば、自分で舐めたり口に入れたりして歯ブラシに慣れさせられます。歯磨きをしたら好きなシールを貼ってもよいというように、ご褒美を用意してみましょう。
歯磨きに慣れていないうちは赤ちゃんが嫌がるのも仕方ないと考えて、あまり神経質にならないように気楽に、気長に歯磨きさせていくようにしましょう。
もしあまりにも歯磨きを嫌がる赤ちゃんなら、食事の後に湯冷ましを飲ませたり、ガーゼや専用のウェットティッシュで歯を拭うだけでも構いません。まずは赤ちゃんに歯磨きに慣れてもらうことを最優先として、きちんと磨けていないことに神経質になりすぎないようにしましょう。
赤ちゃん用の歯ブラシは、赤ちゃんが歯磨きを嫌いにならないように適切なものを選ぶ必要があります。ここで紹介する赤ちゃん用の歯ブラシの選び方をチェックして、赤ちゃんに合った歯ブラシを選んでみましょう。
大切なことは、なるべく柔らかい歯ブラシを選ぶこと、きちんと赤ちゃんの月例に合った歯ブラシを選ぶこと、そして仕上げ用歯ブラシやストッパー付きのハブラシを用意することです。
赤ちゃん用の歯ブラシとして、赤ちゃんが痛いと思わないように毛先が柔らかいもの、かつ口の中であまり当たらないようヘッドが小さく磨きやすい歯ブラシを選んでみましょう。
歯磨きで力を入れていなくても、硬い毛先の歯ブラシでは赤ちゃんが痛いと感じてしまう可能性があるので、毛先の柔らかい歯ブラシを選びます。またヘッドが小さければ口の中であまり当たらない他、小回りがきいて磨きやすい歯ブラシとなります。
赤ちゃん用の歯ブラシは赤ちゃんの月例によって形状やサイズが違うため、月齢をしっかりチェックして購入するようにしましょう。
月齢よりも小さい歯ブラシでも大きい歯ブラシでも、歯を磨きにくくなります。赤ちゃんは月齢によって体の大きさや自分でできることにかなり違いがありますので、きちんと月齢に合った歯ブラシを選ぶ方がよいのです。
赤ちゃんが自分で歯磨きをするようになったら、仕上げ用の歯ブラシや喉を突かないようにストッパーが付いた歯ブラシを用意するようにしましょう。
自分で歯を磨くようになっても、歯ブラシで喉をついてしまうことがあります。それを防ぐのが、ストッパーとして取っ手がついたタイプの歯ブラシです。
また自分で歯磨きをするようになってもすぐに十分に磨けている訳ではないため、仕上げ磨きができる歯ブラシを用意しましょう。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がるという方は、歯磨きすることにこだわってはいないでしょうか。歯磨きに慣れていない赤ちゃんの頃は、しっかり磨くことよりも、赤ちゃんに歯磨きを楽しいものだと思ってもらうこと、慣れてもらうことを目的にした方が良いのです。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がらずスムーズにできるようになるよう、歯磨きは楽しいもの、毎日するものだという習慣を作っていきましょう。